ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 無気力な天才2
- 日時: 2009/11/15 08:44
- 名前: 劉翔 (ID: w1UoqX1L)
なんか消えたんで、今までの大まかなあらすじを書いておきます。
あと、第二章の続きから書いときます。
- Re: 無気力な天才2 ( No.5 )
- 日時: 2009/11/15 16:14
- 名前: 劉翔 (ID: mwHMOji8)
定食屋に着いた劉矢は遠慮なくいつも注文しているAセットではなく、50円ほど高いBセットを注文した。翔醐は一番安いAセットを注文した。二人がいつも昼食を食べに来ている定食屋は四龍(すーろん)という定食屋である。実は四龍はラーメン屋なのだがラーメン以外のメニューも充実しているので学生達からの人気はかなり高いのだ。劉矢と翔醐は1年生の時から食べにきてるのだ。
「劉矢、飯食ったら研究室に戻るぞ」と翔醐が言った。翔醐はもう自分が注文した定食を食べ終えていた。
「お前、食うの早いよ。研究室には戻らねーよ。あの頑固はげがうるさいから」と劉矢が面倒臭そうに言った。ちなみに劉矢が言った頑固はげとは、この大学の教授、水川修(みずかわおさむ)の事だ。
「俺のレポートまとめるの手伝ってもらうからな」と翔醐が言った。
「何でよ?」
「俺が奢るからだよ」と翔醐が言った。翔醐はなにがあっても劉矢にレポートをまとめるのを手伝ってもらいたいらしい。それを察したのか劉矢は、これ以上面倒臭いやりとりを終わらせるために
「わかった、行けばいいんだろ」と嘆いた。
「よし!じゃあ早速行くか」と翔醐が言って、会計を済ませ四龍を後にした。この時、翔醐の表情はとても嬉しそうだった。一方、劉矢の表情は死んでいた。
- Re: 無気力な天才2 ( No.6 )
- 日時: 2009/11/15 16:16
- 名前: 劉翔 (ID: mwHMOji8)
劉矢と翔醐は物理学部がある校舎に向かって歩いていた。翔醐は来月、渡米して研究発表することになっているのだ。そのため、レポートを仕上げる必要があったのだ。
二人は物理学部の校舎に入って小太りの棚島教授に話しかけられた。
「杉江君、レポートの方はどうなってるのかね?」と翔醐に向かった聞いた。
「まあまあですよ」と翔醐がにこにこしながら言った。
「頑張ってくれよ」と棚島が言った。翔醐は頭さげた。
「なぁ翔醐、棚島さんってあんなに太ってたっけ?」
と劉矢が言った。
「太ってたよ、多分。どうした急に?」と翔醐が言った。
「いや、なんでもない。なんか不思議でさ」と劉矢が言った。こんな会話をしているうちに二人は研究室についた。
「教授、入りますよ」と翔醐が言った。しかし研究室からの応答はなかった。
「とりあえず中に入ったら」と翔醐が言って研究室に入った。その時、翔醐が悲鳴を上げた。それに気づいた劉矢も研究室に入った。研究室の有様は地獄だった。学生たちが書いたレポートが散乱している。それに加え研究室に血が飛び散っていた。それ以上に酷かったのは部屋の片隅に倒れている屍のほうだった。首が無いのだ。しかし、死体の身元は白衣についていた名札でわかった。水川教授だった。
劉矢と翔醐はしばらくその場から動けなかった。
「翔醐、警察を呼べ」
「わかった」
翔醐が警察に通報している時、劉矢は窓から身を乗り出して下を見ていた。あるべき物を探したいた。しかし見つからなかった。
警察がついたのは通報してから10分後で八魔本が現場の指揮をする事になっていた。
「なに、オッサンがこの事件を担当するのかよ」と劉矢がだるそうに言った。
「そうだけど何か悪いか?」と八魔本が苛々しながら言った。
「被害者はこの大学の教授、水川氏だ。死亡推定時刻は正午から午後1時半の間。その間二人はなにをしていた?」
「大学の近くにある定食屋で飯食ってた。あぁ、こいつも一緒に」と劉矢が面倒臭そうに言った。
「それを証明できる人は?」
「四龍のオッサンだけど」
「わかった。すぐに確認させる」と言って、八魔本は部下にすぐに四龍に行かせた。
「あともう一つ。死体に変わったところは無かったか?」という質問に翔醐が
「首が無い以外どこも無かったです」と答えた。八魔本は翔醐だけを解放した。劉矢は解放されなかった。それを不満に思った劉矢は「俺も帰せ」と言った。
「どうせお前は大学にいてもまともに生活する気はないだろ」と八魔本が劉矢の腕を掴みながら言った。
「今回は協力しないからな!」と劉矢が怒鳴り気味に言った。
「協力してくれたら、今日の夜飯に何か奢るぞ」と八魔本が冗談半分で言った。八魔本は劉矢が協力しないと思っていたが意外な答えが返ってきた。
「今の言葉、忘れるなよ」と劉矢が言った。八魔本は後悔した。しかし八魔本は彼を事件に協力させるいい方法を見つけた。
- Re: 無気力な天才2 ( No.7 )
- 日時: 2009/11/15 16:18
- 名前: 劉翔 (ID: mwHMOji8)
その後二人は大まかな検証を行った。しかし凶器は見つかっても問題の「首」は発見されなかった。凶器はなぜか研究室にあった枝切りバサミである。ハサミからは指紋は採れなかった。犯人は被害者を眠らせてから首を切断したと考えられる。その証拠に机の上にあったカップからクロロホルムが検出された。
「オッサン、首は見つかったのか?」
「いや、見つかってない。今は物理学校舎の周辺を探させている」
その時、八魔本の部下が息を上げて研究室に入ってきた。
「警部、社会学部の校舎付近で被害者の首が見つかりました」
「何!?」と八魔本の部下の報告に対して二人は声を合わせた。
二人は研究室を飛び出した。劉矢はJBAから注目されるバスケットボールプレイヤーなので5分もしないうちに社会学部の校舎に着いた。一方、八魔本と八魔本の部下は運動不足なので劉矢よりも遅く校舎に着いた。
被害者の首は校舎の近くにあるコナラの木の根元で発見された。周りには人影も無いため首を捨てるには良い場所だったのかもしれない。
劉矢は木の周りを一周した。しかし証拠となるものは見つからなかった。
「なぁ、首はどんな感じに捨ててあったの?」と劉矢が質問した。
「城戸さんの足元ですよ。しかし妙なんですよ。あれは捨てたというより置いたという感じだったんですよ」
「刑事さん、その時の様子を詳しく教えてくれないかな」と劉矢が驚いたように言った。
- Re: 無気力な天才2 ( No.8 )
- 日時: 2009/11/15 16:18
- 名前: 劉翔 (ID: mwHMOji8)
「はい。被害者の頭部はさっき説明したとおり、城戸さんの足元にありました。発見した時は頭部は和紙の様なものに包まれてました。そして紐のような物も一緒に置いてありました。頭部は木に立て掛けるように置いてありました」刑事の話を聞いていた劉矢はしばらく無言だった。
「紐って何に使ったんだろうね」無言だった劉矢が口を開いた。
「待てよ劉矢。紐を使わなくても頭部くらい運べるだろ」八魔本が劉矢を馬鹿にするような目で言った。
「もしオッサンが犯人だったら首をどうやって運ぶ?」
「普通に持ち去るだろ。鞄か何かに入れて」八魔本が自信満々に言った。
「馬鹿かオッサンは。もし仮に鞄か何かに首を入れたとしても死亡推定時刻の直後に鞄を持って校舎を出た奴は片っ端から疑われる。鑑識の連中が虱潰し(しらみつぶし)に調べれば血痕の一つや二つ出てくるだろ。仮に鞄を捨てたとしても捨てた奴が真っ先に疑われる。これらの事から考えると、今回の犯人は非常に非常に頭がいい」と劉矢が八魔本を馬鹿にするように言った。
「入れ物を使わずに頭部を運ぶなんて事ができるわけ無いだろ。なにか魔法でも使ったのか」
「オッサン、この世に魔法なんてある訳ない。人間が仕組んだんだから、この謎は人間にも解けるはずだから」と劉矢が言った。八魔本は黙ってしまった。劉矢があまりにも正確な事を言い放ったからだ。さすが物理学者の卵だ、と八魔本は思っていた。
「とりあえず、今日の捜査はこれで終わりにしよう。岸田は署に戻れ」と八魔本が言った。どうやら八魔本の部下は岸田というらしい。
「劉矢、今何時だ?」
「今は、4時半だけど」
「それじゃぁ、2時間後に門の前に来い。今日は俺の奢りだからよ」と八魔本が言った。
「マジかよ。それじゃぁさ練習してから行くからよ」劉矢は走って物理学校舎に向かった。どうやら着替えるようだ。八魔本はその場から離れた。2時間どうやって時間つぶそうかな、と八魔本は考えを張り巡らさせていた。
- Re: 無気力な天才2 ( No.9 )
- 日時: 2009/11/15 16:19
- 名前: 劉翔 (ID: mwHMOji8)
その頃劉矢は体育館でアップをしていた。劉矢はこの大学のエースでありディフェンスの要であるのだ。そのため、劉矢に対するプレッシャーが半端無く大きいのだ。
「劉矢、調子はどうだい?」と劉矢に声をかけたのはチームメイトの小田原悠斗(おだわらゆうと)だ。悠斗と劉矢は幼稚園からの友達なのである。ポジションはガードとフォアードだ。
「ボチボチだけど」と劉矢が答えた。
「おいっ、劉矢。明日実ちゃんとは最近どうよ?」と冷やかしまじりに声をかけたのは、相田亮太郎(あいだりょうたろう)だ。亮太郎とは大学で知り合った。ポジションはセンターとフォワードだ。
「五月蝿いよ。ここでは話すな」劉矢は亮太郎を睨んだ。
明日実とは篠原明日実(しのはらあすみ)の事で劉矢の恋人である。劉矢が中学二年の頃から付き合っているのである。年齢は劉矢より一つ下だ。
「集合!!」と声がした。声の主はこのチームのキャプテンである、神崎巧(かんざきたくみ)だ。この男も劉矢と同じくJBAから声が掛かる天才ガードだ。
「2ヶ月後の全国大会に向けて特別な練習をする。センター組みはブロックを徹底的に、ガード組みは視野を広げる事を意識して一対一を、フォワード組みはシュートを徹底的に練習しろ」と指示をした。普段はいい奴なんだけどな〜、と劉矢は思った。
「そういえば、翔醐は?」と巧が劉矢に質問した。
「レポートをまとめてるよ」
「わかった」と巧が劉矢にいって練習に戻った。翔醐も一応バスケ部なのである。
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