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- 或る手記と少女と
- 日時: 2010/01/31 19:29
- 名前: 奄々 (ID: 7nl1k8P4)
07 . 01
Ich liebe Sie.
……Danke so weit.
それは
闇であり
虚無であり
空虚。
貴女は
ただの闇なのに
- 序 ( No.1 )
- 日時: 2010/01/31 18:58
- 名前: 奄々 (ID: 7nl1k8P4)
序
「俺は本物だろ? どうして信じてくれないんだよ」
そう言う彼の目は、何時に無く生気がない。どうして、こんな事になったのか分からない。
ただ私は、研究に付き合っただけで、ここまで深入りするつもりはなかった。第一、彼がこんな人だとは思わなかったから。
私は悪くない。悪いのは全て彼。彼が、私を途方も無く惹くから、彼が、途方も無く愛おしいから、悪いんだ。
そういう風に、押し付けてみても何の意味も持たない。私はもう、彼が好きだし、彼も私を好きだと言ってくれた。悪いのは私。どうせ踏み込んだ時から、私は狂っていたのだ。
「違う……。こんなの間違ってる。貴方は偽物だもん」
「俺が紛い物? だったらお前も紛い物だろ」
彼はそう言って私を抱き寄せた。不規則な心音。私のなのか、彼のなのか、其れすら分からない。
空気を震わせ、鼓膜を震わせ、その音は無音を消し去った。
安らかな無音、そして暗闇。彼は意識的にそれを私から遠ざける。私が無音を好むのを知って、そうする。意地悪だ。
息が白い。頬を刺すのは冷たい空気。私の心を刺すのは、彼一人。
生々しい心音が、ただ私の脳内に響き、理性と考える事を忘れさせようとする。
それを受け入れようとするのは、私。それを拒もうとするのも、私。
何のトキメキも、ロマンスも無い。彼はただ機械的に、私を抱き寄せるのだ。
いままでもずっとそうだったのに、私は気がつかなかった。愚かなのは私。悪いのも私。彼はただ、無垢で世間知らずなだけ。
「俺は紛い物じゃない。お前は俺を好きだと言ったじゃないか」
「貴方は偽物。私も同じ。私の言う事なんて信じないで」
「そんな事出来ない。『お前が俺の知っていること』だから」
「嘘。勘違いしているだけだよ。貴方はもっと違う事を知っている」
「どうしてだよ」
意味の無い会話に、足がすくみ口が渇いた。
隠し持っている折りたたみ式のナイフを、何度もポケットの上から触れた。
彼を殺す事は、私にしか出来なかった。
- Re: 或る手記と少女と ( No.2 )
- 日時: 2010/01/31 18:51
- 名前: 十和 (ID: zCJayB0i)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
はじめまして!
十和と申します!
プロローグに惹かれました!
続きが気になります!
頑張ってくださいね!!
- 感謝の暴風雨です(謎 ( No.3 )
- 日時: 2010/01/31 18:57
- 名前: 奄々 (ID: 7nl1k8P4)
十和様。
はっ初めまして!
感想と嬉しいお言葉ありがとうございます。
頑張りますね!
十和サンも小説執筆してますよね。
「くれないおおかみ」でしたっけ?
また遊びに&感想を書きに行きますね〜
感謝でした。
- Re: 或る手記と少女と ( No.4 )
- 日時: 2010/01/31 19:05
- 名前: 十和 (ID: zCJayB0i)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
はい!遊びにきてくださいww
出来れば感想なども・・・。
よろしくお願いします!
私のことは呼び捨てOKです!
では、失礼いたします。
- 感謝の暴h(ry ( No.5 )
- 日時: 2010/01/31 19:12
- 名前: 奄々 (ID: 7nl1k8P4)
十和様。
はあ、遊びに行きます^^
感想も是非書かせて頂きますよ!
ええと、でしたら十和って呼びますぜ(蹴
俺も呼びタメOKですので。
こちらこそ宜しくお願いします。
それでは……。
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