ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 赤い吐息
- 日時: 2010/03/21 23:05
- 名前: Lebo (ID: lxWybX4m)
指摘/感想大歓迎です
初心者なんでお手柔らかにお願いします
- 01 ( No.1 )
- 日時: 2010/03/09 19:46
- 名前: Lebo (ID: ErINZn8e)
彼女、いや少女は声を堪えながら泣いていた
神社の石畳の階段の脇にある木の裏に居た
こんな冷え込んだ冬の夕方に蹲っていては風邪をひいてしまう
最悪、凍え死ぬかもしれない、嗚呼ほっておくべきか?
いや、流石にそれはちょっと・・
「どうしたの?」
「・・・・・・っひくっ」
コンビニに寄って買ったばかりの温かい肉まんで
冷たい風に奪われた私の指先の血液の温度をゆっくりと暖める
この子の親は近くにいるのだろうか、迷子?家出?
「パパやママはどうしたの?」
「っひくっ・・・・」
純粋なふわふわと癖っ毛が目立つ茶髪に指を絡める
前髪あたりが寝癖なのだろうか、ゴッっさりと盛り上がっている
私もこんな真っ黒より茶髪がよかったのに、羨ましい限りだわ
「あなたの髪、柔らかいしサラサラね」
「ッ・・・っひくっ」
仕方ない、とっておいた肉まんを差し出すとするか
「これあげるから、泣き止んで」
「っ・・・」
ガバリと私の両手から奪い取った
なんて可愛げのない子なんだ、礼くらい言うべきだろう
「ありがとうは?」
「・・っしらない!」
プイっと向けられた小さな背中をただ私は呆然と見ていた
子供なんだ、落ち着け
私は大人、そう、もっとやさしく
「人に貰って、お礼を言わなきゃ悪い子だよ?」
「・・・・・」
畜生、無視かこの餓鬼。
私の肉まん126円返せよ、この怒りはどこにぶつければいいんだ
暖めるものがなくなった指先は、凍えているのでポケットに手を突っ込んだ
ごそり、と何かが入っていた。あ、飴か
もう肉まん食べ終わったらしい少女は、このオレンジ色のパッケージの飴を物欲しそうに見つめていた
「欲しいの?」
「・・・・」
コクリと少女は小さく頷いて見せた
「先にお礼、言って?」
「・・・・・」
強情だな、この子供。全然素直じゃない
こんな小さい頃からプライドを身に着けてどうするんだ
少女の前に私の掌の上の飴を突き出す
「はい、」
少女が私の手から奪い取ろうとした瞬間、わたしは手を後ろで組んだ
「素直じゃない子にはあげないもんねー」
持っていた飴を私は自らの口に入れた
あ、のど飴だった。しかもミント、スーっとした歯磨き粉みたいな味が染みる
何ていうか大人気ないかもしれないけど、まだ私は中学生だ
そのくらい許されるでしょう?ほんの些細な悪戯だし
ふと少女の表情を見れば、涙を浮かべていた
え、ちょっと。泣き止んだと思っていたのに
「うわあああああああああん」
「ああもう、泣かないでよ」
- Re: 赤い吐息 ( No.2 )
- 日時: 2010/03/09 20:03
- 名前: Lebo (ID: ErINZn8e)
「ねぇ、名前くらい教えて?」
「・・・・せ、い」
「セイ?せいちゃんって言うの?」
「・・・・」
本当に懐かない、どうしようこの子
私ってそんなに子守って下手だったのかしら
「パパとママは?」
「パパはいない」
「居ない?」
「がん」
病名一つで全てを悟ってしまうこの時代が嫌だ
嗚呼、この子母子家庭なのか
最近じゃそこまで珍しくないけれども
さて、その母親はどこにいるのだろうか、
「ママは?」
「・・・・」
また無口か、いい加減疲れてきたわ
警察に届けるか、めんどくさいけれども
「はぁ・・・じゃあ、おまわりさんの所行こうか」
「嫌だ嫌だ嫌だ嫌、嫌」
首をブンブンと振って否定する少女
「どうして?」
「・・・・こわい」
「なぜ?」
「・・・ママが、つれていかれた」
呂律が甘いその言葉は、彼女なりに紡いでいるのだろう
しかし連れて行かれた?どういうこと?
「ママ、ろうや」
「牢屋・・・」
まさか、犯罪者の母親か
随分、家庭に訳ありな少女を拾ってきたものだ
孤児院に届けだすか、預かるか
いや、預かるなんて簡単にできたものじゃない
私にだって両親や兄弟もいる
金銭的に無理だ、そうあきらめよう
- Re: 赤い吐息 ( No.3 )
- 日時: 2010/03/09 22:08
- 名前: 虎王 ◆iq8llSWq9g (ID: TAPuOKlQ)
お初にお目にかかり☆す^^(アルファベット13番目のキーが故障中なので、『☆』にさせていただいて☆す・・・申し訳ないです)
すごくお面白いです・・・(*・A・*)
更新楽し☆にしてい☆す!!
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