コメディ・ライト小説(新)
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- HI・HOPE!
- 日時: 2021/01/28 14:04
- 名前: 平松雄大 (ID: 2Ujo/OfH)
このサイトに投稿するのは2回目です。今度から名前を変えて「赤い酒猫」といたします。いくつかの小説を掛け持ちしますので、不定期投稿になると思いますが、頑張りますので、ぼくのほかの小説も読んでいただけたら幸いでございます。
今年度から、中学生となります。そのため、文法などが乱雑な部分もありますが、温かい目で見ていただけたらな、と思っております。どうぞよろしくお願いします。
(他の小説はコメディ・ライトの部で掲載させていただいています、「ボクノソバデ」というものです。こちらもぜひ、ご覧ください)
- Re: HI・HOPE! 癒しのカノジョ ( No.4 )
- 日時: 2021/02/27 17:43
- 名前: 幸福な赤い酒猫 (ID: 2Ujo/OfH)
「温子!!なんで勝手に人の部屋入ってんの!!OKしてないはずだけど!!」
「でも、OKしなくても意外に求めてなりして。」
チッ、図星だ。カッコつけたくてOKしてないだけだ。
「温子、今日はやけに機嫌がいいみたいだな。でも、こっちは大変だったんだ。」
「何があったの?そっか、たしかに今日は帰りが遅いもんね。」
「バイト中にさ、倒れた人が居たんだよね。お客さんなんだけどさ。それで、もちろん救急車呼ぶじゃん。僕
たちまだ医者の卵なんだしさ。呼んだらさ、店長が病院まで連れてかれてさ、その後も店長の分まで働いてき
てあげたっていうわけですよ。」
「そっか、大変だったんだね。おつかれ。ご飯は軽くだけど作っといてあげたから、それあっためて食べて
ね。私は天がご飯食べてるのを見終わってから帰る予定だから。」
「うん」なんて生返事をしているが、考えてることは今日の夜ご飯のことではなく、温子のことである。
今晩の瞳はやけに水分があり潤んでいた。眠かったのだろうか。
うん、僕がご飯を温めている間も何回か欠伸をしている。
美しい。さすが、ぼくの彼女。人を包み込むような雰囲気を醸し出していて、自分のことを犠牲にしてまでも
包み込もうとする。
でも、自分に辛く当たりすぎない。ちょうど良い。こうでなければ、相手側も落ち着いて身を任せることがで
きない。だから、心も美しい。もちろん、その他、もちろん顔も美しい。
「さっきからずっと無言だけどどうしたの。そんなに疲れた?あ、もしかして美味しくなかった?」
「いやいや、とんでもない。めちゃくちゃ美味しいよ。やっぱ温子の作ったご飯はお母さんのよりもめっちゃ
美味しいよ。マジで。」
「そんなこと言ったらお母さんが悲しんじゃうでしょ。私のこと無理にあげようとしなくても、天からは離れ
ないから。安心して。で、なんでそんなボーーーーってしてんのってことだよ。」
「温子が綺麗だからだよ。だから、見惚れてるってこと。」
「そんなお世辞言わなくてもいいよ。綺麗だっていつも言われてたら、汚くなっちゃう。」
そんなことを言いながら温子はアハハハハ、と笑った。でも、同時にそれは何故か、ぼくにとってはぼくを嗤
う様でもあった。
しかし、そんな不吉な考えも温子の笑いがすぐに吹き飛ばしていった。
こんな他愛のないことで笑いあえる日々が続くと思っていた。でも、それはあくまで自分が思ってい
るだけだった。
今日は、
新月だった。
- Re: HI・HOPE!〜まだ満つことができぬ月 ( No.5 )
- 日時: 2021/03/24 20:31
- 名前: 幸福な赤い酒猫 (ID: 2Ujo/OfH)
大変なことが起こった。
温子が倒れた。
ぼくが温子の家を訪れた時に倒れているのを発見した。その顔は青ざめていて、とても生きた人の顔ではなかった。
その後病院に搬送された温子を見届けて、家を調べたところ、原因は精神安定剤。市販のものが大量に置いてあった。もちろん、中は空っぽの状態で。
その後、温子の見舞いをしない時はずっと悶々と考えることになった。温子はなぜ、あんなことをしたのか。医師国家試験は?温子についてが主だが、それ以外にも悩みはある。考えることが多くて大変だ。
大学はもっと遊び呆けれるものだと思っていた。それがこんなだ。皮肉なことだよな。
- Re: HI・HOPE! ( No.6 )
- 日時: 2021/04/12 06:43
- 名前: 幸福な赤い酒猫 (ID: .xQ.zB/T)
肝腎の温子が目を覚ました時には、なんと、ぼくは寝ていた。こんな大事な時に目を覚ましていないだなんて、我ながら最低なやつだ。でも、仕方なかったのではとも思う。三日三晩なるべく起きていないと、と思って起き続けていた結果がこうなのだ。
「温子、ついに目を覚ましたか。心πしたんだぞ。お前、睡眠薬だなんて、素人目から見てもダメだろ。何やってんだ?不満があったか?たしかに俺と温子じゃ月とス」
「試験勉強で大変な時期に天に迷惑かけたくないし。だって天は頭いいけどさ。私、試験勉強うまくいかんくって、最初は普通に頭かきむしったりするくらいだったけど、次は酒に移って、多いときはジョッキ4杯飲んで、それでもヤバくって最後にこうなったの。それだけ、私が追い込まれてたってことよ。」
「だからって自殺するほどのことじゃないはずだ!」
「そうよ、私はバカだからこんなことするしかなかった。それだけ。バカに生まれた私の末路よ。天が探してくれたんでしょ、きっと。見つけてくんなかったらあれが私の末路だったのよ。」
「そんな、俺は温子のことをバカだって言ってんじゃねえよ。実際そこら辺のサラリーマンよりは頭いいはずだろ。」
「違う、天が私をバカだって言ったんじゃない。私が私をバカだって言ったの。だから、天には何も関係ない!」
「恋人が死にかけになってたのにか?それでも、俺と温子は無関係だって言い切れるのか?俺から告っただろ。お前に告った俺がバカだった。こんなすぐに恋人見捨てて死のうとするやつ、俺の恋人じゃねえよ。友達でもねえぞ。絶交だァァァァァ!!」
- Re: HI・HOPE! ( No.7 )
- 日時: 2021/04/30 18:10
- 名前: 幸福な赤い酒猫 (ID: .xQ.zB/T)
少し、言い過ぎたかもしれない。「絶交だ」なんて、こんな軽くいうもんじゃない。
でも、あの時あの場所で温子を見た僕は確かにそう思ったのだ。うん、カーッとしてみたいなのじゃない。
絶交。恐ろしい響きが頭の中を駆け巡る。絶交ということは関わりをたつということであり、一生相手と話してはいけない、というふうに置き換えられるだろう。
やっちまった。
考え出してすぐ、後悔の念に駆られた。こんな僕の彼女。唯一の大事な彼女。失いたくはない。ここまで後悔するとは。
謝るべきだろうか。そうだろう。でも、僕と温子は絶交したのだ。なら、そんなことしなくたって普通に過ごせばいいだけだ。
僕の心と頭で悪魔と天使がバトルを繰り広げている。主である僕も止めることができない様な、壮絶な論戦。
結論はまだしばらくでなさそうだ。
- Re: HI・HOPE! ( No.8 )
- 日時: 2021/05/04 05:36
- 名前: 幸福な赤い酒猫 (ID: .xQ.zB/T)
その日僕は解決のためにチートを使うという暴挙に出た。
そのチートというのは友達に相談するということである。僕には格別友達が多いわけではないが、まあ、一般的な程度には居る。
相談相手は梶原泰というものだ。梶原は高校からの同期で、飲みに行ったりもするし、二人でいろんな話をした。ということで、僕から見たら「親友」という存在になる。
「おい、梶原。あん、うん、あー、お久しぶり。ちょっといいか、相談したいことあるんだけど。」
「あー、しょうがねえなあ。え、電話で相談もちょっとアレだし、久しぶりに飲み行くか?まだ7時ちょい前だろう。まだまだ今からでも十分行けるぜ。あ、もちろん代金はお前持ちな。あと、相談料500円」
「うーん、割と相談料がまともなんだけど。でも、俺相談料払わねえからな、お前の飲み代払ってついでに500円とか払いたかねえ。それに飲み行くか?って言う方向に持ち込んで行ったのはお前なんだからお前も相談事あるんだろ?」
「ん、あー俺ね。この前色々と珍事件が起きたからさ、それについて喋りたかったのと、彼女ができたけどどう扱えばいいのか分からないっていうことだけだから。ちょうどお前が相談持ちかけてくれて、ラッキーってとこ。」
こいつ、僕とは対象的なことで悩んでやがる。なんでこんなところで抱いてしまうのかは分からないが、梶原に対して嫉妬を抱いてしまう。
「OK、じゃあ相談料10000円ね。重大な話だから高く付くんだよ。うん、しょうがねえことだ。これが人生、人生舐めたらあかーん。で、天童よしみは良くて、どこ集合する?いつもの『とりあえず』でいいか?」
「お前ぼったくりはいかんよ。で、場所はそれでいいんじゃね?本当だったら風俗とか言って不倫して背徳感味わいたかったけど。」
「お前、そんな勇気ある性格だっけ?ま、いいや風俗も行けたらな。行けたら風俗行ったことお前の彼女に言ってやるから。しっかりしばかれろ。鞭打たれたりとかしそう。なんてったってお前が選ぶ彼女だからな。可愛いけどキツイって言う感じの人でしょ?」
「・・・チガイマスヨ。」
「はい、図星。じゃ、今すぐ家出て出発ーのとりあえず『とりあえず』で集合な。じゃ、また後で。うい。」
なんてことだ。電話を終わってから初めて気がついた。なんで僕は彼女をほったらかして飲みに行こうとしているんだろう?なんで深い眠りから覚めたばっかの彼女を置いて飲みに行こうとしているのだろう?
これは関係ないことだろうか?確かにもう関係を再構築するのは難しい様な仲だけど、それでもまだ細くて赤い糸で結ばれているんじゃないか。だとしたら、ここで無視するのじゃなく、しっかり謝って、少しでも関係の再構築を試みたほうがいいのではないか。
こんな時、人間は残酷だ。難しいお題と楽な上、楽しいお題があったら、前者が重要であっても後者を選びがちなのだ。
そしてもちろん僕も御多分に洩れず後者を選択するのであった。
これが悲劇に転ぶかハッピーエンドに転ぶかは、僕にはわかったことではない。
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