コメディ・ライト小説(新)

■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
 入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)

一夜、大希
日時: 2024/04/04 23:09
名前: 大希(ウソ) (ID: jmxtpCAp)

作品『一夜、大希』

登場
大介(だいすけ)
春義(はるよし)
春義母

Re: 一夜、大希 ( No.11 )
日時: 2024/04/04 23:59
名前: 大希(ウソ) (ID: jmxtpCAp)

十三夜

あの日、春義は高校の友人らと遊ぶ約束をしていました。

高校を卒業した男児なんて、みんなヤンチャなもので、バイクで向かったのです。
春義と大希くん、大希くんの彼女は一緒に会場へ向かっていました。

不幸な事故でした。
居眠り運転のトラックが車線をはみ出して来たそうです。

それで春義は__

言葉に詰まる母。
つまり、春義はその事故で入院しているのだ。

病室に入ると、ベッドに横たわっている青年がいた。

Re: 一夜、大希 ( No.12 )
日時: 2024/04/05 00:05
名前: 大希(ウソ) (ID: jmxtpCAp)

十三夜

「大希?」

ベッドに寝ていた青年は言った。
声は電話のものと変わらない。

青年は事故で視力を失っていた。

「そうだよ。」

「なんだよ、お前、昨日約束すっぽかしやがって。」
「ごめんよ、用事が入ってさ」

電話と同じようなやり取り。

春義の中では、あの日、自分が事故に遭った日は自分はBBQに行き、大希は行かなかったことになっているんだ。

「今度は絶対一緒に行こうな。」

Re: 一夜、大希 ( No.13 )
日時: 2024/04/05 00:09
名前: 大希(ウソ) (ID: jmxtpCAp)

十四夜

春義母から電話が来た。

今朝、容態が急変したらしい。
事故の衝撃で脳の血管が損傷しており、それが悪化したとのことだった。

大希として、そばにいてやってほしい、と。

Re: 一夜、大希 ( No.14 )
日時: 2024/04/05 00:17
名前: 大希(ウソ) (ID: jmxtpCAp)

十五夜

「大希?」
「おう。」

弱った春義はそれ以上言葉を口にすることはなかった。

俺は大希として、ずっと隣で手を握っていた。

春義の危篤に大希本人が来ないということは、春義母は明言しなかったが、つまり、あの日__そういうことなのだろう。

そして、数年経った今、春義も後を追おうとしているわけだ。

Re: 一夜、大希 ( No.15 )
日時: 2024/04/05 00:21
名前: 大希(ウソ) (ID: jmxtpCAp)

十六朝

「本気?」
「はい。」

教授との問答の末、俺はなんとなく入ったゼミと、なんとなく入った大学と、そしてなんとなくで受けた企業からの内定通知とサヨナラをした。

記憶喪失青年からの青春バズーカをたらふく食らった俺には人生の目標ができていた。



終わり


Page:1 2 3



小説をトップへ上げる
題名 *必須


名前 *必須


作家プロフィールURL (登録はこちら


パスワード *必須
(記事編集時に使用)

本文(最大 7000 文字まで)*必須

現在、0文字入力(半角/全角/スペースも1文字にカウントします)


名前とパスワードを記憶する
※記憶したものと異なるPCを使用した際には、名前とパスワードは呼び出しされません。