コメディ・ライト小説(新)
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- ワールド·エデン~バトロワゲーガチ勢、オープンワールドへ~
- 日時: 2021/10/06 21:05
- 名前: 草の人 (ID: GRPIh4JV)
初投稿おなしゃす
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「よっしゃっ!!一人ダウンさせたぞ!!」
「ナイス!!詰めよう!!」
「....OK!!勝ったぁぁぁぁ!!」
画面に表示される「victory」の文字。
ある日、俺は友人と共にゲームの大会に出ていた。
「きょーちゃん!!カバーサンキューな!!」
「フッ、もっと褒めても良いんだぞ?」
「何言ってんだよ...まぁ、恭介のお陰で勝てたんだし、ジュースくらい奢ってやるよ」
「マジ!?お前、神かよ!?」
この、調子乗ってるのが俺、「天野恭介」である。
「ははは、大袈裟だな...」
この冷静ぶってるヤツは、「吉野次郎」だ。
「じゃあ、俺はメロンソーダな!!」
「はぁ?どさくさに紛れて奢って貰おうとすんなよ...」
「きょーちゃんは良いのに、何で俺はダメなん?」
「う~ん...なんとなく?」
「ひど!!良いだろメロンソーダくらい...」
このメロンソーダが、「浜田陽太」だ。
まぁ、なんやかんやで大会も終わり、俺達は会場周辺をうろついていた。
「なーんか面白いゲームないかなー。きょーちゃん、何か知ってる?」
「俺らにはバトロワゲーという神ゲーがあるだろう?」
「まぁ、他のゲームもすると、以外と楽しかったりすんじゃねぇの?なぁ、陽太」
「そうだよ、バトロワだけに縛られちゃダメだって!!」
成る程な...そう言う考え方もあるのか...
確かに俺は縛られていたかもしれない...
じゃあ、これを期に、新しいゲームを始めるのも有りかもな。
「そうだ!!きょーちゃん!!次郎!!俺達3人で同じゲーム始めよーぜ!!」
「おっ、良いアイディアだな。俺は良いけど、恭介、お前はどうだ?」
「良いに決まってんだろ!!やろうぜ!!」
「オッケー、決まり!!じゃあ肝心のゲームはどうする?」
そう言えば最近流行っているゲームがあるよな?
名前は...確か...
「ワールド·エデン...」
「「は?」」
「あっ、いや、独り言だ。気にしないでくれ」
「きょーちゃん天才!?」
「あぁ、俺も気になってたんだ。じゃあ、
ワールド·エデンで良いよな?」
俺と陽太は深く頷いた。
これが俺達とワールド·エデンの出会いだった。
______________________
この話は導入みたいなものです。
次回から、本編が始まります。
不定期更新ですがお願いします。
※この物語はフィクションです。
実際の人物、団体とは一切、関係ありません。
- Re: ワールド·エデン~バトロワゲーガチ勢、オープンワールドへ~ ( No.15 )
- 日時: 2022/03/06 23:24
- 名前: 草の人 (ID: D.48ZWS.)
結局更新が遅くなるマンです。
今回も番外編、視点は矢神さんです。
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「矢神さん、ラスト!!」
わ、私にやれるだろうか...?
最後の1人を倒せるのだろうか...?
でも、せっかく恭介君達が減らしてくれたんだ...
やるしか...
「矢神さん、一回落ち着いて回復しよう。シールドが削れてる状態じゃ勝ち目が薄い」
「わ、わかった...」
私はひとまずシールドチャージャー?を使う事にした。
一旦落ち着いて考えるとしよう...
『残り30秒で最終エリアが縮小します』
「矢神さん、少しヤバいぞ...」
「何でだ?」
「ここ、安置のギリギリだ...」
あん...ち?
アンチの事か?
しかし、アンチのギリギリってどういう事なのだろう...
「恭介君アンチって何だ?」
何故だろう...
恭介君に呆れられている気がする...
「おい、敵が復活してるぞ!!」
不意に次郎君の声が聞こえた。
敵が復活しているのか...?
せっかく2人が倒してくれたのに...
私に...出来るのか...?
...いや、やるんだ!!
私はスモークグレネードを使った。
これで恭介君を復活させる!!
...後4秒
頼む...来ないでくれ...
「サンキュー、矢神さん。後はまかセロリ」
「わ...私はどうすれば良いんだ...?」
「そうだな...敵に向かってスモーク投げてくんない?」
「馬鹿か!!恭介の視界が悪くなるだけだろ!!」
「うるせぇぞ次郎、ランカー舐めんなよ」
言われた通り、私はスモークを敵に投げた。
これで良いんだな。
「オッケ、後は俺がやる」
恭介君は敵と戦い始めた。
私も何か出来ないか...
私はその場にあったグレネードを投げた。
当たってくれ!!
爆発音と共にvictoryの文字が表示される。
勝った...のか...?
「まじかよ、グレで3人倒したぞ...」
「ビギナーズラックってやつかな...」
「まぁ、良いじゃないか!!私達が勝てたんだから」
「まぁ、そうだな」
私は活躍できただろうか?
そんな疑問は置いて、今はこの喜びを噛み締めたい。
______________________
「寝過ごしたー!!きょーちゃん達に謝罪メール送らないと...ん?次郎からメールが送られてるな...」
『恭介と矢神さんとカラオケnow』
「今行くぞー!!」
諸事情により更新が遅れました、作者です。
これから再開していきますので、何卒お願いいたします。
- Re: ワールド·エデン~バトロワゲーガチ勢、オープンワールドへ~ ( No.16 )
- 日時: 2023/01/15 14:24
- 名前: 草の人 (ID: mN5d1wHr)
ボカロにハマった作者です。
1章5話目です。
______________________
「よしっ...いけるっ...!!」
ワールド·エデンを始めて2週間くらい経った今、
俺は格ゲーにハマっていた。
何で格ゲーだって?
ふっ、愚問だな...
次郎と陽太にボコされたからだよっ!!
あぁーっ!!
思い出しただけでムカついてきた!!
陽太のあのドヤ顔!!
ムカつくわー!!
次やった時は見返してやる!!
『ピコーン』
ん?
メールか?
俺はアプリを起動させた。
珍しいな、矢神さんからメール来るの。
『最近、ログインしていないじゃないか。どうだ、今日一緒にやらないか?』
矢神さんからの誘い事を断る訳にはいかないな。
そうと決まれば速攻ログインだ。
俺は返信をしてログインした。
「いやー、久しぶりのログインだな...アイツらにレベル越されてないと良いな...」
目が覚めると宿屋にいた。
あれ、変だな?
前回終わらせた時、クランの広場だった気がするんだけど...
何か、チャットが送られて来てるな
『フウジンさんが貴方を追放しました。』
は?
矢神さん...?
何をやっているのでしょうか...?
『ショウテンから無法の捕食者への招待が来ています。』
さすが、正平。
対応が早いな。
まぁ、矢神さんに限ってわざとは無いだろうし全然許すけどな。
○
「本当にすまない!!」
「大丈夫だって、本当に。わざとじゃないんだろ?」
「ああ、わざとではない!!」
「わざとじゃないなら良いって言ってるだろ?」
「ゆ、許してくれるのか...?」
上目遣いやべぇ...
可愛過ぎんだろ...
こんなんされたら、わざとでも許しちまうわー。
「全然許すよ、それくらい」
「あ...ありがとう...」
「ど、どういたしまして?」
何故感謝されたんだ?
分からない...
分からないぞ...
「そうだ、まだ他のメンバーと会っていなかったね。丁度いい、紹介しよう」
「どうも、ミツキです...ってアンタ恭介!?」
「えっ...まさか...姉貴...?」
マジかよ...
何でいるんだよ...
______________________
姉貴が登場しました。
設定は後々明かしていきます。
- ワールド·エデン~作者から今後についてのお知らせ~ ( No.17 )
- 日時: 2022/03/31 00:14
- 名前: 草の人 (ID: D.48ZWS.)
作者です。
関係無いですが某3人チームFPSにハマってます。
今回は本編の更新ではなく、お知らせです。
受験期がついに到来いたしました。
私も学生である以上、避けられない事です。
つきましては、この小説ですが、今以上に更新頻度が少なくなります。
決して連載終了ではありませんのでご安心ください。
合間を縫って少しずつ執筆してまいりますので、楽しみにしていただけると幸いです。
更新した時は是非とも読んでやってください。
ここまで読んでくださっている方、楽しみにしてくださっている方には申し訳ありませんが、少しの間待っていてください。
もう一度言いますが、連載は続きます。
これでお知らせは終わります。
- Re: ワールド·エデン~バトロワゲーガチ勢、オープンワールドへ~ ( No.18 )
- 日時: 2022/07/11 21:21
- 名前: 草の人 (ID: y5qheDIH)
小説を書くの久しぶり過ぎて書き方を忘れた今日この頃です。
なので番外編を書きます。
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一体どれだけ歩き続けたのだろう。
この砂の海をどれだけ進んで来たのだろう。
あぁ、喉が渇いた。
私の魔術で水を創り出そうか。
...いや、そんな魔力すら私には残っていない。
足がふらつく、目眩がする。
私は...今日死ぬの...だろう...
ワールド·エデン~バトロワゲーガチ勢、オープンワールドへ~ 外伝
『渇望せし禁忌の魔術師 前編』
「..お...て...」
微かに声が聞こえる。
誰だ?
...あぁ、天からの迎えが来たのか。
「...おき...」
思えば下らない人生だった。
誰かを愛す事も無ければ、愛される事も無かった。
きっと私はもうすぐ意識すら無くなるだろう。
どうせなら、誰かに必要とされる人生を歩みたかった。
だが、もう叶わぬ望みだろう。
私はもう天に召されるのだろうか。
いや、きっと私は無に帰すのだろうな。
ははは、風が今となっては心地よい。
小鳥が囀ずり、草葉が全身を撫でているようだ。
...何かがおかしい。
荒廃した土地に草葉が生える訳など無い。
それに小鳥がいる事すらもおかしい。
目を開けると森の中に私はいた。
何があったのだ?
私は砂漠を彷徨っていたはずだろう。
衣服は...そのままだ。
...私のローブが無い。
どこへいったのだろうか。
「あっ、やっと目を覚ました」
声の方向に目を向けると可憐な少女が立っていた。
「誰だ?貴様」
「貴様って失礼ね。まぁ、良いわ。私はユリ。貴方の名前は?」
「私の名...私には、名など無い」
「ふーん、記憶喪失かしらね。じゃあ、貴方の名前″クロッカス″ってどうかしら?」
「好きに呼ぶと良い」
「無愛想ね...あっ、そうだ。ローブ洗ったから返しておくわね」
「ところで、貴様は何者だ。何故私はここにいる」
「私は次元の守護者の賢者。何で貴方がここにいるのかは言えないわ」
それから、私は様々な説明を彼女から受けた。
この場所について、彼女の役割について等、様々な事を。
「最後に、私が何をしてるのか見せてあげる。目を瞑って」
言われる通りに私は目を瞑る。
一体、何をしようと言うのだろうか。
「目、開けて良いわよ」
目を開けると町が辺りに広がっていた。
何故、また移動したのだ。
この一瞬で町まで辿り着けるはずがない。
「これは貴方が倒れていた場所の別の次元よ」
「な...あり得る訳が無いだろう」
「けど、これが事実よ。今の次元とさっき見せた次元以外にも、あと2つあるわ。私と他次元の守護者は次元の乱れを防ぐ事が仕事なの」
にわかには信じられない。
これが現実で起こっている事なのか?
しかし、数ヵ月も経った後にはそんな事は微塵も感じ無くなった。
ただ、彼女との生活が楽しかった。
過ぎ行く日々を大切に思えたのは、これが初めてだった。
私は様々な感情を知る事が出来た。
喜び、悲しみ、寂しさ、愛。
どれを取っても私には初めてのものばかりだった。
私はこの暮らしを愛しく思えた。
そして続いて欲しいと心から願った。
だが、現実は甘く無かった。
ある日、私は少し森の奥深くまで出掛けた。
そこで私はある魔術書を見つけた。
「禁忌の書、幻影?」
それを私は持ち帰り、彼女に見て貰う事にした。
しかし、この時から私の人生は狂い始めていた。
「ケヒヒッ、この女口程にも無かったな」
魔族だ。
魔族が彼女を...ユリを殺そうとしていた。
「貴様、何をしている!!」
「クロッ...カス...?」
「おっと仲間がいたのか」
「貴様を殺してやる!!」
「ダメ、来たらダメよ!!」
「ケヒヒッ、脳筋野郎が、黙ってな」
「がっ...!!」
物凄い勢いで木へ叩き付けられる。
私はその場に倒れ込んだ。
「ケヒヒッ、人間ごときが俺みたいな上級魔族に敵うと思うなよ!!」
「...めろ」
「さて賢者サマを殺して魔力を奪うか」
「やめろと言っている!!」
くそ、私ではどうにもならないのか!!
あぁ、こんな事になるのなら、こんな気持ちになるのなら、私は伽藍堂なままでいたかった!!
「クロッカス!!私はまだ...貴方を信じてるわ!!」
あぁ、そんな事を言うな。
私はまた、希望を持ってしまうではないか。
「いーや、希望ならあるぜ」
辺りが真っ暗になる。
不意に、巨大な狼が目の前に現れた
「何なんだ、お前は」
「俺か?俺は影狼。禁書の呪いだ」
「呪い...だと?私に何の用だ」
「そう怒るな、さっきの魔族を殺せるかもしれないんだぜ?」
「何?」
「俺と契約しろ。そうすれば力を貸してやる。そう怪しむな。不死になるだけだ」
「不死になる代わりに力だと?」
「あぁ、そうだ。迷ってる時間は無いぞ?あの小娘は今にも死にそうだ」
私の人生はいつから狂い始めたのだろう。
いや端から狂っていた。
ならば、この身がどうなろうとも、私にはもはや関係無い。
答えは1つだ。
「わかった。飲もうでは無いか、その条件!!」
「契約成立、だな」
気付くと元の場所に横たわっていた。
だが、全身の傷が癒えている、体が軽い。
今なら行けるだろう。
「お前、まだ生きていたのか...ならお前から殺してやる!!」
「クロッカス!!」
「...″蜃気楼″」
「消えた...だと!?」
「″影狼、影牙″」
「ギ、ギャァァァァ!!」
「貴様みたいな奴は地獄に堕ちると良い」
魔族を殺した後、ふと我に返る。
早く、ユリを治療してやらねば!!
私は急いで治癒魔術を使う。
「クロッカス...私もう...ダメみたい...」
「そんな事言うでない!!まだ助かるはずだ!!」
「ねぇ、クロッカス。最期のお願いを...聞いてくれる...?」
「喋るな!!傷口が開くぞ!!」
「私の″次元魔術″を...貴方に...受け継いで欲しいの...」
私はもう何も言えなかった。
「これが、私の最期の仕事...受け取って...」
彼女から光が溢れ出し、私の中に取り込まれていく。
「これで...私の魔力と魔術は...貴方のもの...あぁ...こんな事になるなら...もっとクロッカスと色んな事...したかったな...」
私の目から涙が溢れる。
そして、彼女は息を引き取った。
あぁ、私が何をしたと言うのか。
何故このような事になってしまったのか。
何故このような気持ちになっているのだろうか。
私は気付いた。
私は″恋″に掛かっていたのだ。
平穏な暮らしの温かさ、そして、彼女への想いという呪いに...
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
急な内容で掴めない方も多いと思いますが、後々本編に繋がってきます。今回はリハビリも兼ねてこの話を書かせて頂きました。楽しんで頂けたら幸いです。
- Re: ワールド·エデン~バトロワゲーガチ勢、オープンワールドへ~ ( No.19 )
- 日時: 2023/01/15 15:46
- 名前: 草の人 (ID: mN5d1wHr)
お久し振りです。
長らくお待たせしました。
1章6話目です。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
マジかよ...
俺の憩いの場(ゲーム内)に家族が来るとか...
世界は狭いな。
「何?フウちゃんって、こいつの知り合い?」
おい、弟を顎で指すな。
ったく、姉貴は本っ当に俺に対してだけ当たりが強めなんだよな...
「あぁ、そうだな...」
目に見えて困惑してるのがわかるな。
矢神さん、ご愁傷さま...
「さっきの質問をそのまま返すわ、姉貴。矢が...フウジンさんとはどこで知り合ったんだ?」
「どこって、そりゃゲーム内だよ。ねーフウちゃん」
「あ、あぁ」
矢神さんの返事がさっきから小さいな。
てか姉貴っ!!
矢神さんの頭、しれっと撫でんな!!
俺に代われ!!
「つーかそれ、フウジンさんが困ってるじゃねーか。止めたれよ」
「良いじゃんね。それに私達は恋バナした仲だしさ」
恋バナだと...!!
矢神さんならまだしも、姉貴の色恋話だと...!?
有り得ない...!!
彼氏が欲しい、彼氏が欲しいって散々俺に愚痴った挙げ句、大学生の癖に俺の友達に良い奴いないか聞いてくるような人間だぞ!!
有り得る訳がない...!!
「そ、その話は誰にもしないって約束していただろう!?しかも、よりによって恭介君の前で言ってしまうなんて...」
「ん?フウちゃん、こいつの名前知ってんの?」
矢神さんは恥ずかしさで行動不能か。
じゃあ代わりに俺が答えるとしよう。
「あぁ、同級生だからな」
「ふーん、そっ。成る程ね」
何が成る程だよ。
何もわからねぇよ。
そうか、あれか。
女子にしかわからない心っつーもんか。
いやぁ、本当に怖いもんだ。
「んじゃ、私用事あるから。後は2人で仲良くゲームしてなね」
「あっ、おい...」
『ミツキさんがログアウトしました』
くっそ、逃げやがった。
この微妙な空気感どうしてくれんだよ...
「あの、だな...き...恭介...君?その...な?」
ん?
何だ、矢神のこの状態...
見たことねぇな...
...あぁ、アレか
「あー、矢神さん、ウチの姉貴の口が軽くてごめんな。多分悪気はないんだ。許してやって。」
「そ、それは良いんだ。それはな...」
「どうした、矢神さん?」
「その、だな...恭介君にプレイヤー名で呼ばれるのは何か、嫌でな...いや、嫌な訳では無い!!ただ、そのな、プレイヤー名は何かが違う気がするんだ。だから、その...」
「だ、大丈夫か?」
「やっぱ忘れてくれっ!!」
『フウジンさんがログアウトしました』
...えぇ?
状況が全く理解できない。
どういう意味なんだ?
「...って顔してるね、恭介」
「うおっ、正平!!いつからいた!?」
「え?君と風華ちゃんが会ってから、ずっとあそこにいたよ」
と言って正平は俺の後ろの柱を指した。
こんな鎧着たやつがよくばれなかったな。
「しっかし、ミっちゃんは相変わらず無神経な感じだね」
「あぁ、そうだろ。でも高校に比べたら落ち着いた方だぜ」
「ふーん、高校の時は会ってなかったからね。少し気になるよ」
「あれはもう一種のトラウマだわ。無神経どころか暴君だわ」
俺に事あるごとに飲み物買って来いとか、肩揉めとか、俺の晩飯のおかず奪うとか、勝手に漫画全巻部屋に持ってかれたり、挙げ句にはネタバレされたり散々だったな。
「心中お察しするよ...」
何か同情されたんだけど。
こっちまで虚しくなるから止めて欲しい。
「まぁ、風華ちゃんとはしっかり話しておいで。多分だけど、さっきのこと結構気にしちゃってると思うから」
「おぉ、わかった」
てか、ログインしたけど結局何もしなかったな。
●
逃げてしまった...
恭介君に嫌われてしまっただろうか...?
それより、何故言えなかったのだろう...
たった一言、「他の人の前でも普通に呼んでくれれば良い」と言うだけなのに。
答えが頭に浮かんでは泡の様に消えていく。
明日、どんな顔して会えば良いのだろうか...
はぁ、穴があるなら入りたい...
______________________
何かラブコメみたいになっちゃいましたが、後1話だけお付き合いください。