コメディ・ライト小説(新)

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だから私は成長できない
日時: 2025/05/26 16:56
名前: 翠 (ID: ylrcZdVw)

いやだから距離きょりをとっては駄目だめですか?』
                『いやってってはいけませんか?』

―これは、いつも悩んでしまう私が、ある男の子との出会いで世界が変わるまでの物語―

 学校に通う途中、ガラガラの電車の中でどうしてかなぁ、とふと思った。
どうして、私はこんなにも悩んでしまうんだろう。
学年委員長なのに、皆のお手本にならなければいけないのに、いつも悪い方向に悩んでしまい、
なかなか答えを出すことが出来ない。
……いつも思うけれど今の私ではどうすることも出来ないので、『まぁいいや』と心の中に溜め込む。
 ふぅ、と息を吐いて立ち上がる。次の駅で降りて徒歩10分の学校へ向かうのだ。
学校に近づくに連れて、足取りが重くなる。
 今日も誰かに言われて働かされるんだ。ずーっと断れなくて引き受けていたらこうなってしまった。
『嫌なことは嫌ってきっぱり言っていいんだからね』…なんて数えきれないほど聞いた。
でも嫌ってきっぱり言ってしまったら、絶対嫌な思いになるでしょう。そんなこと分かってる。
だから嫌って言えないんだと思う。もう引き受けるしかない。

 そんなことを思っていると学校についた。
いつもと同じように偽物の笑顔を作って校舎へ入る。
今日も、長い長い一日が始まるのだ。


Re: だから私は成長できない ( No.13 )
日時: 2025/06/08 15:22
名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)

そういうことでしたか!
全然大丈夫ですよー!

Re: だから私は成長できない ( No.14 )
日時: 2025/06/09 16:30
名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)

「おぅ、派手に泣いてんなぁ」
その声と共に私の涙は引っ込んだ。

この、嘲笑あざわらった声に私の頭の中がプチッと音がした。
なに?その声は。馬鹿にしているみたいでイラつく。
若干怒りながらも声の主の方を見る。
「なんか嫌なことでもあったのか?」
私の顔を見て、そう続けた彼は…。先輩ではない。誰だろうか?
和奏「いえ、人に言うぐらいのものではありませんから」
??「……そうか。ならいい」
あっけなくそう言い放つ。
和奏「っていうより、誰です?知らない人に私の本心を言うわけないじゃないですか」
少しキレ気味でそういう。そのことに気づいたのか、「ごめん」と言った後に彼は続けた。
翔真「そうだよな。俺の名は翔真しょうまだ。」
和奏「翔真、さんですか。私の名前は…」
「和奏」、という前に翔真に言われた。
翔真「和奏、だろ?」
和奏「…なぜ、知ってるんですか?」
翔真「俺、お前とクラス一緒なんだけど」
反射的に「すみません」と謝るしか無かった。同じクラスの人の名前も知らないなんて酷すぎる。
…やっぱり私はあの時のままだ。何も変わっていない。
反射的に謝った私を見て、ふっと笑いながら彼は言った。
翔真「別に謝ることねぇよ。お前、何も悪いことしてないだろ」
和奏「いえ、同じクラスの人なのに名前も知らない自分が悪いことをしました」
翔真「真面目だな、お前。ってか、そろそろ授業始まるからな?」
そういうと、翔真は教室の扉を開けたまま、自分のクラスへ戻っていった。

Re: だから私は成長できない ( No.15 )
日時: 2025/06/25 16:58
名前: 翠 (ID: J3GkpWEk)

行かなきゃ。遅れるわけにはいかない。
その意志だけが私を突き動かす。ただ一心に、教室へ向かう。

教室へ入った時は、授業が始まる一分前だった。
急いで準備をし、先生の方を向く。

Re: だから私は成長できない ( No.16 )
日時: 2025/07/05 19:46
名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)

授業が終わる鐘の音と共に教室を出る。
嬉しいのだ。こんな地味な私と二人きりでいてくれる先輩の事が。
会いたい…とまで思うと、もう恋してるようになるのでそうは思わない。

…恋なんて、青春なんて、もう嫌だ。もう二度と会えないあの子を思い出すだけ。
人の恋バナも本音を言えば興味がない。ただただ好きな人を言うだけではないか。
それだけなのになんであんなに盛り上がれるのか、不思議だ。

そうこう思っているうちに、あの教室へついた。
ガラッと開けるも、私の視界に人影は映らない。
まだだ。まだ、諦めてはいけない。ここからは第2ラウンド。
次は先輩の名を呼ぶのだ。
和奏「せーんぱーい!」
瞬 「……なんだよ」
その声に、飛び上がりそうなほど、喜んだ。いる。いる!
和奏「先輩!!いたんですね!」
瞬 「いたんですね!って…。なに、そんなに俺のこと、好き?」
反則の笑みで返してくる。今すぐ「その顔、反則です」と言ってやりたいくらいだ。
真正直に「好き?」と聞かれた私。この言葉に、私は少しからかってやりたくなった。
―この後、先輩はどんな思いをするかも知らずに。

和奏「好きって…先輩、先輩が一番私の気持ち、分かってるでしょう?(演技)」
演技だ。正直なところ、好き…という恋愛感情は抱いていない。
先輩は予想外の展開だったようで、目をぱちくりさせながら
瞬 「分かんねーなー。和奏が言ってくれないと」
と答えた。
和奏「…先輩のいじわる。」
瞬 「別に、いじわるしてないし。てか、お前そんな性格じゃないだろ?」
和奏「…今、すごくドキドキしてて、自分でもよくわかってない」
瞬 「ドキドキって…。もしかして、本当にお前、俺のこと・・・」
今だ!私の心の中で叫んだ。それと同時に、
和奏「大好き!」
と叫んだ(演技)

Re: だから私は成長できない ( No.17 )
日時: 2025/07/14 19:39
名前: 翠 (ID: B9PxCLY9)

瞬は、目が飛び出そうなほどガン開きでこちらを見てきた。
笑ってしまわないよう、手に爪をくいこませる。
瞬 「お、まえ…。マジ、か?」
かたことの日本語で聞き返してくる。
和奏「私が…嘘をついている、とでも?」
まぁ、実際そうなのだが。まだバラすのは早いだろう。
瞬 「いや、お前が嘘をつくような性格ではないことは分かっているけどさ」
…まだ会って1週間たってないけど。と思いつつ相槌をしながら聞く。
瞬 「そんな…なぁ、、」
動揺を隠しきれていないようだ。面白い。
目より下の長めの前髪でも隠しきれないほど顔が赤い。
ちょっとずつ、私もドキドキしながらも瞬を眺める。


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