コメディ・ライト小説(新)
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- 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】
- 日時: 2018/12/16 14:08
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
────たった一つだけ、頑丈で分厚い壁際にそれぞれ私達は立っている。──
ちょっと切なくて、歪んだ恋愛の話。────
**
こんにちは、こんばんは……てるてる522と申します。
新作です←
のんびり更新です←
【注意事項】
①「荒らし」……無視します。
②「なりすまし」……無視 or 度合いによっては管理人さんの方への報告です。
③「更新ペース」……不定期です。ナメクジです。
④「内容」……ペラペラです。けして実話ではないので「こんなのありえない」みたいな展開もあるかと思います。
⑤「コメント」……返信します。コメント下さった方の小説にも時間見つけてお邪魔します。
【小説情報】
Start…2017.11.28
【小説内容】
>>1
【訪問者様】
~Thank you always~
・ラビ2様
・麗楓様
・睦月様
・モズ様
・いろはうた様
・四季様
・美奈様
・ちくない様
・Garnet様
【作者情報】
受験生の中3女子٩( ᐛ )( ᐖ )۶
元バレーボール部所属٩( ᐛ )( ᐖ )۶
カキコ歴4年٩( ᐛ )( ᐖ )۶
- Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.16 )
- 日時: 2017/12/29 00:46
- 名前: 四季 ◆7ago4vfbe2 (ID: lBubOowT)
こんばんは。お久しぶりです!
作品読ませていただきました。今作はほのぼのや青春だけではない雰囲気で、これまた魅力的ですね。このような感じも好きです♪
朝香巴という名前、凄くかっこいいですね! それに彼女の未知数な感じ、素敵だと思います。
これからの展開を楽しみにしています。執筆頑張って下さい!
- Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.17 )
- 日時: 2017/12/30 14:04
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
~四季さん~
ご無沙汰ですm(*_ _)m
来て下さりありがとうございます!
ちょっと今回は雰囲気を変えて(今回こそ何としてでもひと味違うなと感じてもらうべく笑)やっていくつもりです( ¨̮ )♡*。゚
朝香という苗字に合う名前ってなんだろうと考えた結果、巴になりました笑
「さくら」とか「つばき」「いちか」……みたいな、個人的に古風な感じかなと思う名前にしようと色々な名前を考えました( ºΔº ;)
期待に添えられるように、頑張っていきたいと思います¨̮⑅*
また四季さんの作品にもお邪魔します~❀.(*´▽`*)❀.
byてるてる522
- Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.18 )
- 日時: 2018/01/05 23:13
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
結城side
「……こんばんは」
情けない返し。傍から見た人が、まさか「教師」と「生徒」だとは思わないだろう。
女子にしてはそこそこ背の高い朝香。……こんな暗い中だったら同い年くらいに見えるか……?
昼までさえ、あまり人が通らないここだ。こんな時間に限って、誰かが通るなんてことがないだろう。
「どうしてここに?」
顔がはっきりと見えないが、言葉に込められた気持ちがそのまま伝わってくる。
──こんなところにいるんじゃねーよ、辺りだろうか。
「何でもなにも、俺ここ住んでるから」
さも当たり前のように俺は言い放った。
──住んでると言われちゃあ、朝香も言い返せないだろう。
「……そ、そうなんですね」
あれ、動揺してる?……凛とした表情以外に朝香の顔は見たことがないから、はっきり顔が見えないこんな中では当然頭の中で勝手に凛とした顔に脳内変換されている。
……もしそれ以外の表情を浮かべているのなら、今すぐ見てみたいくらいだ。
「朝香は? こんな時間に1人で何やってるんだ」
「……ちょっとそこのコンビニまで。 私もここ住んでるんで」
──え、同じこのアパートに?
一人暮らしをしているとは聞いた。
しかしこんな偶然あるのだろうか……。アパートの平均年齢は高く、高齢化が進んでいるなぁと感じていた矢先、朝香が越してくるとは……。
「それじゃあ、先生さよなら」
颯爽と暗闇の中、躊躇なくボロアパートまで向かう朝香の後ろ姿を見送った。
結局最後は何だか言い負かされた気分だ。
新しい環境になったのは、学校だけじゃなくてこのアパートまでとは。
──この頃から少しずつ朝香は俺に何かと絡む存在になっていた。
教師と生徒という関係だけじゃなく、同じアパートに住む者(どうやら俺の下に住んでいたらしい。ポストを確認してみたら俺の1つ下の部屋のところに「朝香」と書かれていた)同士。
……なんと、お節介な大家の影響で週に1回程度だが俺と朝香と大家夫婦とで食事を共にすることにまでなってしまった。
展開が早くて、ついていけてないかもしれないが……1番ついていけてないのは他でもないこの俺だと思う。
- Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.19 )
- 日時: 2018/01/09 18:08
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
巴side
入った高校の担任と、まさか同じアパートで。
しかも夕飯を共にする仲にまで進展するとは、誰が考えただろう。
「巴ちゃんも、駿さんも若いんだからいっぱい食べて」
優しいけれど、ちょっとだけ世話焼きな大家さんのせいでもある。 けれど実際、1人で食べるご飯よりも何倍も豪華だし、たとえ誰だろうと……誰かと一緒に食べるご飯は何倍も美味しく感じてしまうのだ。
「……い、いただきます」
駿さん──いや、結城先生は戸惑いつつもそう言って自分の皿に野菜炒めや湯豆腐を取り分ける。
どうしても見ていて我慢、はできないのだ。
「いただきます」
私もそう言って、皿におかずをちょっとずつ入れた。
大家さんは嬉しそうに私達の様子を見ていた。
こうして、一緒にご飯を食べる中で私は少しだけ結城先生の「先生の姿」と「それ以外の姿」を知った。
先生は生徒の前では「僕」という。けれどそれ以外では「俺」という。
若しかしたら本人は気づいていないのかもしれない。──だって一応は生徒である私には「俺」となんの躊躇いもなくいうから。
それからちょっとしかお酒を飲めないくせに、いっぱい飲んでいつもすぐに寝てしまう。
タバコも吸う。
私が先生に抱いた、先生像とはかけ離れていた。
──「か弱そうな国語教師。面倒ごとは嫌い。押しつけそう」
案外先生というのは、私が安易に抱く想像からは大きくズレているのだろうか。
「あー、駿さんったらまた寝ちゃったわねぇ。 ちょっと毛布持ってくるから待っててちょうだい」
大家さんはスクっと立ち上がって、スタスタと奥に行った。
もしかしたら私の失礼な思い込みかもしれないが、大家さんくらいの歳になると座るのにも一苦労。立ち上がるのにも一苦労。そんでもって、膝の痛みに悩んでいるものかと思っていた。
「ん……」
私のいる方とは逆を向いて横になっていた先生は、寝返りを打った。
普段よりも少しだけ鼻息が荒いけれど、それは寝ているから……──。
パチっと先生の目が開いた。
──起きてたの?
「なんだ、起きてたんですか」
私がそう言ってそっぽを向いていると、先生は何も言わなかった。
今はっきりと目が合ったというのに、尚も寝ているという嘘をつき通すというのか。
「巴……」
呼ばれた。
先生の声だった。
「先生?」
私は急いで先生の方を見るけれど、目を閉じていた。
たぬき寝入りに騙されるのは、もう勘弁だと少し肩の辺りを揺らして見たが全く起きない。
──本当に、 寝ちゃった……のかな。
- Re: 「死神」少女 【コメント募集中٩( ᐛ )( ᐖ )۶】 ( No.20 )
- 日時: 2018/01/14 22:27
- 名前: てるてる522 ◆9dE6w2yW3o (ID: VNP3BWQA)
- 参照: http://From iPad@
結城side
「ん、あれ寝ちゃってたんだ……」
横になっていた体を自力で起こすと、背中が少しだけ痛んだ。
硬い畳はダメだ。……そう分かっているのに寝てしまう俺はもっとダメだ。
「あらあら、駿さんが起きたと思ったら今度は巴ちゃんが寝ちゃったのねぇ」
大家さんが笑いながら、そう俺の元へやってきた。
「もう時間も遅いし、言うほどの距離ではないけれど巴ちゃん起こして家まで送ってあげてちょうだい?」
「男の俺に、女の子を頼んじゃって平気ですかね?」
「教師でしょ、駿さん。 度胸ないでしょうから、安心して頼めます~」
……よく分かっていらっしゃる。
俺に大家さんはそう冗談を言いながらも、朝香の背中を揺さぶって起こしていた。
「あれ、私寝ちゃってたんですね」
「そうよー。 もう遅いから、駿さんと一緒に帰りなさい~」
「ついつい、居心地がよくて……」
*
「家に帰ったら、お風呂で体温めてちゃんと布団入って寝るのよ~」
大家さんは世話焼きだ。
玄関まで、と俺と朝香を見送る時にもそう言ってきた。
「はい。 お邪魔しました」
ぺこりと頭を下げて、朝香は外へ出る。 それに続いて俺も外へ出た。
すっかり夜で、大家さんの部屋から移動する廊下にある照明が、切れかかっているのか点滅していて不気味だ。
「先生は、学校と学校以外の場所ではだいぶ人が違うんですね」
驚いて朝香の方を見るが、目を合わせようとする気がないのかそっぽを向かれている。
「まぁそうかもしれないな。 でも朝香だって、学校ではあんなに殺気オーラ漂わせてるくせに学校以外じゃ別に普通だった」
「殺気オーラって……。 先生ひどいですね」
「すまん」
朝香はそれ以上何も言わず、沈黙が流れた。
「……巴って名前の人私以外に知り合いでいるんですか?」
今度は俺の方を見て。 朝香は聞いてきた。
「いや、多分いない……と思う」
巴っていう名前、朝香は女だが男でも名前でいたらそこまで違和感がない。
残念ながら女友達の少ない俺は、巴っていう名前の女友達がいたら一発で分かる。
けれど、いない。
ということは人並みの男友達の中に……?と思ったのだが、国語教師をしているせいか人名は一度覚えたらあまり忘れない。
「そ、そうですか」
朝香はまたそっぽを向いてしまった。
──若干、動揺が声に出ている。
今どんな表情をしているんだろうか。
「じゃあ私はここなので。 結局ドアの前まで送ってもらっちゃって……」
「大家さんに頼まれちゃ、断れないからな。 じゃあまた明日」
「おやすみなさい」
──朝香と俺は、生徒と教師。 けれどご近所同士。
何となくお互いの生活習慣も分かってきたし、朝香の殺気オーラも前よりは和らいだ。
学校で目が合うと、朝香はほんの少しだけ微かに口角を上げてくれるようになった。
いつからだろう、生徒と教師という関係が崩れはじめたのは。