コメディ・ライト小説(新)
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- plus、brass!
- 日時: 2019/03/23 17:17
- 名前: ぷっち (ID: Iju2i7Ct)
吹奏楽って、知ってる?知らない人も、きっといるよね。
クラリネットとか、トランペットとか。
じゃあ質問します。あなたはファゴットを知ってる?ファゴットだよ。
え?みんな知らない?まじか。悲しいなぁ・・・ということで、ちょいと説明しようかな。
ファゴットっていうのは木管楽器の一つで、オーボエと同じように上下に組み合わされた二枚のリードによって音を出すダブルリード式の管楽器。バスーンとも呼ばれるんだよ。低音から中音を担当し、低音域でも立ち上がりが速く歯切れの良い持続音を出すことが出来る。とても良い楽器なんだ。但し、楽器自体が他の楽器よりも高価で持っている団体は少ない。更にダブルリードも高くて、とにかくお金のかかる楽器だ。
私は、そんなファゴットを吹いている中学生。お金のありか?えーっと、また今度ね。とにかく時間がないの!
ということで、短い紹介になっちゃったけどファゴットのこと、分かってくれたかな?
では、plus、brass!の世界をお楽しみください!
※更新遅めです。すみません。
拙作ですが、お楽しみいただけたら幸いです。
- Re: plus、brass! ( No.2 )
- 日時: 2019/03/25 17:02
- 名前: ぷっち (ID: Iju2i7Ct)
第一話 吹奏楽部に救世主登場!?
昨日の失敗は、今日の成功の基。それが私の魔法の言葉。だから今日も、前を向いて進もう!
私、秋本くるみ。元気が取り柄の中学一年生。今、私は超猛スピードで走っている。
寝坊して、朝練に遅刻してしまったのだ。何の朝練かって?吹奏楽部の朝練だよ。
音楽室に飛び込み、思いっ切り頭を下げる。「遅れてすいません!」その拍子にドアの向こうにいた人と正面衝突した。向こうの人の方が体格が大きかったようだ。跳ね飛ばされた私は、後ろへ倒れかける。あ、あぶないっ。
向こうから伸びてきた手が、私の背中のファゴットケースをつかみあげる。「ひゃんっ!?」すごい力で引き上げられ、今度は前によろめいた。「おっと、失礼」頭上から降ってきた声に顔を上げる。爽やかな笑みを浮かべたスーツ姿の男性が立っていた。さっぱりとした髪型、どちらかというと整った顔立ちの人だ。「本日からここで働く山辻と申します。どうぞよろしくお願いいたします、ファゴットのお嬢さん」山辻と名乗った男は笑みを深める。胡散臭い笑みだった。て、ていうか・・・「あ、あなた、何者なのよ」山辻は私に近づき、耳元でこう囁いた。
「私は、貴女たちの救世主ですよ」
「はああああああああああっつ!?」
- Re: plus、brass! ( No.3 )
- 日時: 2019/04/14 12:32
- 名前: ぷっち (ID: Iju2i7Ct)
第二話 吹奏楽部員たちとの話し合い 前編
意味わかんない。
ついさっきの話。私、秋本くるみは部室である音楽室で謎の男、山辻と遭遇しこの部活について色々と聞かれた。もうそれは拷問といってもよい。興味津々の顔で次から次へと質問され、ぐったりしている。
「くるみちゃん、大丈夫?」机にでろんと伏せていた私は、上から降ってきた声にむくりと身体を起こす。声の主はやや低めの身長で、ミディアムの髪をハーフアップにしていた。彼女の名は林田美希。純粋で可愛い、吹部の癒し系女子だ。1年でテナーサックスを吹いていて、技術もかなり高い。なにやら理由があるらしいんだけど。
「大丈夫よ。さっき、あまりにも興奮して足をじたばたさせてたら、椅子のねじを一つ壊したのよ」「全く、予算の無駄遣いじゃない」二つの声が聞こえてきた。声の方向を向く。二人の先輩が呆れながらこちらに来た。片方の先輩はツインテールで、手にはオーボエのリードが収まっている。もう片方の先輩はショートカットに黒縁メガネ、いかにも真面目そうな容姿。彼女はホルンを小脇に抱えていた。オーボエ奏者の浅野千風とホルン奏者の継島真矢だ。どちらも3年で、継島はこの部活の部長をしている。
「うぐう・・・すいません」「大丈夫よ。用務員室に行って、ねじをもらってきたから」ガラリと扉が開いて、一人の少女が入りながらそう言った。栗色の三つ編みサイドテールに、大きい青の瞳。一見してハーフ美少女の小林アリア、副部長の3年だ。担当楽器はユーフォニアムである。
「あれ、会議をするんじゃないの?」千風が首を回した。
「二人来てないです」美希が即答する。
「あっ、すいません」音楽準備室の扉が開いた。申し訳なさそうに、二人の部員が顔をだす。先に音楽室へ踏み込んだのは、マレットを持った少女。打楽器奏者の2年、塚川比奈子だ。塚川につづいて、トランペット奏者の樋川鈴音も入ってくる。継島が皆に席を勧め、全員が席に着いたところで口を開いた。
「これで首脳陣7名が揃ったわね。この会議は山辻先生の意見も含みつつ進めます。いいですね?では、『吹奏楽部の方針についての最新会議』を行います」
- Re: plus、brass! ( No.4 )
- 日時: 2019/05/03 16:30
- 名前: ぷっち (ID: Iju2i7Ct)
第三話 吹奏楽部員との話し合い 後編
「山辻先生は、今後の方針は自分たちで決めてほしいそうです。それに沿って、今後の練習内容を考えるらしいです。要は上を目指すかどうかってこと」
真矢が口火を切った。
「それって、部員のことも?」
千風の言葉に、真矢が押し黙る。
説明しよう。
ここ、東池田中学校吹奏楽部は首脳陣と幽霊部員でキッチリと分かれている。
首脳陣は真矢、アリア、千風の3年3人と比奈子、鈴音の2年2人、私と美希の1年2人の7人。
幽霊部員は10人程いて、私は入部してから一度も見たことない。うちの学校はクラブ絶対参加型。だから、やる気のない吹奏楽部に付け入って籍だけ置いている。顧問はって?残念ながらやる気ゼロの顧問のため、味方してくれない。
「でも、あいつらを引っ張りだしても、20人には満ちません」比奈子が盛大に溜息をついた。幽霊部員は大体二年生。鈴音が泣きそうになり、「すいません。私たちの責任です」と言葉を絞り出した。
「じゃあ、こうしよう。首脳陣で方針を決め、それに合わせて他の部員の待遇を考える。どう?」アリアがおっとりと首を傾げる。真矢が頷いた。
「上を目指す人」
全員が手を挙げた。
「決まりね。これから東池田中学校吹奏楽部は、全日本コンクールを目指し活動することになります。これから、頑張りましょう」
「はい!」
こうして、会議は終わった。
- Re: plus、brass! ( No.5 )
- 日時: 2019/05/10 21:13
- 名前: ぷっち (ID: Iju2i7Ct)
番外編 100回閲覧記念☆短編
いつもありがとうございます。ぷっちですっ。plus、brass!100閲覧記念に短編を用意しました!ぜひ、お楽しみ下さい!
美希視点 美少女の謎
私は林田美希。東池田中学校1年、吹奏楽部ではテナーサックスを担当しています。昨日、山辻先生という先生が現れ首脳陣で会議を行いました。結果として私たちはコンクールを目標とすることになり、練習内容も大幅に変わるそうです。
・・・A部門は無理でしょうけど。
頭の中で、ついそう考えてしまいます。だって、今まともに楽器を吹けるのは7人。そして、部員数は大体20人前後。幽霊部員を引っ張りだしてもこれだけです。B部門で出るのが妥当だと思います。
いけません。そんな考えは。頭を振って、前を向きます。しんとした公園の中に、私一人です。昔は、お母さんと一緒に来ていたのに・・・。昔のことを思い出して、寂しさが一気に襲いかかってきました。そんな私とは対照的な明るい話声が聞こえます。誰でしょう。
私は木の陰に隠れます。やってきたのは、同じ部のくるみと・・・すごい美少女。さらりとした黒髪、ぱっちりとした瞳。くっきりとした二重と細い身体。
誰なの、でしょう。
- Re: plus、brass! ( No.6 )
- 日時: 2019/05/29 20:11
- 名前: ぷっち (ID: Iju2i7Ct)
第五話 編成・部門
会議が終了すれば、もう予鈴は鳴っていた。私たちは急いで音楽室を出て、教室に向かって走る。
ちなみに、私、体育だけは自信がある。勉強はいまいちだけど、長距離走なんかが得意。シャトルランに至っては、小5で学校最高記録を叩き出したんだから。陸上部に入れよ!って突っ込みたくなるよね。まあでも、一応親がダブルリード奏者だしファゴット楽しいし・・・ということで、周囲の反対を押し切って入部した。部員が幽霊部員除く5人だった事には相当驚いたんだけどね・・・。
部員は7人体制。編成もかなり無理がある。
木管楽器が
オーボエ 1
ファゴット 1
テナーサックス 1
金管楽器が
トランペット 1
ホルン 1
ユーフォニアム 1
その他
打楽器 1
となっている。
幽霊部員さん達を引っ張り出してこないと、夏のコンクールに出場出来ない。それでも、A部門は無理だ。上限30人まで、7分間自由曲だけのB部門に出場することになるだろう。
・・・卒業までに、1回でいいからA部門に出たい。
そう思っても、理想と現実の差は大きくなるばっかりだった。
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