ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Fate of Chains
- 日時: 2009/11/14 15:46
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
〆ご挨拶
どうもこんばんは。今が何時でもこんばんはry
お初の方が多いと思いますが、某さんと申します。まあ元々ステハンなので、知らない方が多いと思いますが。あ、「某さん」で名前なので決して某が名前で、自分にさん付けをしているわけではありませんのであしからず。
今作は「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」をモチーフとした、ダークファンタジーでしかもハイ・ファンタジーです。はい意味分かりませんね←
つまりは異世界で繰り広げる、ダークファンタジーだと思って下さい。
自分はまだまだ駄文なので、アドバイス大歓迎です。まあこんな駄目作者ですが、「Fates of Chains(フェイト・オブ・チェーンズ)」共々宜しくお願いします。
※荒らしはお断り。
※どっかの某漫画と似てね?とか思っている方は、作者自覚しているんで心の奥に仕舞っておいて下さい。
〆目次
Episode00 Proiogue-ウサギの涙- >>3
Episode01 Peace the World -ありふれた日常- >>4
Episode02 Temptation-隠者の呼びかけ- >>5
Episode03 Darkness-闇黒の渦- >>8
Episode04 Two Rabbits-ウサギともう一匹ウサギ- >>9
〆訪問者
〆たきばね様 〆er027様
Page:1 2
- Re: Fate of Chains ( No.6 )
- 日時: 2009/11/13 23:39
- 名前: er027 (ID: uB4no500)
なんかパンドラハーツっぽい…
- Re: Fate of Chains ( No.7 )
- 日時: 2009/11/14 11:39
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
>er027様
自分でもそう思います←
できるだけ似せないようにしたいのですがね……。
- Re: Fate of Chains ( No.8 )
- 日時: 2009/11/14 12:38
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
Episode03
Darkness-闇黒の渦-
——ん……此処は?
シドはゆっくり目蓋を開いた。視界に入ってきたのは、日の光が差し込むどこかの森。どうやら今居る場所は、さっきまで自分の居たエヴェレット家の屋敷ではないらしい。
「やあ、お目覚めはいかがかな? シド=エヴェレット?」
突然シドの耳に入ってきたのは、さっき自分の頭に響いてきた謎の声。ハッとして声の聞こえる方を振り替えると、そこにはにこりと優しげな笑みを浮かべる、一見爽やかな青年だった。だがシドがその青年を見て感じた事は、不思議な違和感。人だが——”人ならざるもの”のようだと。
「君は……だ」
「オレの事は知らなくていいよ、君が知る必要なんてないんだからさ」
シドが言葉を言い終える前に、青年が答えた。さっきと変わらない優しげな笑みだが、それには他に物を言わせない気迫があった。シドはそんな青年を見て何か危機感を覚え、ブルリと震える。
そんなシドに青年は近寄り、座り込んでいるシドと同じくらいになるよう屈み込んで、シドの頬に手を当てる。
「え……あ……」
「うん。銀髪、青と金のオッドアイ。やっぱりそうか……。背は伸びたようだけど、変わらないね」
青年の言動に、シドは同様する。シドには青年が何を言っているのかが、まったく理解できなかった。それもその筈、シドは今日青年と初めて会い、青年の事は何も知らない——だが青年は、まるでもっと昔からシドを知っていたような口振りなのだ。
先程とは違い、”にこり”ではなく”にやり”とした笑みを浮かべる青年の手を、シドは出切る限りの力で振り払った。
「僕は……、僕は君なんて知らない! 君は誰なんだ、さっきの声は何なんだよ!?」
シドはキッと青年を睨み、警戒心をあらわにするが、青年は顔色一つ変えずにニコニコと笑っている。それが爽やかな風貌の青年を、逆に妖しく引き立たせていた。
その不気味さに、ヒッと怯えるシド。足が竦み、身体がブルッと震える。シドと青年の距離は10mもない。逃げようとしても、今の距離では簡単に青年に捕まってしまうだろう。
「あのね、オレが君を此処に連れてきたのにはワケがある。オレには……いや、ある人には君が必要なんだよ。だから、一緒に来て貰う必要があってね」
青年がそう言うと、青年の後ろに何やらブンと音がして、黒い渦が出現した。まるで、全てを吸い込んでしまうブラックホールのよう。
——何だこれは……。僕、どうなっちゃうんだ……。
妖しげな雰囲気を纏う青年に、その後ろに出現した謎の黒い渦の組み合わせ。その不気味過ぎる組み合わせに、シドは自分が何か夢でも見てるのではないかと思う。いや、これが夢であってほしいと思った。
「じゃあ、来て貰おうか? 一緒に」
青年は一歩、二歩とシドに近づいていく。シドは怖くて手足に力が入らず、抵抗ができない。
青年が最初に会った時の笑顔で、にこりと笑う。そしてシドの手を掴むと、二人は闇の渦へと吸い込まれていった——。
- Re: Fate of Chains ( No.9 )
- 日時: 2009/11/14 15:47
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
Episode04
Two Rabbits-ウサギともう一匹ウサギ-
青年は黒い渦の中で、シドを抱えて空中で浮きながらどこかへと進んでいた。
黒い闇が蠢く中で一方シドは、青年の腕の中で小さな子供のように怯えている。まあそれも、先程の事尾があれば仕方無いというところか。
ブルブルと震えているシドを覗き込んで、青年は笑顔のまま言った。
「どうしたんだい? やっぱ子供には、この闇に包まれた空間が怖いかな……? 大丈夫、無事に此処から出られるから。……君が抵抗さえしなければね」
心配しているような口振りだが、最後の言葉は口調とは反していた。まるで”抵抗すれば命は無い”と脅しているかのように。
「ねえ……」
「何?」
シドが怯えた表情のまま、青年に問いかける。
「僕をどこに連れて行く気……?」
「それも君が知る必要の無い事だ」
穴に入る前、シドが青年に名前を聞いた時と同じ態度を青年は取った。今のシドには、それにもめげずに目的を聞くような気力は残ってなく、何も言わずにこの話は終わる……そう思ってた。
だが、青年は言い終わった後、シドを左手に抱えた状態で右手を顎にあて何やら考え込んでいた。そして結論付けたように頷くと、口を開いた。
「うん、やっぱりどこへ連れて行くくらい話してあげようかな。オレが今向かっているのは、君の世界から見た一種のパラレルワールドだ。それで今、その世界に向かう為に色々な異次元に繋がっている、この穴を通っているわけなんだけど……」
青年はそう話しながら、シドのベストのポケットから懐中時計を取り出し、今浮いている場所から懐中時計を放り投げた。
するとどうだろう、懐中時計は見る見るうちに下へと落ちていき、闇の中へと消えていった。
「えっ……?」
「驚いた? さっきも言った通り、この穴は色々な次元と繋がっている。それはつまり、様々な時間の流れが混ざり合った空間なわだ。もしそれに飲まれたら最後、二度と元の世界には戻れなくなる」
呆然と懐中時計の落ちた方向を見ていたシドだが、ハッとして青年の方を見た。青年はシドの言いたい事が分かっているらしく、にこりと笑ってシドを見る。
「……”じゃあなんでお前は、こんな空間を平然と渡れる事ができるんだ”って顔だね? それはさ、俺がエーテルだからだ……って危なっ」
「話が終わるのはまだですか? 私はもう待ちくたびれました」
青年は突然飛んできたナイフをギリギリでよけた。ナイフは先程の懐中時計と同じように、闇に落ち消えていった。青年は「ふう」と溜め息を付くと、ナイフが飛んできた方向を見上げる。
青年とシドの上空にいたのは、黒服の小さな少女。太股の中間辺りまで伸びている長い金髪に、エメラルドのような瞳を持つ可愛らしい外見とは裏腹に、表情はまったくと言っていい程の無表情だった。
「お久しぶりですね、セス=ベイクウェル。いや、白兎(ホワイト・ラビット)。今日は子供を連れて何をするのか興味深いです」
「やあ三月ウサギ(マーチヘアー)。機嫌は……あまり良くないようだね? 折角の再会なのに、残念だなあ」
「私は残念ではありません。むしろ不快です。貴方のような汚らわしいウサギは、とてつもなく邪魔なので早く消えてくれると助かるのですが」
少女はまるでロボットのように、感情の篭っていない言葉を紡ぎだしていく。だが話しながらも、青年——セスを殺せる機会を伺っている様で、片手にはダガーが握られている。スキあらば抹殺しようとしているその姿は、愛らしい外見とはまったく似合わない。
一方のセスは、少女の毒舌を「慣れている」とでも言うかのように、軽く受け流していた。——ただし、シドに見せていたような余裕ある笑顔は、欠片もなかったが。
「おとなしく拘束されて下さい白兎(ホワイト・ラビット)でなければ、貴方を此処で始末する事になります」
少女はそう言ってダガーを握り締める。
「嫌だと言っ……」
「嫌だと言ったら?」そういい終える前に、少女のダガーがセスの首元へと向かっていた。
- Re: Fate of Chains ( No.10 )
- 日時: 2009/11/14 16:16
- 名前: 某さん ◆PHKOj6t3P2 (ID: YpJH/4Jm)
Episode05
「おっと危ない」
少女のダガーの一撃を、セスはシドを抱えながらも間一髪で避けた。それを見て少女は「チッ」と舌打ちをする。
——セスっていうのがこの人の名前なのか……。それにあの女の子、一体何なんだ? あとさっきセスが言ってた「エーテル」っていうのも……。分からないことだらけだなあ……。
突然ワケの分からない戦いに巻き込まれたシドは、何も理解できないまま二人を見る。疑問が多すぎて、さっきまでビクビクしていた事も忘れている。
そんなシドを他所に、セスと少女は話を続けている。
「君さあ……外見は可愛らしいんだから、もっと女の子らしくなったらどうなのさ。今の君、殺人兵器にしか見えないんだけど」
「余計なお世話ですね。殺人兵器なら、貴方のようなゴキブリウサギよりはずっとマシです」
「ゴキブリウサギって……意味分からないんだけど」
「ゴキブリのように汚らわしいゴミウサギという意味です」
少女の一方的な毒舌攻撃は止まらない。さすがのセスも、あの少女相手に口で勝つ事は出来ないらしい。苦笑しながら少女を見ている。
第三者の立場にいるセスも、この状況にはさっきとは別の意味で恐怖を覚えた。特にあの少女に。
——この空気で「君は誰?」「エーテルって何?」何て言ったら、殺されるだろうな……黙っておこう。
空気を壊さない為に、というよりは自分の身の安全の為に、シドは空気を察し黙っておく事にした。
「立ち話もうざったいんで、そろそろ終わりにさせてほしいのですが。貴方が死亡で終わりというハッピーエンドで」
「オレが死んでハッピーエンドって……それはさすがに酷いなあ。だから」
次の瞬間、セスは右手からカッと光を放った。眩いフラッシュに、シドと少女は思わず目を瞑る。
「今日は退かせて貰うよ三月ウサギ(マーチヘアー)また今度落ち着いて話し合うとしようじゃないか。この子は一旦君にあげよう。どうせ待ち伏せしていたんだろう?」
フラッシュでよく見えない中、セスはどこか愉しそうにそう言った。そして抱えていたシドを少女の方に向かって、ポイッと放り投げる。
少女はそれを小さい身体ながらも、軽く受け止めたがその時にはもうセスはどこにもいなかった。
「……あのゴミウサギめ……次こそはあの世に送り返してあげます……」
保留
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