ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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TRIGGER
日時: 2009/11/25 18:57
名前: houki (ID: 3NNM32wR)

久し振りに小説でも書こうかなと思っている今日この頃。
昔はライフみたいな小説を書いていましたが(笑
今回はシリアスなものを目指そうと思います。だって今のはやりはそうでしょ←
大好きなのは伊坂幸太郎と東野圭吾とか。あとあれですね。漫画は全般的に大好きですよ。特には鋼の錬金術師とか、Dぐれとか。まあ頑張りますwネタかぶりは黙認でよろしくw←

主要キャラクター設定

主人公:ロック・ブラスター 25歳
    階級  司令官 TA部門(技術部門)
    
    ベロニカ・バーグ 20歳
    階級  補佐官 TA部門(技術部門)

    エディス・マクバーン 26歳
    階級  副官  TA部門(技術部門)


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Re: TRIGGER ( No.5 )
日時: 2009/10/10 19:06
名前: houki (ID: 9wHf9u2B)

私が間違うのは、人間だからですよ。

Do you understand?

第三章

「えっ…?」
つまり、どういうことなのですか、上官殿。私は列車を乗り間違えた。それだけではないのですか。
私の質問には、彼は答えてはくれなかった。代わりに、ハイジャック犯(私を拘束してたやつ)が返答をした。
「その通りさお前ら…俺たちはな、反政府団体の『メイサス』の信仰者なのさ。俺たちは失望した。だから天に帰る——つまり死ぬことを選んだのさ!!!」

メイサス。どこかで聞いたことがあるその名前。そしてこの男の腕に刻まれている刺青————
これがメイサスの人が信仰しているしているというメイサス神。

「だからお前らには関係ない。俺たちのすることには手を出すな」
男は落ち着いていた。そうか、だから縛り付けたんだな。やっと納得が出来た。メイサスの神は束縛を好む、ということを聞いたことがある。

そして生贄、も。

—————ドン。

銃声が響いた。男は、死んでしまった。メイサスの生贄となって…。

「だから言っただろ、系統番号はよく確認しろ、と」
「……すみませんでした」

そして上官は言うのだった。
人間とは、悲しい生き物だな。何かに頼っていないと生きていけないなんて、と。

Re: TRIGGER ( No.6 )
日時: 2009/10/10 19:06
名前: houki (ID: 9wHf9u2B)

惨劇のあとの、静けさは…

silent night...

第四章

メイサスの事件は、私の人生経験をまた豊富にさせた。上官がいなかったら、私は一体どうなっていたんだろう?


——————上官の過去も知らずに、私はただ、彼を頼りすぎていたのかもしれないが…



銃声。そして叫び声。僕は、僕はどうしてまたこんな所にいるんだ?僕はもうこの戦線からは出て行ったんだ。この戦いは終わったはずなのに、どうして?なんで?僕は、僕は……。

「上官?」
部下の声で目を覚ます。そうだ。僕は今技術局で働いているんだ。もうあの戦線に立つ必要はない。誰にも知られたくない、あの惨劇の瞬間、僕は『音』を失った。それが、僕が『術』を使えるようになった理由だったとしても、それは許されるようなことではなくて。辛くて苦しい、夜であって。

「上官殿、大丈夫ですか?ずっと付けているヘッドフォン、外した方が…」
「触るな!!」
思わず声をあげる。驚く部下の顔を見ることが出来ず、僕は窓の外へと目をやった。空は曇っていた。そういえば雨が降るという予報だったな…。
「…すみませんでした」
謝る部下の言葉が何故か不意に自分の心に刺さって、抜けない。彼女が去っていくまで、僕は何も言葉を返せなかった。

ただ、僕が見てきた惨状を、君達には見せたくなかったんだ。
僕は、ただ君達を守るだけに存在するんだ。

彼女が触れた僕の商売道具でもある通信機用ヘッドフォンは、僕の見たくない世界が——

Re: TRIGGER ( No.7 )
日時: 2009/10/10 19:07
名前: houki (ID: 9wHf9u2B)

分かっているのに、分からない世界。

Can't know my world.

第5章

あの戦線に、僕が出たのは18の時だった……。
何も知らない僕はただ武器ももたず、薬ももたず、仲間の軍隊とともに戦線を歩くばかりだった。

そこで出会ったのが、今の僕の副官であるエディスだった。彼は漆黒の髪を短髪に切り、鋭い目で眼鏡越しだが僕を見つめ、言った。
「ロック、お前、ここの頂点になってみる気はないか——?」
頂点。それは総裁という立場であり、僕らのような人間にはとうてい届きそうもない世界だった。
でも、その時感じたのだ。この青い空から出て行こうとしている人がいるなら、それくらいの事は僕にだってできるんじゃないかと。僕をあの台まで上がらしてくれる何かがあるんじゃないかと。

「僕は———あそこに立って世界を変えるよ、マクバーン」
「君のような術士に会えて光栄だ、ロック」
「こちらこそ」
それはたわいもない会話だった。でもそれは、明らかに僕らの絆を深めた。そして、僕らの傷も深くした。


前線。そこにはまだ僕らの知らないことがあったんだ。


捕えられた。
敵国に——マドス国の兵士に——捕えられた。
僕らは拷問のような生活を強いられることになる。国家の機密事項を話せと言われ、僕らは何も知らないと言っているのに殴られる。食べ物は一切れのパンだけ。僕らは苦しかった——。

そして試みたのだ。

脱走を。

Re: TRIGGER ( No.8 )
日時: 2009/10/10 19:08
名前: houki (ID: 9wHf9u2B)

逃げるなんて、許さないから。

You musn't run away.

第六章

話を持ちかけたのは僕の方だった。エディスとの約束を守りたかった。こんなとこで死ねるかよ…俺たちはまだ若いんだ。

「本気で言っているのか」
僕の予想に反して、エディスは僕の考えを批判した。
「逃げるなんて考えるな。それより先にここを攻略しておいた方がいい。あとで必ず味方がやってくるはずだ」
「マクバーン、その言葉の保証はどこに存在するんだい」
僕は問いかけた。—————それは僕への彼の忠告だったのに。

彼は答えなかった。
戦場にもともと保証なんてないんだ。僕らは「生きる」ことも「死ぬ」ことも絶対ではない不安定な世界に今立っているんだ。今だけじゃない。僕らは常になにかに襲われる危険があって、常にこの軍服という殺してほしいとでもいうような服を身につけて生きているのだ。

「僕はここから出る。——————————今すぐにな!」

そういって僕は飛び出した。そして憲兵を銃で撃ち殺し、その憲兵のもとに銃を投げ捨てた。
そして電熱柵を飛び越え、林へと走って行った。


後ろには、エディスはいなかった…。

Re: TRIGGER ( No.9 )
日時: 2009/10/10 19:11
名前: houki (ID: 9wHf9u2B)

一気がき終了w


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