ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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死神
日時: 2009/11/16 16:59
名前: 愁 (ID: UrB7UrBs)

空気のような存在。
全てが闇に包まれた神。   

あなたの後ろに・・・

死神は・・・

                      

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Re: 死神 ( No.5 )
日時: 2009/11/16 15:05
名前: 愁 (ID: UrB7UrBs)

第三話 「光」



ルイは倒れた女の顔を見つめる。

胸に付けられた名札には、
「神崎 光」と書いてある。



ルイ「こんなところで倒れるなよ。」

「っ・・・」



女は目を覚ました。
そして立ち上がり、
制服についた土を手で掃った。



「・・・」

ルイ「・・・」



どうしたことだろう。
女はルイの方を見ている。



ルイ「・・・」



ルイは後ろを見たが、
特に変わった物はない。
ルイは一歩右に移動した。
女の視線も一歩右にずれる。
また一歩左に移動する。
また女の視線も一歩左にずれる。



ルイ「見えているのか?」

「あなた・・・
 幽霊さん?」



見えているようだ。
・・・
いや、そんなわけがない。
人間に死神の姿が見えるはず・・・



「それとも・・・
 死神さん?」

ルイ「・・・」

「私・・・
 死んじゃったの?
 ここは天国!?
 ・・・いや、死神さんがいるってことは・・・
 地獄!?」

ルイ「・・・」



女は変なことを言っている。



ルイ「・・・
   ここじゃ人に見つかる。
   どこかへ移動しよう。」

「どこかって?
 ・・・」

ルイ「人がいない場所だ。」

「・・・
 あ、そうだ。
 私の家は?」

ルイ「・・・」



死神を自分の家に招くなんて馬鹿は 
他にいるか。



「駄目?」

ルイ「別にいいが・・・」

「じゃぁ決まり!
 こっちよ。」



ルイ達は女の家へ向かった。

Re: 死神 ( No.6 )
日時: 2009/11/16 15:07
名前: 愁 (ID: UrB7UrBs)

第四話 「予期せぬ展開」



・・・・・・



一軒屋。
ごく一般的な建物だ。



「入って・・・」



ルイは女の部屋に入った。

ピンク色の家具が多い。       
香水の匂い。
女の子の部屋そのものだ。

女はベットに座った。



「座っていいわよ。」

ルイ「大丈夫だ。」



数分の沈黙が続く。



「私の名前は、 
 神埼 光。(かんざき ひかり)
 字は・・・」

ルイ「分かる。」



ルイは光の名札を指差した。



光「あっ、そっか。
  ・・・
  えっとぉ・・・
  二十歳の大学生。」

ルイ「・・・
   俺の名前はルイ。」

光「字はどう書くの?」

ルイ「・・・
   そんなものはない。」

光「・・・」

ルイ「・・・
   カタカナでいい。」

光「分かった。」



ぎこちないやり取りだ。



光「あなたは・・・
  死神さん?」

ルイ「そうだ。」

光「・・・」



光はルイの全身を見た。



ルイ「・・・
   なぜ俺が見える。
   それに、なぜ俺の声が聞こえる。」

光「え?
  なぜって?」

ルイ「・・・
   人間には俺の姿は見えない。
   声も聞こえない。」

光「・・・」

ルイ「お前・・・
   神の匂いはしない。」

光「だって人間だもん。」

ルイ「・・・」

光「見えると・・・
  何か不幸でもあるの?」

ルイ「そんなものはない。」

光「・・・」



光はちょっと安心した様子だ。



光「・・・
  さっきの不良達は?」

ルイ「・・・
   殺した。」

光「・・・
  殺した?」

ルイ「死神は人間を自由に殺せる。
   その人間の寿命の余りを食べる。」

光「・・・
  私を護ってくれたの?」

ルイ「・・・」

光「・・・
  ありがとう。」

ルイ「お前はクズじゃないと思ったからだ。」

光「・・・」

ルイ「煙草を拾ってゴミ箱へ捨てた。
   その後、注意まで・・・」

光「当たり前のことよ。」

ルイ「・・・」

光「・・・」

ルイ「そろそろ行かなければ。」

光「どこに?」

ルイ「・・・
   特に決まっていない。」

光「・・・」

ルイ「・・・」

光「うちに泊まっていきなよ。」

ルイ「・・・」



ルイは不思議そうに光の顔を見た。
光は笑っている。



ルイ「・・・」

光「いいでしょ?」

ルイ「あぁ。」

光「やったぁ!」

ルイ「・・・ 
   (変な奴だ。)」
   

Re: 死神 ( No.7 )
日時: 2009/11/17 12:18
名前: 愁 (ID: UrB7UrBs)

第五話 「新たな生活」



ルイ「だが、俺はお前の家にいる必要はない。」

光「え?なんで?
  いつもは外で寝てるの?」

ルイ「あぁ。」

光「外じゃ寒いし、
  寝る場所がないじゃない。」

ルイ「・・・」



ルイは自分の足元を見た。
光もルイの足元を見る。



光「そっか・・・」



ルイは飛ぶことが出来る。
それにいつもは浮いているのだ。



ルイ「・・・」

光「・・・
  家族とかいるの?」

ルイ「いない。」

光「・・・
  じゃぁ・・・
  一緒に暮らそうよ。」

ルイ「・・・」

光「・・・」

ルイ「(暇つぶしにいいか。)
   あぁ。」

光「やったぁ!」

ルイ「だが・・・
   なぜ俺と暮らす必要がある?」

光「だって・・・
  これも運命じゃん?
  神と話せるなんてすごいじゃん。」

ルイ「俺は死神だ。」

光「・・・
  いいの。」

ルイ「・・・
   俺は他の人間には見えないし、
   声も聞こえない。
   だから・・・」

光「分かってるよ。
  ルイと関われるのは二人きりの時だけ、
  ってことでしょ?」

ルイ「あぁ。」



人間と死神が
こんなまじかな存在であっていいのか。



ルイ「・・・
   俺は屋根で寝る。」

光「うん。」



ルイは天井を透き通った。



光「・・・
  すごい。」



・・・・・・



ルイ「(アイツは一体・・・)」



ルイには今の状況がよく理解できなかった。
頭の中で今の状況を整理する。

・・・



ルイ「っ・・・」



今、急に視線を感じた。
誰かに見られているような・・・。
ルイは辺りを見回す。
・・・



ルイ「(気のせいか・・・)」

Re: 死神 ( No.8 )
日時: 2009/11/19 11:34
名前: 愁 (ID: UrB7UrBs)

第六話 「予感的中」



ピピピピッ!
ピピピピッ!



目覚まし時計が時を告げる。



光「・・・」



光はいつものように爆睡中。



ルイ「おい・・・
   起きろ。」

光「っ・・・?」

ルイ「・・・」

光「あ、ルイ・・・
  おはよう。」

ルイ「・・・」



光は体を起こし、
手で目をこすると、
階段を下りていった。
・・・
と思ったら戻ってきた。



光「朝ごはん。
  嫌いな物とかある?」

ルイ「・・・
   俺は死神だ。」

光「・・・
  あ。
  そっか。」



再び階段を下りていった。



ルイ「・・・
   なんだアイツ。」



・・・・・・



光「行って来まーす!」

「いってらっしゃい。」



光の母さん、
神崎 良子(かんざき りょうこ)が
娘を見送る。
・・・
その後ろに立っていたルイの体を透き通って、
良子はリビングへ戻った。



・・・・・・



ルイは屋根に座りながら、
あくびをしていた。



ルイ「殺りに行くか。」



ルイは黒い翼を大きく羽ばたかせた。



ルイ「っ・・・」



視線。
昨日と同じ視線を感じる。



ルイ「・・・ 
   誰だ。」



気のせいではない。
・・・
光はもう学校へ行ったはず・・・。



ルイ「・・・」



ルイは何かを感じた。
頭の中に光がよぎる。



ルイ「・・・
   光・・・。」



ルイは光を追った。



ルイ「・・・」



まもなく、光の姿をとらえた。
・・・
大型トラック。
・・・
光の後ろから
大型トラックが・・・



ルイ「(様子がおかしい!)」



プー!!!
プッ!プッ!プー!!!



光「?」



ドスンッッッ!



光「!」

ルイ「ハァ・・・
   ハァ・・・
   ハァ・・・」



大型トラックは  
ルイの手によって止められた。



光「ルイ・・・
  どうしたの?」

ルイ「家へ戻れ。」



・・・・・・

Re: 死神 ( No.9 )
日時: 2009/11/22 13:20
名前: 紅神戸 (ID: abPfWlRE)

光優しいね。

て、家に戻れっていきなり
どうしたんだ…?

頑張ってな^^


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