ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 殺人鬼殺人
- 日時: 2009/10/10 18:32
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
どうもこんにちは。
あるいはこんばんは。又あるいはおはようございます。
初めまして。TEH ENDといいます。ちなみに♀。
私の文長くてすみません;
登場人物は下記掲載です。
わーなんか堅苦しいなぁ。
実際こんなかたっくるしい奴じゃないので、宜しくお願いします。
コメント待ってます。つまらなかったら理由そえてお願いします。
友だちは・・・検討しますが・・・。というか私と友だちになろうという人がいるのか・・・??
〜登場人物〜
ディファ・ロットー
毎日のこと=退屈の連続に自分の中なっている17歳。赤毛でスラリとした体躯。
毎日、毎日ハプニングを探している。
ペチヨ・ギャザリー(愛称チヨ)
ディファのことを信頼している。
臆病なところもあるが頼れる。ディファと同年代の黒髪の少女。
フィニ・グレンジャー
ディファと同室の活発な女の子。
顔が広く、情報通。報道(記事)部の会長をしている。興味のないこと以外しようとしない面倒くさがり。
ギルド・ファニー
フィニの彼で、報道(記事)部の副会長をしている。
フィニとは学院で密かに執り行われたハロウィンパーティーで知り合った。(報道(記事)部に入る前)
喧嘩っ早いがものわかりの良い金髪の青年。
エド・シャルジェ
チヨに次ぐディファの良い相談相手。
大人っぽい雰囲気があるが中身はやんちゃ。
みんなから頼られるムードメーカ的存在。でも勉強熱心な快き青年。
アリス・ロットー
ディファの姉。
寮で暮らしているディファにたまに電話やメールを送ってくる。ドイツのミュンヘンに住んでいて、日々“能力”について研究している。
- Re: 殺人鬼殺人 ( No.4 )
- 日時: 2009/10/09 20:43
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
しばらくして、フィニが食堂の前にやってきた。私はフィニに手を振ってアピールした。フィニは私を見つけるとにっこり笑って駆けてきた。
「お待たせ。寝癖がなかなか直らなくって」髪の毛に少しさわって、フィニはまだ少しはねている髪を気にしながら席に着いた。
フィニは早速鞄を椅子に置いて財布をさっと出した。「さ、選びに行こう。」フィニは私の手首を柔らかにつかんでクイッと引っ張った。
「フィニ、引っ張らなくても」いきなり引っ張られて少し吃驚した。
「ああ、ごめんごめん。お腹が空いてて、つい」フィニは片手をピンと伸ばして顔の前に二秒くらい置いた。
フィニは財布の中身と相談しながら慎重にメニューを決めている。この前の休みにショッピングに出掛けたらしく、財布の中身の半分がなくなったらしい。
食堂では学院の生徒がせっせかと手を動かしている。バイトしているのだ。私たちが食べる食堂の食事は半分くらいは生徒が作っている。
食費などを少しでもまかなうためにバイトをしている。ここにいるのは食堂のバイトに応募して、選ばれたり、抽選で選ばれた生徒達。
コック見習いのような白い服を着て、髪はみんな帽子の中に。一生懸命に働いているようだ。
「よし、決めたわ。一番安いこれにする。念には念を、ね」フィニは指をさして言って、くるりと振り返る。「ディファは何にするの?」フィニは何故かじっと私を見つめた。
「私はこれと、いつものスープ」不思議に思いながらも指をさして言う。するとフィニが「ああ!また負けたわ。」と言った。
フィニは財布を持っていない方の手で、両目を塞ぐ。それからぶつぶつなにか言い始めた。
「じゃぁ、この賭けは俺の勝ちだな」機嫌良く入ってきたのはエド。フィニはムスッとエドをにらみつけてから、ため息をついた。
「来月で良いかしら?家計簿につけておくわ。」フィニは頼んだメニューのトレイをパッと取ってかつかつと席に向かった。
「ああ、もちろん!」エドは自慢げにフィニの背中に向けて言った。
「賭けって?」私は賭のことなど何一つ知らないのでエドにきつい眼差しを向けた。
「はいはい、怒らない怒らない。今日君があのスープを頼むかどうか賭けてみたんだよ、フィニとね」エドはにかにか笑って私のきつい視線と小さな怒りを沈静化しようとしている。
私は頼んだメニューが、ちゃんとあるか確認してトレイを取って機嫌の悪いフィニの向かい側に座った。
「フィニは所持金いくらなの?」私は食べながら聞いた。視線はスプーンにすくったスープ。「そうね、さっきの賭けで・・・やっぱり言わないでおく・・・。あまりにショックが大きかったから」フィニは私をちらっと見てからため息を所々につきながら言った。
「隣、空いてる?」ギルドがフィニに、フィニの隣を指定して聞いた。
- Re: 殺人鬼殺人 ( No.5 )
- 日時: 2009/10/10 13:11
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
「ええ、もちろん」ギルドは朝食がのったトレイを白い私たちのテーブルに置いた。
「おはよう、ギルド。今朝はよく眠れた?」ギルドは大きなあくびをしてから「あんまり」とぼやいた。
「昨日何かしていたの?」フィニは心配そうに顔を歪ませた。「記事部の記事を書いたりしてたら夜、遅くなってね」ギルドはフィニの頭にポンと手を乗せた。
「ああ、あの記事ね・・・そうだわ!号外を書かないといけないじゃない!」ギルドはいきなり声を荒げたフィニに吃驚しつつ頷いた。
「ギルド、その記事あとで持ってきてくれないかしら。チェックするわ。それから先生に号外の許可を取って・・・」フィニは何かぶつぶつ言っている。こうなると止められない。
ギルドはふわふわしたパンをちぎってフィニの口につっこんだ。
フィニはモゴッとなりながらもパンをかみしめていた。
そこでまた、「隣座るぞ、ディファ」エドが座りながら言った。
「嫌です」即答してみた。「うわっ、ひど!つーかもう座ったしい」エドはどっしりと座っている。
フィニはエドをにらみつけてから、ふんと鼻を鳴らしてギルドの胸におでこをすり寄せた。
「じゃぁ、席移動しよっかなー」スッと立ってトレイを手に取り、二個ほど離れたテーブルに座った。
「ええ!ちょっと待てって」エドはトレイを両手でもって慌てて追いかける。
何かぶつぶつ良いながら、エドは私の向かい側に座った。
移動したのは、ギルドとフィニのため。まだ付き合って半年ぐらいの二人には貴重な時間だから。
「ディファはつめたいなぁ。そんなのじゃ彼氏、できな・・・」言いかけたエドの眉間にフォークを寸止めで突き立てる。
「うるさい」私はフォークを箸に置いてパンをちぎってほおばった。
「それに恐い。・・・そう言えば昨日大丈夫だったか?」エドが私の顔の様子をうかがいながら問いかけた。
「はっきり言って大丈夫、ではないわ。思い出しただけでも吐き気がする。」パンを皿に置いて頬杖をつき、エドを虚ろな目で見つめた。
「お前が・・・その、打ったんだもんな」エドはためらいがちに言った。私はエドの顔を両手でグッと持って私の視線と合わせる。
「ええ、でも国警察が持っていったもの、あの・・・身体を」私はエドを解放してトレイとどけ、机にうつぶせた。
「あんまり気負いするな。あれは事故だよ。それにあの殺・・・連中と来たら、どうやったらそんな心がないようなことできるんだか」エドは私の隣に座り直した。
私はまた朝食を食べ始めた。エドは一人で何か喋っていたけれど、覚えていない。
部屋に戻るとフィニの宿題が倒れていて、二人でそれを片付けた。
それから仕方がないから宿題をして、退屈な一日をまた過ごしてしまった。
ハプニングを探す余裕もない。
次の日は、フィニの宿題を手伝った。フィニはぐんと宿題の量が減ったことに大喜びしていた。
木曜日は、チヨと一緒にショッピングをしたり、映画を見たり、散歩したり色々した。この日はこれで楽しかった。小さいながらもハプニングも。
金曜日はバイト。土曜日もバイト。
日曜日は久しぶりに姉にメールを送った。
『久しぶり、姉さん。研究はどう?はかどってる?私は大変な事が月曜日にあったけれど。ニュースでやってたの見た?私の名前は出てなかったけどね。 ディファ』
- Re: 殺人鬼殺人 ( No.6 )
- 日時: 2009/10/12 16:21
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
『ディファへ
ごめんなさい、最近忙しくって見ていないの、ごめんね。
いま研究所から帰ってきたところです。研究では、能力者には、共通点と欠点があることがわかりました。
でもまだ少し忙しいから、また今度会ったときに話すわ。それじゃぁ元気でね、ディファ アリス』
アリスはこのメールのやりとりが盗み見られていると思ったのだろう。国際機関も大変そう。
その日はやり終えた宿題を鞄に頑張って詰めた。最終的には力業になったけど。
次の日。ニュースでは“学生の殺人鬼殺人”からちょうど一週間。
なぜ国警察がこの情報をマスコミに発表したのかわからない。なにか意図でもあるのだろうか。不気味。
さっさと制服に着替えて髪をとき、朝食を一人で食べて、歯を磨く。
チヨとのショッピングで買った新しいシャープペンを眺めて、古いシャープペンを見る。まさに、[使い古された]って感じ。
それからまたもショッピングで買った新しい本を手にとる。鞄の中は教科書とか宿題とかで入らない。
軽いコンコンという音。フィニはその音で目が覚めたようだ。
覗き穴から覗くとチヨが立っている。いつもの登校時間より約一時間早い。どうしたのか。 私はチヨを部屋に入れた。
「なんでもないんだよ。でもなんかディファと一緒に居たいなーと思って」チヨはにこにこ笑いながら話した。
チヨと色々話していると、チヨが「その鞄パンパン。そうだ、別の袋とかに入れたら?」名案。
「あ、思いつかなかった」私はそう言うと立ち上がってクリーム色の鞄を取ってきた。
宿題をクリーム色の鞄に移す。ついでにさっきの本も。
「うん、ほらすっごく軽くなったよ」チヨが私の鞄を上げ下げしながら言う。
「ありがとう、これならしんどい思いをしなくて済むね」にこっと私が笑うとチヨもにこっと笑い返してくれた。
そんなやりとりをしている間に時間は過ぎ、登校した。フィニはギルドとあとから来た。
学院の窓から外を眺めると気持ちがどこかに飛んでいくような気がした。
それにこの一週間で秋の色は濃くなったようだ。晴れていても風は冷たい。冷蔵庫の中のよう。
チャイムが鳴ると生徒は一斉に席について教師が来るのをざわつきながら待った。
教師が一時限目を始めた。生徒達はいつにもまして騒がしかった。教師は断るごとにざわつく生徒達に喝をいれていた。
新しいシャープペンシルを手にしている私は、いつもよりも機嫌がよかった。
シャーペンが綺麗なのが嬉しい。
- Re: 殺人鬼殺人 ( No.7 )
- 日時: 2009/10/12 20:47
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
sixth story
能力づくしの回だな・・・ぉぃ。殺人に関係ない・・・;;
私は新しい綺麗なそのシャープペンをきゅっと握って授業に取り組んだ。
それから昼。能力審査が行われた。審査されるのは【威力】【速度】【正確性】の三つだが、これら全てができると結果的に【コントロール】に優れているということになり、四つ。
みんながみんな同じ測定方法はとらない。同じ測定方法だと公平な審査と鳴らないためらしい。
「次」測定員の声が飛んでくる。
私は【威力】の測定をするために機械的な部屋に連れてこられて、遠くに見える五〇センチメートルぐらいの黒い塊に三〇から三三センチメートルの直径で、深さ約十五から二〇センチメートルの穴を開けろと言われた。
黒い塊の強度などは教えられない。能力を使ったときの感覚で威力を強めたり弱めたりしなくてわいけない。
だから結構汗をかく。疲れるって言う証拠だ。
黒い塊がゴンッと鈍く音を立てる。結構堅い。
それからガンッガンッガンッと何回かまた鳴った。見るとちゃんと真ん中がへこんでいる。
私が見る限り、誤差はない。
機械がそれをシュミレートして深さなどを測る。
『直径三二センチメートル、深さ十七センチメートル。威力レベルFOUR』
機械の音声で伝えられた。どうせレベルは変わらない。能力トレーニングなんて馬鹿のすることだからしようと思ったこともない。
体力トレーニングは能力使用のさいに絶対いるからしているけど。
それから次は【速度】。
速度の測定はかなり楽だ。ただ単に“最大風速”を測るだけだ。ただし、全力の最大風速。
一瞬嵐以上の風がコンクリートよりも堅い床の上を走った。その影響でしばらくは風がひゅーひゅー鳴って吹いた。
『速度レベルFOUR』また機械が言う。
【正確性】が難題だ。いつもここで引っかかる。ここで転ければきっとレベルTHREEにおちる。
私は空気を操ることができるが、細かく細かくと言われれば、それはものすごい集中力が問われる。
だからさっきの【威力】の測定よりも何十倍も疲れる。使った後はしばらく動けないときもあった。でもそれは少し前の話。
体力トレーニングのおかげで使った後にゆっくりだけと歩けるようになった。
今度はさっきよりも大きな、だいたい一メートル四方ぐらいの黒い塊を制限時間内に指定された距離に動かす。
制限時間は十秒。距離は二〇〇メートル。
今度は数秒間台風並みの風が吹き荒れた。
- Re: 殺人鬼殺人 ( No.8 )
- 日時: 2009/10/16 18:12
- 名前: TEH END ◆VJvkqYRWt. (ID: NoHM/no/)
seventh story
黒い塊は凄い勢いで飛ばされて、あっという間に一五〇メートルは飛んだ。
それからあとは二〇〇メートルと書かれた黒い線まで動かすだけだ。風は少し緩くなったが、同時に黒い塊の動きも遅くなる。残り時間はあと、約6秒。
その瞬間、一瞬風はなくなり、黒い塊が浮いた。
「ぎりぎりだったぁ」チヨはため息混じりに言った。
「私・・・危なかった。」顔をゆがめて冷や汗を流している私をチヨは横目に色々話した。
チヨは【理解力】がネックだったようだ。人によって能力測定は違うようだ。
私の難題だった【正確性】について話した。あの瞬間、私は黒い塊を持ち上げて二〇〇メートルの線の上に“落とす”ことを決めた。
二〇〇メートルの線に落とした時点で制限時間ギリギリ。それによろめいた。
誤差は一点五メートル。半分だ。そのあとに機械的に『正確性レベルFOUR、総合レベルFOUR』と言われた。
危ないところだったが、そうなってよかった。
能力者の存在は社会ではあまり知られていない。なので就職時には結構苦労する。よくあるのはは国警察や国際警察の特別チームに配属されるとき。
でも特別チームが組まれるのはごくまれ。だからだいたいの生徒はこの広い学院のスタッフになる。学院側も嬉しいようだ。
授業が終わり、寮に戻ると部屋にはギルドとフィニが記事について話し合っていた。
「だから、ここをこうした方が良いと思うんだよね。そっちの方が見やすいと思わないか?」ギルドは記事の一部をするする移動させながら言った。
「だめ、こっちじゃないとこの記事が目立たない。これはこっち」フィニはギルドの手ごと記事を動かした。
私は隙をうかがって声をかけた。
「あの!・・・手伝おうか?」私はたじろぎながら言った。
「ディファ!良いところに来たわ、この記事の配置を見て欲しいの」フィニは机の上に記事の配置を並べた。
私はパッと見て、フィニの方が見やすいと思った。ギルドのも悪いことはないのだが。伝えたいことがはっきりしない。
「こっちの方が・・・良いと思うな」フィニの記事の方に指をさしていった。
「えー!そんなぁ・・・」ギルドはがくっと首をうなだれた。
「ありがとう、ディファ!助かったわ。私たちだけじゃ決めきれないから」フィニはぐっと私の手を握った。
「まぁ、いいや。じゃぁ、さっさと張ってコピーしよう。フィニ」ギルドは待ちきれない様子で首をかしげた。
「わかったわ。ありがとうディファ。お礼に飴をあげる」フィニは私の手に飴を握らせた。
「ちなみにりんご味よ」フィニは付け足してギルドと部屋から出て行った。
私はりんご味の飴をなめながら、約二週間後に控えた試験に向け、勉強し始めた。
次の日は不良どもが学院のドア窓を割った。教室にいた私たちはビクリと飛び上がった。
今日で一番のハプニング。と言うより迷惑騒動。
この学院の治安は芳しくない。能力者だからここに居る生徒はたくさんいる。不良だって、能力があればその対象となる。
能力がない人は受験する。この学院は中の上ぐらいの学校。偏差値は五八くらい。前々から頑張っている人はまあまあ入れる学校。
不良どもの騒動はすぐに鎮静化されたが、その次の日からそのクラスの担任は“体調不良”と、いう名の所謂、謹慎をくらったそうだ。
学生の殺人鬼殺人の報道はもうほとんど、というか全然聞かなくなった。私を見て噂をする生徒も激減し
た。
あの日私がしたことは、正しかったのだろうか。不安になる。殺人鬼集団だって、何故あんな事をしているのだろう。
殺人鬼集団の性で悲しんでいる人々はたくさんいるのに、国警察は、いや、国際警察は何をしているのだろう。
早くアジトでも基地でも見つけて取り締まればいいものを。
この瞬間だった。私の頭の隅に居た悪い子が、そう言う機関や、組織に入れば私の行為が正当化されるのでは?と、語りかけてきたのは。
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