コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

人魚姫は5日まで
日時: 2020/03/23 15:46
名前: シナメ (ID: XLYzVf2W)

-人魚姫は5日まで-目次(連載中!ほぼ毎週更新!放送部のアンケートご協力お願いします!)
🐠⒈ 私の秘密 🐠⒉初恋甘く、その後苦く。>>1 🐠⒊人魚のハヤトチリ >>3 🐠⒋サイネリア >>4
🐠⒌そっくりさん >>7 🐠⒍下向きの親指 >>8 🐠⒎イマドキ!スタジャン特集!! >>9
🐠⒏門寺君の本気 >>10 🐠⒐海に戻る日 >>12
🐳蒼蘭中 放送部より >>2 🏵特別編 >>5 >>6 人気投票 >>13 …… >>11


🐠1. 私の秘密
私、近所の蒼蘭そうら中学校に通う2年生、羽田はだ陽帆ひなほです。中学校生活はあっという間で、もう一年が終わり、2年生へ進級しました。んで、今校舎までのちょっと長い(といっても数十メートル)道を歩いているところです。もうとっくに敷地内なのに。なんでこんな長ーい道を作ったんだろ。しかもすっごい混んでる。‥ドン!誰かと誰かがぶつかったようだ。ま、混みすぎてわかんないけどね。
なんだかんだで校舎につき、玄関先のクラス表を見る。……2年生。あった。1組か。19番ね、はいはい。誰と一緒なんだろう。適当に見てみる。…知っている人はほとんどあっちだ。知っている人、知っているh…
いた。『依田きぬた桜樹おうき』。恥ずかしながら、今私が恋している人だ。ラッキーなのかもしれないな。その時だった。「ひ〜なっ!おひさ!」この声、梨音だ。振り返る。…やっぱりな。
そして返す。「お、おお。久しぶり〜。」 この明るい声と性格の持ち主は梨音、杉高すぎたか梨音りね。中学校に入ってからできた友達だ。…と、まあ、すかさず梨音は話を続けるわけで。「ひな、何組?何組?もしかして一緒とか?でもねえ、3分の1だからなぁ。」うん、3分の1。で、引き当てたのは逆。3分の2の方だ。「…っああ!梨音3組だ〜!一緒じゃない〜…。」…なんか…ガチで落ち込んでる。でもこっちは救われた。いや、梨音が嫌いなんじゃない。むしろ好きだ。なぜなら私の秘密が当分梨音にバレないから。ていうか、いっても信じてもらえないだろう。私は……私は、人魚だから。本当だ。だから出身は海の中だ。けれど私は捨てられた。人魚の母親と父親に。捨てるため、生まれたての私に薬を飲ませ、記憶をねつ造して人間だと思い込ませた。今の人間界の両親は、海で亡くなった何万人の中から、相性が最も良い男性、女性を測定し、選出。またもや記憶をねつ造して親の代わりにしたらしい。もちろんそのやり方だから、婚約も強制。でも夫婦間での相性も測定してあるし、記憶もねつ造済みなのでなんの違和感もない。まあ無理矢理生き返らせたことに変わりはないけれど。つまり言い方はおかしいが、海の方が地上より技術が発達しているのだ。お陰で体の仕組み、心、仕草も人間そのものだ。今までの話は全て小3の時に母から聞いた。どうやら母の薬は少し失敗作だったようで母としての記憶を持ちながらも私が捨てられるまでの経緯を覚えていたそうだ。父はさっぱりらしいけど。でも、人間は人魚と違う。暖かい。すぐに人を捨てたりしない。表情がある。まあ全員とは言い切れないが。

Re: 人魚姫は5日まで ( No.4 )
日時: 2020/02/13 16:35
名前: シナメ (ID: XLYzVf2W)

🐠 ⒋ サイネリア
家に着き、インターホンを鳴らす。
「ただいまー」
間もなくお姉ちゃんがひょこっと顔を出して、
「おかえりー」
そういう。
「あ、うん。」
私はドアの前の2段階段をゆっくり上がった。
そして中に入る。

「はあ……」鞄を握ったまま、ソファーに身を投げ出す。
お姉ちゃんはスマホをいじったまま言う。
「手、洗ってきたらー?」
めんどくさ。でもやらなきゃね。
トコトコ廊下を歩く。

手を洗って、うがいは…いいか。
いや、やっぱしとこ。
がららららららら…
水を吐き出し、鏡に映った自分を見る。
髪が少し乱れていた。だからクシでとかしてもう一回髪飾りをつけ直す。
…ん。オッケ。

外じゃないのに何故か見た目を気にするのは、恋している証。
…と勝手に思っている。
宿題さっさと終わらしてなんかしよーっと。
そう思った。けど気づいた。
カバンはリビングのソファーに置いたままだったことに。
地味に面倒くさい。取りに行くのが。
ま、行かないと。
-リビングに着く。あれ?お姉ちゃんは?

…シャーーッ
外からシャワーみたいな音がする。あ、いた。
お姉ちゃんは庭の花に水をやっていた。あの花、なんていうんだっけ。
そう考えているうちにお姉ちゃんは窓を開けて、中に戻ってきた。
そして今度はリビングの花に水をやる。これがお姉ちゃんの日課。
「ねえ、お姉ちゃん。その花なんていうんだっけ。あと、外のも。」
お姉ちゃんは一瞬たりとも考えず、すぐに答えられた。
「これがサイネリア。で、外のピンクのがゼラニウム。あと、花がないのがワイヤープランツ。」
ほんとはもっとある。けどお姉ちゃんはお気に入りのものだけ紹介した。
ていうか、よく覚えられるよなぁ。サイネリアとか…なんかもっとなんかあるし。
「なんでサイネリアにしたの?」
「まず見た目。それにサイネリアの色ってオレンジ以外全色あるんよ。あと花言葉かな。」
3つもあるの、理由。そしてさらに気になった事を聞いてみる。
「え、じゃあ、サイネリアの花言葉って何?」
「いっぱいあるけどー、例えば『喜び』とか、『純愛』とかー、『華やかな恋』とか。」
! 華やかな恋…。なんか追い討ちをかけられた。
「そっか…。」
「え、どしたの?陽帆。」
「え?あ、だいじょぶ。宿題してくるわ。ありがと、教えてくれて。」
あー。もうなんかウンザリっていうのかな。こういうのは。
お姉ちゃんは悪くないんだけどね。

鞄を取るだけだったのに、なんか傷をえぐられた。
もう放っておこう。宿題だ、宿題。
そうして新しく買ったストライプ柄のシャーペンを取り出す。
さらに新しいノートだから余計に綺麗に書かなくちゃ。
その日の宿題には花丸がついた。字がすんごい綺麗だったから…かな。
でも肝心の問題は35問中7問間違えた。1年の内容ど忘れしちゃった
…んじゃない。依田君たちとサイネリアに邪魔されたからだ。
でも参考書は読み直しておいた。
心配性の人魚だから。

Re: 人魚姫は5日まで 🏵特別編 ( No.5 )
日時: 2020/02/14 17:45
名前: シナメ (ID: XLYzVf2W)

🏵特別編
ども、こちらシナメ!
皆さま、いつも「人魚姫は5日まで」をご愛読くださり、誠にありがとうございます。
今回このような場を設けさせていただいたのですが…
はい、突然ですが問題です!
今日2月14日、登場人物のうちの誰かの誕生日なんですねー。
さーて、誰でしょうか?



分かりましたか?
正解は、主人公である、羽田陽帆ちゃんのお誕生日なんです!
バレンタインデーが誕生日だなんてなんか羨ましいです。
またキャラクターの誕生日の日には同じ特別編をお送りしたいと思いますので、よろしくお願いします。
最後に折角なので、他の子たちの誕生日も載せておきます。
あなたと同じ誕生日の子がいるかも?

羽田陽帆 2/14 依田桜樹 5/13 外池唯緒 7/5 横地芹斗 8/13 杉高梨音 8/19
羽田はだ陽莉ひまり(お姉ちゃん)12/2

これからもっともっといろんな人が登場しますよ!
乞うご期待!
それでは今回はこの辺で。
Thank you for reading! and happy birthday to Hinaho !

Re: 人魚姫は5日まで 🏵特別編 ( No.6 )
日時: 2020/02/16 13:37
名前: イレラ・シナメ (ID: XLYzVf2W)

🏵特別編
ども、こちらシナメ!…とイレラです!
いつも僕たちの小説作品を読んでくださり、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
さて特別編続きで申し訳ありませんが、本日2/16、
イレラとシナメの作品閲覧数が合計100回を突破いたしました!
本当にありがとうございます。
あくまでも作品なので、イレラの「13日の投稿者」の予告編の 閲覧数は除いております。
この返信をうつため、僕らが101回目を頂きました。
13日の投稿者が40回、人魚姫は5日までが55回、恋アレが5回で100回という形です。
1回でもご覧になられた方、誠にありがとうございます。
これからもイレラ、シナメの作品をご贔屓ごひいきくださいね🐶⛄️
それでは今回はこの辺で、さようなら!
Thank you for reeding! And nice to meet you!

Re: 人魚姫は5日まで ( No.7 )
日時: 2020/02/23 17:00
名前: シナメ (ID: XLYzVf2W)

🐠⒌ そっくりさん
…はあ。
参考書も読み終わったし、今日もredemo(レデモ)でも覗くか!
あ、言ってなかったよね。
redemoっていうのは、無料動画投稿サービスで、世界中の人が利用する人気サービス。
今じゃ会社ができたり、アリーナライブを開催したり…。
もはや経済を動かす存在といっても過言じゃないんだよね。

で、まあそれぞれのチャンネルがあって、気に入ったチャンネルは登録もできる。
高評価、低評価、再生回数の推移。
それらの数や人気に応じて、お金とかが貰える訳で。
私は今、ボーカロイドにはまってるんだ!
みんな美男美女で歌も素敵で…。
私もこうなれたら…なんてね。

そしてちょうど6時を回った頃、今日も同じアーティストの曲を聴く。
♪〜知らないないないな 知らないな
知りたくなかった 君の事
この手あの手 差し伸べし 春 目がかゆいな 心痛いな
小さな小さな、声にならないくらいの大きさで鼻歌を歌う。
もう旋律も歌詞も完コピしたからね。
なんか少し飽きてきたのかもしれない。

ーたまには違う曲でも聞いてみようかな。
そしてサムネで判断しようと、ずらずら並ぶサムネを眺める。
これにしようかな。
『電池切れ』
聞いたことない曲名だった。だってオリジナル曲だもん、当たり前だよね。
さらなる決め手は、アーティスト名が『いおりん』だったこと。
名前。似てるよね、いおんに。
違う人ってわかってるけど、なんか聞きたくなった。
なんでだろ。今はいおんのせいでむしゃくしゃしているのに。
そう考えている時にはもうサムネを押し、動画が始まろうとしていた。
ぐるぐるぐるぐるぐる……お。始まる。

その動画は女性の息を吸う声から始まった。
そして始まる未知の曲。
ーうまい。上手だな。
こんなに聞き惚れたことが今までにあっただろうか。
しかもいおりん、作詞作曲も手掛けているんだ。すごい。

この人が気になって仕方なかった。
とりあえず概要欄を開いてみる。
〈いおりん、中学2年生です。この度は…〉
って、マジか!中2?
本当にいおんなんじゃないの
ーとか思った。
そうやって聞くと、歌声にいおんの声の面影がある気がした。
でもありえないよ。いおんがこんなことする訳ない。
いおんが自ら歌う訳ない。
それと私はきっとそうだ。
なんでもできるいおんが、もしこれくらい歌が上手かったら…
本当に完璧人間になってしまう。それが怖かったのもあると思う。

再生回数はまずまずだったが、高評価数は低評価と比べてえぐかった。

そうか、いおんはもう私とは違う次元にいるんだ。
もう私の中でいおんはいおりんと化していた。
いおんのせいで私はこんな思いになっているんだ。
そうだ。絶対にそうだ。
洗脳でもされたかのように、それしか思えなかった。

いおんなんていなければいいのに。
もうこんな事まで考えてしまうとは思っていなかった。
でもそうしたら、またいおんが心配されて、私が悪者になるだけだ。


そうだ。

消えてもらえばいいんだ。

Thank you for reeding!

Re: 人魚姫は5日まで ( No.8 )
日時: 2020/03/14 21:23
名前: シナメ (ID: XLYzVf2W)

🐠⒍下向きの親指
とっさに私は、「電池切れ」のコメント欄をタップした。
そして、『マーメイド』。と、ユーザー名を入力…っと。
『マーメイド』。思いつきの名前だけど、気に入った。
何しろ、実際『マーメイド』だもんね。

っしゃ。ここからが本番だよ。ね。
私は狂ったように手当たり次第、悪口、批判コメントを文章につづった。
『下手』『中2が何してんの?』『でしゃばり』『お前、その声じゃどうせブスなんだろうなあ』『消えて』
自分でもひどいと思った。一瞬だけね。
でも、もうかわいそうなんて微塵にも思わない。
送信、完了。
コメント欄の1番上に『1秒前』の私のコメントがある。
2番目からは、『透き通った歌声ですね!』『中2ってまじ?』『うらやましいいい〜〜!!!』
なんてコメント。明らかに私のだけ浮いてるんだよな。

もちろん低評価だってした。
高評価8909、低評価数39。すごい比率だ。
さて、40個目の低評価を貰いますかっと。

…なんだろう。なんかすっごく気持ちいい…。
清々しいというか勝ち誇った気分というか。
謎の爽快感を覚えた。
『正体がバレたらどうしよう…!』
頭の片隅にもなかったよ、そんなこと。
それに、少なくとも私以外に39人以上はいおんを批判したってことでしょ?
同志がいるからね。

他のいおんの動画にも文句つけに行こうかな、と思ったジャストタイミング、
「ひなー、ご飯ー!」
お母さんの呼び出し。はああ。つまんないのっ。
まさかね、お母さんも娘が同級生をいじめてるなんて思わないでしょ。

その日の夕食はグラタンだった。
人魚なら絶対食べられない、絶品料理の1つ。
チーズなんて水中栽培できる訳ないでしょ。
…スマホだって人間だからある訳だし。

翌日、いつものように…と言いたいところなんだけどね。
今日から、いおんに陰湿な「いじめ」って程でもないけれど、ちょっかい?か何かかけてやろうかなぁなんて。
そんなこと考えるなんて知る由もなく、梨音のご登場。
「おはよ、陽帆!」
「っ!おはよー。」
そのまま2人で登校した。
学校に着いて、門で見守る先生に挨拶。
そして石畳の道を通り、校舎で靴を履き替える。
まあ、これがルーティーン…なんて教えなくてもいいんだろうけどね。

…‥‥⁉︎ は⁉︎
私が目を疑った原因。それは、ラブレター。
私の下駄箱に『羽田陽帆さんへ』なんて改まった言葉遣いの手紙が入っている…。
「陽帆ー?どしたの?」
!! ヤバイ、梨音に見つかったら…ヤバイ!
でもこのまま置いとくのはもっとヤバイ!
早めに来たから、これから来る人に気づかれるよ絶対!
「あ、いや、石が入ってて。」
「え?」
ひゃ!やめて!
…なんて抵抗したらもっとまずい事態になるよね。
梨音は『え?』と言いながら私の下駄箱を覗いてきた。
……もうダメだ。終わった、終わった。
「?え⁉︎ちょっと待って!これラブレターじゃないの⁉︎え⁉︎」
あー、もう予想通り。
「そうだよ、もー。黙っといてよ?みんなに。だっれにも言わないでよ、絶対!」
「いや、うん、誰にも言わないから、誰からなのかだけ教えてっ!お願い!」
嫌すぎる。けど梨音の『お願い』はほぼ『脅し』なんだよ。選択肢は『見せる』ただそれだけだ。
その時だった。

校舎に続く道、その奥から誰かは分からないけど、確かに男子の3、4人組が歩いてくるのが見えた。
ヤバイ、あっちいこ!
そういう前に体はもう動いていた。
「あーっ!陽帆待って!」
って!私は廊下に身を投げ出すようにドーン!と思いっきりこけた。
「キャ!ごめん、ごめん!大丈夫?本当ごめん!」
そう、一瞬だったけれどわかった。
私を追いかけようとした梨音が私のスカートの端を引っ張って、こけた。
はっず。恥ずかしすぎる。

そう言っている間にも男子軍はやってくる。
「大丈夫、あっちいこ。」
私は早足で廊下を歩いていった。
梨音は「え、うん。」
と困惑した様子で私に着いていった。
それからは沈黙が続き、もう何も話さなかった。

Thank you for reeding!


Page:1 2 3



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。