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- GRANDIAS
- 日時: 2009/10/27 17:06
- 名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)
どもっ!!Ruinです!
頑張るので宜しくお願いします!
感想・アドバイス等大歓迎です!
更新が遅くなる事もありますが、よろしければ見ていって下さい!
+Contents+
1.<M> >>1>>2>>3>>4
2.旅立ち >>5
3.ナーダ砂漠 >>6
4.夢 >>7
5.ノームの滝 >>8
Page:1 2
- Re: GRANDIAS ( No.4 )
- 日時: 2009/10/26 17:10
- 名前: Ruin ◆o3vr1rJiTI (ID: LpcnUUvD)
五分後・・・。
シエラが入ってきた。
「デュランダル様。このシエラに何か御用で?」
シエラは訊ねる。
デュランダルは立ち上がった。
「俺の子、キスティスとロアステイルを連れて、この城を出よ」
デュランダルの一言に皆は耳を疑った。
シエラは、デュランダルの前に立った。
「デュランダル様!あなたは本気でおっしゃっているのですかッ!?」
シエラは叫ぶ。
デュランダルは頷いた
「俺の中には<M>がいる。秘術を使う事意外い、<M>を取り出すことなど出来ない。レミスもそうだった。赤ん坊を産むためだけに秘術を使った。そして死に、<M>は俺に入り込んだ」
デュランダルは頭を抱える。
「俺は俺でなくなるかもしれない。だから・・・二人の赤ん坊を・・・城の者と住民の安全をッ!!!!!」
デュランダルは手をついた。
「デュランダル様!!」
シエラは近づこうとする。
その時・・・後ろから声がした。
「シエラ・ラティエス!!デュランダル様から離れろ!!」
ディスペルクは叫んだ。
シエラはデュランダルから急いで離れる。
「ぐ・・・あああああああああぁあぁぁああああ!!」
デュランダルは叫んだ。
獣の雄叫びのようにすさまじく、皆が震え上がった。
シエラは頼まれた事を思い出し、王の間を出ようとする。
すると、ディスペルクがシエラの手を掴んだ。
「シエラ。すまないが俺も死なないという保証が無い。だから、すまないが俺の子供・ヴェルフェルミナを頼む」
ディスペルクは言った。
シエラは頷き、王の間を出た。
王の間を出ると、そこにはキスティスが居た。
「シエラさん・・・お父さんは・・・?」
キスティスは訊ねた。
きっとデュランダルのことだろうとシエラは思った。
「お父さんはね、疲れたからお休みになられるの。さあ、こっちにおいで」
シエラはごまかし、キスティスを連れて行った。
少し進むと、子供が歩いていた。
「シエラさんだ。こんにちは」
ヴェルフェルミナだった。
シエラはヴェルフェルミナに近寄る。
「ヴェルフェルミナちゃん。お願いがあるの」
「何?」
「デュランダル様の赤ん坊を連れてきてほしいんだけれど」
「・・・いいの?」
「いいの」
「じゃあ連れてくるね。三階で待ってて!!」
ヴェルフェルミナは言った。
シエラは、キスティスを連れて三階に下りた。
三階に下りると、ロアステイルをかかえたヴェルフェルミナが待っていた。
「遅いよ。・・・はい、どうぞ」
ヴェルフェルミナはシエラにロアステイルを受け渡した。
「有難う」
「どういたしまして」
「じゃあ。行こうか」
シエラは言った。
「何所へ行くの?」
キスティスは訊ねる。
「キスティスのお父さんと、ヴェルフェルミナのお父さんに頼まれたの。新しい家でしばらく暮らしてくれって」
「四人のお家?」
「そうよ」
「わーい!!」
二人は喜んだ。
シエラは歩き出す。
「じゃあ行くわよ!」
「はーい!」
こうして四人は城を出た。
シエラは思う。
この子達が真実を知った時、きっとこの子達は悲しむのだろう。
シエラは四人を連れて、カシェムの民が居るシェ—ザの里に向かったのだった。
- Re: GRANDIAS ( No.5 )
- 日時: 2009/10/26 17:13
- 名前: Ruin ◆CVuGFbtcTc (ID: LpcnUUvD)
シェーザの里は、神都エウレディアスの西門を出てしばらく行ったところにある。
道のりは長いが、<M>が現れた今、そんな事を言っている場合ではない。
一刻も早く、ここから遠ざかる事が最優先だ。
かといって、無理をすれば体調を崩しかねない。
シエラは神都を出る前に長旅の準備をする事にした。
神都の西側にはあまり敵が居ないと言われているが、戦いの経験が無いシエラには、いくら相手が弱いといえども倒せるとは限らない。
最近は変種のモンスターも出るのだという。
シエラは頭の中で情報をまとめながら武器屋に入った。
中には沢山の武器が並べられている。
シエラは店員に声をかけた。
「あの。すみません」
店員は嫌そうな顔をしたが、シエラの顔を見ると表情を変えた。
「し・・・シエラ!?」
「あなたはもしかして・・・ミロ?!」
お互い、久しぶりの再会に驚く。
「ミロ。何してるの?!」
「シエラこそ、どうしてここに?子供を三人も連れて・・・。しかも内一人は赤ん坊じゃない!」
ミロは驚く。
シエラは、「赤ん坊」という言葉を聞いて本来の目的を思い出した。
「私ね、デュランダル様とディスペルクに頼まれて、ここを出る事になってるの。・・・で、シェーザの里に行かなきゃならないから、準備をしないといけないと思ってね」
シエラは言った。
ミロはシエラの目を覗き込む。
「シエラ・・・急いでるね」
「さすが。シェーザの民ね」
「・・・私も同行させてもらおうかな。店長休みくんないから里帰りできてないんだ。・・・いいでしょ?こう見えても戦いの経験あるんだよ」
ミロは言う。
シエラは少し考えてから頷いた。
ミロは急いで店長の所へと走って行った。
そして戻ってくるときにはちゃんと防具を装備し、武器を人数分、そして回復アイテムなどを複数持って戻ってきた。
「ただいま〜!これ、シエラの武器ね。それからこのちびっこには杖をあげるね。結構知識有りそうだし。それから魔術書と地図。その他諸々あるから使ってね」
ミロは言った。
シエラはミロに礼を言うと、武器を受け取った。
「じゃあ。行くわよ」
シエラは言った。
五人は武器屋を出ようとした。
だが、誰かに呼び止められた。
「シエラ」
シエラは振り返った。
そこには、見知らぬ一人の少女が居た。
呼び捨てされているのだから、きっと知っている人に違いないだろう。
「何かしら?」
「これを持ってお行きなさい」
少女は光るペンダントを五つ差し出した。
シエラは礼を言って受け取る。
「あなた・・・名前は?」
「久しぶりだし覚えてないのも無理ないわ。・・・私はミト。クロスカティアの魔術師」
ミトは言った。
シエラは何も言わず武器屋を出た。
外に出てミロが口を開く。
「名前が似てる人って本当に居るんだ〜」
ミロはあくびをした。
シエラはミトの事を思い出そうとする。
シエラはクロスカティアの出身だ。
知っていてもおかしくないが、思い出せない。
「久しぶりだし」という所から何年も会ってないという事だけはわかった。
だが・・・魔術師になりたいという夢があった友達や、魔術師の子供だった友達は・・・居なかったような気がする。
気がするだけなのかそうでないのかは定かではないのだが・・・。
そんな事を考えていると頭の中がごちゃごちゃになりそうになった。
シエラはしばらく考えたあと、その事を考えるのをやめた。
シエラはさっき貰った光るペンダントを配った。
そんな事をしている西門が見えた。
「もうすぐ出発だね」
ミロが言う。
シエラは門番に声をかける。
「神都の民を守って」
「そのお言葉、有難うございます。事情は伺っておりますので、どうぞお通り下さい」
「有難う」
シエラが礼を言うと門番は頭を下げた。
こうして五人は、神都エウレディアスを後にしたのだった。
- Re: GRANDIAS ( No.6 )
- 日時: 2009/10/26 17:15
- 名前: Ruin ◆CVuGFbtcTc (ID: LpcnUUvD)
砂だらけの地面。
点々とあるサボテン。
雲の無い空。
照りつける太陽。
エウレディアスの西側にはそんな世界があった。
西ナーダ砂漠。
ここを超えなければシェ—ザの里へはいけない。
五人は砂漠に足を踏み入れた。
「あっつぅ。日焼けしちゃうよ〜」
ミロが早速口を開く。
シエラは歩き出す。
「行くわよ」
「あ〜!ちょっと待ってよ〜!」
ミロはシエラの後を追う。
キスティスとヴェルフェルミナは何の気なしについてくる。
ロアステイルもミロなど気にせずすやすやと眠っていた。
ミロはシエラの横を歩く。
「なあ、シエラ。どうして城を出る事になったんだ?」
「・・・・・・」
「なあ。教えてくれよ」
ミロは言う。
シエラは口を開いた。
「<M>って知ってる?伝説に出てくる異性物」
「・・・知ってるけど」
「それがね、この赤ん坊・・・ロアステイルを生む何年も前にレミス様の体内に入っていたの。ロアステイルの右手が無いのはそのため。・・・そして、レミス様はこの子をうむために秘術を使った。そして・・・亡くなられた」
シエラは一度口を閉じた。
ミロは何もいえない。
シエラは続けた。
「レミス様がなくなられた後、今度はデュランダル様に異変が起こった」
「<M>」
ミロは言う。
シエラは頷いた。
「デュランダル様は、この子が<M>にやられる事を恐れ、自らの意識があるうちに私に命を下さった。それが今している事」
シエラは言う。
ミロは口を閉じる。
「ディスペルクもそれを恐れ、ヴェルフェルミナを私に預けた」
「・・・大変だな。そりゃ」
ミロは言う。
「えいっ!!」
後ろから声がした。
二人は振り返る。
「とうっ!!」
見ると、二人はナーダウルフという狼と戦っていた。
ヴェルフェルミナが杖を振り回し、キスティスは魔術書を必死に解読し呪文を唱えようとする。
そして、唱えた魔法・・・。
「ヴァーン!!」
杖から小さな炎が放たれた。
ナーダウルフは炎に焼かれ倒れた。
シエラとミロはナーダウルフに近づく。
「死んでる?」
シエラが訊ねる。
「やられてるっぽいよ」
ミロが答える。
「手土産に持ってくか」
「いいねぇ」
二人は会話する。
ミロはナーダウルフを持ち上げた。
「ナーダウルフげっちゅ!」
ミロは大声を出した。
すると、周りに狼がたくさん集まってきた。
五人がとまっていると、周りを囲まれた。
牙を剥き出し唸る。
「何さ何さ!」
ミロが狼に向かって大声を出す。
シエラはミロを見る。
「さっき殺したナーダウルフよ。きっと怒ってるんだわ」
「うそぉ・・・」
ナーダウルフがじわじわと近づいてくる。
ミロは動揺する。
「あわわわわ・・・ご・・御免なさいぃいいいいい!!」
ミロは叫んだ。
シエラは考えるが、その間にじわじわと距離を縮めてきている。
噛み付かれたら一巻の終わりだ。
きっとこの狼を返しても怒りはおさまらないだろう。
なら選択肢は一つ。
逃げるが勝ちだ。
シエラはキスティスに訊ねる。
「瞬間移動できる魔法を知らない?」
キスティスは本を開く。
「ある」
キスティスは言った。
キスティスは、瞬間移動できる魔法がかかれているページを開き、そのページにかかれている呪文を瞬時に解読し唱えた。
「テレポ!!」
五人は光に包まれ、そこから姿を消した。
- Re: GRANDIAS ( No.7 )
- 日時: 2009/10/26 17:24
- 名前: Ruin ◆CVuGFbtcTc (ID: LpcnUUvD)
「キスティス・・・キスティス!!」
声が聞こえた。
夢なのか、現実なのかわからない。
「パパ・・・・・・」
キスティスは言う。
すると、キスティスの前にデュランダルの姿が現れた。
「パパッ!!」
キスティスはデュランダルに飛びついた。
が、デュランダルは消えた。
今何が起こったのか、今のキスティスには理解できなかった。
ただ、暗闇に一人座っていた。
「パパッ!!」
キスティスは叫んだ。
しかし、声は木霊しただけで、返事は無かった。
キスティスは黙り込んだ。
そしてしばらく時間が過ぎる。
「キスティス!!」
デュランダルの声がした。
キスティスは声のする方を向いた。
だが、その姿は無かった。
ただ、声が聞こえた。
「キスティス。聞こえるか・・・?」
キスティスは顔を上げた。
「聞こえるよ!!パパッ!!」
キスティスは大声で言った。
微かに笑い声が聞こえる。
「お前に言わねばならん事がある」
「何!?」
「俺は・・・・・・死んだ」
「?!」
「俺は死んだ。だから約束して欲しい」
「・・・・・・わかった」
「ロアステイルを、俺の変わりに、守ってくれ」
「さよなら・・・キスティス」
デュランダルは一瞬だけ姿を現した。
「パパぁッ!!」
キスティスは叫んだ。
と、同時に視界が反転し、突如それは終わった。
- Re: GRANDIAS ( No.8 )
- 日時: 2009/10/27 17:05
- 名前: Ruin ◆CVuGFbtcTc (ID: LpcnUUvD)
シエラは目を覚ました。
暗い・・・洞窟なのだろうか。
やはりむやみに魔法を使うものではないとシエラは改めて思った。
ミロも目を覚ます。
ヴェルフェルミナとキスティスも目を覚ました。
ロアステイルも何事も無かったかのように眠っている。
「ミロ・・・キスティス、ヴェルフェルミナ。大丈夫?」
シエラは訊ねた。
皆は頷く。
キスティスが歩み出た。
「シエラさん」
シエラはしゃがみこむ。
「何?」
キスティスはシエラに飛びついた。
シエラは訳も分からないまま抱きとめる。
「シエラさん。パパは死んだの?パパは死んでしまったの?!」
キスティスは泣きながら訊ねる。
「死んでいないわ。・・・どうしたの?」
シエラは訊ねた。
真実を伝えた覚えはない。
ミロが教えた・・・筈はない。
ヴェルフェルミナもこの事は知らない。
何故・・・・・・何故こんな事に・・・・・・。
「私ね、夢を見たの。声が聞こえてね、振り向いたらね、ちょっとだけパパが見えたの。けどね・・・だけどね。消えたの。だから暗い所でね、座ってたの。そしたらね、また声がしたんだ。だから声のする方を向いたの。でもね、居なかった。けどパパは私に言うんだ。弟を守ってって。でも、その前にね、「俺は死んだ」って言ったの」
キスティスは言った。
シエラは軽く笑った。
「そう」
シエラはそれしか言えなかった。
それ以上言えば、この少女は真実を知ってしまう。
今はまだ早すぎる。
真実を知るのは・・・・・・そんな事・・・・・・。
「大丈夫。パパは元気よ。キスティスが心配するとパパが悲しむよ〜!」
シエラはキスティスに言った。
キスティスは笑った。
「うんっ!」
シエラも笑って見せた。
二人は立ち上がった。
シエラはミロを見る。
「ミロ。ここが何処だか分かる?」
シエラは訊ねた。
ミロは記憶を探る。
「あたしの記憶に間違いがなければ・・・ノームの滝だね」
「ここが・・・・・・」
ノームの滝。
ここは、大地の精霊が住んでいるとされる有名な滝だ。
旅人も一度は寄ると言い、ここにこれなければ真の旅人にはなれないと言う者も少なくない。
この時点で五人は寄った事になるのだが、今はそれ所ではなかった。
「出口何処?ミロ、知ってる?」
シエラは訊ねる。
ミロは岩の上に立った。
そしてにやりと笑い見下すように見る。
「ははは。・・・私がこの滝の出口を知らないとでも思っているのか?」
「・・・じゃあ・・・!!」
シエラは希望の光が差し込んだように思えた。
しかし、ミロはとんでもない事を言った。
「俺様がこんな所の出口なんて知るかぁ!期待すんな、輝かしい目で見んな!俺が地図を見た話なんて聞いた事ないだろ!」
ミロは言う。
(ここ意地張るとこじゃないって)
シエラは思った。
「でも、見たことはある。とりあえず、私についてきて。
光の臭いぐらい分かるよ!」
ミロは言った。
本当について行って良いものなのか迷ったがシエラはついていくことにした。
進まないよりましだ。
「よっしゃ〜!行くぞ〜!」
ミロの声とともに五人は出発した。
しかし、ノームは五人をただじゃ見逃してくれなかったのだった。
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