ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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黒の惨状
日時: 2009/12/05 15:31
名前: Black Picture ◆rvP2OfR3pc (ID: AzSkpKat)

ほいー。どうもどうも。
現在 7 話までアップされています。



たきばね(スレ設立当初とはHN違)です(´・ω・`)
エルレ大好きバンプ大好きYUI大好き、あまり健全とはいえない中学二年生です。←

字が多くて読みにく!と感じることがあると思いますが読め!((


【てきとー内容解説☆】
これは、読まなくてもいいです。
えーと。なんかアレです。テーマは「日本内乱」です。
日本は「警察派」と「政府派」に分かれてしまいます。



頑張って書くよ!(゜ω゜)!



【目次】
注意:内容を一部修正しておりましたら、文字数が限度を超えてしまって、過去話を分けてアップしました。
ですので、スレを順序に見ていくのではなく、ここからクリックして見て頂ければと思います;

一話 >>1-2
二話 >>3
三話 >>5>>8
四話 >>9>>14
五話 >>16>>19
六話 >>25>>30
七話 >>28

登場人物はコチラ→>>17増えるヨ!(゜ω゜!

【お客さん】

◇宇兎
◇かえで
◇あぐり
◇夜兎
◇RADELLE03

。。。読んでくれて有難うございます。。。


【たきばね いろいろ。】

コメディの方で「WORTHLESS ROCKERS」という青臭い話を書いています。そちらの方もぜひ!

「たきばねはこんなん書くんか」と思って頂ければ狙い通りかと。

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Re: 黒の惨状 ( No.2 )
日時: 2009/09/20 14:37
名前: Black Picture ◆rvP2OfR3pc (ID: AzSkpKat)

>>



 じわじわと、日を重ねるごとに殺しは増えていった。
 秋久はそんな世に不安を感じつつも、どこか他人行儀な気持ちしか持ち合わせていなかったある日のことだった。

 忘れもしない、あれは先月の頭だった。
 「警察派」に身を置く秋久に、通知が届いた。その通知を、母親と一緒に父の仏壇の前で読みあげていった。驚きで声も出なかった。

 十五歳の秋久に、徴兵令が下ったのだ。

 一ヶ月訓練を受け、訓練が終わり次第、武器を持ち戦うのだと。なんの冗談だと最初は訳の分からない笑いが出てきたが、通知が届いた三日後には役人が訪れ、一ヶ月の訓練を受けるのだと書いてあったことを何度も読み返した。
 家族にも会えず、ただ一人、訓練に励むのだ。
 馬鹿馬鹿しい。なんの冗談だ。今は平成だぞ——。秋久は動揺を隠せなかった。兵としてなど行きたくなかった。父親も早くに他界し、兄も居ないのに、母を独りにするのは、なんとも心苦しいことでもあった。それに何より、イコール人を殺すということなのだ。秋久は血を見るだけで顔も青ざめてしまう性分であり、とても「向いて」いるとは思えない。周りの話を聞くによれば、十五で徴兵が下ったのは、この辺じゃ聞いたことがないという。

 なぜ俺が。

 その思いは消えなかった。行きたくなかった。通知には、拒否をしても受理できないとあるが、本気で断り、やむを得ない事情があったケースなどは、進んでは連れて行かないとも聞いている。

 それでも秋久は兵として行こうと決心付いた。
 秋久の兄——。智久は、警視庁に所属していた。元々あまり連絡が取れていなかった為に、あの事件があってから何もかもが途絶えていた。県警の方に連絡を取ったが、その事に関しては何も言えないと口を固く閉ざした。「警察派」に属したのも、ただ兄が警察だったのが理由だった。

 兄はどこに居るのか。秋久はそれを確かめたかった。

 三人の役人が、大きな車に乗ってやって来た日、母は泣いた。秋久はいつも家を出るときにやる習慣である、父の仏壇の前にある顔写真を拳で軽く突付いて、家を出た。
 訓練を受け、武器を持たされても、絶対人を殺すものか。
 そう誓いを立てて。
 

Re: 黒の惨状 ( No.3 )
日時: 2009/09/20 14:40
名前: Black Picture ◆rvP2OfR3pc (ID: AzSkpKat)

-2


 訓練はそう苦しいものではなかった。
 自衛隊が行うような血反吐吐くような訓練を当然、素人の一般市民にやらせる訳がないとは思ってはいたが、それなりの覚悟はしていた。ただ毎日長距離を走り、腹筋、背筋、腕立て伏せなどの筋力運動、射撃訓練など、普通のジムや、射撃ゲームなどでできるようなものばかりだった。

 しかし一番辛かったのは、精神訓練だった。

 人を殺すということはどういう事なのか、政府派はいかに愚かか、警視庁の名誉がいかなるものなのか、などと、洗脳するように叩き込まれた事だった。
 それでも秋久は人を殺すまいと、自分の意志をしっかりと胸に刻み込んでいた。
 訓練中にも浅い関係だが、友人と呼べるような人もできた。しかし、どの人も年上であり、秋久を見るなり、一体どれだけ優れているのだろうと誰もが注目した。それが秋久にとっては、小さな苦痛であり、訳の分からない罪悪感を生み出した。

 そして一ヵ月後。
 世の中は更に状況を変化させた。政府派が、一般市民への——警察派への攻撃を図ると通告してきたのだ。が、政府派に加担すれば、身の保証はするという脅迫的な情報が流された。これに従順な人もいれば、まったく無視する人もいる、多種多様な考えが入り混じる中、警察派も攻撃の準備に取り掛かった。
 やがて人々は気付いていく。
 センソウが始まったのだ、と。

 
 人間は同じ事を繰り返す馬鹿な動物さ。
 繰り返して繰り返して、それでも繰り返す。
 繰り返してばかりのくせに、同じ毎日に飽き飽きする。本当に阿呆だよな。


 智久はよくそう言っていた。でも本気で呆れている口調ではないとわかっていた。智久は人が好きだった。表情があるし、何より叡智であるからだという。
 しかし叡智であるからこそ阿呆なのだ。それはどうにもならない事であるから、悲しかった。

 「兄ちゃん…どこに居るんだ…。どこかに…居るのか?」

 血、悲鳴、爆音…。この記憶だけが頭の中でスパイラルする。秋久は、今にも狂ってしまいそうだった。見渡す限り、動かなくなった人間しかいなかった。もうこの地帯も全滅に近い。警察派も政府派も、死ぬ姿は同じ人間なのだ。
 秋久は右腕から絶たず垂れ流れてくる血を、抑えるのに精一杯だった。銃弾を発砲中の戦場で、流れ弾が当たったのだ。
 ふらついた足取りで、当ても無く足を動かしていた時、自分が歩む足音しかしなかった空間に、ガタンと何かが倒れたような音がした。秋久は反射的にその方向に目をやった。

 「…!」

 崩れた建物の影から、少女と老人が居た。
 老人は下を向き、立っているのがやっという感じで、少女に支えられている。少女は秋久を見るなり、怯えた表情を見せた。

 ——政府派か。

 この地帯で生き残った、政府派の人間。政府派の人間は抹殺しろと言われている。
 少女は涙を流して、怯えながらも秋久を睨んだ。怯えは手に持った銃であり、憎悪は「警察派」という部類にあるものからだ。
 もちろん秋久は殺すつもりなど微塵もない。どうか生き残って下さい、そう心で呟き、二人の小さな人間に背を向けた、その時だった。

 「おい!お前!」

 大きな声と共に、片手に銃を構えた「同胞」が現れた。

 「何をしてる!そいつらは政府派だぞ!銃口を向けろ!」

 そう言って「同胞」は走りながら銃を構えた。少女は支えていた老人にしがみつき、きつく目を閉じる。

 ——兄ちゃん、こいつ今、人を殺そうとしてるんだ。何も意味無いのに。
  赦してくれ母さん、父さん。赦してくれ兄ちゃん。

 秋久は手に持っていた銃を構えた。
 低い銃声が、空間に響いた。

Re: 黒の惨状   二話目up ( No.4 )
日時: 2009/09/22 14:45
名前: たきばね ◆rvP2OfR3pc (ID: AzSkpKat)

HN変えました!

イントネーションは平板で、「モミアゲ」って感じです。

Re: 黒の惨状   二話目up ( No.5 )
日時: 2009/09/22 14:48
名前: たきばね ◆rvP2OfR3pc (ID: AzSkpKat)

-3



 「お礼を言うべきですか」

 少女はまだ警戒の姿勢を崩してはいなかったが、秋久のもとへ駆け寄ってきた。

 「…早く逃げろ」

 秋久は目の前に横たわる「同胞」をじっと見ていた。人を殺した、人を殺した——。その事実を焼き付ける為に。

 「血、かなり出てますね」

 少女は秋久の腕に目をやる。警察派の兵士という目印である長いフード付きの白いコートが、血で染まっていた。

 「止血剤、ありますけど。良かったらどうですか」

 秋久はゆっくりと首を少女の方へ向けた。同い年か、それより下かくらいに見える。腕には多少の傷があるが、包帯などが巻かれている部分があった。少なくとも治療道具を所持していると思われる。
 秋久が何も応答をいれないでいると、少女の方から手を引っ張ってきた。

 「早くして下さい」

 抵抗するほど精神的に力もなく、秋久は建物のなかへ連れられていった。


 倉庫のような小さな部屋だった。
 六畳半ほどの部屋に、ほこりを被ったデスクと、簡単なソファーが三つ並んでいる。古いが、テレビなどもあった。電気も微妙な明るさだが、ついていた。
 先ほど居た老人が、ソファーの上で横たわっていた。下を向いているので、またしても顔が見えない。秋久は老人の向かい側のソファーに腰掛けた。

 「ちょっと染みるかもしれませんが、消毒液塗りますね」

 少女はそう言って、タオルにたっぷりと消毒液を垂らす。ちょっとどころか、かなり染みる。秋久は思わず小さな悲鳴を上げた。だが少女は動じる事も無く、容赦なく進めていく。

 「…はい。応急処置ですが、かなり楽だと思いますよ」

 秋久の腕に、白い包帯が巻かれた。少し血が滲んでいるが、かなり抑えられた。ここは銃声音も叫び声も聞こえないおかげか、秋久の心も少し落ち着きを取り戻していた。

 「…ありがとう…ございます。気分的にも楽になりました」
 「それは良かったです」

 少女は手馴れた様子で笑顔を見せた。

Re: 黒の惨状   二話目up ( No.6 )
日時: 2009/09/23 00:43
名前: 宇兎 ◆NDGl2CPB9I (ID: KmPySWBB)

やほー・ω・
遊びに来たよー

相変わらず
おまえの小説は
話が難しいZE☆((


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