コメディ・ライト小説(新)

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やっぱり君が好きだから
日時: 2019/03/27 20:04
名前: スマイル (ID: qlgcjWKG)

登場人物

・一ノ瀬日々【いちのせ ひび】
高校2年生。クールで他人に興味がない。珠璃の彼氏だが今まで彼女が出来たことがないため珠璃とどう接すればいいのか戸惑っている。

・崎下珠璃【さきした じゅり】
高校2年生。日々の彼女。明るく天真爛漫な性格でクラスの人気者。モデル顔負けの容姿を持っている。

・沖野奏音【おきの かなと】
珠璃のクラスメートで学級委員長。頭が良く学年首席を常にキープしている。気が弱く頼りないが誰よりも優しい。珠璃に想いを寄せている。

・相澤夢彩【あいざわ めい】
日々の幼馴染みで珠璃の親友。大人しい性格で人見知りのため明るくて人気者の珠璃に憧れている。

・須藤颯太【すとう そうた】
日々の親友。女好きで毎日違う女を連れているという。最近は珠璃が気になる模様。

Re: やっぱり君が好きだから ( No.1 )
日時: 2019/03/10 15:39
名前: 青い海 (ID: qlgcjWKG)

きっかけは、私の一目惚れだった。
一人で本を読んでいる姿にキュンときて。
帰り道にたまたま見かけた、捨て猫を拾うギャップにやられて。

「好きです」

たった4文字だったけど。
伝えきれないくらいの想いをその4文字に込めて。

1年前の4月に、屋上で私がそう言ったんだ。

***

それから1年経って、また春が来た。
1年前は着慣れなかった制服も、今ではすっかり着こなしている。
ピカピカだったローファーも今では色が剥げてきたりしていてボロボロだ。
一番左側にあった下駄箱も、移動して真ん中になった。

そう。色んなものが1年前と変わっていく。
変わっていく…………はずなのに。

「日々!今日一緒に帰れる?」
「あー。ごめん。今日図書室で勉強する予定だから」

どうして、私と日々のこの距離は
1年経っても変わらないんだろうか。

「……そっか。大変だねー?日々も。毎日毎日勉強三昧で」
「いや、俺がただ単にやりたいだけだから。別に大変じゃない」
「……そ、そーですか…………」

そーゆ―ことじゃなくて、一緒に帰りたいって言ってるんだけどなー。

なんて。

素直で恋愛系に疎い日々は、分かんないだろうな。
ニコニコと意味もなく笑う私に、日々が不思議そうな顔をしているのを見て、また笑みがこぼれる。
まあ、これはこれで楽しいからいいんだけど。

「……じゃーね!勉強頑張れ!」
「ん。珠璃は気をつけて帰んなよ」
「はーい。分かってる」

私の頭に片手をポンッと置いて言った日々に少し驚きながらもそう言った。
すると、1秒もしないうちに私の頭の上に置かれていた手は離れて、いつの間にか日々は、図書室の方に向かって歩いている。

「やっぱりこれじゃあ今までと変わんないや……」

一度も振り返らず、前を見て歩いて行く背中を見つめながら、ポツリと呟く様に言った。


Re: やっぱり君が好きだから ( No.2 )
日時: 2019/03/10 20:53
名前: スマイル (ID: qlgcjWKG)

「日々って私の事嫌いなのかな...?」
「へ...?」

次の日の朝。
日々の幼馴染みである夢彩に話を聞いてもらおうと、夢彩の登校時間に合わせていつもより早く学校に来た私は、席に座って勉強している夢彩に向かってそう呟いた。
すると、急に私の声がしてびっくりしたのか、目を丸くして私の方を見る夢彩。

.....え?そんなに驚かした?

今も固まって動かない夢彩に、だんだん不安になって、焦っていると、

「珠璃ちゃんって、ひーくん並みに鈍感だったんだね...」

なんて意味の分からないことを呟いている。

「どうゆうこと?」
訳がわからず聞いてみても
「いや、何でもない!」
と、可愛い笑顔でそう言ってはぐらかす夢彩。

怪しいなー、と思いながら
また日々と一緒に帰れなかった事を報告した。

もう、この寂しさを誰かに共感してほしくて仕方がない。

「付き合い始めて1回も一緒に帰ったことないんだよ!いっつも勉強やらバイトやらで一緒に帰れないって言って。その度にさ、私以外の可愛い子と一緒に帰ってるんじゃないかって思うんだよね」

嫌いになった訳じゃない。
日々の事、飽きたわけでもない。

ただ、どうしようもなく不安になる。

クラスメート以上友達未満のこの関係に。
日々の変わらない態度に。

「私は大丈夫だと思うけどなぁ。あれでもひーくん、珠璃ちゃんにベタ惚れなんだよ?」

ズーンと落ち込む私に、助け船を出してくれたのは夢彩のその一言。
日々の幼馴染みである夢彩の言葉は、何故だかストンと心のなかにはいる。

Re: やっぱり君が好きだから ( No.3 )
日時: 2019/03/10 21:20
名前: スマイル (ID: qlgcjWKG)

...はいるんだけど。
頭のなかでは納得いかない!

「もういっそのこと浮気でもして日々にヤキモチ妬かせたい!それで日々の気持ちを確かめ...?!」

確かめたい!

と、言いかけたところで、後ろから誰かに手を引かれ、私はバランスを崩す。
それと同時にお腹に手を回され、そのままグイッと引き寄せられた。

「...じゃあ、俺とする?う・わ・き❤️」

耳元でした甘ったるい声に、私を抱き締めている犯人を確信する。

「須藤とは絶対しないから!つーか私は日々オンリーなの!」
「へぇ?さっきは浮気して日々を妬かせるって言ってたのにねぇ?」
「うぐっ。で、でも本当にしようとは思ってないもん!」

須藤颯太。女の子なら誰ふり構わず甘い言葉を囁く女好きの最低野郎。
個人的に絶対関わりたくなかったんだけど何故だかこいつ、うちの日々の親友で。
結果、話すようになり、今ではこんな軽口を叩き会うような仲に。

...全く、1mmも!嬉しくないけど!


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