ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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—黒兎—(イメソン募集中)
日時: 2009/11/08 23:38
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

えっと前のスレでパスワードを入力するのを忘れて編集とか修正ができなかったので新しく作りました(∑アホ

管理人さんすみません無駄にスレ作ってしまって;;

前のスレにも書いてありましたがイメソンを募集中です☆(∑オリキャラの件はどこいった

このスレにあった曲を探しているので募集しています!!

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Re: —黒兎—(イメソン募集中) ( No.6 )
日時: 2009/11/08 23:58
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

夢、夢、夢だ。こんなのありえない……。
濃い霧の中の道を歩いていた。

そいつは少し前を歩いており僕は後ろからだらだらついていっている。

僕を俯いた状態で小石を蹴りながら歩調をわざと遅らせて歩いている。

「そういえばまだ名前言ってなかったな。」

そいつが立ち止まり思い出したように言う。そしてゆっくりと首をこっちに向けてニィッと笑うと

「俺はマーリン・クレッセル。この名前気に入ってないんだ。」

肩をすくめ笑い飛ばしながら言う。僕を顔を前に向けてつい睨むように相手を見てしまう。

「お前は?名前なんていうんだ?」

僕の視線を気にしないかのように気軽に聞いてくる。

「僕は……山田‥哉巳‥。」

相手に聞こえるか聞こえないかのボリュームで呟くように言う。

「ヤマダ‥カナミ?変な名前だなアハハッ!」

また笑い飛ばすように言うマーリン。するとマーリンはそのふざけた顔を切り替え神妙な面もちになる。

「どうしてお前がここに連れてこられたか知りたいか?」

この質問にビクッと反応してしまう。もう認めるしかないのかもしれない。ここは夢の中なんかじゃない。

ついつい母さんや悠、薫そして学校などのことを思い出してしまう。拳を握りしめ目頭が熱くなる。

「あぁ。教えろよ。」

—黒兎—(イメソン募集中) ( No.7 )
日時: 2009/11/08 23:59
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

「“こっちの世界”にはお前以外にもたくさんの人間が連れてこられている。」

え………?。相手のその言葉で何故か安心感が沸き上がってくる。僕以外にも人間が……。

「その他の人たちはどこにいるんだよ!!」

歩くのを止め隣のマーリンをまじまじと見つめる。マーリンは前を見据えながら言葉を発する。

「それなんだが………。ここの世界は大きく分けて2つの組織の対立が長年続いている。」

話が逸れていることに気づき、意味がわからないという表情をつい僕はしてしまう。

「おぃ、話がずれてるぞ!質問に答えろよ!」

まだこの世界のことを認めたくないという感情が熱くなり声をあらげてしまう。

「その戦いを止めるためにお前等人間は連れてこられた。」

一瞬固まってしまう。戦いを止めるだって……?ここの奴らは魔物ばかりと聞いた。魔物の戦いなら止められるわけがない。

「無理に決まってるだろ…。相手は魔物だ!殺される!」

「俺だって魔物さ。」

さらりとその言葉を言うマーリン。その言葉を理解するまで暫く時間がかかってしまう。

「どういうこと?お前は人間じゃないのか?」

「今は人間の姿をしているが戦うときは俺も魔物になる。つまり容姿変化するってわけだ。」

まるでふざけているような口調。マーリンはまた歩き出す。

しかし僕は震えて足が竦んでしまう。目の前にいる奴が魔物。それが僕の足にブレーキをかけていた。

「どうした?」

僕が後ろで止まっていることに気がつき後ろを振り向くマーリン。その顔は人間の顔。だがその顔の裏に魔物の彼がいるのだ。

「2つのグループって……よくいう善と悪ってやつなの?」

「あぁそうとも言うらしいな。」

「お前はどっちなの?」

震えた口調で聞く僕。自分でも手足が小刻みに震えていることがわかる。

—黒兎—(イメソン募集中) ( No.8 )
日時: 2009/11/09 00:03
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

「俺は……善だ。安心しろ。」

しばらくの間の後、マーリンが口を開いた。
月が照らす下、地面に僕とマーリンの黒い影が伸びるように映し出されている。

マーリンは道ばたにゆっくりと腰を下ろし僕もそれにつられるように横に並んで座った。霧が消えてきており視界もよくなってきた。

「“こっちの世界”はさっきも言ったとおり2つの組織が昔から対立を繰り返している。スファナとゾナーという組織だ。」

マーリンが夜空を仰ぎながら淡々と話し始めた。

「スファナは全ての生物との調和と平和を望む組織。それに対してゾナーは破壊と戦闘を好む集団だ。ゾナーの最終目的はわからないがこの世界にとって危険なことを目論んでいることは確かだ。」

俯きながら表情は確認できないがマーリンがそう言う。

「その対立に人間の役が立つとは思えない。」

僕は冷静に考え相手に自分の考えを述べた。マーリンは顔を上げるとゆっくりと視線をこちらに向ける。

「今の状況ではゾナーの方が戦力・技術ともに勝っている。このままではここの世界が危ない。そこで考えたのが人間界からの戦力加算だった。人間なら知能も高く我等にとって大きな戦力となるはずだ。」

まっすぐな視線で僕を見据えながら言う。しかし……

「あっちだって同じ事を考えているはずだ!さらに力を求め人間界から人間をつれてきているはずだ。」

僕もつい感情がこもってしまう。しばらくの無言の間——。

「それはあまり心配しなくていい。ゾナーには人間界と“こっちの世界”を繋ぐ『魔路』を作れる者はいないはずだ。」

確信に満ちた言葉だった。風が急に吹き付け木と木がこすれ合う音が周りに響く。やがてマーリンはすっと立ち上がるとどこまでも続くように思われる道の先を顎でしゃくりながら言った。

「スファナの本部はもうすぐだ。急ごう。」

—黒兎—(イメソン募集中) ( No.9 )
日時: 2009/11/09 00:07
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

僕とマーリンは夜道を急ぎ足であるいていた。寒さのせいで自然と息も荒くなっていく。マーリンはふいに足を止め僕を手で制した。

「どうしたの?」

僕も立ち止まりマーリンに聞く。マーリンは人差し指を自分の口の前にやって「静かに」と小さく呟く。

森の中を風が駆けめぐる音だけがしている。暫くの沈黙の時間。僕は動くことさえも喋ることさえもできなかった。

すると「来る!」とマーリンが言い身構える。

僕たちが進むのを防ぐように2人の人間が立ちはだかる。どちらも男で片方は30代といったところ、もう片方は40代後半といったところだ。

2人ともボロ着を着ておりなにやらニヤニヤしている。

「お前、スファナの者だな。」
「スファナの情報をはいてもらうぜ?」

2人がマーリンに挑むような口調で言う。

「あいにく俺は旅の者でな。そんな情報は知らないんだよ。」

アハハッと陽気に笑って早くこの場を逃れたいようだ。僕は相手2人をじっと睨んだ。

「そんな嘘が通じるとでも?」
「無理矢理でもはいてもらうぜ。」

2人は上唇を浮かせなにやら小瓶を取り出しそれを一気に飲み干した。わずかな時間の後2人は叫びを上げ容姿が変化している。

「ちっ。さがってろ哉巳!」

僕を自分の後ろにやったマーリンは「ハアァア!」と力を込めるとやがて容姿が変化していった。

相手2人はさっきとはまったく違う姿をしていた。頭部は蜘蛛の形をしており下半身はサソリのような姿を2人ともしていた。

一方マーリンは狼と狐の融合体のような容姿。牙がするどく爪も伸びていた。獣のにおいが辺りに漂う。

「こっちは急いでるんだ。俺のスピードについてこいよ?」

マーリンは自信ありげに言うと目にもとまらぬ速さで相手に突進していった。

—黒兎—(イメソン募集中) ( No.10 )
日時: 2009/11/09 17:07
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

それはまさに一瞬の出来事だった。目の前にはさっきの2人の死体が血をまき散らして転がっていた。あまりにも見慣れない光景に僕は吐き気を覚えた。

「いくぞ。追っ手が来ないうちにな。」

すでにマーリンは元の姿に戻っており口の周りの血を拭いながらそう言う。振り返り嗚咽する僕を見てわずかに笑って僕を背負った。

「おろせよ。」

ぶっきらぼうに言う僕を無視しそのままありえないスピードで先を急いだ。

周りの景色がどんどん通り過ぎている感じがしだ。風が僕らの体を切るように吹く。

気が付くと周りの景色は止まっておりマーリンは息を切らしていた。僕を静かに地面に下ろすとマーリンは一言荒い息づかいをすながら言った。

「ここだ。」

僕はその言葉につられマーリンの視線先に目をやる。そこには規模が巨大な城がそびえたっていた。周りは木々が生い茂り近くからは川のせせらぎの音が心地よく聞こえてくる。

「ここが……本部?」

僕は驚きをかくせない表情でゆっくりとした口調でマーリンに聞く。

「あぁそうだ。」

そう言うとなにやら無線機みたいな形をした機械を取り出す。

「…あぁオレだ。………今、本部の前にいる。門を開けててくれ。」

無線の相手と話を終えたマーリンは「行くぞ。」と僕を促し城へと向かっていった。


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