ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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闇ニ舞ウ記憶ノ欠片【オリキャラ募集中】
日時: 2010/06/20 13:26
名前: 黒翼 ◆ERZNJWqIeE (ID: Wvf/fBqz)
参照: http://ameblo.jp/tykkm-rsms/

改めましてこんにちは。
黒翼(こくよく)と申します。
前のスレッドが消えてしまっていたので、立て直しました。
このスレッドでは短編のダーク的(?)な小説を投稿していきます。


【このスレッド内での約束】

 ★ダークが苦手! って方はブラウザの「戻る」でお帰りください。
 ★「中1の駄文小説なんて見たくねーよ」って方もお戻りください。
 ★荒らしさんはバックプリーズ。
 ★3行以下のコメントもお控えください。報告等ならOKとします。
 ★スレ内でのチャットも厳禁です。
 ★時々番外編なんてあるかも。ボカロオリジナルとか。
 ★キリ番を踏んでくださった方(50、100、150、200……)は、自己申告してください。
  リクエストをお受けします。
 ★更新速度はカメさんです。あげるのはOKとして、更新を急かすのはご勘弁を……
 ★連レスもお控えください。
 ★誤字脱字などは教えてください。


以上を守れる心の広い方のみ、下にスクロールしてくださって結構です。





 ——始まるよ。可哀想な少年少女の物語が。
   ボクの名前は『アリス』。このセカイ……物語の案内人さ。
   ボクの鍵が絵本を開く鍵さ。君の魔法とボクの鍵。
   それで開くよ、黒翼の綴る物語を——


★泉水市立翼ノ中学校図書室案内★


——……一気に全部読むの? >>0-

1冊目【狂気ノ歌】 囚人紹介:出雲 雄治>>1
1ページ目:>>2 2ページ目:>>5 3ページ目:>>7
2冊目【鏡影ノ意】 囚人紹介:木川 流星>>8
1ページ目:>>9 2ページ目:>>10 3ページ目:>>11 4ページ目:>>12
3冊目【携帯召使】 囚人紹介:飛鳥 輝>>13
1ページ目:>>14 2ページ目:>>16 3ページ目:
4冊目【戦闘態勢】 囚人紹介:藤野 晶
1ページ目: 2ページ目: 3ページ目:
5冊目【バースト】 囚人紹介:柴田 暁
1ページ目: 2ページ目: 3ページ目:
6冊目【destiny】 囚人紹介:(5名)
1ページ目: 2ページ目: 3ページ目:
7冊目【恋ト誘惑】 囚人紹介:柏 有紀
1ページ目: 2ページ目: 3ページ目:
8冊目【我ニ信仰】 囚人紹介:東雲 彩
1ページ目: 2ページ目: 3ページ目:


 *゜*゜。長編。゜*゜*
【destiny:Ⅱ】 囚人紹介:(6冊目のdestinyの5名+1名)
 1章:出会い
 2章:いざ、帝国へ
 3章:正体

 。゜*。*冊子(番外編)*。*゜。
 【終焉を告げるは夢】>>17

  囚人紹介:藤野 晶  出雲 雄治  飛鳥 輝




 ★本校の図書室にご来室された方★ (引継ぎ)
・nanasi様
・凛様
・リラ様
・†*゜風羽栞゜*†様
・瑠花様

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闇ニ舞ウ記憶ノ欠片 ( No.11 )
日時: 2009/12/04 12:12
名前: 黒翼 ◆ERZNJWqIeE (ID: 82QqnAtN)
参照: http://all-star5-knksk.cocolog-nifty.com/blog/

  2冊目【鏡影ノ意】 2ページ目


『貴方ノ影ニ呪イヲカケマショウ』

 姿見は、俺の欲望を映していたのかも知れない。
 学校に着くと、遅刻ギリギリだった。
 具合が悪く、ゆっくり歩いてきたからだ。

「あれ、流星?」

 俺の名を口にしたのは、と振り返ると、柴田 暁と飛鳥 輝がいた。

「暁……」
「どうした? 顔青いぞ?」
「保健室行ってきたら?」

 暁と輝はそう言って靴を履き替えると、保健室まで付き添ってくれた。

「失礼します」
「どうしたの?」

 保健医の弥勒先生は俺に問う。
 ——言えるかよ。
 「影にとり憑れました」なんて誰が信じる?
 現実的な大人になんて尚更だ。

「……朝起きてから気持ち悪くて」

 適当にごまかした。
 そう言えば大体仮病も通る。

「じゃあ、ベッドに横になりなさい」
「大事にな、流星」
「うん。ありがとう」

 俺は窓際のベッドの布団にもぐりこむ。
 影があれば、また厄介になるからだ。
 ならば、最初から暗がりにいればいい。

「木川くん、熱はかってみようか」

 弥勒先生に渡された体温計を脇に入れる。
 窓からは新ジャージで体育をする1年の姿が見えた。

 ——窓? 上からは蛍光灯?

 俺は咄嗟に左下に目線を落とした。





 影だ。





「……!」

 布団を頭からかぶる。
 影がなければいい。だけど今、作ってしまった。見てしまった。

『影ガ身体使ッテンジャネェヨ』
「!」

 頭に響く、影からの声。

「……んだよ、これ……!」

 俺は——










 ——カ ゲ ?










 俺は、影なのか?
 本当の“俺”は、“俺”ではないのか?
 “俺”の“影”に、俺という存在を否定されたようだった。
 影が俺の身体を乗っ取れば、影からしたら“俺”は“影”。“影”の“影”。

「はぁ……はぁ……」

 呼吸が荒くなる。
 影が身体に憑依し始めたか、手が黒く染まっていく。
 影が色づく。

 影は俺になる。
 俺が影になる。
 俺は影になる。
 影が俺になる。

 頭が狂う。
 訳がわからなくなってきた。数学や理科で解ける問題じゃない。
 こうして精神が不安定になると、影はより力を増す。

「木川くん?」

 弥勒先生の声なんて、苦しくて聞こえなかった。
 朦朧とする意識は、“俺”である“影”に融けて消えた。

「木川くん、大丈夫?」

 俺は、そのままベッドで深い眠りに落ちた。


 〜NEXT:3ページ目〜

闇ニ舞ウ記憶ノ欠片 ( No.12 )
日時: 2009/12/04 12:12
名前: 黒翼 ◆ERZNJWqIeE (ID: 82QqnAtN)
参照: http://all-star5-knksk.cocolog-nifty.com/blog/

  2冊目【鏡影ノ意】 3ページ目


『俺ノ影ハ大人シク影トシテ見テイロ』


「!」

 俺はベッドから飛び起きた。

「今、のは……」

 チャイムが鳴り響く。
 時計を見ると、3時間目終了を告げるものだとわかった。

「先生、眠ィ」

 惚けたような声で保健室に入ってくる誰か。
 声色から察して、出雲たちだ。

「誰か寝てんの?」

 病人覗く馬鹿があるか。
 ベッドのある場所と先生たちのいるところは、出雲が
 開けたことによってカーテンが遮りをやめた。

「……木川? ってその目ェどうした!?」

 真っ赤に充血した目が、窓ガラスに映る。
 だが、それより驚いた事がある。





——映りこんだ俺は、影のように身体を染めている——





「い、出雲……」
「ん?」
「俺の身体……黒くないよな?」

 出雲は目を上下させ、俺の身体の異常を探した。

「大丈夫だけど……つか、性に合わない冗談よせって。身体は黒くならないから」

 出雲は笑ってそう言った。
 初めて出雲を羨ましく思った。

「悩みのない馬鹿も良いものだな」
「なんか言ったか?」
「別に」

 そして出雲たちは先生に促され、教室に戻っていった。

「先生」
「木川くん……大丈夫? さっき発汗して苦しそうに寝てたけど……」
「はい。あの、目薬くれませんか? 目が充血してるみたいで」

 俺は何事もなかったように平気で突き通した。
 余計な心配されてもあれだからな……。
 目薬下手にうつってのもあれだけど、うたないよりはマシか。

「なんだろうね……はい、目薬」
「ありがとうございます」

 上を向き、目薬をうつ。
 ……やべぇ、めちゃくちゃ沁みる……痛い。

「具合はどう?」
「大分よくなりました……授業に戻ります」

 そう言って、俺は保健室を後にした。

「……っ、く……」

 まだ全快していない。
 出た瞬間、膝をついてしまった。
 目眩に吐き気……





——……。





 俺はなにかを悟った。
 4時間目終了のチャイムが鳴り響く。
 俺は3年2組を訪問した。

「あんれ? 木川? 珍しいね」
「柴田……いる?」
「おう、いるぜ。暁ーっ、木川が」





 ——助けてくれ、柴田。俺には、もうお前しかいない。

 〜NEXT:4ページ目〜

Re: 闇ニ舞ウ記憶ノ欠片 ( No.13 )
日時: 2009/12/04 12:14
名前: 黒翼 ◆ERZNJWqIeE (ID: 82QqnAtN)
参照: http://all-star5-knksk.cocolog-nifty.com/blog/

  2冊目【鏡影ノ意】 4ページ目



「信じて……もらえないかも知れないけど……暁、お前にだから言う」

 俺は昨日からの出来事を暁にすべて話した。
 姿見に始まり、影に体調——

「そうか……」
「暁、俺——」
「大丈夫だよ、流星。だったら、その鏡を割っちまえばいいんじゃねぇの?」
「え……?」
「そしたら、鏡の中の影と一緒に消滅、ってね」

 ——鏡を割る——
 忌まわしき鏡を破壊する。
 そこに映る鏡影の俺とともに。

「うん……暁、ありがとう」
「困ったときはお互い様だぜ!」















 それから一週間。
 俺は、まだ鏡を割れてない。
 未だ、あの悪夢と闘っている。拡大する影の力を恐れたからだ。
 だけど、もう決めた。日に日に増す強さに耐え切れず、俺は鏡の前に立つ。

「……ッ!」

 震える手に金属バットを握る。
 頭上にバットを振りかざした。
 だが、タイミングの悪いことに、“症状”がやってきた。

『今度コソ終ワリダ』
「——ぐぁっ……!」

 割れるような激しい頭の痛み、劈くような耳鳴り。
 影が体内に入ってくるのが、はっきりとわかる。
 その逆も。
 俺が体内から抜けて、冷たい闇に融ける感覚。
 そこから見えたのは、反転した“俺”。

 俺は“鏡の中”だ。

「鏡ヲ壊シタイノダロウ?」
『待てッ……駄目だ!』

 立場さえも、鏡に映したように反転した。
 いつ消されるかわからない不安。
 逆は、影の支配という優越感——

「壊シタイト願ッタノハ“俺”ダ、俺の“影”」

 影は人。人は影。
 主の影と、影の主は、同じ事を思う。

『違う! 俺は影じゃない! 俺は——』
「俺ハ“木川 流星”ダ」
『っ……! 俺はっ……! 俺、は……』

 誰だろう。
 証がない。
 そんな迷いが、奴に隙を与えてしまった。
 まもなく、姿見とともに鏡影の俺は割られた。


「流星! なにしてるの! 買ったばかりの鏡割っちゃって……」
「ごめんね、母さん。でも、もういらないんだ」

 傍らの金属バットを手に、“主”は女性を手にかける。
 紅く染まる“主”の部屋。

「いらないんだ、なにもかも」

 ——影は、なにもなかったかのように、俺として過ごす。
 鏡の破片は、影のように黒かった。
 もちろん、俺はこんな“主”につくのは御免だ。
 巡る主と影戦争。
 俺は、俺という主——否、影にこう誓う。





『——復讐シテヤル』

闇ニ舞ウ記憶ノ欠片 ( No.14 )
日時: 2009/12/04 12:15
名前: 黒翼 ◆ERZNJWqIeE (ID: 82QqnAtN)
参照: http://all-star5-knksk.cocolog-nifty.com/blog/

 ——3冊目の絵本の囚人。6冊目まで男て……飽きるわ!——

飛鳥 輝【アスカ ヒカル】
中学3年生 15歳 男子卓球部 3年3組 保体委員
成績は中の上。持ち前のルックスに+眼鏡。
頭は良いのに変なところで馬鹿。
卓越したゲーム技術をもつ。

闇ニ舞ウ記憶ノ欠片 ( No.15 )
日時: 2009/12/04 12:16
名前: 黒翼 ◆ERZNJWqIeE (ID: 82QqnAtN)
参照: http://all-star5-knksk.cocolog-nifty.com/blog/

 ——黒ったら。次は『携帯召使』ねぇ……——
「携帯が働くワケないからね」
 ——う……何故……ま、始まるよ——




  3冊目【携帯召使】 1ページ目


———————————————————————————————
TO:雄治
FROM:090-XXXX-XXXX

 本文
*****************************************

 うちのクラスに転校してきた遠山
 っていただろ? あいつと話した
 ことあるか?
 イイ奴かなーと思って話してみた
 ら、上から目線でくるんだ。雄治
 話すのはいいけど、絶対喧嘩すん
 なよ?

        -END-

———————————————————————————————


「送信、と」

 俺は雄治にメールを送り、携帯を閉じた。
 ベッドに倒れこみ、枕に顔をうずめる。
 一週間くらい前に3組に転校してきた『遠山 睦月』。
 あいつと話してから、どうも苛立ちが収まんない。
 俺でこれだけ腹がたつって事は、雄治と話したらとんでもないと思う。
 雄治はプライド高いから。3年、しかも11月。もうすぐ受験って時に喧嘩なんて
 やったら、高校とか言ってる場合じゃないと思う。
 いわゆる『忠告』? みたいなものだ。
 
「あ」

 耳に着信音が届く。携帯を開き、メールを確認すると、雄治からの返信だった。
 メールには、『逆に殴りたくなるから(笑) おやすみ』
 と、書いてあった。
 寝るの早くない? とか思ったけど、単に雄治のことだから、
 返信がめんどくさいだけなんだろうな、と思い、返信はしないでおいた。

「あー、なんか殴りたいー」

 性にも合わず、雄治より殺気立ってるかも知れない。
 あ、明日金曜日だ。明後日から休み。
 早く寝よう。で、明日真面目に勉強しよう。
 そう考え、俺は部屋の電気を消した。





「さ、暁! 俺ら絶対遅刻!」
「喋ってねーで全力!」

 今日は珍しく俺ではなく暁が寝坊。
 通学路で自転車を飛ばして学校に向かっていた。
 学校が見える位置まで差し掛かったとき、チャイムが鳴った。

「やっべぇっ!」
「今日は遅れすぎた!」

 生活委員に目をつけられないように、自転車だけはしっかり駐輪する。
 3回切符だされたら撤去。遅刻より無理。歩いて30分かかるのに。

「じゃな、暁!」
「おう!」

 階段を駆け上がり、各クラスへ滑り込む。
 セーフだ。3組の担任はまだ来てなかった。
 これで遅刻は免れた。

「また遅刻かよ」

 小さい声で雄治は話しかけてくる。
 笑って頷いて俺は返し、鞄から教科書やら筆箱やらを取り出す。
 ふと、窓側の空席に目がいく。

「ああ、遠山は休み」

 ——なんでだろう。
 顔に思わず笑みが浮かんだ。


  〜NEXT:2ページ目〜


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