コメディ・ライト小説(新)
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- 0刑事!
- 日時: 2018/12/24 19:17
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
明華「重音明華(かさねめいか)です。よろしくお願いします」
そう言って0刑事課に入社した明華。幽霊が見える彼女が所属する
この刑事課は普通の事件は扱わない、霊絡みの事件を担当する。
【第一章】>>01-13
雷獣暴走1 >>01
雷獣暴走2 >>02
雷獣暴走3 >>03
雷獣暴走4 >>04
雷獣暴走・後日談 >>05
明華の不思議 >>06
01クッキング >>07
七つの夜に1 >>08
七つの夜に2 >>09
七つの夜に3 >>10
七つの夜に4 >>11
七つの夜に5 >>12
七つの夜に・後日談 >>13
明華の特訓? >>14
怪海物語1 >>15
- Re: 0刑事! ( No.1 )
- 日時: 2018/12/21 21:36
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
ここに来て早1ヶ月、今は12月だ。明華もかなり仕事に慣れてきた。
桃髪の男は菅野愛斗、黒いスーツを着た男は敷島勇正、どちらも明華の上司だ。
彼らと共に明華は資料を整理していた。
愛斗「また雷が鳴ってんのか…もう冬だぜ?」
明華「なんか最近多いですね」
突然、電気が消え停電した。明華は驚き棚に頭をぶつけてしまった。
明華の肩を隣にいた勇正が摩った。
勇正「大丈夫か明華」
明華「は、はい。すみません」
扉が開き懐中電灯を持った01係の係長、久坂 縋が三人を見て胸を撫でおろした。
縋「よかった、こっちは無事らしいな。少し集合を掛けたい、上の会議室に大至急来てくれ」
愛斗「分かりました」
****
会議室には数人の01係の職員が集められた。
資料が分けられ縋が説明する。
縋「02係、職員で知久光流という男がいる。彼には雷獣が憑りついていて雷獣は彼の体を乗っ取ることを
望んでいたようだ。つい最近までは光流の精神で抑え込んでいたが…」
会議室の電気が一瞬消える。激しい閃光の後、体の芯まで届く落雷音が響いた。
縋「…光流の体が雷獣に乗っ取られ今、彼は暴れ回っている。02係と連携を取り大至急雷獣を止める!」
明華「あの、02係って?」
驚いた顔をした愛斗だったがそのうち「そっか」と呟く。
愛斗「明華はつい最近ここに来たもんな。02係は簡単に言えば戦闘員の集団だ」
明華「つまり戦闘のプロ?」
愛斗「そういうことだ」
縋「明華、初仕事がこんなことですまない。が、困ったら愛斗を頼ってくれ。愛斗、彼女のことは
頼んだぞ」
愛斗「了解、了解」
- Re: 0刑事! ( No.2 )
- 日時: 2018/12/21 22:25
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
明華「うーん…ゴム手袋とかしたほうがいいのかな…」
愛斗「ゴムは電気を通さないから、か?そうだ、明華は何か能力を
持ってんのか?」
愛斗の質問に明華は少し息を吐く。
明華「あーいや…私は幽霊が見えるだけですから。能力なんて…」
愛斗は意外そうに反応した。
愛斗「そんなに霊力あるくせに能力持ってないのかよ?」
明華「あ、でも金属もいいのかな~」
愛斗「おい、勝手に話を逸らすな」
???「菅野愛斗と重音明華ってのはお前らか」
タバコを吸っている赤いネクタイをした男が二人に話しかけた。
???「…合ってたみたいだな。俺は02係の金山 優だ」
愛斗「あーアンタか。俺たちに同行する02係ってのは」
金山は金属に術をかけ硬化させるというもの。彼の身に着けているモノには
見えないが金属が練り込まれているので全身を硬化させることが可能だ。
明華「…優さん、その光流さんから雷獣を引き剥がすこととか出来ないんですか」
優「無理だ。雷獣と光流は強く繋がってる。引き離せば光流が危ない」
雷獣を光流から引き剥がすという案は呆気なく却下された。
優「雷獣をもう一度、光流の中に封印するぐらいしか俺には案がない」
- Re: 0刑事! ( No.3 )
- 日時: 2018/12/22 22:31
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
近くに雷が落ちた。優が小さく来たと呟く。
???「お前ら霊能力持ちだな?ちょっと遊んで行けよ!!」
優「来やがったな。光流を乗っ取った雷獣」
愛斗「マジで?あれかよ。なんか攻撃しにくいな」
愛斗は桃色の髪を掻いた。優の右脚の膝辺りまで、模様が浮き出る。
知久光流の体の所有権を握った雷獣が腕に雷を纏い優を狙う。
優も一発で仕留めるためにギリギリまで彼を引き付ける。
雷獣の拳と優の前蹴りがぶつかった。その後も攻撃の連続だ。
そのうちに愛斗はあることを戦闘手段を持たない明華に伝えた。
明華が走り出す。
雷獣「ここまでやるとはな。やるじゃねえか」
優「そりゃどうも。ちゃっちゃとその人の体を返してくれねえか、そして
二度とその人を苦しめるなクソ野郎」
優が低い声で言い放った。
****
明華は02係と連絡をしていた。02係の係長、渡井 信が電話相手だ。
信『確か君は01係の新人さんのはず…どうやって僕の連絡先を』
明華「愛斗さんと優さんです。今、二人は光流さんと戦ってます。私は
戦闘手段を持っていないのでここに人手をください!」
信『分かった。なるべく急いでそっちに02係の職員を向かわせる。こういった
仕事は02係のほうが慣れてるからね。職員が辿り着くまでどうにか
そこに留めていてくれ』
明華「分かりました!」
電話を切り、明華は何度も落雷している場所を見つめた。
無事でいてください二人とも!
- Re: 0刑事! ( No.4 )
- 日時: 2018/12/22 23:32
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
愛斗の能力は10m以内にいる霊や霊能力者にかかっている重力を増加する
力だ。
優「重力の重さはお前がどれだけ人を愛してるかによるだったか。大した
愛情だ。指一本、動かせない」
優は四つん這いになり重力に耐える。同様に光流の体を使っている雷獣も
どうにか重力に逆らおうとしている。
雷獣「クソ…なんだこれは!?愛斗というたな!?貴様、無事で済むと思うな!」
愛斗「やっべ、なんか怒らせちまったかも」
優「勘弁してくれ…俺は、動けねえぞ!!」
雷獣が帯びている雷がバチバチと音を立てる。雷獣が大きく咆えた。
同時に帯びていた雷が放電され愛斗と優の体を掠り、服を焼く。
???「能力を解け!愛斗!」
その声で愛斗は能力を解いた。振り向くと息を切らした明華と数人の職員。
雷獣「うっ!なんだこれ、氷!?」
雷獣の全身が凍っていた。銀髪の男、白木フユトの力だ。彼は01係。
更に雷獣が苦しみだす。白木の後ろに立つフードを被った男、
篠田イヅルが操る糸に明華は少し電気対策をしている。
イヅル「言っておくけど、ゴムが練り込んである糸だから電気は無理だよ」
優「飼い犬は飼い犬らしく飼い主に従ってりゃあいいんだよ!」
氷ごと優は硬化した右脚で雷獣の首筋を蹴り上げた。
雲が晴れる。光流の体が前のめりに倒れた。
明華「雷獣は…諦めたんですかね?」
イヅル「そうなんじゃね。とりあえずは一件落着だろ」
フユト「まぁ優の手痛い一撃を喰らったんだ。雷獣も暫くは大人しくしてる
だろうよ」
優は光流を担いだ。
- Re: 0刑事! ( No.5 )
- 日時: 2018/12/22 23:39
- 名前: azuno* (ID: s00TEuml)
光流は目を覚ました。
自分は何をしていたのか、よく分かっている。
優「よぉ目ぇ覚めたか、光流さん」
光流「優か。すまなかったな」
光流は優を見ながら謝罪する。
優「気にすんな。限界があんのは当たり前のことだろ」
優がタバコを口から離し、笑った。それに釣られるように光流も笑った。
****
縋「光流が目を覚ましたようだ」
それを聞き全員が喜びの声を上げた。縋も微笑んでいる。
愛斗「いやぁめでたし、めでたしだな」
明華「そうですね」
二人もそんなことを話しながら笑っていた。