ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Jack the Ripper 〜真相は血の中に〜
- 日時: 2010/06/24 16:25
- 名前: 白魔女 (ID: MnBE3vuR)
クリックありがとうございます(。>ω<。)ノ
ファンタジー大好きっ子の白魔女です♪
が、今回は、れっきとしたホラーに挑戦しようと思います。
本当は、ちゃんとした推理小説を書きたいのですが——残念ながら今の私にはそれほどのないかとorz
・注意
グロいところとそうじゃないところのギャップがかなり激しいです。グロいところは特に、アブナイので、気をつけてください。何があっても責任は取りません。
読んでくれた方、もし、も〜し、よろしければ、コメントください。作者はコメントがないとやる気が起きません(←えw
*・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・☆・゜・*:.目次.*.。.:*・☆・゜・*:.。.:*・☆・゜・*:.。.*.。.:*・゜・*
プロローグ…… >>1
登場人物…… >>2
______。o*★*o。_____
第一章——消えた猫——
——Ⅰ——猫探し
1…… >>3
2…… >>4
3…… >>5
——Ⅱ——憂鬱な時間
1…… >>10
2…… >>15
3…… >>26
——Ⅲ——赤い百円玉…… >>27
——Ⅳ——夜の訪れと共に…… >>28
——Ⅴ——猫の案内は狂気の前触れ >>29
______。o*★*o。_____
第二章・——事件は突然に——
——Ⅰ——悲劇の朝 >>30
——Ⅱ——恐怖の傷跡
1…… >>33
2…… >>40
3…… >>44
——Ⅲ——刑事の三崎
1…… >>45
では、どうぞ(。・ω・)ゞ
- Re: Jack the Ripper ☆ジャック・ザ・リッパー☆ ( No.26 )
- 日時: 2010/03/06 11:52
- 名前: 白魔女 (ID: Eda/8EBL)
——Ⅱ——
3
蜜柑たちがチャビを探して二時間。
もちろんのごとく、見つからなかった。当然の結果だろう。もう、とっくのとうに他の飼い主とイチャイチャしてるんだよ、だから諦めろよ。蜜柑は必死に由愛に念じ続けたが、その思いが伝わるわけもなかった。徹も同じように、ぶつぶつ言いながら由愛を遠めで見ている。はたから見れば、「アブナイ人」そのものだ。
その間、蜜柑は鳥の糞が頭に落ちてきたり、車にぶつかりかけたり、チャビかと思って抱き上げた野良猫に顔を引っかかれるやらで、散々だった。——今日の占いで、私最下位だったな。ラッキーパーソンの「大きなカッター」持ってればよかった……いや、私がこの状態でカッターなんか持っていたら、ろくな事にならないだろう。最悪、死人が出たら、あの占いやってるテレビ局に苦情を入れよう。もし、私が死ぬ羽目にでもなったなら、呪おう。——そうこう考えていると、蜜柑は犬の糞を踏んでしまった。
徹も蜜柑も、諦めムードが漂っている中、由愛は黙々と——いや、チャビの話を延々と話がなら——チャビの捜索を続けていた。
ひょっとして、チャビが見つかるまで、帰してもらえないのかもしれない。夜になっても、次の日になっても——そこまでいくわけがない、とお考えの人もいるだろうが、由愛は平然とそれをやってのける奴だ。小学校の頃も、由愛の落とした鍵を探された記憶がある。私って、由愛の友達というより、パシリなのではないだろうか——? 蜜柑はそこまで考えて、考えるのをやめた。
- Re: Jack the Ripper ☆ジャック・ザ・リッパー☆ ( No.27 )
- 日時: 2010/03/06 18:56
- 名前: 白魔女 (ID: Eda/8EBL)
——Ⅲ——赤い百円玉
「あっ」
「ん?」
徹が声を上げたので、蜜柑が寄ってみると、そこのは百円玉があった。
「あぁ、百円玉じゃん。なーんだ」
蜜柑がその場から去ろうとすると、徹がすそを掴んだ。
「なーんだ、じゃねぇよ! どうするんだよ、これ!」
「どうするって、言われたってねぇ」
「何ナニ、どうしたの」
会話を聞きつけた由愛も、寄ってきた。
「あー、百円玉。いいなあ。徹が見つけたの?」
「よくねえよ!」
「どうしてぇ? もらっちゃえばいいじゃん」
「いやいや。それはダメだろ」
「なんでよ、星野。別にいいでしょ、ネコババしたって、誰も見てない」
「それだと俺の良心がだな——」
男のくせに肝っ玉の小さいというか、良心がどうたらと言っている時点でもう、男としてどうなのだろう、と蜜柑は思った。
「そんなんじゃ、世の中食ってけないぞ?」
ニヤニヤしながら、由愛が茶化すと、徹は顔を赤らめた。
「べ、別にいいだろ! なら、笠山にやるよ、これ!」
「えー! なんで私!」
「欲しいんだろ! ほら」
地面落ちていた百円玉を拾い上げる。すると、徹は悲鳴をあげて百円玉をまた落とした。
「どどど、どうしたの星野!?」
徹が、百円玉を掴んだ右手を見せた。人差し指と親指に、赤い液体がついている。
「——血?」
「触ったら、ぬとっとして……」
さすがにこれは肝っ玉の小さい、では言いくるめられない。蜜柑はまた地面に落ちた百円玉を観察してみた。
「血だ。やっぱり、この百円玉、血がついてる」
「えーっ、なんでよぅ!」
怯え始めた由愛に、蜜柑は落ち着いて話しかける。
「大丈夫だよ、なんか、動物の血とかなんかだよ。例えば猫——」
「猫っ!?」
その言葉に、由愛は大きく反応した。
「どうしよう! もしかしたら、チャビの血かもしれないわっ! あぁ!」
また、由愛がヒステリックになってしまった。蜜柑はあきれる。
「落ち着いてってば、そうとは断言できないでしょう」
「そそそ、そうだよなぁ」
手についた血を必死に服で擦り取ろうとしている徹も、言う。
「そ、そう……だよね」
「そう、さ」
「そうに決まってる」
という三人も、頭の片隅では嫌な予感がしていた。
——もしかして、これって人の——。
そこまでで蜜柑は考えるのをやめた。というより、考えたくもなかった。
- Re: Jack the Ripper ☆ジャック・ザ・リッパー☆ ( No.28 )
- 日時: 2010/03/07 16:54
- 名前: 白魔女 (ID: aAyW2lUS)
——Ⅳ——夜の訪れと共に
「いなかったね」
「ああ」
「うん」
蜜柑のセリフに、二人共うわの空だった。
あの後、『この百円玉をどうするか会議』が開かれ、結局交番に渡しに行った。お巡りはいぶかしげに蜜柑たちを見たが、張り紙を張っていた事がバレ、大目玉を食らった。学校に知らされなかったのが不幸中の幸いだ。
とはいえ、結局猫は見つからなかった。しかし、由愛には悪いが、二人ともこれで帰れるんじゃないかと思うと、喜ばずにはいられなかった。
「ねえ。由愛。もう帰ろうよ。こんなに暗いんじゃ、見つかるものも見つからないし」
徹が後ろで激しく頭を振る。
「う……でも、チャビが」
街灯がチカチカ点滅し始め、パッとついた。赤っぽかった空はもう暗く、星が輝いている。あたたかい陽気も、夜になるにつれ、肌寒くなってきた。風が吹いてくる。
「あっ」
風に吹かれ、由愛の帽子が飛ばされた。かなり強い風だったのか、数メートル先に飛ばされる。由愛は疲れた足で帽子を拾いに行った。
「俺達、もう帰れないのかな……」
「さぁ。でも、由愛は帰す気なさあそうだよ」
「あーあ……早く夕飯つくらねぇといけねぇのになぁ……」
蜜柑たちはしばらくそこで愚痴っていたが、なかなか由愛は帰ってこなかった。ようやく帰ってきたかと思うと、由愛は血相を変えてこちらに走ってきた。
「……!」
由愛はパニックになっていた。口をパクパクさせる。
「由愛。落ち着いて。何があったの?」
「い……い……」
「い?」
「いた!」
「何が?」
「何がじゃないわよ! チャビがいたのよ!!」
- Re: Jack the Ripper 切り裂きジャック ( No.29 )
- 日時: 2010/03/07 16:56
- 名前: 白魔女 (ID: aAyW2lUS)
——Ⅴ——猫の案内は狂気の前触れ
三人は慌ててその場所へ駆け寄った。家と家の細い隙間を、由愛が指差す。
「あ・そ・こ」
小さな声で由愛が言う。しかし暗すぎて、蜜柑たちには見えなかった。徹がカバンから懐中電灯を出し、明かりをつけると確かにそこには、あの写真のチャビがいた。
「チャビ! こっちおいで……」
狭いので、こっちからあっち側に行く事は出来ず、由愛が必死にチャビに呼びかける。
やっとこさチャビが動いたかと思うと、チャビは私達の横をすり抜け、路地に出、どこかへ行こうとした。
「待ってよ! チャビっ」
三人はチャビを追ったが、チャビは速度を上げることはなかった。まるで、私達についてきて欲しいようだ。
「何がしたいんだ、あの猫?」
「私が知るはずないじゃない」
チャビは、すぐ近くの公園の中に入った。寂れていて、滅多に人が入ってこない公園だということを、三人とも知っていた。ブランコや、滑り台、砂場があり、どこにでもある公園だが、公園の周りには木が生い茂っていて、外から公園の中は見えない。木が遮ってしまうのだ。だから、日の光もあまり公園には入らず、いつも薄暗い。
三人は木の後ろに隠れた。チャビが気を緩めた瞬間に、捕らえる作戦だ。チャビの足音がなくなって、チャビが足を止めたのがわかる。三人は目で合図し、一斉にチャビに飛びかった——いや、飛び掛ろうとした。
徹が悲鳴をあげ、ドスっと転んだ。何かに足を取られたらしい。しかし、徹が蹴躓いたモノを見て、三人は硬直した。
暗い公園でも、それが何なのかはよくわかった。が、自分の脳がそれをあれだと決めるのを怖がっていた。——そんなわけがない。あるわけない……。しばらく沈黙が続く。
しかし、三人は由愛の高い悲鳴でハッとした。由愛はその悲鳴が自分の叫んでいるものだと、わからないようだ。長い長い悲鳴が終えると、蜜柑は腰が抜け、ドスンと座り込んだ。やっぱり、あれなのだ。三人はようやくそれが何なのか悟った。
徹がつまずいたモノは、人の死体だった。
遠のく意識の中、なぜか蜜柑はその死体が笑っているように見えた。ぞっとするのと同時に、蜜柑は意識を失った。
- Re: Jack the Ripper …死体発見… ( No.30 )
- 日時: 2010/03/16 19:36
- 名前: 白魔女 (ID: h2MT2xjq)
第二章・——事件は突然に——
——Ⅰ——悲劇の朝
「う……ん……」
蜜柑はうめきながら目を覚ました。頭ががんがんして、痛い。
しばらくぬくぬくとする布団の中に包まっていたが、先ほどのことを思い出して、飛び起きた。
「蜜柑!?」
隣には、蜜柑の母がいた。母に抱きつかれ、泣かれる蜜柑だが、頭の中ではあの死体のこと思い出していた——いや、思い出してしまっていた。
「うぅっ」
人の死体など、もちろんのこと見たこともない蜜柑は、口をうっと抑えた。吐き気がする。原型をとどめていない人の腹から、血が、そして——あれは——。
隣に用意してあった桶が、幸いだった。胃のものが逆流して、口の中に胃酸の味がする。吐き終えても、やはり気分が悪かった。あれはきっと内臓だ。人の腹から内臓が飛び出ていた。
思い出せば思い出すほど、吐き気は止まらなかった。ようやく止まったのは、死体を細部まで思い出してしまった後だ。
「蜜柑、大丈夫?」
母の言葉に、蜜柑はよわよわしくうなずいた。
「お母さん……ここは一体」
「病院よ。由愛ちゃんの悲鳴で近くにいた人が救急車を呼んだの。あなた達三人とも、意識を失っていたわ。よほど怖かったのね」
怖かったなんて、生易しいものじゃない。蜜柑はそう言い返そうよしたが、その気力さえなかった。
「休みなさい。休めばきっと忘れるわ」
母がそういうのを聞きながらすでに蜜柑はもう眠ってしまっていた。しかし、あの死体は脳裏に焼きついてしまった。
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