ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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楽境のインヘルノ(誰か来て〜><)
日時: 2010/03/10 00:10
名前: risato (ID: uB4no500)

こんにちはー。risatoと書いてありますが
理郷(りさと)の名で色々と投稿させていただこうと思っております、元冬宮準です!!えーと…この作品、
「楽境のインヘルノ(らっきょうのいんへるの)」ですが…ジャンルは多分…サスペンスアクションだろうな〜…うん。グロは…うーん、「フォルテ」という奴が目的のためなら手段を選ばない存在なので、ちょいと惨いかもww。ではでは、崩壊した日本の「インヘルノ(地獄)」にお付き合いくださいませ★

【作者について】
理郷(りさと)
もうすぐ中2だよ〜、な変人作者。グロイの好き好き〜★です!!

【作品について】
タイトル:楽境のインヘルノ(らっきょうのいんへるの)
ジャンル:サスペンスファンタジーアクション(を目指します!!)
主人公:本郷瑞久、小岩井史樹

【コンテンツ】

【キャラクタープロフィール】
本郷瑞久、小岩井史樹、在原茅乃>>2
Coming soon ^^
哀澄朔也、片里木淳
芹沢蛍、芹沢翔子
フィロミーナ=シュルヴァーレ

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Re: CounterClockwiseCity ( No.2 )
日時: 2010/03/12 23:11
名前: 理郷 (ID: uB4no500)

楽境のインヘルノ
Character Profile 01

本郷瑞久(ほんごう みずく)
年齢 15歳
性別 男
武器 機械に関する知識、精霊魔法
見た目 黒髪に黒目、身長164cm。
説明 主人公。大人しいが、時に目的のためなら手段を選ばない、「冷静」な面を持つ。機械に強い。嘘を見抜く能力を持つ。在原研究所やフォルテなど、様々な者に立ち向かう。また、サイドXを滅することを決意している。史樹の幼馴染。

小岩井史樹(こいわい ふみき)
年齢 15歳
性別 男
武器 ナイフ、精霊魔法
見た目 茶髪に褐色色の瞳、身長165cm。
説明 もう一人の主人公。少々捻くれた(?)性格で、目的のためなら手段を選ばない、「冷酷」な面を持つ。そこがよく瑞久に似ていると言われ、兄弟のように見られることもある。アメリカで生まれたせいか、髪の毛は元々茶色だがさらに明るめの茶に染めている。(しかし地毛とあまり変わらないので違和感がない)在原研究所に敵意を向け、敵にはよくコードネームで名乗る。武器は主にナイフと特殊薬で得た能力だが、時にバールなど、落ちているものを使う。

在原茅乃(ありわら かやの)
年齢 15歳
性別 女
武器 研究所で得た知識、謎の薬品、精霊魔法
見た目 黒のロングヘア。研究員として働いているときは白衣を着ている。
説明 明るく活発な性格。在原研究所の社長、在原耕市の一人娘。頭がいい。サイドXのグレード50まで人間を耐えさせる呪的薬品を開発したが、認められていない。サイドXを滅するべく研究中。精霊魔法を人間にも仕えるようにする宝具と珠玉の開発にも成功しており、隠れ研究所から瑞久達を無線(?)でサポートする。

Re: 楽境のインヘルノ ( No.3 )
日時: 2010/03/07 23:58
名前: 理郷 (ID: uB4no500)

File 01 Chapter 00
プロローグ

世界はただ、朽ちていくだけで。ただ、逃げることしかできなくて。それで、僕らは—…。


2007年6月24日、新宿の近く

彼らはただひたすら走っていた。一歩一歩大地を踏みしめて、ただ生き延びるために。彼らの後ろには、茶色に染まった、腐ったアパートや一軒家が並んでいた。それは全て指一本でも触れれば粉々になってしまいそうなほど、朽ちていた。しかも、その「茶」は少しずつ、ただし急速に人々に迫る。空から地を見てみれば、綺麗な灰色と水色の円が、茶色に囲まれている情景が見えるであろう。その円は次第に縮んでいき、あと少しでその円さえ無くなってしまいそうになっている。

「瑞久ッ!!!速く!!」

茶色に追われる少年の一人が叫んだ。茶色い髪を揺らし、懸命に走る。その後ろには、瑞久という黒髪の気の弱そうな少年が続く。二人とも息を切らして進んでいく。ただ、前へ。ひたすら前へ。

「うあっ!?」

瑞久の足を、何かが邪魔をし、彼はアスファルトの上に転んだ。彼の声を耳にした茶髪の少年は即座に後ろを振り向き、転んだ者の手を取り、大きく引く。瑞久の足に茶色が迫っていたが、救いの手によりそれを免れた。

「もうすぐ…!!もうすぐ新宿だ!!あそこには科学研究所があるから、多分大丈夫だと思う…!!」

茶髪の少年は瑞久の手を引きながらひたすら走る。瑞久も彼の足を引っ張らぬよう、出来るだけ速く走った。すぐそこには高く美しいビルが立ち並ぶ都会があった。しかし、そのビルが美しく見えるのは、都会を覆う水色のベールが存在するからであろう。

瑞久達はその「水色」の中へと足を踏み入れる。その瞬間、二人の少年の中に「安堵」という名の感情が体中に巡り、走る。彼らはそんな感覚に包まれながらも、力尽きたように地面にペタリ、と座り込んだ。いつもと変わらぬ、人間が混ざり合う都会の人ごみの端っこで。

Re: 楽境のインヘルノ(誰か来て〜><) ( No.4 )
日時: 2010/03/08 06:46
名前: ガロルダ ◆2zLcupqRwQ (ID: TSkkgAHv)

うっわ、怖ぇw。初めまして、ガロルダです。なんか面白そう・・・。更新頑張ってに!

Re: 楽境のインヘルノ(誰か来て〜><) ( No.5 )
日時: 2010/03/08 22:53
名前: 理郷 (ID: uB4no500)

始めまして!!コメありがとうございますっ!!
更新頑張らせていただきます・・・!!
あと、怖いって言ってくれて結構嬉しいです^^

Re: 楽境のインヘルノ(誰か来て〜><) ( No.6 )
日時: 2010/03/09 23:55
名前: 理郷 (ID: uB4no500)

楽境のインヘルノ
File 01 Chapter 01
安全度 90%、危険度 10%


ガヤガヤとうるさい、都会。その「うるささ」は、通常に二倍となっていた。何故なら、大声を出せば新宿を「全てを滅するウイルス」である「サイドX」から守るバリアが作り出す、美しい水色のドームにその声音が当たり、木霊するからである。勿論、今は夜だ。飲み屋から出てきた酔っ払いが海のような人ごみの中にもかかわらず大声を上げるのは十分に考えられる。

「ああ…うるさいな…」

人ごみの中をなれた動作ですり抜けていくと同時に、少々嫌そうに呟く少年—…本郷瑞久(ホンゴウ ミズク)の姿があった。彼は肩に黒いバッグを掛け、周りの音を全て否定するかのように静かに歩いていた。そんな彼に、一人の女性の体が激突する。

「いだっ!?」

瑞久は肩に感じた小さな痛みにより、思わず声を上げてしまった。すぐさま当たってしまった人に謝ろうと後ろを向く。すると、そこには綺麗な長髪の女性が落としてしまったのであろう鞄を拾う姿があった。瑞久はその女性を見ると、すぐに彼女が何者なのかに気がついた。

「あ、芹沢先生じゃないですか。すみません、ぶつかっちゃって」

瑞久は冷静に芹沢と呼ばれた女性に声をかけた。女性—…芹沢翔子(セリザワ ショウコ)は、瑞久の通っていた中学の英語教師だ。明日で高校生になる瑞久にとっては、何故か懐かしい、少し離れてしまった人物。翔子は鞄を肩に掛けるとともに瑞久に微笑む。

「こちらこそ、ごめんなさい。こんな人ごみだからね、ぶつかっちゃった」
「それはしょうがないですよ。僕だって、よく人にぶつかりますし」
「そう。……急に話変わるけど…小岩井君とは、連絡取れてないの?」

小岩井。
その姓を聞いた瑞久の背に、小さな寒気が走る。
小岩井史樹(コイワイ フミキ)。
瑞久の幼馴染であり、6年前瑞久と共に両親を亡くし、また、一年前—…。

「いえ…電話もメールも…全くないですね。どこへ消えたんだか」

瑞久は軽く首を振りながら言った。出来るだけ冷静にいようと、平然と振舞おうと、こぶしを握り締め懸命の努力をする。そんな彼を見て、芹沢翔子は暖かい微笑を再度見せた。

「大丈夫、彼の事だもの、必ず戻ってくるわよ。そう信じよう、ね?」

翔子の優しさ溢れる声音と気遣いに包まれる瑞久。思わず顔がほころぶ。翔子は笑顔を保ったまま、瑞久に手を振り、背を向けた。そしてまた、瑞久は人ごみという名の海を渡り始める。

    ∬∬∬

新宿某所 芹沢蛍の一軒屋

『北海道県札幌が、サイドXにバリアを破られ朽果地(きゅうかち)化しました—…』

と、なんとも不吉な文章を淡々と告げる女性アナウンサーの声が大きな黒いテレビから流れる。そのテレビは小金持ちを思わせる、大きめのモノクロをベースとしたリビングルームに置いてあった。しかし、そんな大人なリビングの雰囲気を、コピー機や色々な書類の載っている机がぶち壊している。そんな間に、3人の男女の姿が見受けられる。一人の女はセミロングの髪を後ろに纏めた可愛らしく若い大人だが、リビングと同じモノクロの服がどこか不思議な印象を与えている。他の2人の男達は、一人が長身の茶髪、もう一人が平均身長をギリギリクリアしたという感じの、どこか幼さを残す大人だった。彼らは3人とも大きなテレビの前に顔をそろえている。モノクロの女ははしゃいだ声で言った。

「…は!?マジ!?うそっ!!札幌もやられちゃったの!?じゃあ新宿のバリアは一体いつまで持つのよ〜っ。それにぃ、『フォルテ』って誰よ??このサイドXの話の前に出てきたけどさ、私達フリーペーパーメーカーがこんな情報も知らないなんて…っ!!『フォルテ』の在原研究所爆破事件について、何も書けないじゃないの…!!」
「ちょ、芹沢さん、痛い!!悔しいからって、俺の背中バンバンすんのやめて下さい!!いだだだだ!」

そんな女、芹沢蛍(セリザワ ホタル)と男、片里木淳(カタリギ ジュン)の間に入る男が一人がいた。

「おいおい、お前らいい加減にしとけ、テレビが聞こえない。さっき『テレビから情報を盗みフリーペーパーを作り出すぞ』とか言ってたのは誰だ」

彼の言葉を否定することの出来ない蛍と片里木。彼らは大人しく離れると、テレビの画面に再度向かう。しかし、蛍の口だけは抵抗を続けた。

「ぷ〜。瑳崎(サザキ)のバカぁ〜」

    ∬∬∬

新宿 安全地帯と朽果地スレスレのところ

本郷瑞久は、ただ立っていた。彼の目の前には、薄い水色の、透き通った壁のようなものがある。その澄んだ色の先に見えるのは、茶色の景色。アパートなどの低い建物はやっとの事で残っているものの、人の気配はなく、寧ろ「サイドXにより砕け散った」人間達のカスが作り出す小さな山が見受けられる。そんな光景を見て、瑞久はため息をついた。

「史樹…バリアの外に出てなければいいんだけど」

小岩井史樹は、3カ月前に姿を消した。中学もあとすう月終わりという、なんとも微妙な時に。理由として考えられるものは幾つかあったが、瑞久が確信している「理由」がひとつあった。

復讐。

言葉としては、たったの二文字。しかし、行動としては、言葉では上手く表現することなど殆ど不可能だ。一年前、史樹のたった一人の肉親であった妹、美羽(ミウ)が殺された。だた一瞬で殺されたわけではない。5年ほど前から、彼女は「在原研究所」に対サイドXの薬を作るための実験台として、さらわれた。警察に助けを求めようともしたが、史樹はそれを断った。

—…在原研究所はサイドXを滅する可能性を有する「希望」だ。警察がそんな希望を敵にするはずがねえだろ

…と。そして、それは綺麗な、綺麗過ぎる事実だった。ニュースであったのだ。警察は在原の助けをすると。何があろうと味方であると。

そのせいか、史樹がいなくなっても、警察に連絡することが出来なかった。瑞久の、「嘘を簡単に見破れる」ほど注意深い意識が、連絡という動作を否定した。

「もう、3ヵ月なんだ…」

瑞久はボソリと呟く。ここは新宿ではあるが、すぐそこのサイドXを恐れているのか、バリアの近くに人は寄らない。なので、ここには殆どどころか、瑞久しかいない…はずだった。

足音。

瑞久はその種の音を耳にする。ハイヒールかなにかの音だろう、カツカツと、小気味の良い音が鳴り響く。瑞久は不安を押し切って後ろを振り返った。と、そこには髪の長い、見覚えのある人物の姿が。

「…芹沢…先生」

翔子だ。彼女はやはり暖かい笑みを顔に貼り付け、瑞久を見ている。しかし、その笑みを作り出す一部である瞳は、翔子が瑞久に近づくと同時に冷酷なものへと変わっていき—…

「先生…?…ッ!!?」

それは、一瞬の出来事。翔子は瑞久の腕を掴み、思い切り己の腕で彼の首を絞めた。唐突な出来事に、混乱の意を隠さない瑞久。そして、翔子はズンズンとバリアスレスレのところまで進んでいき、瑞久の耳元でささやいた。

「いい?本郷君。これからキミが小岩井君の失踪について知っていること、全て話して。さもなくば、キミをこのバリアの外に突き出す」

—…おい、史樹、これ、どういうことだ?

瑞久は心の中で史樹に問うた。わからない、わからない、わからない。芹沢先生が何故僕の首を絞める?知っていることを全部話せ?一体芹沢先生と何の関係がある?そして史樹について、なら、史樹は一体何をした?

「…なんだって言うんですか…僕は、別に史樹が消えたことについては、何も知らない…」
「あら、そうなの?本当なのかしら。嘘を見抜く力を持つ人って、正直者なのかしらね、それともウソツキさん??」

そう淡々とささやきながら、徐々に首を強く絞めていく翔子。

「……ッ」

次第に瑞久の顔が青ざめていく。まずい。このままでは、本当に死んでしまう。なんとか足で攻撃でも出来ないかと思っていた矢先—…

バチッ。

何かがはじけるような、大きな音が響いた。それと同時に、後ろにいた翔子の腕が離れ、いつの間にか飛ざまづいていることに気づかされる瑞久。何が起こったのかわからなかった。そして、また…

バチバチバチッ。

派手な音が再び響く。その音と共に、翔子の体中に青白い電気のようなものがまとわりついていた。

「…あ…うっ…」

あまりに強烈な電流に、思わずうめき声を上げる翔子。そんな倒れた女性の体のすぐ側に立つ人物がいた。黒のダウンを羽織り、瑞久の見覚えのあるジーンズをはいた、瑞久と同い年と思しき少年。彼は、痛みにうめく翔子に向かって、冷たい視線を投げながら言った。

「瑞久に何やってるんだ?人の友人の手ぇ出してんじゃねえよ」

聞いたことがある声。
ずっと聞きたいと思っていた音声。
瑞久は思わず顔を上げる。そして、目の当たりにした。3カ月前消えた少年の姿を。三ヶ月前に消えた、幼馴染の少年の姿を。三ヶ月前に消えた—…

「史樹ッ!?」


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