コメディ・ライト小説(新)

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妄想ワールドカップ
日時: 2019/01/02 18:07
名前: もなもな (ID: lh1rIb.b)

けっこうふざけた話だったりします
誤字脱字多いかもしれませんがスルーでお願いします
電車乗ってたらふと思い付いたぐらいのお話です
あえてジャンルをいうならファンタジーだと思います
妖怪(?)など、その他もろもろ出てきます
自己満足です

Re: 妄想ワールドカップ ( No.4 )
日時: 2018/07/13 20:27
名前: もなもな (ID: KRYGERxe)

 ****
 「おまっ!マジ!?そんな趣味あったのかよ!」
昼休み、教室にはたくの笑い声が響く。その瞬間、クラスメイト全員の目がこちらに一転集中する。
「ちょ、沢静かに!みんな見てるって……」
「だってお前その弁当、肉球ナフキンからの弁当箱は猫って!しかもその猫すげーシュールだし!」
 目の前で笑い転げているこの短髪の男は、友人の笹本ささもとたく。クラスの先頭に立っていそうなやつだが、こいつもれっきとしたオタク。クラスの先頭など、走ったためしもない。
 俺は変に目玉がギョロギョロとし、何故か口が大きく広がっている猫の絵の弁当箱を眺めた。
 母さん………ナフキンだけでなく、こんなものまで用意していたのか……………
 沢はこの弁当箱のデザインがツボに入ったのか、ずっと笑い転げていた。
 「…………弁当食べよう」
こんなやつはもうどうしようもない。自分だけで食べるとしよう。
 俺は弁当箱の蓋を開けた。そして絶望した。
 そこには素晴らしい完成度の猫のキャラ弁が………
 こっそり背後から弁当を覗いた沢は、すでに呼吸困難に陥っていたが、そんなの知るものか。

Re: 妄想ワールドカップ ( No.5 )
日時: 2018/07/19 18:30
名前: もなもな (ID: 6Z5x02.Q)

 「と、ところで……修…」
「なに?」
行儀悪いが、口におにぎりをいれたまましゃべった。一応口は手で隠している。
「お前あの噂知ってる?初代校長の銅像のやつの」
「は?なにそれ」
さっきの今でちんぷんかんぷんな質問だ。
 この緑守高校ろくもりこうこうの中庭には、初代校長先生の銅像がたっている。
 ところがこの銅像、とにかく気持ち悪いポーズをしている。普通学校にある銅像は、どこか遠くを指差していたり、偉人感溢れるかっこいいポーズをとっているのだが、なぜだか初代校長の銅像は手でハートをつくり、重心を左足にかけてウィンクしている。
 これは、当時人気だったアイドル、めぐみの決めポーズだったらしい。
 初代校長がそのアイドルの大ファンで、銅像を作るときに「どうせなら次の世代にもメグちゃんの素晴らしさを伝えたい!このポーズで頼む!」というとんでもないことを言い出したそうだ。
 ここからはなにがあったのかわからないが、なぜだかそのポーズで銅像は作成された。いったいなに考えてんだか。
 そんな気持ち悪い銅像がなんなのだろう。今まで見ても「美女がポーズとってる銅像なら良かったのに…」ぐらいしか考えてしなかったが、噂ってなんの噂だろう?
 「どんな噂なの?」
俺は一旦箸を置き、沢に向き直った。
 沢はニヤニヤと笑いながら話を始めた。
「あの銅像の土台を蹴って猛ダッシュで逃げたら、初代校長が怒って追いかけてくるんだってよ」
「いやショボ!」

Re: 妄想ワールドカップ ( No.6 )
日時: 2018/07/29 19:58
名前: もなもな (ID: qRt8qnz/)

まるで小学生の悪ふざけのような話に、思わず声が漏れた。
「そんなこと言うなって~、ここからが面白いんだぞ?」
相変わらず、沢はニヤニヤしている。
「どんななの?」
再び箸をとり、卵焼きをつまみながら言った。
「その校長の銅像を蹴って逃げてから、追いかけてきた校長に捕まると、変な呪いかけられるんだって」
「いや結局小学生に戻ってきたじゃねえか!」
期待して損したとは、この事だろう。
「でも、俺気になるんだよねー、その噂」
「あ~はいはい。精神年齢が小学生だと小学生並みの噂にも興味出ますもんねぇ~」
「なにそれ酷くない!?」
どうせこのあと、沢は言うんだろうな。
「だから一緒にけr「行かないから!」
変に強調させて言った。
 はい予想通り。はい言うと思った。
 「さっすが修!俺の言いたいことがわかるんだ!じゃ、さっそく行こう!」
「いや俺の言ったこと聞いてた!?」
ダメだこりゃ。完全に行く気になっている。何とかして回避しなければ。
「まあまあ、どうせただの噂だし、なんもないのはわかってるけどねー!」
「いや、だったら俺を巻き込むな!1人で行ってこい!」
 すると、途端、沢のずっとニヤニヤしていた顔が更にニタァ……と気持ち悪い笑みを広げた。
 や、やばい!これはヤバイやつだ!きっと今にも俺の心を折るような恐ろしい言葉を投げ掛けて来るだろう。
 沢の方から生暖かい風がふいてきた気がした。
 「えぇ~、修、そんなに拒否して、もしかして---」
来るか!?

「怖いの?」

んなわけねえだろアホ!
 「実はすごい怖いから小学生扱いして行こうとしてないとか?ありえるよなー!」
だから違うって!
「怖くなかったら行けるよな?修?」
 ああ、ダメだ。今回は俺の負けだ。まあ、今回だけでなく前回も前々回負けてきたがな……
 「おう、行ってやろうじゃねえか」

Re: 妄想ワールドカップ ( No.7 )
日時: 2018/08/05 01:56
名前: もなもな (ID: KDFj2HVO)

 ****
 沢にまんまと言いくるめられ、やって来てしまったよ、夜の学校。
 正直、こんな青春漫画に出てくるような行為、俺の人生では一度もないと思っていた。
 しかしだ。今実際に、俺は夜の学校、それも中庭の銅像の前に立っている。
 緑守高校ろくもりこうこうには、警備員のおじさんがいる。周りの高校は皆機械による警備になってきているというのに、うちの高校だけはいまだに夜間警備も警備員のおじさんに頼んでいる。
 学校に来たとき、おじさんには「明日までの課題を学校に忘れたので取りに行きたい」と伝え、門を開けてもらった。
 そうしてこの中庭までやって来たのだ。
 「修、もしかして怖がってる?」
沢がニタニタと笑いながら言った。
「んなわけねえだろ」
 ぶっちゃけ言ってしまうと、こんな謎すぎる検証、どうだっていい。小学生でも高学年だと呆れられるかもしれない。それをまあ、よくも16歳の高校生がやるものだ。
 「さっさとやってさっさと帰ろうぜ」
スタスタと銅像に近づいた。
「おっ!お前が先にやるの?」
「どっちでも変わらないだろ」
 こんなくだらないことをしても、何かが起こるわけがない。
 俺は右足を高く上げ、土台に振り下ろした。
「まさかのかかと落とし炸裂!」
背後からは沢の声が聞こえた。
「ほら、蹴ったぞ。次は沢の番な」
「よっし、やるぞー」
銅像の土台を蹴るだけだというのに、沢は気合いを入れるように腕捲りをした。
 「とうっ!」
ふざけた声と共に、沢は足の甲で土台を蹴った。
 しかし、何も起こらない。まあ、当たり前といえば当たり前か。
 「ほら、何も起こらない。よし、帰るぞ~」
すぐにクルリと後ろを向いて歩きだした。沢も「ちぇ~」なんて言いながら、こちらに向かって歩きだした。
 と、その時だった。
 ……………………………ズズッ………
「「え…………?」」
二人そろって声が出た。
 背後からは、重い石が擦れあう音が聞こえた。
 「………………た、……く…」
不安になり、すぐ隣にいる友人の顔を見ると、それは恐怖に怯える顔になっていた。
 「……嘘………だろ……?」
そんなことをしている間に、その石の音はどんどん近づいて来ていた。
 

Re: 妄想ワールドカップ ( No.8 )
日時: 2018/09/17 11:13
名前: もなもな (ID: 4V2YWQBF)

 9時間前の俺。聞こえるか?沢の調子にのせられて、俺は大変なことをしてしまったよ。今まで沢に騙されたことはたくさんあるが、まさかこんな小学生染みたいたずらで人生を棒に振るとはね。
いや、ちょっと考えすぎかな。ともかく、今回のはめちゃくちゃヤバイ。俺お化けとか嫌いなんだよ。だから、昼休みに沢にいたずらをしようと誘われたら、全力で断れ。殴ってでも断れ。頼んだぞ、俺。

 ………だめだ。どれだけ頭の中で念じても、今の状況を打破できない。隣の沢は冷や汗ダラダラで顔面蒼白。これじゃあ使い物にもならない。
 背後から聞こえる石の擦れあう音は、次第に近づいてくる。
ヤバイぞこれは………
とにかく、速く逃げなければ。よし、行くぞ!
「沢!校門に向かって走れ!」
叫ぶと同時に走り出した。沢もこれで目が覚めたのか、勢いよく駆け出した。沢は中学生のとき陸上部だったため、走りはそこそこ速い。
が、しかし。
こちらはプロの運動オンチ。叫んだものの、すぐに沢とは間が開いてしまった。
 だが、石の擦れあう音からは遠ざかっていることがわかったため、多少の安心感はあった。これで校門まで走れば俺たちの勝ちだ!
 と、思っていた。
 
「嘘だろおおお!!」
突如学校中に広がったのは、沢の悲鳴である。
「どうした!?」
急いで校門に駆け寄ると、沢は校門の鉄格子を掴み、へたりこんでいた。
「おい沢?なにがあったんだよ!」
すると沢は、再び顔面蒼白になり、言った。
「門がしまってる……警備のおっちゃんも、なんか全然動かない……」
「はあ!?」
驚いて鉄格子を掴み、いっきに引っ張ったが、南京錠はかかっていないというのに、門はびくともしない。
警備のおじさんのいる小さな家を見てみても、こんな状況にも関わらず、のんびりと新聞を読むおじさんがいるだけだ。ヘッドフォンやイヤホンはしていない。この状態なら、沢や俺の声も聞こえているはずなのに。
「おいおじさん!おじさん!?」
勝手に扉を開けて、おじさんを揺さぶった。しかし、おじさんは全く動かず、自分が揺さぶっているのも、人ではなく物のような感触だった。
「え………死んでいる!?」
「ちげーよバカ!なにアニメっぽいこと言ってんだ!あれ見てみろ!」
 思わず変な台詞を口にすると、沢が街灯を指差しながら言った。
 そこにあった街灯には、来たときにもいたが、数匹のが群がっていた。
しかし、今その蛾は空中でピタリと停止し、街灯に映し出された埃ですらも空中で止まっていた。
「な……っ!?」
思わず驚きの声をあげ、ようやく理解した。
「時間が止まってる!?」
 「大正解」
ふと背後から聞いたことのない誰かの声が聞こえた。正面の沢を見ると、目を見開いて俺の後ろを見ていた。
 ゆっくりと振り返ると、そこには、さっきまで土台の上で変なポーズをとっていた初代校長(銅像)が立っていた。
 「「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」
誰にも届かない、無慈悲な俺たちの悲鳴が、夜の校舎に響いた。


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