コメディ・ライト小説(新)
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- 魂の終着点
- 日時: 2021/09/13 11:34
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
はじめまして。
君は罪を犯したんだ。
だから僕が裁く事になった。
僕は魂の管理者・シエル。
君達魂と対話を成す事が出来る死神だよ。
君の人生の全てを観て、全てを裁く者。
記憶、感覚、言葉、思考、
その全てを観るのがこの僕。
あぁ、そうだった。大事な事を言って無かったね。
君はもう死んでいるんだ。
恋色トライアングル【>>1->>3】
死合わせの為に【>>4->>5】
学校七不思議【>>6->>12】
- Re: 魂の終着点 ( No.2 )
- 日時: 2021/03/16 17:40
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
「さて、君は何の罪を犯したのかい?」
「つ、罪なんて犯して無いわ!大体、貴方は誰なのよ!それにここは.....。」
「あぁ、此処は魂の書とは呼ばれているけど、本当の魂の書は魂の全てを記載した本だから、魂の管理場とでも行っておこうか。」
手元に魂の書を呼び出す。
「な、何なのよ!それに私を誘拐して何をするつもり!?お父様が許さないわよ!」
「誘拐?何を言ってるのかな?君が死んだから此処に来たんだよ。」
「え?.....私が....死んだって?」
ー魂の書ー
あの子が居なくなれば彼はすぐに手に入ると思ってた。
だって、私の家は地位が高いもの。
すぐに金に釣られてくれると思ってた。
「ねぇ優君。私、優君の事が好きなの。」
「ごめん....鏡花。俺.....彼女の事が忘れられなくて.....」
「恵梨の事.....?......ねぇ!そんな女忘れて私と結婚しよう?」
優の手を握って、目をしっかり見て喋る。
「あんな女と一緒に居ても、楽しくなんか無いよ?ねぇ、もう忘れよう?私と結婚したら幸せになれるよ?ううん、絶対に幸せにするから!お願いだから!」
「悪い.....頭痛い.....今日は休む。」
あの女の何処が良い訳?
それに、もうあの女は居ないって知ってるのに。
「優君?優君!....大丈夫?血だらけだよ?....すぐに国内最高峰の医者を呼ぶから!」
「良いんだ....。俺は恵梨の元に行くよ.....。」
「え?....何で?....何で?ねぇ何で?」
「お前、恵梨とずっと一緒に居たからデート出来なかったんだよ。だから、俺はお前が嫌いだ。」
「どう.....して.....?」
お腹を見ると優が投げ付けて来たであろうナイフが刺さっていた。
痛くて苦しい。
「君は殺害の罪に値する。恋の為にライバルを蹴落とすのは良くないと思うよ。君は殺人に手を染めないで生きていける方法があったかもしれないよ。」
今日もまた、魂が散って行く。
- Re: 魂の終着点 ( No.3 )
- 日時: 2021/09/09 21:07
- 名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)
「さて、君の罪は……いや、分かってるか。」
「ああ。俺は恵梨の恋人とはいえ、殺人に手を染めた。俺は地獄に行くんだ。」
「話が早くて助かるね。君は殺害の罪と自傷の罪に値する。」
とはいったものの、何故3連続なのだろうか。
魂の結び付きが強いからか、死後も一緒とは仲がいいものだ。
僕も羨ましいね。
「考えが変わった。君は罪を悔いている様だから、死後は一緒にしてあげる。」
「その優しい心に感謝するよ。」
また散っていく。
- Re: 魂の終着点 ( No.4 )
- 日時: 2021/09/09 22:16
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
「さて、君は何の罪を犯したのかい?」
「あたしの罪……?分からない、あたしは誰で、あなたは誰?」
「ここは魂の管理場、そして君はもう死んでいるんだ。」
「あたしは死んでるの……?何も思い出せないの、あなたはあたしを分かるの?」
「うん、記憶も感覚も、思考も全部知っているよ……。」
ー魂の書ー
「私、お姉ちゃんとの縁は、もうここで切る事にしたの。」
「何で……?」
そうだ。
あたしには妹がいて、あたしはお姉ちゃんだった。
「お姉ちゃんには、沢山迷惑を掛けて来たし、助けて貰った。だから、お姉ちゃんには幸せになって欲しいの。私にもう二度と、近付かないで。」
「何で……何であたしを裏切るの!?あなたがいないと、あたしは何も……!」
部屋の扉に向かって、ゆっくりと歩いていく音。
それに一生懸命手を伸ばしても、阻まれてしまう。
あたしはどうして、こんな大切な事を忘れてたんだろう……。
「どうして、あたしを裏切るの……?」
絶望と期待が込められたその言葉には、全てを語るのには充分だった。
「あたしは何で、こんな大切な事を忘れてたの?あたしはどうして裏切られたの?」
「君には、見せない方が良い記憶だったのかもしれないね。でも安心して、直ぐにまた忘れるから。」
ふと耳元で囁いた言葉が、彼女の瞳を濁らせ混乱を解き、全てを忘れさせた。
「君は嫉妬の罪と死合わせの罪に値する。彼女の心を壊して凍らせたのは、紛れも無い君で、裏切られたのも全てが死合わせだ。」
真実は、時に絶望である。
何も知らないだけが罪では無い、知らなかったからこその幸せで、死合わせなんだ。
- Re: 魂の終着点 ( No.5 )
- 日時: 2021/09/11 21:32
- 名前: 雪見餅 (ID: 0LEStScZ)
「さて、君は何の罪を犯したのかい?」
「貴方が傍観者という事なのね……。」
「傍観者かぁ。ま、ちょっと違うけどね。」
ー魂の書ー
「おねえたん、わたしひとをしあわせにしたい!」
人を幸せにする人間になりたいと、幼い頃からずっとそう思ってた。
でもある日を境に、そんな事考えなくなった。
「あなたはあたしの大切な妹だよ……。」
幼い頃からずっと不運体質で、周囲に不幸をもたらす存在だった私に、幸せを振り撒くお姉ちゃんは寄り添ってくれた。
でもそれは同時に、私が不幸だと気付かせてしまった。
人と違って私は幸せになれないんだと。
その時から多分、私は心が壊れて凍ってたんだ。
お姉ちゃんと縁を切ろうって決めて、さよならしようって。
でもお姉ちゃんは自分が裏切られたんだって混乱してた。
「お姉ちゃんに気付かれたくない……。お姉ちゃんは幸せのままで、私が死合わせにしてあげなきゃ。」
真実は時に絶望だと、お姉ちゃんにはそのまま幸せでいて欲しいから。
自分を頼ってくれる姉を、静かにナイフで首筋を斬った。
「君は殺害の罪に値する。だけど、君の姉を想う気持ちは確かに正解だったよ。だからちゃんと絶望せずに幸せになれた。」
「お姉ちゃんが……最後まで幸せでいられたのなら、良かった……。」
安堵するその顔は、何処かで昔見た様な気がした。
でも、それは全く思い出せない。思い出したくは無い。
- Re: 魂の終着点 ( No.6 )
- 日時: 2021/09/13 11:47
- 名前: 雪見餅 ◆Jhc7o2e8z6 (ID: 0LEStScZ)
ー魂の書ー
人を喰う、鬼と呼ばれる存在。
太古の昔から存在する、未だに存続している種族の1つ。
そんな鬼の1人は、学校の七不思議として有名である。
「あはは。美味しそうな人間だぁ、その命頂戴するね。」
人間を鎌で切り裂き、傷口に食らい付き人間を食す。
絵面はかなりやばいが、美味しいのは確実だった。
「君は、何の罪を犯したのかい?」
「罪……?君、人間だよね……?美味しそう、命頂くね!」
何故か鎌は無かったので、普通に襲い掛かった。
すると、彼の身体は透けてしまい、床にぶつかる。
「残念だけど、僕は魂の管理者で死神だし、死人が触れる様な存在じゃないよ。」
「僕が死んだ……?僕は人を喰らって寿命もかなりあったし、怪我や病気も直ぐに治る鬼だぞ……?」
「現実を受け入れないのなら、結構。君の他にも対応すべき者はいるからね。君は傲慢の罪に値する。」
魂の管理者は1つの種族に一方的な味方をしてはならない。
人を喰う事は、必要不可欠だった事だ。仕方ないと言い切れる。
「僕は……何故人を喰って……?」