コメディ・ライト小説(新)

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星と魔術と御呪い 【1章完結!】
日時: 2021/05/27 16:16
名前: 紅蓮 (ID: fqLv/Uya)

…これは、何百年後かの世界。この世界は、魔術と科学が入り交じる世界となっていた。
魔術師一族生まれの人間が集まる『セント・ルレーヌ魔術学校』に、16歳の少女、フランは入学する。そして、この中で起きる出来事が、彼女の運命を揺さぶっていく……。





クリック有難うございます(^O^)v
そして初めまして、知っている方はお久しぶりですね。改めまして、紅蓮と申します。以前ここでこの小説の元ネタ的なものを執筆していたのですが、途中で休んでおりました。と言う訳で何もかも一新して、この作品を題名も変えて、1から書き直す事にしました。以前よりは国語力は大幅に上がっている…はずなので、以前よりパワーアップした作者の事をどうかどうか完結まで見届けて下さいませ…!御呪いは御呪おまじないと読みます。

◆私が以前書いていた小説とは、大きく異なっている箇所があります。

◆ご意見・ご感想もどうぞ。

◆荒らしはご勘弁を〜。

◆更新は不定期になります。

◆誤字などは見つけ次第直すので、指摘は不要でございます。

2021/02/13→登場人物紹介以外の記事を全て削除。また、タイトル・登場人物について変更を加えました
2021/05/23→一部登場人物の名前を変更しました。

スレッド設立日 2020/10/21

〘目次〙
登場人物紹介>>01

本編補足①>>06

【1章】>>02-06
#1 >>02 #2>>03 #3>>04 #4>>05 
#5>>06

Re: 星と少女と御呪い ( No.3 )
日時: 2021/04/10 18:38
名前: 紅蓮 (ID: fqLv/Uya)

#2 旅立ちの町

早朝。
辺りはまだ薄暗く、電灯の明るさが際立つ頃。
この時間の光は珍しいのか、電灯には虫が集っている。

「今の気温は…10℃か。」

私は空を目を凝らして見つめた。見れば太陽はまだ昇っていない。そりゃあ寒いわけだ。
風景の下に視点を変えると、人は何処にもおらず、孤独さと寂しさがよく感じられる景色がよく見えた。さらに車も走っておらず、聞こえるのは鳥のさえずりぐらいだ。

「フラン!集合時間5分過ぎてるぞ!」

…しまった。
聞き慣れた声が聞こえたと思ったら、アマナであった。急に寒気がして時計を見ると…4時35分。時計の調子が悪いのかと思ったが、そもそも電波時計なのだから狂う訳がない。それに1000年以上前から使われている電波時計なのだから、もし不備があってもこの長い時の中で改善されているはず…。と言うことは、明らかに…遅刻だ。

「起きてるなら起きてるで返事しろ!」

「おっ、起きてる、起きてるー!」

焦った声で返事をする。
こんな焦った時に怒号を飛ばされると、さらに焦りが増してしまう…。そんな訳で、私は勢いよく荷物をかばんに詰めた。

「…これで全部かな。」

荷物が多過ぎて入らないものがあったが、そんなことは気にせずにズドンと押し込んだ。…これから寮生活で、自宅から持参する物が多いのは当たり前のことだろう。

3214年。3月49日。スピカ星岸せいがん
春風が微かに吹き、近くに広がる草原が揺れる。暦の上では春真っ只中…だが、まだ冬に咲く花々が健やかに咲いていたりする。例えば______そこ。『セイガンツバキ』。星岸にだけ生息する椿であり、紫色の花弁が特徴的である。また、生命力が高く、春になっても花は落ちることがないそうだ。星岸辺りには桜が咲いており、その姿は星岸近くの海に影を映している…。

…言い忘れたが、そもそも星岸とは。
毎晩流れ星が流れる岸辺であり、古から星と共にある場所である。ここには観光客が多く訪れるので、ほとんどの星岸が栄えている。特にこの星岸は、『スピカ』が、よく見えると言う理由でこの名となったんだとか。

「これでよし、か。」

準備を終えた私は、ドアを開いた。

Re: 星と少女と御呪い ( No.4 )
日時: 2021/05/29 16:42
名前: 紅蓮 (ID: fqLv/Uya)

#3 継承者

「ほら、これよ。」

その本が机に置かれた瞬間、埃が飛び散った。

「うげぇ…こりゃあ埃っぽい本ってわけか。」

表紙は少し破れていて、埃っぽい匂いがする。
それに、どのページも色あせていて、文字がやや滲んでいる。

「…これは?」

「だいたい150年くらい前の戦争を記した書よ。色々載ってるわ。」

「ほへぇ〜、そんな昔の本がよくあったよね。」

「あら、こう見えてメティリエ家はかなり昔から栄えているのよ。うちの一族は本の収集が好きだから、大体の本は揃っているの。」

周りの景色を一望する。
はしごに登らないと届かない距離まである本棚が、辺りを囲んでおり、小説…図鑑…論説文…歴史書…様々なジャンルの本が目に入った。…もしかしてここ、図書館よりも品揃えがいいのではないだろうか。

「で、案って何さ?」

「…ああ、話がずれちゃったわね。そう、案っていうのはこのページのことなの。」

『継承者』。
そう大きく書かれていた。

「継承者って____。1人しか存在出来ないあれですよね。それの力で何とか出来るんですか?」

「そういうこと。これまでの戦争は、継承者がほぼ全て治めてきたのよ。だから今回も、ね。」

そう言えば聞いたことがある。
『継承者は特定の魔術を操り、膨大な力を持つ。歴代の継承者は炎…光…華…毒…氷…草…闇…
である。アルトアイゼン洞窟群の奥に佇む紅魔石が示した者は継承するべき者になる。』継承者が亡くなると、紅魔石が反応を示し次の継承者が選ばれる…。

が、今はちょっとした問題がある。
何年か前の洞窟群一帯で起きた大きな地震で紅魔石に小さなひびが入ってしまい、紅魔石を手動で人々に近付けて継承者を探すしかないのだ。今は継承者が亡くなっているというのに…。

「ま、大丈夫大丈夫!SMEの子達総動員すれば何とかなるって!」

「ええ…。そんな上手くいきますかねぇ。」

ルレーヌを守る為ではあるが、大変な任務になりそうだ。

Re: 星と少女と御呪い ( No.5 )
日時: 2021/05/23 17:33
名前: 紅蓮 (ID: fqLv/Uya)

#4 きっかけ

「さあ、私達だけのショーを始めましょう!」

魔術師。今、この世界の大英雄とされる存在であり、民間人に平和の星を振り撒く存在である。ホウキにまたがって…軽々と呪文を唱えて…その美しさは、私の憧れの的だった。

実はそれ、私だけではない。ここ、ルレーヌ大陸には魔術師に憧れる子供達は何人もいる。その人気さを例えるなら……どっかの会社が行う『なりたい職業ランキング』でも、500年連続1位ということが一番説得力があるだろう。

そんな私が魔術師という言葉を知ったのは、4歳の頃。ルレーヌの南西部に属し、大規模なショッピングモールが立ち並ぶヴェート街と言う場所で初めて魔術師を見た。その頃は丁度クリスマスシーズンであったので、ヴェートではたくさんのイベントが開かれていた。例えば、高級スイーツ店の出張販売や、ルレーヌ出身の歌手を集めたライブの開催だったり、とにかく人が集まるイベントが開催されていた。そんな中でも、一際人気が高いのが魔術ショーである。

その魔術ショーを私は見たのだ。
その時の魔術師はビアンカ・テーナー。しろがねの髪を赤い糸で結っており、自由奔放に空を飛んでいた。それに彼女、只者ではない。なんとあの継承者だ、継承者。彼女は闇術を操る継承者で、幼い頃からずば抜けた才能を持っていたらしい。

そんな彼女を見て以来、私は必死に魔術の練習をした。今となっては上位の魔術学校に入る程の実力を手に入れる事は出来たが、夢に見たビアンカのように上手くなることはなかった。

……だからこそ。ここで魔術をもっと学ぶんだ。
ビアンカの母校、セント・ルレーヌで。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「あれ、あと何分で電車来るっけ。」

「どうせもうすぐ来るだろ。…お前よりは早くな。」

「うぅ…。さっきの事引きずってさぁ…!」

一瞬アマナを殴ってやりたかったが、入学前に事件を起こすわけにはいかないので、疼く拳を鎮める。すると、駅員のアナウンスが聞こえた。

『まもなく、4番線にセント・ルレーヌ魔術学校行きの電車が到着します。黄色い線の内側で______』

甲高い音が聞こえると同時に電車が止まると、風と共に電車のドアが開いた。

Re: 星と少女と御呪い ( No.6 )
日時: 2021/05/26 18:41
名前: 紅蓮 (ID: fqLv/Uya)

#5 キーパーソン

「ルミエール・アマーリエ、16歳。セント・ルレーヌ魔術学校1年選抜コース…ってわけ。いやー、困った困った。厄介な生徒が入っちゃったなー。」

幾つも蝋燭ろうそくが立ち並ぶ部屋の中で、ある者がボヤく。

「アイツらの事だからさーどうせくだらない人間でも迎え入れると思ったケド、継承の神殿とか何とか…昔の戦争の記録が記されてる所の番人の娘で魔術の才能もある子をメンバーにするなんて、出来損ないの割には見る目あるよねー。」

ジュンエ・マルシア。
17歳。セント・ルレーヌ魔術学校2年。
アジア人とヨーロッパ人のハーフで、髪は黒いが肌は白い。彼女も選抜コースの1人である。

「安心なさいジュンエ。あの娘が何をしでかすのかと臆することはあろうが、たいした事は起こらないでしょう。」

彼女は外を見つめる。

「さすが、やっぱりカフカさんは一味違うねー。」

ジュンエと言う少女の横に居るのはカフカ・アイリス。ジステリア魔術女学院3年で18歳である。
彼女の黄金こがね色の瞳は、見た者を圧倒させる程の美しさ。髪は濁りの無い白銀で、瞳と髪の色が見事に対照的である。また、魔術師3大名家の1つ、アイリス家の長女である。

「選抜コースの者であろうと、私さえいればどうにかなるのです。それに、たかが1年生の1人でしょう。まだ位が低いのだから、大胆な行動は起こせないのですよ。」

「まあ言われてみればそうかもー。しかも、こっち側の計画は完璧だし。」

「ええ、この世に“完璧”など存在しませんでしたが…この計画がこの世初めての“完璧”になりますのよ。」

ここは反政府軍のリーダー室。
部屋は暗く、人目を避けているようにも思える。そして、何かの革で出来た椅子に座るのは、リーダーであるカフカ。幼い頃から魔術の才能を持っており、ジステリアには推薦で入学をしたらしい。その為、反政府軍の一員となるのは容易であったという。

…そもそも彼女。由緒ある家柄の人間であるのに、何故反政府軍になんか入ったのだろう。今の政府に何か恨みでもあるのだろうか…?

_____もう1度言おう。反政府軍のリーダーは、 カフカ・アイリスである。

Re: 星と魔術と御呪い 【1章完結!】 ( No.7 )
日時: 2021/05/27 16:11
名前: 紅蓮 (ID: fqLv/Uya)

【本編補足①】

ここでは1章の補足を書いていきたいと思います。

《魔術3大名家》

・アイリス家
…カフカの父、ジルバ・アイリスが現当主。ジルバの祖母、ジスレーン・アイリスはジステリア魔術女学院の創立者である。また、代々魔術師は家系の中で1人と決まっているので、当主が決められている。

・ヘーゼル家
…ヘーゼル家の末裔であるベル・ヘーゼルは、行方不明となっている。また戦争の影響で、ベル以外のヘーゼルの人間は亡くなったらしい。

・メティリエ家
…メティリエ家の多くが魔術師として活躍している。何百年も前から栄えている魔術家系。また、女性比率が多い。


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