ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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†*。____復讐の満月
日時: 2010/03/06 20:57
名前: *・+空乃+・* (ID: GpNW5AXi)

プロローグ

復讐をしたい人は満月屋にお任せを。

全て代わりに引き受けます。

代償は多額の報酬と大事な物を貰っていきます。

おや・・・・今日も誰かが復讐を願っていますね。

ご利用ありがとうございました。

「またのご依頼、満月屋までっ!!」


キャスト

千堂 汐莉 ♀

復讐屋をやっており、店の満月屋を開いている。
いつも偽名を名乗っていて、誰も本名を知らない。
黒髪のストレートロングが似合う美少女。
冷静で冷徹の毒舌家でドライで計算高い性格。
口癖は「またのご依頼、満月屋までっ!!」
必ず復讐を遂げるがその代わりに満月の日だけ。
その為、被害が増えたりする場合もあるけれども、
影で未遂に終わらせているので、本人曰く大丈夫だと

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Re: †*。____復讐の満月 ( No.5 )
日時: 2010/03/07 16:46
名前: *・+空乃+・* (ID: GpNW5AXi)

 02. 【居場所】

女子高校生が家の前で泣き叫ぶ様に泣いていた。

今日は大雨で凄く強い雨なのに全身がずぶ濡れだ。

傘を差さずに、ただ家の前を哀しそうな目で見てる。

けれども・・・・段々と憎しみの目になっていった。

アタシは何かを直感して女子高生の傍に寄って行く。

「復讐などは満月屋まで・・・・」

「え・・・?」

初めて彼女はアタシの方を見た。

涙で赤目になっていた。

アタシはビニールの中に入ってる名刺を差し出す。

彼女は地図を真っ先に見て、黙って着いていく。

しばらくして、本店で表向きはレストランに着いた。

表向きで経営しているこの店だけで暮らしていける。

だから、今回の報酬は彼女のお小遣いだけで十分だ。

経済的に考えるとこの方法しか思いつかなかった。

そんな事を考え込みながら、店に入り、持て成す。

まずはミルクティーとミルフィーユで良いかしら?

テーブルに置き、ソファーに座り、話を聞いた・・・

内容は簡単に言えば家族から捨てられたらしい。

何でも母親は彼女は父親と愛人の子と知ったらしく、

中学3年の頃から冷遇されていた・・・・・・・・

父親も離婚したくないから、同じ事をしていた。

けれども、妹だけは優しくしてくれて過ごせたという

でも。昨日、その妹が事故で死んでしまったらしい。

原因は両親にあるのだが、警察は見抜けなかった。

それと同時に彼女は家から追い出されて捨てられた。

「・・・アナタはそれで両親に復讐を?」

「後・・・私の実のお母さんもお願いします・・・

 アイツ等の所為で美穂は殺されたのよっ!!!!!

 美穂は最後まで悩んでいたの、お母さんの所為でっ

 だから・・・・許せないわ・・・絶対に・・・・

 私の最後の家族でもあり親友でもある美穂を・・」

「分かったわ、今回はアナタが経済的に無理のない

 2千円が報酬額よ・・・まぁ内容によってはだけど

 100円で済ませる場合もあるの、大人の事情でも

 あ、話がずれたわね・・・後、大切な物を貰うわ

 それでも・・・桜樹真央さん、アナタは良いの?」

「はい・・・・っ!!」

———ご依頼、引き受けた

「しかるべく、承知しました」

「はい・・・・」

彼女、桜樹は店を弱々しく出た。

家族を失った悲しみは大きく復讐してと頼まれた。

一瞬だけど、目は大きな憎しみと嘲笑いで出来てた。

これは稀に見る憎しみ方だわ・・・・・・・・・・


続く

Re: †*。____復讐の満月 ( No.6 )
日時: 2010/03/07 17:09
名前: *・+空乃+・* (ID: GpNW5AXi)

 02−2 【残酷】

—満月—

さて、今宵は満月の月になった。

依頼を果たさなければな・・・・・・・・

アタシは立ち上がり、店を荒々しく出て行く。

——今回はやけに苛立ちを覚えるわね?

何でなのかしら・・・と呟きながら、目的地に行く。

最初は彼女の家で始末をして、後は愛人を殺す。

アタシは目的地の家の玄関のインターホンを押す。

ガチャッ......。

「はーい・・・どちらさまで・・・?」

「復讐を引き受ける満月屋です

 ———桜樹真央さんのご依頼により

 復 讐 さ せ て 頂 き ま す 」

「はぁ・・・!?」

「アナタは桜樹絵美子さんから逝ってください」


ターゲットの目の前でナイフを差し向ける。

驚いて悲鳴を上げようとするが、その前に口を塞ぐ。


「黙れ。黙らないと旦那様はあの世、逝き」

「・・・・・っ!!」

「では、桜樹真央さんの怨みを晴らせて頂きます

 自業自得。愛人の子でも愛せなかったアナタが悪い

 憲法で———基本的人権を学校で習わなかった?」

「・・・・・っ・・・」

「では、死んでください」


———ザクッ.......。


ターゲットの胸にナイフを刺し込んだ。

そして引き抜くと同時に血の海を作り、倒れた。

家に上がり、リビングを向かう。

ドアノブを開けて、入れば彼女の父親が驚いてた。

気にせずにアタシは拳銃を取り出し、頭を撃ち抜く。

すぐにその場を離れた。


途中でパトカーの音が聞こえたが無視。

どうせ証拠は残らないのだから。

次のターゲットの家にアタシは着いた。

普通にインターホンを押して、ドアの前で待つ。

ガチャッ.........。

「はーい・・・どちらさま?」

「復讐を引き受ける満月屋です

 ——桜樹真央さんのご依頼により

 復 讐 さ せ て 頂 き ま す 」

「はぁっ!? アンタ、何を言って・・・・・?!」


ターゲットの頭にナイフを差し向ける。

悲鳴を上げようとしても、口をハンカチで塞いだ。

だから、アナタはもう何も出来ないのよ・・・・・・


「自業自得。彼女を産んだのに育てなかったのね

 本当にアナタは悪い女性の見本で反面教師だわ」

「・・・・、・・・・」


何て言おうとしたかは知らない。

アタシはターゲットの脇腹にナイフを刺し込んだ。

そして、彼女もまた倒れ込んで血の海を作った。

痛々しい光景に目を背けるようにその場を去った。


———今日は珍しく疲れちゃったわ



続く

Re: †*。____復讐の満月 ( No.7 )
日時: 2010/03/07 17:26
名前: *・+空乃+・* (ID: GpNW5AXi)

 02−3 【悲劇劇】

翌日の朝刊ニュースで大騒ぎだった。

煩い騒ぎようだと思いながらも桜樹の場所に向かう。

どうやら彼女は転々と友達の家に住み込んでるらしい

・・・事情も知っている友達の家族も受け入れてる。

その情報が書かれた紙を見つつも、彼女の前に現れる


「ご依頼、完了・・・・」

「ありがとうっ!! 本当にありがとうっ!!」

「——大切な物を貰いに着たわ」


鞄から、ある日記を目の前に差し出した。

彼女に渡すも彼女は疑問を抱きつつも中身を見た。


———すぐに彼女は言葉を失ったらしいわね


そう、この日記は実の母親が持ってた日記。

つまり、本当は彼女に事実を受け止めて欲しい一身で

あの夫婦と母親は組んで、冷たい振りをしていたの。

家を追い出したのも、本当は向かいに行く予定だけど

急用の所為で行けなかったが事実だったらしい。


「大切な物を貰いに来ました・・・は・・つまり、

 アタシの家族とお母さんって言う意味・・・・?」

「えぇ、そうよ」

「・・・イヤァアァアアアアアアアアアアっ!!!」


彼女は泣き崩れて、泣き叫んだ。

アタシはそんな彼女を見つめるも、すぐに傍を離れた

構ってられないわ・・・・くだらないんですもの。


「自分で蒔いた種は自分で駆りなさい」


そう呟いて、アタシは背を向け歩き出す。

世間で言う悲劇劇ね・・・・・・・


END

Re: †*。____復讐の満月 ( No.8 )
日時: 2010/03/07 21:32
名前: *・+空乃+・* (ID: GpNW5AXi)

 03. 【不思議】

ある小学生の女子がレストランの前に居た。

大して気にしなかったけれども、ずっとそこに居た。

でも、痺れを切らしてしまい、ドアノブを開ける。

カララン............。


「お姉さんは満月屋さんなの?」


正直、アタシは言葉を失いかけた。

何でこの少女が知っているのだろうか・・・・・・

それとも過去に誰かが言いふらしたのだろうか。

頭を使って考え込んでいると、少女は笑顔で言う。


「復讐したい人が居るの、ねぇ? 良いでしょ」

「・・・中へどうぞ」


アタシは中を案内して、ソファーに座らせた。

ボフッと見事な音を立てながら、座った。

そんなのを露知らずに少女は話しを続ける......


「復讐したい人は誰? 理由は何故?」

「ママとパパとお兄ちゃん」

「理由は?」

「だって・・・約束破ったんだもんっ!!

 花梨ねぇ? 4人で水族館に行こって言ったの

 だけど、みんなしてダメだって言うんだぁ・・・

 花梨。凄く寂しくて・・・・だからなの

 ねぇ・・・・良いでしょ? それとも出来ないの?」


この言葉に満月屋のプライドが刺激された。


「良いわ。今回はお金は要らない

 後はお名前を教えるだけで良いわ」

「私は華島花梨だよっ!! ママは華島愛。パパは・・

 華島裕次郎。お兄ちゃんは華島純平って言うの」

「そう、・・・ならば早くお帰りなさい」

「うんっ!! ばいばーい」


少女はそう言い、店から走り出た。

アタシは違和感を覚えて、ソファーに持たれ込んだ。

凄く可笑しな少女だったわね・・・・・・・・

今日は不気味な日だと、思わず身震いしてしまった。


続く

Re: †*。____復讐の満月 ( No.9 )
日時: 2010/03/08 16:46
名前: *・+空乃+・* (ID: GpNW5AXi)

 03−2. 【弱点】

「明日で満月になる・・・・・」

アタシはカレンダーを見て、呟いた。

依頼者の父親が社長の会社で秘書として働いてる。

これも全ては復讐の準備の為が整うまでだ。

まぁ、今日でもう準備を終えたのだが・・・・・


「では、今までありがとうございました」

「あぁ。他で元気にやってきなさい」


愛想もお世辞の言葉でこの会社を退社した。

後でこの会社は潰れるのだから・・・・・


—満月—

「・・・さて、復讐開始」

ターゲットの家の前で呟いた。

ドア近くのインターホンを押す。

ガチャッ......。

「どちらさまで?」

「復讐を引き取る満月屋です

 ——華島花梨さんのご依頼により

 復 讐 さ せ て 頂 き ま し た 」

「は・・・・?」

「テレビのニュースを見ていただけたら・・・」


その時に第2のターゲットの悲鳴が聞こえた。

すぐに第1のターゲットはリビングに向かう。

アタシはその後を追うように、リビングに入る。


「・・・か・・・会社が・・・倒産・・・した・・」

「何故ならばアタシはご依頼で復讐しましたから」


ターゲット達は驚いてアタシを見る。

元社長は段々と顔を真っ赤にさせた。

そして、アタシに襲い掛かろうとするけど—————


「警察だっ!! 児童虐待容疑で逮捕するっ!!」


そのまま、アタシは演技をして場を乗り越える。

ターゲット達は刑事の手によって逮捕された。

後は多額の借金を背負いながらの逮捕劇だった。

帰ろうとすると、刑事達に案内されたのは車の中。

そう、警視庁が乗っているリムジンだ。

ガチャッ......。

リムジンの中に入り、警視庁の目の前で座った。

「依頼は成功だったね」

「えぇ、ついでに犯罪も見つけられて・・・

 都合が良かったでしょうね? 警視庁さん」

「あぁ・・・そうさ」


警視庁とは裏の関係で知り合い同士。

だから、この計画に見事、成功させた。

途中で刑事が来て、依頼者の状況を説明する。

どうやら、予想通りに虐待されていたらしい・・・・

あの日。依頼者の腕に痣があった事から伺えた。


——虐待されているな・・・・。


それを言えば確実に警察に捕まってしまう。

復讐してから、捕まえて欲しい依頼者には不利だ。

だから、アタシはこの方法を選んだという訳。


「君も中々賢いね、参ったよ」

「そうですか・・・では」

「送って行くよ、これならば大丈夫だ

 誰も復讐屋を乗せてると思わないからな」

「・・・では、お言葉に甘えて」


車が動き出した。

明日は入院先の依頼者に会わなければ・・・・・


今日の満月はやけに赤かった。

不気味な満月だな・・・と警視庁は呟いていた。



続く


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