ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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—黒兎—(イメソン募集中)
日時: 2009/11/08 23:38
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

えっと前のスレでパスワードを入力するのを忘れて編集とか修正ができなかったので新しく作りました(∑アホ

管理人さんすみません無駄にスレ作ってしまって;;

前のスレにも書いてありましたがイメソンを募集中です☆(∑オリキャラの件はどこいった

このスレにあった曲を探しているので募集しています!!

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—黒兎—(イメソン募集中) ( No.1 )
日時: 2009/11/08 23:43
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

『……えーでは次のニュースです。昨夜未明○○県○○市○○町で小学6年生の男児が姿を消しました。男の子の母親によりますと男の子は午後10時ぐらいに2階の寝室に入ったと思われ今朝になって起こしにいったところベッドに男の子の姿がなかったということです。その時窓が開いていたことから誘拐の可能性が高いとみて現在捜査中です。……それでは今日のお天気です。』

「へぇ、またなんか嫌らしいわねぇ。」

母さんが僕の朝食をテーブルに運びながら僕に投げかけるような口調でそう言った。朝食は毎朝味噌汁と白ご飯と決まっておりいい加減朝の献立も考えてくれないものかと毎朝悩んでいた。

「ねぇ今日の味噌汁なにか感じない?」

母さんが僕が味噌汁を吸うのをじっと見ながら何かに期待してるような感じで聞く。

「別に。いつもどおりなんじゃない?」
「んもぉ、いつもと違うでしょ!出汁変えたんだからぁ。」
と頬をふくらましながら言う。全然可愛くないけどね……。

いつもと同じ時間に朝食を終え洗面所へと向かい歯磨き洗顔を済ませる。制服はもう起きたときに着替えておりバッグなどは玄関に用意してある。どこの家庭にでもある朝の風景といった感じなのだろうか。

「いってきまぁ〜っす。」
と少々だらしない言葉を残し僕は家を出る。学校には比較的近い方なのでいつも徒歩が僕の登校手段だった。朝の清々しい風が僕の身体を通り抜けるように吹いてくる。今日の授業のつまらなさや午後の部活のことなどを考えていると背後から明るく元気のいい声が響いてきた。

「待てよ哉巳ぃー!待てって。」

急ぎ足で僕の横に来ると荒い息ずかいを必死に直そうと呼吸を整えている。

「そんなんだったらもうちょっと早く家出ろよなぁ。」

僕が呆れたように目の前の友達に言う。この友達は柳
原悠という同じクラスの友達。中学に入ったばかりの頃は顔も知らずにいたが中学2年になって同じクラスになり意気投合というか悠が一方的に僕に絡んできて気づけば僕もこいつに馴染んでいたという状態だった。中学3年つまり今も僕はこいつと同じクラスになった。悠は活発的というか皆をまとめる柄にあり男子からも女子からも好かれる存在だった。聞くところによると悠のことを恋愛対象で好きな女子も結構いるらしい。

え?僕?僕は山田哉巳。顔も名前もどこにでもいそうな普通の中学生。積極的な性格でもないけど消極的でもない。人から頼まれるとなんでも引き受けちゃうっていう面倒な性格。けど運だけは小さい頃から強くてくじ引きなんかも外したことがない。取り柄はそんだけかな?

僕と悠はいつもの他愛のない会話をしながら通学路を歩いていった。

Re: —黒兎—(イメソン募集中) ( No.2 )
日時: 2009/11/08 23:47
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

教室のスライド式ドアをガラガラという音を鳴らしながら開けるとそこには少しざわついた雰囲気があった。まるで何か事件のあったような重たい雰囲気……。

「なぁ、翔のこと聞いたか!?」

1人の男子生徒が僕らが視界に入ったのか急いで駆け寄ってきて言葉をかけてきた。ありえないことが起こったということを態度や表情が現していた。

三橋翔。ぼさぼさの頭に黒縁眼鏡をかけておりクラスではあまり目立ってない存在。一時期クラスの男子達が翔をいじめていて不登校になった時もあった。まぁ一般的に言う『おちこぼれ』という存在だったのだ。

「翔のこと?あいつが何かしたのか?自殺とか?」

悠がふざけた感じで聞き返す。

「それがさ、あいつ昨日の夜から行方不明らしいんだ。」

行方不明という単語から反射的に朝のニュースを思い出す。おそらくクラス全体がざわつき暗い感じを漂わせているのは翔のことが原因だろう。

「行方不明ってどっどういうこと?」

驚きを隠せない僕はその男子生徒に聞いてみる。

「なんか翔の母親が朝、あまりにも遅いから起こしにいこうとして翔の部屋開けるともぬけのからだったらしいぜ?それに窓も開いてたようだし……。」

窓が開いてた!?今朝のニュースの内容とまったく同じ。なにか関係があるのかもしれない。

「それって誘拐ということになるのか?」
悠がわからないという表情で聞く。

「さぁな。けどその可能性を重視して警察は捜査してるらいいぞ。」

そう言った後、男子生徒はまたもとのグループに戻っていった。ピンポーンパンポーン———。

『先生方に連絡します。至急職員会議をいたしますので職員室に集まってください。繰り返します。至急………』

何かが起ころうとするのを僕はすでに感じていたのだった。

—黒兎—(イメソン募集中) ( No.3 )
日時: 2009/11/08 23:50
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

「教科書の103ページを開けて。えぇ流通のしくみをするからノートも用意して。我々は消費者であり商品というのは…………。」

社会担当教師は教科書を開いて皆に説明をしている。暫く説明した後、教師は黒板にチョークを滑らせる。
僕は先ほどの翔のことが気がかりで授業に集中できていなかった。ペンを指で回し頬杖をつきながら考えにふけっている。
窓が開いていた………昨日の夜……別の場所なのに同じ出来事が同時に起こっている。偶然とは考えにくい。何か関係があるはず。小学6年生の男児と翔になにかあるのか………。実は兄弟‥いやありえない。大体翔には兄弟なんかはいない。もしも生き別れていたとしても何故2人とも消える必要がある。わからない…。

「……くん。‥‥哉巳くんっ!!」

自分の名前が呼ばれていることにびくっと思考状態から現実に戻され驚いてしまう。皆の視線が注がれまた教師の視線も自分に向けられていることに気が付き自分が何かの問題に当てられていることをやっと把握することができた。


「なぁ、今日お前ぼーっとしてたけど翔のこと考えてたのか?」

帰り道、鞄を頭に乗せ手を頭の後ろに組みながら悠が唐突に聞いてくる。

「うん。」

と呟くように答える僕。僕の横には早川薫というクラスの学級委員長を努めている優等生が並んで歩いている。登校時には僕と悠だけだが、下校時にはそれに薫が加わる。薫は何事にも冷静に対応し何手先でも考えを張り巡らせるとてもきれる奴。外見は近寄りがたい雰囲気を醸し出しているが内面は思いやりのあるいい奴。

「なんでお前が考える必要があるんだよ。」

誰でも共感できるような質問を僕にぶつけてくる。僕が暫く間をおいて答えようとすると薫がさえぎるように言葉を発する。

「今朝のニュースとまったく同じだからだろ?」

横目で僕を見ながら言う。それに突っかかるようにして悠が質問を僕にではなく薫にする。

「今朝のニュースってなんだよ。なんかあったっけ?」
「これだから悠は世間知らずっていわれるんだよ。ちょっとはニュースぐらい見たらどうだ?」

質問には答えず呆れたような口調で薫は言う。

「うるせぇな。なんだよちょっと頭がいいぐらいで」
「まぁまぁ待ってよ。僕が説明するから。今朝のニュースで………。」

感情を薫にぶつけようとする悠を慌てて制して僕は今朝のニュースの内容を話し始めた。

Re: —黒兎—(イメソン募集中) ( No.4 )
日時: 2009/11/08 23:51
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

悠は単なる偶然と言って笑い飛ばしていた。しかし心の中では不信感を抱いたかもしれない。

ベッドの上で寝転び窓から差し込む月の明かりが僕の顔を照らし出す。

薫も疑問を抱いていた。薫の考えるときの癖は右手の親指と中指をこすりあわせること。

その仕草を下校時に薫はずっとしていた。薫も薫なりに推理しているのかもしれない。

ふと横を見るとデジタル時計はPM11:34を表示していた。

そろそろ睡魔が襲ってくる時間。毛布を首までかけ雲の間から顔を覗かせる月をじっと見つめる。

ガンガンッ…………

突然といっていいほど窓が激しく音を鳴らす。風ではない。

いそいで起きあがり窓を勢いよく開ける。ここは2階。下を覗くが何もない。遠くを見ると電柱のところを野良猫が数匹うろうろしているだけ。

窓を閉めようと手をかけたが窓が動かない。力をこめ再度閉めようとするが動かない。

「おかしいなぁ。壊れたのかな……。」

そう呟き明日母さんに言うことにしてその夜は窓を開けたまま寝ることにした。

やがて睡魔が襲いかかり僕は夢の中へと引きずり込まれていった。

—黒兎—(イメソン募集中) ( No.5 )
日時: 2009/11/08 23:55
名前: リクヤ (ID: atqPP3si)

ガツッ……。頭に鈍い衝撃が走る。頭をこすりながら僕はゆっくりと起きあがり目をこする。

「やっと起きたか……。」

聞き覚えのない声が僕に話しかける。まだ明るさにたえれない寝起きの目を必死に見開いて声の主を見る。

見た目は20代後半といったところだろうか…。髪は茶髪でボロボロになっている服を着ている。腰には……剣?

誰………。

「ん?なんだよその顔。俺が誰かってか?」

目の前の奴が首を傾げ少々低めの声で僕に問う。僕は状況を必死に整理しようと頭をかきながら考える。

だが気づくと寒さに耐えられず思考回路が遮断されてしまう。

辺りを見渡すと見覚えのない霧がかかった森。どこだよ……ここ。

「おーぃ、ちょっとおちつけって。」

そいつが辺りをキョロキョロと見る僕の顔の前で手をブラブラさせながら言う。

「ここは…………ここどこだよッ!!」

思わず叫んでしまう僕。それを少し驚いた表情でそいつは受け止める。

「ここか?“こっちの世界”だよ。」

“こっちの世界”……?

「なんだよそれ。どういう意味か説明しろよ!!」

思わず相手の胸倉を掴んでしまう。そいつは澄んだ瞳で僕を見つめると口を開いた。

「いいか?お前は普通の世界から“こっちの世界”に連れてこられた。“こっちの世界”は人間はごくわずか。ほとんどが魔物だ。」

暫くそいつの言葉が理解できず固まってしまった。魔物?そんなのいるわけないだろ……。

「からかうのはよせ!ふざけんなよ!」

胸倉を掴む手に思わず力が入る。こいつをいっそのこと殺してやりたいという衝動に駆られる。

だがそいつは真剣な眼差しで言った。

「ようこそ“こっちの世界”へ」


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