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The soul of the fool
日時: 2009/08/30 23:10
名前: yuy@ (ID: km7KrdXm)

受験生で更新できない時もありますが、
よろしくお願いします!

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Re: The soul of the fool ( No.1 )
日時: 2009/08/31 22:25
名前: yuy@ (ID: km7KrdXm)

石の階段を上がる。
暗闇に向かってのびるこの階段を上るのにももう大分慣れてきた。
弐年前からほぼ毎日のことだから、慣れないほうがおかしいだろう。なぜ俺がこの階段を上っているのか。それはまたあとで話そう。今は後ろにオドオドしている少女と上にある神社に行かなければならない。
暗闇を少し進むと見えてくるその神社の名前はない。普通は鳥居のところに名前があるものなのだが、ここにはその名前がない。いや知らない。本当はあるはずなのだろうが知る術がないのである。
階段を上がると月明かりに照らされた鳥居と次第に神社が見えてくる。そこには作務衣を着た男が箒を持って掃除をしていた。
「ヤ〜!白神さん、いらっしゃい。・・・あれ?珍しいこともあるもんですね〜白神さん。あなたがそんなに可愛らしい娘を連れてくるなんて!これですか。」
そう言って小指を立てる廿代後半であろうの男の名は自称:神主、黒宮闘死朗だ。つけた親の頭の中身の構造を疑いたくなる名前だがれっきとした人間である。名前からしておよそ神主にふさわしくないが、自称:神主である。
「さぁ、入ってください。其方のお嬢さんも。早くしないとお化けが出ちゃうかも・・・。」
「下らんことを言うな!」
すかさず俺がツッコム。
「おっと失礼。ではどうぞ。」
箒を無造作に放り投げ、戸をあける。中は真っ暗で何も見えない。
「ちょっと待ってくださいね。今電気をつけますから。」
そう言って黒宮がパチンと指を鳴らすと、何回かパチパチと点灯した後眩しいくらいの明かりが天井から降り注いだ。さっきまで、暗闇の中だったからしばらくみんな目が開けられないでいた。目が慣れてきたところで世間話を始める。
「咲夜はどうした?」
俺が問う。少しけだるそうに黒宮が口を開く、
「咲たんなら、買いものじゃないっすか。」
やつは自分の妹のことを「たん」付けで呼ぶ。
「気持ち悪いんだよ。『たん』とか付けんじゃねぇよ。」
「いや〜。でもあの子可愛いでしょう。僕の自慢の…」
その刹那、俺の後ろから耳を掠めてナイフが黒宮の見いの目玉に突き刺さった。


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