ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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そしてトナカイは夜を駆ける【01更新】
日時: 2009/12/09 21:32
名前: 左廻いよ ◆.dmxDXVJPU (ID: 18A54hU9)

初めましてー左廻いよと申す者ですー。
飽きやすい面倒くさがりやの自分ですが、久しぶりに小説を自己満足程度に書こうと思います。
まぁ今インフルで学年閉鎖中だからこそやってると思うので、来週や後2日3日頃には多分消えてると思うんですけどね!

■アドバイスはおkですが、暴言・性的発言(あまりきついもの)をするかたはお帰りください。
■多分分かりにくかったり文章なってなかったりすることあります。その辺はご了承を。


題名:そしてトナカイは夜を駆ける
作者:左廻いよ
傾向:ブラックファンタジー

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Re: そしてトナカイは夜を駆ける【01更新】 ( No.3 )
日時: 2009/12/09 22:30
名前: 左廻いよ ◆.dmxDXVJPU (ID: 18A54hU9)

story-02 【ようこそ我が麗しき御伽噺(ファーヴォラ)へ】

Re: そしてトナカイは夜を駆ける【01更新】 ( No.6 )
日時: 2009/12/12 10:02
名前: 左廻いよ ◆.dmxDXVJPU (ID: h4O0R2gc)

story-02 【“種”】


 「……アガサ、終わった? 自分は、終わった」
 「僕も終わったよ。帰ろう」

 僕がそう返事を返すと、イヴは今自分の乗っている場所から飛び降り、自身の首からずり落ちたマフラーを巻き直した。
 ……こんな何気ない会話だから、ただの日常生活の一端だと、何も知らない第三者から見れば思われるだろう。だけど、今僕たち二人で話している最中にも、彼女の頬からは真っ赤な色をした血がこびり付いているのだ。

 ちなみに、彼女の頬にこびり付いている血は、彼らのものである。
 彼らとは————彼女の背後を見れば、分かるだろう。彼女の後ろでは大の男約数十名が山のように積み重ねられている。しかも全員負傷している。その負傷の様子は重軽様々。
 ……ほんと、いつ見てもこういう風景は慣れない。それに、血みどろの景色は、実に目に良くない。

 それにしても、何でこんなことになってしまったのか。……それは、僕らの仕事のためだ。え、誰がやったかって?——これをやったのは正真正銘、僕の背後に居る少女——イヴだ。
 まぁ、しょうがないと思って欲しい。何しろこの風景は、“この少女一人の手によって行われた結果”なのだから。

 そんな見解を述べ、足元に落ちている茶色い革で出来た高級そうなトランクを右腕で抱える。


 「さ、てと。じゃあ目的も果たしたことだし、」


 帰ろっか、と笑顔で振り向くと、すでに帰宅しようとしているイヴの背中は、豆粒ぐらいに小さくなっていた。
 ————てか歩くの速っ!


 「ちょっとイヴ!?」


 と、僕は手に持っているトランクをもう一度強く握り締め、そして、ずんずんと歩いていく小さな彼女の背中を追いかけながら、帰路につく。


 「ちょ、ちょっと待ってよ」


 速い。同じ年齢とはいえ、歩くのが速過ぎる。
 急いで走ったでいで、全然仕事をしてないのに、僕の背中からは滲み出た汗でシャツが少しぬれ始めた。しかも呼吸がひどい、ひぃひぃとしか声が出ない。おっさんか、僕は。

 「はっ、はや……いっ、ぶ……」


 イヴは一度だけ横顔を汗だくの僕に向けたが、すぐにまた前に向き直り歩く。またもや小さくなっていくイヴの背中に向かってもう一度「待ってー」と呼びかけてみた。が、振り向くこともないまま、気ままな豆将軍様の背中はどんどん小さくなっていく。

 まぁ、こんな素っ気無い態度をとられても、イヴは本当は優しいってことを僕は知ってるから、あまり気にしないけど。さらの、今日のイヴは機嫌が良い方だった。何しろ、“仕事”の初めから最後まで、“敵を一撃で仕留めていた”のだから。

 そんなことを思い返しながら、またイヴの歩みに追いつく。本日二回目。
 汗だくの僕に、イヴはちらりと一度だけ視線を向けると、静かに口を開いた。


 「……アガサ、そういえば例のものは?」
 「うん。ちゃんと持って帰ってるよ。まぁそもそも、これを持って帰らないと仕事の意味ないんだけどねー」

 何となく、茶化したように答えてみた。するとイヴの頬がぷくりと御餅のように膨れる。可愛い。
 つついてみようかな、と人差し指を構えた瞬間、彼女はまた無表情に戻り

 「そう」

 と言ったきり、また無言で歩みを速めてしまった。その後をまた僕が追う。今度は歩幅を同じにして隣に並ぶと、イヴは

 「中身。確認して」

 といつもの短い言葉で要約した自分の意思を告げた。
 鈴を転がしたときのような、透き通った声。声が可愛いんだから、もっと喋れば良いのに———といつも思う。この前そう言ったら「黙る」と思い切り顎を殴られたんだけど。

 
 「あー、はいはい。壊れてたらいけないもんね」

 中身。それは僕らが一番必要としてるものである。
 そう、僕が抱えているこの茶色のトランクは———先ほどの“仕事”で得た目的物だ。

 パチンパチン、と金の留め金を器用に外していく。そしてイヴに見てとぱかりとトランクの中身を大きく開いた。
 イヴは中身を覗き込むと、視線をトランクの中へ彷徨わせながら、呟いた。


 「……十以上四十未満、ぐらいかな」
 

 そう呟いたイヴの視線にあわして、僕も同様に中身を覗き込んだ。
 中身を確かめ、“ソレ”を一つ取り出して、南の方角に昇っている太陽の光に翳す。
 光を反射した“ソレ”は、きらりと自身の体を輝かせながら、僕の瞳に映った。



 「“種”————また手に入ったね」
 

 中には、十数個の、銀色に光る、大人の男性の親指ほどの、大きなの楕円形をした————僕らが“種”と呼んでいる物質が整理されて並べられていた。
 
 
 ……種。
 それは、約300年前の話。
 地球温暖化や政治崩壊、毒ガスの放出、自然世界崩落など……世界は一度、“死んだ”。

 しかしそんな壊れた世界の中で、空間の天才・悪の天才とまで呼ばれた世界的天才かつ有名なマッドサイエンティスト————紫宵散罪(しよいさんざい)が自分の人生の最期の瞬間までに作り上げた、その最強の力を持つ、物質。
 
 それが今現在、種と呼ばれる——僕らが回収している悪しき力。
 現在の種は科学の力で生み出されている。しかし、紫宵散罪が作ったものはまるで———魔術であり、幻術だ。それ程、桁違いに強く、科学技術を超越した代物なのだ。


 イヴは種をあるのを見届けると、僕に踵を返して、一言告げた。

 「あるなら、帰る」
 「え、あ、そう? ってえええええ!? 走るの、走っちゃうの!? ちょ、まだトランクを閉めてないってゆーか……って待ってえええええ! 」


 
 すでにイヴの背中は街道の向こうへ消えてしまった。冷たい風と、僕とトランクのみがその場に残される。
 
 「はぁー……もう、イヴってば……」

 呆れたように苦笑する。
 トランクの留め金を、今度はしっかり留めて……っと。


 「待ってよ、イヴー! 」


 なぜか突然走り出したイヴの後を追って、トランクを抱えた僕も、走り出した。

Re: そしてトナカイは夜を駆ける【01更新】 ( No.7 )
日時: 2009/12/12 19:48
名前: 左廻いよ ◆.dmxDXVJPU (ID: h4O0R2gc)

story-03 【ようこそ我が麗しき御伽噺(ファーヴォラ)へ】


 中世の街並みが残る、飲食店や呉服店などの、色とりどりの店が立ち並ぶ大通り、ファーストシティでは有名なメインストリート——エステワール。
 エステワールにはたくさんの人達がめいめいの理由でショッピングを楽しんでいる。おしゃれな靴屋、肉の焼ける音が心地よい料理店———活気付いたこの道は、常にこの町の人々によって騒がしく、賑やかである。

 そして、そのエステワールから少し離れた、昼間でも暗く静かな裏通り。エステワールの華やかな雰囲気とは打って変わって、この

+ほりゅー

Re: そしてトナカイは夜を駆ける【01更新】 ( No.8 )
日時: 2009/12/13 10:49
名前: 左廻いよ ◆.dmxDXVJPU (ID: LsxQHR/F)

story-03 【ようこそ我が麗しき御伽噺(ファーヴォラ)へ】


 中世の街並みが残る、飲食店や呉服店などの、色とりどりの店が立ち並ぶ大通り、ファーストシティでは有名なメインストリート——エステワール通り。
 エステワール通りでは元々のエステワールの住人、または他の町からくる人々が、がめいめいの理由でショッピングを楽しんでいる。おしゃれな靴屋、肉の焼ける音が心地よい料理店———活気付いたこの道は、常にこの町の人々によって騒がしく、賑やかである。

 そして、そのエステワール通りから少し離れた、昼間でも暗く静かな裏通り。エステワール通りの華やかな雰囲気とは打って変わって、この

+ほりゅー

Re: そしてトナカイは夜を駆ける【01更新】 ( No.9 )
日時: 2009/12/14 18:49
名前: 左廻いよ ◆.dmxDXVJPU (ID: AiiL/B92)

story-03 【ようこそ我が麗しき御伽噺(ファーヴォラ)へ】


 中世の街並みが残る、飲食店や呉服店などの、色とりどりの店が立ち並ぶ大通り、ファーストシティでは有名なメインストリート——エステワール通り。
 エステワール通りでは元々のエステワールの住人、または他の町からくる人々が、めいめいの理由でショッピングを楽しんでいる。高貴な雰囲気が漂うおしゃれな靴屋、肉の焼ける音が心地よい料理店———最早、住人の台所と呼ぶに相応しいほど活気付いたこの通りは、常にこの町の人々によって騒がしく、賑やかである。

 そして、そのエステワール通りから少し離れた、昼間でも暗く静かな裏通り。エステワール通りの華やかな雰囲気とは打って変わって、その通りはいつでも陰鬱な雰囲気と纏い、ファーストシティの悪事をを物語る。
 そんなイメージから、その通りはこう呼ばれる。——ファースト・デッド、と。

 

+ほりゅー


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