コメディ・ライト小説(新)

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アニマルラミナーズ
日時: 2020/11/23 22:45
名前: ノモケマナ (ID: hDVRZYXV)
参照: https://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=12910

初の作品となります。
投稿頻度はかなり遅いと思いますが応援宜しくお願いします。
感想、アドバイスを頂けると幸いです。

〈目次〉
・1-前章

1話 >>1
2話 >>2
3話 >>3

Page:1



1−前章 1話 『早朝の会話』 ( No.1 )
日時: 2020/11/23 22:47
名前: ノモケマナ (ID: hDVRZYXV)

「ヘ°ガ様、朝テ"スヨーー」



──あぁ、ついにこの日がやってきた。


「ペカ"様、起キテマスカー?」


──やっと……僕の『ゆめ』が叶えられるんだ。


「アレ、ヘ°カ"様ー?」

「今日はなんていい日なんだろう。太陽は微笑ほほえみ、花は歌い、風は僕をやさしく包み込む。そして小鳥が耳元でささやき──」

「ヘ° カ" サ マ 」「うわあああっ!」

 ペガは突然の声に仰天し、肩を跳ね上げた。

「ヘ°ガ様、オハヨウコ"ザイマス。外ニイラシタンデスネ」

 声をかけたのは子柄な鳥ロボットだった。

「あ、ああ、うん。おはようピーコ」

 ペガは顔を真っ赤にし、何度も頬を掻く。心臓の波打つ速さが上がっていることに気づくと、さらに顔を熱くする。

「大丈夫テ"スカ? 顔ガ赤クナッテイマスヨ」

 ピーコは透き通ったルビー色の瞳をくりくりさせ、心配そうにペガの顔を覗き込む。

「い、いやあ気にしないで気にしないで」

 じっと見つめてくるピーコの瞳に耐えきれず、思わず視線をそむける。だがピーコが悲しそうな顔をするので、視線はもとに戻し、代わりに話題をそらした。

「そんなことよりほら、ついにアレが完成するんだ」

「エエ、ソウテ"スネ」

「そうだよ! 相談所が完成するんだよ」

 あまりの恥ずかしさに動揺し忘れていたが、ペガはそれを思い出すとまた意気揚々と語った。

「ついに僕たちの相談所が完成するんだよ。この日をどれだけ待ち望んでいたか。今までがんばってきた甲斐があったなあ。ああ、早く二人を起こさないと」

 ピーコはあまりの早口に唖然あぜんとしている。

「ああ、ごめんねピーコ。でも本当に嬉しいんだ。まさか僕がここまでこれるなんてね。これもピーコのおかげだよ。僕のことを一生懸命応援したり励ましたりしてくれて……本当にありがとうね」

「光栄デス。デスカ"ヤハリ一番スゴイノハヘ°ガ様デス。アナタハ三年前ニ仰ッテイタコトヲ見事に実現サレマシタ。アナタノ努力を隣デ見レタ私ハ幸セ者テ"ス」

 少し大袈裟おおげさな褒め言葉にペガは赤面する。そして改めてピーコと一緒にいれたことへの幸せを胸いっぱいに噛み締めた。

「ペガ様、本当ニ今日ハ嬉シソウデスネ。ア、ソロソロ支度ヲシナイトテ"スネ。ソレデハマダ眠ッテイル二人ヲ起コシニ行キマショウカ」

「そうだね。パッシュ村のみんなにも挨拶しないとだし」

 そうして二人は丸太小屋へと戻っていった。

1−前章 2話 『賑やかな朝』 ( No.2 )
日時: 2020/11/23 22:49
名前: ノモケマナ (ID: hDVRZYXV)

 丸太小屋では異質な三人組が話していた。

「ふあぁ……こんな朝早くから出発の準備かよぉ」

 そう言ったのはまぶたを重そうに開いたフェニックスである。
 若干不機嫌そうで、いつもは活き活きとしている背中の羽もだらんと垂れている。ペガはそんな力ない仲間の姿を見て自然と口からため息が漏れる。

「もう、フェニー。いい加減寝ぼけてないで支度してよね」

 初っ端からこんな調子でこれからの長旅も不安になってしまっているようだ。フェニーは頬を膨らせて、あからさまに不機嫌を主張する。

「まあまあ、良いではないか。焦ってもしかたないだろう……ズズッ」

「ロスはロスでお茶を飲んでないでよ……」

 ゆっくり、ゆっくりと茶を飲んでいるのはケンタウロスのケトロス。
 普通ケンタウロスといったら上半身が人間、下半身が馬だと思うだろうが、彼は違う。
 頭に馬の耳を生やし、尻にはしっぽがついているだけであとは人間と同じなのである。
 彼は茶をたしなみ終え今度はペガに勧める。

「ペガも飲むか? 眠気覚ましになるぞ」

 そんなことを目を閉じて言っている。

「だったらフェニーに飲ませてよ。っていうか準備してよ」

「準備は既に済ました。ではフェニー、茶を飲み目を覚ますと良い」

 彼は湯のみを用意するとさっそく──

「ティーメイク……」

 すると湯のみの上からどこからともなく出現した茶がコポコポと音を立てて注ぎ込まれる。そして最後に葉が一枚落ち、そのまま浸透して消えていくのだった。

「さあ飲みたまえ」

「おぅ、ありがとな」

 フェニーは茶を飲むと、すぐに眠気が去っていくのを感じた。

「おぉぉ、目が覚めた。すっげえシャッキリだ。さすがロスのれた茶だな」

「目覚ましの葉を入れておいた。喜んでくれたなら嬉しい……ズズッ」

「ありがとうねロス。ってまたお茶飲んでるのか」

 ペガはやれやれといったようだ。

「それじゃあ準備するか!」

 フェニーは大きく羽を広げ、やる気を燃え上がらせた。
 目に正気を宿し、深紅しんくを身にまとった姿には覇気がよく感じられる。

「僕も手伝うよ。ピーコはもうベアクおじさんのところで待ってるから急ぐよ」

「私も手伝おう……ズズッ」

 今日も丸太小屋は朝から賑やかだ。


1−前章 3話 『冷静な混乱』 ( No.3 )
日時: 2020/11/23 22:45
名前: ノモケマナ (ID: hDVRZYXV)

 ある大都市と村に挟まれた刑務所では事件が発生していた。
 看守長室に向かって慌てて走る音が小刻みに廊下に反響する。
 そして看守が一人、思いっきりこの部屋の戸を開く。

「看守長、大変です! 五十六番が昨夜脱走した模様です。担当看守は頭を壁に強く打ちつけ、気を失っていました」

 彼は事のあらましを率直にハキハキと説明した。

「なんだって!? すぐに所長に報告しろ。逃走経路の確認も急げ」

「はい!」

 彼はすぐに看守長室を去り、所長室へと向かった。

 その姿に看守長は感心していた。しかしすぐに事の重大さに気づく。

「脱獄じゃねえか。一体どうやって……」

『──緊急警報! 緊急警報! 囚人が脱獄した模様。直ちに確保せよ』

 ニ分ほどで警報がなり始めた。刑務所内は騒然としている。一部の囚人達は脱獄した者に称賛を送り、あとに続こうなどと言っている。
 看守たちがするどく睨むとすぐに黙り、お互いそっぽを向いた。

「他の囚人の確認も急げ。逃走手段、逃走経路を刑務所内外すみずみまで調べ上げろ。チューオシティとパッシュ村にはこのことを急いで伝えろ。パッシュ村には警備隊を送るように……」

 所長は状況を冷静に判断して看守、刑務官に的確に指示を出している。指示を受けた者たちもすぐに行動を始め、問題の解決に向けてすみやかな対応をとっている。そこに一人の男が現れた。

「所長!」

 その男は囚人番号五十六番のいるエリアの担当看守であった。

「デミスではないか。お前のようなベテランが囚人を逃がすなんてな。さて、話を聞かせてもらおうか」

 所長はデミスの目をじっくりと見つめる。

「はい。まず……私の不手際によりみなさんに多大な迷惑をかけてしまっていることを心からお詫び申し上げます。本当にすいませんでした」

 デミスは深々と頭を下げ、自身の失敗を大いに反省している。

「顔をあげろ。謝るのは良い事だ。だが現在進行形で起こっていることにいくら謝っても解決することはない。話してくれ、昨夜のことを」

 所長は優しく、そして厳しくデミスに接する。
 デミスは所長の言葉をしっかりと受け止めて話し始める。

「はい。とても馬鹿げた話ですが、なんと……ヤツは魔法を使ったのです」

「なんだって? ここは絶マ地だぞ」

 この世界には『魔法まほう』が存在する。多くの人が使えて、人によって使う魔法も異なる。だからそれが使えること自体はおかしくない。
 問題はここが魔法の源となる『マナ』が一つもない絶縁マナ地帯であることだ。つまり五十六番が魔法を使ったというのはありえない話なのである。デミスは続ける。

「ええ、確かにおかしな話です。それでもヤツは使った。巡回中の私から鍵を引き寄せ奪い、牢を開けました。私がそれに気づいたときにはもう遅く、ヤツの魔法で吹き飛ばされてしまいました」

 所長は少し頭を悩ませたもののさすがは所長といったところか、冷静な判断を続ける。

「では五十六番牢あたりにマナがあるということか。今すぐ調べるぞ」

 所長は五十六番牢に向かおうとする。だが……

「いや、先程調べましたがマナは一つも見つかりませんでした」

 デミスがおかしなことばかり言うので、所長はどんどん頭が混乱していく。

「なんだと……どういうことだ。五十六番はマナの創造魔法を持っているわけでもないのに」

 所長は悩んだ、悩んだ、大いに悩んだ。それでも分からなかった。いくら答えを出してみてもすぐに違うと言われるのだ。
 所長はとりあえずこのことを皆に伝えにいった。

* * * * * * * * * * * * 

 所長の報告から一時間、刑務所では未だに捜査が行われていた。

「看守長。これを見てください。五十六番は出入り口から脱出しています」

 一人の看守が記憶魔石を看守長に見せている。
魔石ませき』とは周囲のマナを利用して魔法を発動するものだ。これは魔法が使えない者でも利用できるため、様々な場面で扱われる。
 種類も豊富で攻撃魔法を放てるもの、日常生活に役立つもの、遠くの場所に連絡ができるものなどがある。
『記憶魔石』は周囲の状況を記録し、映し出すことも可能という便利な道具だ。ちなみに看守が見せたものはマナのある離れた場所から刑務所の出入り口を記録している。
 看守は映像を見て思わず笑う。

「こんな律儀な脱獄犯がいるとはな。これより前に外部から何者かの出入りはないのか?」

 もしいるとすれば、その者が五十六番の脱獄の幇助ほうじょをしたことになる。しかしその時間帯に人の出入りはなかった。五十六番を除いて……。

「五十六番は一体どうやって脱獄したのでしょうか……」

 看守長は至極真っ当な考えを脳裏に浮かばせる。

「デミスによると魔法で鍵を引き寄せて開けたらしい。だが魔法は使えるわけないよな。もしかしたらデミスは誤って鍵を五十六番牢付近に落としただけじゃないのか」

 それを聞いた看守もそうだろうとうなずく。

「今デミスは取り調べ中です。直にわかることでしょう」

 すると看守長はあることに気づいた。

「ていうか出入り口から出てるんなら逃走経路少しわかるじゃねえか」

 看守はハッとする。そして照れくさそうに頭を撫でて言う。

「不可解な脱獄事件に気を取られて完全に忘れてましたね」

 看守長は呆れ返ってため息を深くついた。

「何やってんだよ……で、どの方面に逃げたんだよ」

 その質問に看守はすぐに答えた。

「パッシュ村ですね」


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