ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- —— 魔法界の犯罪者 ——
- 日時: 2011/07/03 01:55
- 名前: 樹 (ID: .LZpCZOg)
ここで書かせてもらうのは初めてですね;
まだまだ未熟すぎますが
みなさんよろしくお願いします!
っとまぁ挨拶はこれくらいで、
この物語は魔法界をベースに作った、逃亡小説です。
でも世界観はほとんど同じなので、そこら辺は気にしなくてもOKです。
あと、シリアス物語重視なのではじめのほうはグロイ系はあまり無いです。(すいません;
アドバイス、感想は泣くほど喜こびますので、気が向いたらどうぞ願いします!
でも返信コメは嫌でも絶対にさせてもらいますよ!
最後にこの物語を読んでくださった皆さん、ありがとうございます!
☆参照300突破!ヤター!
【序章】どうでもいいこと
>>1-3 >>7-10 >>17-24
すみません;
しばらくバカな作者はテスト期間になってしまったので更新ストップいたします;
- Re: —— 檻 —— ( No.6 )
- 日時: 2009/11/22 11:23
- 名前: 樹 (ID: L4IJORQ/)
鈴様>>
コメントありがとうございました!
こんな作品を上手いなんて言ってもらえて嬉しいなんてものじゃありません!もう号泣中です。(泣
コメントが来ているだけでなきそうになったのに、面白いなんて・・・・本当にありがとうございます!
がんばりますので、これからも見に来てください。
鈴様の小説も拝見させていただきます(^u^)
- Re: —— 檻 —— ( No.7 )
- 日時: 2009/11/23 11:05
- 名前: 樹 (ID: L4IJORQ/)
確かに、使えると思っていた。手ごたえはあったんだ。杖も同調していたはず。なのに、使えなかった。使おうと思ったしゅんかん、その冷たさも痛さも一瞬で消えてしまった。全く何事も無かったように。
何かが悪かった。何が悪かった。
でも、そんなことは今考えるだけ無駄だ。
後ろからの熱風がいっそう熱く感じる。それは龍がもうすぐ近くにいるという証拠だ。熱い。背中がヒリヒリと痛む。霜焼けの手には感覚すら薄れてきた。
一瞬、龍の後ろから警備員の高笑い聞こえた。一瞬じゃない。確かに笑っていた。少年が死ぬかもしれないのに・・・・笑っていた。
この犯罪者。 警備員
奥歯を強くかみ締め、のどの奥から自然に言葉が搾り出される。
「こんなやつに殺されてたまるか」
小さくつぶやいて、少年はもう一度止まった。
一か八か。いや、違う絶対に成功させてやる。ぎゅっともう一度杖に力を込め、後ろを向く。目が焼けないように、目はつぶって。
「こいつなんかに」
絶対に殺されない。
それは恨みの言葉ではなかった。それは怒りの言葉でもなかった。しかし、悲しみの言葉ではなく、嬉しみの言葉でもなかった。
たとえるなら、何だろう。希望か?分からない。
とにかく、生きたい。そう思った。
- Re: —— 檻 —— ( No.8 )
- 日時: 2009/12/20 16:07
- 名前: 樹 (ID: xurEHj3I)
* —— 一人の少年 ——
ゴオオォオオオ
通路に大きな風の音が響いている。あまりにもその大きい音に、寝ていた少年が目を覚ました。
半目を開き、建物が揺れるほどの大きな音に顔をしかめる。普段物音のしない牢屋に音が鳴っているのだ、嫌でも耳に入る。
「耳がいかれそうだ」
興味のなさそうな声でささやき、少年はまた目を閉じた。
新人でも入ったのかもしれない。
ここの警備員は気が短いわりに手荒なものばかりだからな、ちょっとバカにされただけでも杖をふるう。抵抗もできない戦闘力ゼロの犯罪者にね。
むごいとは思わないが、いい気持ちにはなれない。
それでいて、もし殺されたとしてもそいつが罪に問われることが無いのだ。そりゃ少年達が達が罪人だからかもしれないけど、やはり気分が悪かった。
少年が一瞬顔をゆがめた。
そして、すぐにまた元に戻した。
「こんなどうでもいいこと考えても無駄だな」
いつもと同じ顔に。昨日と同じ顔に。変化の無いこの顔に。
変化の無い少年の今日。
変哲の無い少年の今日。
「ん?」
いや、違う。
今日はなんだか暑いような気がする。
普段あまり感覚の分からない肌がジワリジワリと熱を感じるのだ。そろそろ夏にもなったのかもしれない。
閉じられた少年の翳った目に、少しだけ期待が込められた。しかし、それもつかの間に少年がハッと息を呑んだ。
「ちょっとまて、ここ地下だし。季節が変わろうともここの温度はいつも同じじゃないか」
少年が今度は呑んだ息をハァと息を吐いた。
勘違い。
この手の暖かさは勘違い。思い始めると、徐々に暖かさまで消えて行く。
そして、また元通りに戻った。
- Re: —— 檻 —— ( No.10 )
- 日時: 2010/03/23 12:55
- 名前: 樹 (ID: 9Q/G27Z/)
風の音が続くなかで少年はまたウトウトと意識を朦朧とさせる。寝ている時間は少年がこよなく愛す時間だった。考えることが何も無く、無駄に気分を害すものが無い。これ以上の幸せはあったものじゃない。特にここでは。
意識が薄れ、頭の中が白くぼんやりとおぼつかなくなってきたとき、ふと少年が意識を覚醒させた。頭のてっぺんからつま先にかけてブルリと寒気が襲う。同時に、ズシリと感じる圧力に息が詰まった。
「・・・・・ツツ・・・」
鉛を入れたように重い上半身を起す。
いつも絶対に感じることのできない圧力。感じることのない力。引力重力磁力圧力———— この世の力すべてが一度にのしかかってくるような………
まがまがしい力。
何年も杖すら触れられず、魔法を絶っていた少年ですらハラハラと胸を落ち着かせられなくなって腰を浮かせた。
立つ……なんていつ振りだろう
牢に閉じ込められて以来、少年は無意味な行動をすべてやめてきた。もちろん立つことも無意味な行動にはいっている。
それほどまでに少年は、このまがまがしく壮大な魔力に興味が引かれた。
生まれたての小鹿のように足を震えさせながら、壁を伝いヨタヨタと歩いて檻から外を覗き込む。しかし、視界に広がる景色はいつもの牢と寸分も狂いは無かった。
変わらない。変わっていない。
さっきのことがうそだった様にいつもと同じだった。
でも少年は、そんなことは信じてはいなかった。いや信じられなかった。
嘘じゃない。
あれが嘘なはずが無いのだ。硬直したように、瞬きもせずに、少年はその場に立ち続けた。
嫌なくらい大きな音。
ゴウウウッゴゥウウ。風が響き続けている。
いや、なにかが風を切っているのだ。
音を立てるような速さで、うるさいくらいの大きさが、通路の風を引っ掻き回して何かを追っている。
とても人間ができることではない。
人間が支配することはできでも、人間自身ができるようなことではない。
「魔法・・・魔道具・・・・」
あるいは魔物。
ゴウウウゴウウウウウウ
風を切る音が大きくなった。こっちに近づいているらしい。
幾重にも枝分かれしている通路からこっちにたどり着くかはまだ分からないのだが、確実にこちら側には来ている。
トン・・・トン・・トントン
その音はあまりにも小さかった。
「ん? 」
遠くで何かが聞こえる。もちろん風のおとも聞こえている。
でもそうじゃないんだ。人が走っている足のように、トントンと通路をこだまして、こっちに近づいている。
そっと耳をすませてみた。
トン・・トン・・トントン
トン・・・・・・・・
止まった。
少年が必死に檻に顔を押し付け、奥を覗き込む。
————黒い影………人影
少年の目に映ったそれは紛れもなく人。まぎれもなく侵入者。
フードを深くまで被っていて顔は見えないが、身長は俺よりも少し小さいくらいだった。
ブワッ
いきなり体全体に熱い熱風が貫く。見開いていた目はその風を直接に当たり、激痛が走った。
力の入らなくなった膝が地面につき、手で目を覆う。
叫び声をあげるほどの余裕は、今の少年にはなくなっていた。
寒さに慣れすぎた俺の体は、急激に加えられた熱風に悲鳴を上げた。
少年の髪の毛が逆立ち、皮膚の皺にきれつが入る。体中が燃えるように暑くて痛くて痒い。
それでも、少年は覆った手の間から檻の外を見た。
侵入者の後ろに、赤く(オレンジに近い)大きな火の龍が現れている。瞬時に警備員の仕業だと思った。まだ距離はあるが、それでも数十秒もしないうちに侵入者に追いつく早さだ。
あたってしまえばよくて黒こげ、わるくて皮膚が溶けてドロドロになる。簡単に言えば爆弾が直接当たる程度の破壊力だ。
どちらにしろ待っているのは死だけどな
「ご愁傷様」
小さく言ってやった。
この状況で助かる確率はほぼ無い。水属性というならまだ希望があるが、もしそうだったとしたらすでにこの状況は作られていないだろう。ましてや“ここの”警備員だ、どこかの田舎の警備員と一緒にしているのなら一日も生きてはいけない。
変わらない日々にほんの少しのサプライズ…………そう思うに越したことはないか
ヒリヒリとする手をどけ、もう一度侵入者を見た。
ピクッ
肩が震えた。
侵入者の目が少年を捉えている。それも、いまから八つ裂きにされそうなほど憎悪に狂って。
まさか、さっきの声が聞こえていたのか。風の音が大きく鳴り響いているなかで言った一言が、そこまで届くとは思えない。しかし、この目を見ている限りそんなことはそれこそ思えなかった。
殺してやるとでも言わんばかりに憎しみが込められている視線。なんだ、少年が何かしたとでもいうのか。そんな目で見られるようなことをしていたのか。しかし、曖昧な少年の記憶の中にはそもそも犯罪自体した覚えが無かった。
ここにいること自体が犯罪だが、本当に何をしたのだろうか。こんな目で見られる理由。
はて……なんだったか
思い出せない。もやもやしたものも無く、きれいにそこだけ思い出せない。まるでさっぱり消されたように。
ビクッ
今度は大きく少年の肩が震えた。そして、両手で口を押さえ躍動するように震えだす。笑いを堪えて。
本当は今すぐにでも高笑いしてやりたかったが、警備員に変に目をつけられるのが嫌だったからやめた。
こんなにも興奮するのなんていつ振りだろうか。生気の無かった少年の顔に今では卑猥な表情がくっついていた。
その顔を侵入者に向ける。別人のように変わった少年の表情を見て、侵入者が眉をひそめた。
ちゃんとこっちを向いているな。一回息を吐き、いそいで少年が口を動かす。声は出さずに、口だけゆっくりと。
————— し・に・た・く・な・い・な・ら・こ・い —————
もう、灼熱の龍は直ぐそこに居る。こっちにくるか、そのまま行くか。
信じている信じていないにしろ結局は進む道は同じなんだ。バカじゃないのだったら、どっちがいいのかなんて分かっているはずだ。それに、コンナところに侵入できる強者様だったらなおさら分かっているはずだ・・・・と、少年は思った。
- Re: —— 魔法界の犯罪者 —— ( No.14 )
- 日時: 2009/12/20 21:45
- 名前: nanasi (ID: FvJ38Rf9)
読ませていただきました。
一つのことにじっくりと時間をかける良さがなんとなくわかりました。
一個一個の呼吸にも無駄がないように、一つ一つのことをゆっくり捉えている感じがして良かったです。
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