コメディ・ライト小説(新)
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- 桜と雪の下の新選組~隊士たちの誠~
- 日時: 2023/05/26 03:12
- 名前: オタクちゃん ◆garYubfI0Y (ID: xlcSC1ua)
【あらすじ】
時は幕末、江戸の剣術道場・試衛館には義を重んじる多くの剣士たちが集まっていた。
日々の厳しい訓練に身を捧げ、彼らは真の「誠」を探し求めていた。
そんな中、幕府から浪士募集の知らせが舞い込んだ。
将軍が京都に上洛する際の警備が目的だという。
そして壬生浪士組が結成された。
壬生浪士組は名を変え、「新選組」となる__
試衛館から池田屋事件、会津戦争や箱館戦争まで、新選組の全てがここにある。
幕末ファンタジー、開幕。
【目次】
・プロローグ>>1
《第1章 桜の舞う季節・試衛館時代》
・第1話>>2
【コメント】
自身2作目の小説を執筆してみることにしました。
1作目と同様、新選組が出てくるお話です。
史実を元にしていますが、半分フィクションです。
このお話で、幕末に少しでも興味を持ってくれたら嬉しいです!
- Re: 桜と雪の下の新選組~隊士たちの誠~ ( No.1 )
- 日時: 2023/05/26 02:43
- 名前: オタクちゃん ◆garYubfI0Y (ID: xlcSC1ua)
【プロローグ】
[1862年 春]
稽古を終え、春の日差しに包まれた試衛館を出た沖田総司は、満開の桜の美しさに目を見張った。
江戸にも、春が訪れたのだ。
「桜が満開ですね。こんな日はお花見がしたくなるなぁ。歳さんはどう思いますか?」
沖田の後ろにいた歳さんと呼ばれた男_土方歳三は、すっと目を細めた。
「確かに、今日は暖かいな」
「お花見がしたいなぁ」
柔らかな春の訪れに、ほっと一息つく。
「沖田の兄ちゃーん!」
声をするほうを振り向くと、子供たちが手を振っていた。
沖田は子供とよく遊ぶので、親しみやすく人気が高い。
剣の道も強いとなれば、もう、それはそれは子供たちの憧れの的だ。
「今日は何して遊びますか?」
沖田は屈んで目線を合わせた。
「うーん、コマがいい!」
「僕も!」
「それじゃあ、今日はコマで遊びましょう」
と沖田は微笑んだ。
いつの間にか時間が経っていた。
もうすぐ、日が暮れそうなので、子供たちを帰らせなければならない。
「じゃあ、そろそろ帰りましょう」
「うん!」
「あの……」
隅っこで静かに遊んでいた子供が、口を開いた。
「僕、沖田さんみたいに強い剣士になりたいです…!だから、沖田さんのこと、お、応援しています!」
「ありがとう」
この子が剣士になれるその時まで、頑張らなければ。
黒船の来航、そして開国した日本では、幕府への批判が強くなっている。
尊王攘夷運動もあり、あと何年幕府が持つのか、なんて噂も囁かれ始めていた。
沖田自身、何か幕府の役に立てることがしてみたいと思っていた。
桜の季節、皆が色々なことを考え始めていた。
- Re: 桜と雪の下の新選組~隊士たちの誠~ ( No.2 )
- 日時: 2023/05/26 03:10
- 名前: オタクちゃん ◆garYubfI0Y (ID: xlcSC1ua)
《第1章 桜の舞う季節・試衛館時代》
【第1話】
「歳さんったら、もう…。刀で斬るんじゃない、体で斬るんですよ…!」
道場で、沖田と土方が剣道の稽古をしている。
勝負は毎回沖田の勝ちで、土方はその強さに動揺してしまう。
沖田はケラケラと笑い、土方の様子を見て更に笑いを堪えきれなくなった。
「お前、なんで笑っている」
土方は怒りにも似た感情を抑えて問いかけた。
この沖田という青年は自分に親しい人物が困ったりしている様子を見ると、面白がる癖がある。
「だって……。なんか面白いからなぁ…」
「そんな癖は良くない、沖田。性格が悪くなるぞ」
土方は厳しい口調で言った。
「えぇー」
と沖田は子供のように拗ねた。
遠くからこの光景見ていたのは近藤勇と山南敬助。
山南は沖田の強さに震え上がり、
「いやぁ、いつ沖田と対戦するのか考えると恐ろしいです」
と口にした。
「しかし、なぜあれほどにも強いのか」
と近藤は考え込む。
ビシバシと剣術を叩き込んだつもりではあったが、沖田の強さには全く予想外だった。
「もし戦で敵が沖田と戦ったら、敵は一発でやられるでしょうね」
山南はため息をついた。
「あれ、山南さんと近藤さんじゃないですか」
遠くを指さして沖田が土方に言った。
「本当だな」
慌てて山南と近藤は沖田の強さに怯え、影に身を隠した。
「山南さんも近藤さんも隠れてないで出てくれば良いのに…」
と沖田はつぶやく。
沖田はどうも悲しいらしい。
土方はついに結論を出した。
「お前が強すぎるみたいだな」
と。
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