ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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壊れた人形(ドール) (ヤンデレ)
日時: 2010/01/04 12:51
名前: 410 (ID: BdM.OEZp)

ヤンデレちゃんのお話になりますが、宜しいでしょうか?;(果たしてホラーなのか
ヤンデレちゃんの恋人目線となっています。

表現の仕方がまだまだ未熟で、謎の多い
話になってしまうと思います。
登場キャラの区別等、色々読むに当たって大変な点があると思います。

作者は未熟なのです。ご理解して頂けると
幸いです。

誤字、脱字等があると思います。すいません。

読んでくれる人いるのでしょうかね?
でも、読んでくれる人がいるならば、私は
その人にこう言います。
「ゆっくりしていってね!」

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壊れた人形(ドール) ( No.2 )
日時: 2010/01/03 20:55
名前: 410 (ID: BdM.OEZp)

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2,-幸せな時間に潜む影-
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 俺は、周りから見れば変人だと思う。
 だって、足をパタパタさせて、満面の笑みで、駅の傍の公園のブランコで一人で遊んでいるんだもんなーー。
「早く来ないかなあぁ〜♪」
 誰を待ってるって?はっはっはっ!
聞いて驚ろけぇ!彼女だ!!!
 こんな平凡な俺にも、彼女がいるんだ!
 羨ましいだろ、男性諸君!!
 しかも、美人だぞ!俺に釣り合わない!
 俺って本当に“美緒”に合ってるのかー?
 …ん?何だぁ?自分で自分を傷つけてる?
 自傷行為じゃないのか?これ…、くすん。
「れぇぇ〜〜ん〜〜!…って、げぇ!」
 俺の姿を見て、回れ右。そりゃそうだろうなぁ!
 ブランコ乗ってどよーん、っていう効果音が似合いそうなくらい落ち込んているんだからーー!!
 さっきまでの元気はどこに消えたんだろ?
「ん…その、れ、連。遅れてごめん。」
 美緒が遅かったから落ち込んでると思ったらしい。
「美緒のせいじゃないぞ…。」
「え?あ、そなの〜?あははは、は…。」
 じゃあ、なんで落ち込んでたんだ、っていう同情するような目で見てくる…。
「まぁ、もうすぐ時間だし、行こう!」
てててて、手をにぎぎって…。はう…。
今、俺は真っ赤になってるんだろうな…。

「…うん、楽しかったねぇ〜!」
「だなぁ、あのシーンかっこよかった!」
「だねぇ〜、ずばーん!ってさ!」
映画を見終わり、映画の話に花を咲かせていたら、
「あ、連君〜。やっほ〜。」
お隣さんの、“凛”と、その友達に声を掛けられた。
「やほ、凛。お前も見に来たのか?」
「うん。」
 なんと、この映画は有名だったらしい。
 結構人気なのだとか…。
「ん?連君、後ろの綺麗な人、誰?」
 綺麗な人か…、恋人同士だなんて、少しも
思われてないんだろうだなぁ…はぁ〜。
 おっといけね、また落ち込んでしまう。
「あ、俺の彼女の、“美緒”。」
 えーっ?!という声が聞こえた。
 失礼だと思ったのか、口を閉じた。
 変な気を遣ってくれなくていいのに…。
 美緒が、ぐっ、と繋いでいた手に力を込めた。
 いたたたた、…、美緒力強いな…。
 美緒を見たら、汚い物を見るような目で、醜い者を見るような瞳で、彼女達のことを見ていた。
 ゾッとした。いつもの美緒と違かったから。
 美緒のこんな顔、初めて見た。
 想像すら出来なかった。
 美緒が今、どうしてこんな顔しているのかも理解出来なかった。
 怖くて、少しの間、声が出なかった。
「ぅ、げほ、げほっ。…美緒?」
 やっと出たのはその二文字。
「あっ☆邪魔しちゃ悪いね。じゃね!」
 正直、行かないで欲しかった。
 この、美緒なのか分からないヤツと二人きりにされるのが怖かったから。
 もしかして、食われるんじゃないか?なんて、馬鹿みたいなこと思った。
 でも、それだけ怖かった。
「…に…寄……、……め。」
「え?」
 聞き取れなかった。
 独り言だったようだが、声色は、殺意に満ちたー…そんな感じだった。
「…これからどこ行く?時間まだたっぷりあるよ!」
 急に美緒が明るくなった。
 さっきの顔が嘘みたいに感じられた。
「…い、家帰ってゲームでも一緒にすっか?」
「一緒?二人?ずっと?」
「あ、あぁ。二人でずーっと一緒に、ゲームでも…!」
俺のその言葉を聞いて、美緒はこれ以上にないくらいの笑みで、
「うんっ!」
と言った。

壊れた人形(ドール) ( No.3 )
日時: 2010/01/04 12:52
名前: 410 (ID: BdM.OEZp)

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3,-疑問-
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 俺達は勝負モノのゲームをしていた。
「え〜い、てい!とりゃあ!!」
「…。」
「やったあッ!勝った!!!」
「…。」
 美緒は溜め息を吐いた。
 俺はその溜め息の理由は分かっていた。
「…ねぇ。おかしいよ、連!」
 俺の顔を覗き込んでくる。
「凛って子に会ってからずっとおかしい。」
 凛に会ってからおかしくなったんじゃない。
 豹変した美緒を見てからだ。
 あれは美緒なのか?違うよな?違う…。あれは美緒に取り付いた何かなんだ。
 …何言ってんだ俺。何自分の都合が良いようにしてんだ?あれは美緒。それ以外の何者でもない…。
「連!!ねぇ〜どうしたの〜?」
「…。」
「何を考えてるの〜?悩み〜?」
 …あ、美緒に心配かけたら駄目だ…。
「何でもないから、気にすんな!」
 そう言ってニカッ、と笑ってやった。
 すると、
「えへへ…。」
とか言って微笑んでくれた。
 俺は、美緒のこの笑顔が好きだ。
「悩ん……………あ…つ…せ…?」
 また、独り言。
 不気味な声。狂気染みた瞳。
「…ゆるせない。」
それは、辛うじて聞き取れた。
「ゆ、る、せな、い…?」
 口にするつもりはは無かったのだが…。 美緒は、許せない、と言っていた。何が許せないのだろうか?分からない…。
 顔を上げるといつもの美緒。ホッとする。
「どうしたの?難しい顔して…!」
「いや…。さ、さぁて!今度こそ俺が勝つ!」
「あはは、負けないよぉ〜!」

 美緒は帰った。
 今日は、早めに寝よう…、さっき飯も食ったしな。………寝られない。
 はぁ、なんなんだ今日は?おかしいぞ。
 いつもなら、気持ちいいシャワーですら、
不快に感じてしまった。
「俺、おかしいぜ…。」
 おかしいのは、俺か?美緒か?世界か?そんなのはどうでもいい…。
 愛くるしい笑顔で笑う美緒の、豹変。おかしいのは俺の目なんだろうか…?美緒のことがわからなくなる。
 何で俺達付き合い初めたんだっけ?席が隣りだったんだ…でも、何で美緒は俺のこと好きになってくれたんだ?話してる内に、か…?俺、面白いか?………??
 俺が美緒を好きになった理由は、無邪気な笑顔に引かれて、だ。じゃあ、美緒は…?
 もう、何が何だか分からないや…。
 美緒って一体…何?
それ以上は考えたら駄目とでも言うように、睡魔が襲ってきて…目覚めたのは、朝。

壊れた人形(ドール) ( No.4 )
日時: 2010/01/04 12:53
名前: 410 (ID: BdM.OEZp)

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4,-影-
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 昨日は早く寝たっていうのに…目覚めは最悪だった。
 時計に目をやる。…いつもの時間。
 こんなに目覚めが悪い理由を、俺は分かっている。
 昨日、美緒のことを考えていたから。昔も、美緒のことを考えることはあったが、…ワケが違う。
 美緒への疑問は増えるばかり。
 …今日、学校に行く途中、美緒に会うかな。会ったなら、一緒に行くことになるだろう。それは、二、三日前の俺にとっては、この上なく嬉しいことだ。でも、今の俺は…。
 人って、こんなにも、変わるもんなんだな。
 美緒が…怖い。
「はぁ…。」
 飯、出来てるだろうから、行こう…。
 母さんの美味い飯を食って、この嫌な気持ちを吹き飛ばそう。
 階段を下りていくと、飯の匂いがしてきた。
 冷めてしまうから、早く食おう…早く、早く…早く、学校に行ってしまおう。
 何か俺、おかしいな…。美緒に会いたくないって思ってる。会いたいの間違いだろ。
 飯は冷めかけていた。パサパサしていて味がしない…。
「ごちそうさま。」
 母さんの飯が、珍しく不味かった。それは、俺の舌がおかしいからなのだろうか。
 さ、早く学校へ行ってしまおう、と思ってリビングから出て行こうとしたら、
「あ、連〜?」
美緒のように、狂っているような声じゃない、いつもの母さんの声が聞こえて、足を止める。
「母さん、今日と明日いないから。」
「えっ?」
「仕事の都合で、出掛けなくちゃいけないの。」
 仕事の都合なら仕方ない…。よく見ると、母さんは仕事の服を着ていた。
「わかった。飯は凛に作ってもらうから、気にしないで。」
 人に頼るな、って感じだろうけど。俺の飯は、食えたもんじゃないんだよ。食ったら気絶するかもしれない。不味すぎて。
 でも、凛の飯は凄く美味い!食ったら、気絶するかもしれない。美味すぎて。
「うん、まぁいいわ。じゃ、母さん行くから。」
「行ってらっさーい。」
 さて、俺も教科書適当に詰めて…、行くか。
「行ってきまーす!」
 誰もいないけど、念の為言う。
 玄関の鍵を掛けていたら、凛の声がした。
「あ、連君じゃ〜ん。」
 丁度、凛も家からで出るところだった。
タイミングいいな…、飯のこと言おう。
「よぉ凛、頼みたいことが…、」
「ご飯でしょ?」
 な、なんで知ってる?!
 というのが、顔に出ていたらしく、答えてくれた。
「さっきお母さんにあって、それで。」
「あ、あぁ…。」
 一瞬、心の中が読めるのかと…、って、美緒みたいだな…と思って苦笑した。
 美緒…か。
「すっごい料理作ってやるんだからぁ!」
「おう!楽しみにしてるぜ!」
 凛と話していたら、美緒への疑問なんて吹っ飛んだ。
「いっぱい作るから完食してね?っていうか、完食しないと許さないから!」
「あっはっはっ!美味い飯ならいくつでも胃に入るぜー!」
 この、楽しそうな俺等を、遠くでずっと、見ていた存在がいることを、俺達は知らなかった。

壊れた人形(ドール) ( No.5 )
日時: 2010/01/04 12:55
名前: 410 (ID: BdM.OEZp)

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5,-疑い-
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 ずっと立ち話していた。
「…あ!友達待たせてるんだったよ!」
「じゃあ、行かないとヤバくないか?」
「うん。じゃ、あたし行くね、連君!」
 ばーいばーい、学校で〜!、と元気良く走っていった凛。俺も学校行くか…。
「れ〜ん〜。」
 この声は、美緒。
「よぉ、美緒!」
 あぶね、美緒、凛のこと嫌いみたいだから、会わなくて良かった。
 でも、すげぇなぁ、狙ったようなタイミングで来たぞ。…狙った?タイミングを見計らって来た?まさか…。
 でも、もし、そうだったら、美緒は俺達のことをずっと見てたってことになるよな…?
「美緒…?違うよな…?」
 口に出してしまった。美緒は、なにが?って、きょとんとしてる。
「連?ガッコ、遅れちゃうよ〜。」
「あ、あぁ…。」
「行かないなら、私先行くよー?」
「今行くよ…。」
 きゃははは、と走り回る美緒。
 その声が狂っているように感じられた…。

「うわ!こんな時間だよ連!急げ〜!」
「あ、あぁ…、急ごう!」
 ずっと美緒に合わせて喋っていたので、疲れた。席もまだ隣なんだよなぁ…。
 ぼけっとしながら上履きを履いた瞬間、
「…ぃッて!」
何かが刺さった気がした。いや、刺さった。
 この痛みは経験したことがある…。
小学生の頃の。画鋲が足の裏に刺さった痛み。
「え?!どうしたの?!」
「なんか、足…、」
 駄目だ、美緒は心配性だから…、家に帰れ、なんて言う可能性も…。
「上履きがキツイなって…。」
「…本当に?」
 見透かされているような気がした。
 美緒は…知っている?
「本当…。」
「そう。足大きくなったんだね!行こ!」
「お、おう…。」
 後で…確かめてみたんだけど画鋲だった。
 どうして…?俺、恨みを買った覚えは無いんだけどなぁ…。美緒…だったりするか?
 駄目だ駄目だ!恋人を疑うなんて、駄目だ!
 じゃあ、一体、誰なんだ…?

壊れた人形(ドール) ( No.6 )
日時: 2010/01/04 18:23
名前: 410 (ID: BdM.OEZp)

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6,-正体-
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 絆創膏持ってきてて、良かった…。まだ血が止まらない、痛くはないのに。
「連君?怪我したの〜?」
 凛だった。隣のクラスからやって来たのか。
 …良かった。美緒はトイレに行ってる。
「別に何でもいいだろ…。」
 画鋲が刺さった、なんて言いたくなかった。
「教えてよ。」
 凛がやけにしつこい…。
 そんなに知りたいのか?こいつ…?
「もしかしてさ、画鋲?」
「…。」
 勘がいいやつだな…。
「ありゃ、図星?」
 やばい、やばい。無言はたたの肯定にしか思われない。
「違うぞ…。」
「じゃあ、何?」
「くどい…。」
 しつこい。いつもならすぐ諦めるのに。
「画鋲なんでしょ?」
 どうして分かるんだ…。
 もしかして、こいつが?………どうしてこう…人を疑っちまうんだろ。
 多分…俺が気付かなかっただけだ。近くに居て…見てたんだ…画鋲が入ってたのを見たんだ…、そうだよ。そうに違いない…!
「今度からは気を付けな!じゃね!」
と、凛は言って…にや、と笑った。
「…ああ。」
 否定したってあいつは知ってるんだから仕方ないや…。さて、と。
 次の授業の準備をしなくては…、行かなくては…。

「くはぁー。」
 やっと飯が食える…。あ、弁当…。
 母さん、作っていかなかったから無いや。購買でパンでもー…、
「連。一緒に食べよう!」
 日課になってしまった美緒との食事。
 俺の親友は気を使って他のヤツらと食べるようになったから、二人きり。
「俺弁当無いんだ。パン買ってくるよ。」
「連君、その必要ないよ〜、持ってきたから。」
 凛が来ていた。
「連君のお母さんが、作ってって言つたから。」
「作ってくれたのか?」
「うん。昨日の夕飯の残り物。」
 家を出たら俺の母さんが居て、作って、って言ったそうだ。時間がなかったから残り物を詰めただけの物らしいが。
「じゃあ、会った時渡してくれれば良かったのになぁ。」
「驚かせようって思ってさ。」
 驚ろかせようと…か、あはは。
 夕飯の残りでも美味しいし、弁当が食えるだけマシだった。
「ちなみに、何だ?中身は…。」
「開ければ?」
 確かにそうだな…。
ぱかっ!
「…ん?なぁこれ本当に残り物か?」
 今日の朝作ったんじゃないのか?
 残り物とは思えない程の、華やかさが…。
「あ?!あははは!じゃねっ?!」
「ん?おう。」
 何だアイツ…?
 もしかして本当に作ったのか?
 それにしても美味そ、
「早く食べよう!」
 俺の思考は、その言葉により遮られた。
「あ、ああ…。」
「連、あの女が作ったの食べるの?」
「おう。」
 そう言えば、美緒は凛が嫌いなんだっけな…。
「外で食べよう!連!」
「そうするか。」
 たまには、外っていうのもいいよなぁ。

 下駄箱へ向かう廊下に居た女子が、俺の話をしていたみたいだった。その内容は、とても興味深いモノだった。
「連君、あたしが入れた画鋲刺さったてよ!あっはっは!」
「え〜?可哀相〜、くすくすくす!」
「そんなに嫌いなの〜?凛〜。」
 凛と、前に会った友達だった。
 美緒も聞こえたらしく、立ち止まって聞いていた。
「好きだよ?昔と変わらない。付き合…」
「美緒!行こうか!」
「…。」
「美緒!」
 美緒の手首を掴んで行く。
「わ、待って、待って…。」
 聞かれたくなかった。昔、アイツと付き合っていたことを。
 アイツより、美緒が好きになってしまい、アイツを捨てたことを。
「ねぇ、連?」
「…何?」
 美緒の方に顔を向けずに言う。
「ん…、やっぱいい。」
「そう。」
「あそこで食べようか!気持ち良さそう!」
 主導権を握っていたのは俺だったのに…何時の間にか美緒が握っていた。
「ん〜気持ち良い!!」
「だな。」
「ねぇ!連〜?」
「何だ?」
「聞きたいことがあるの。」
 美緒の声のトーンが低くなった気がした…。


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