ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 失われる蒼
- 日時: 2010/03/16 21:35
- 名前: 名乗るほどでも… (ID: bFAhhtl4)
- 参照: http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i=creatwm1
初めましてー
なにやらお話書けそうなのでやって来ました←別に来なくても良い
余所でも色々書かせて頂いております
良ければ読んでやって下さいまし
では
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- 失われる蒼〜奈落へと〜 ( No.4 )
- 日時: 2010/03/16 22:45
- 名前: 名乗るほどでも… (ID: bFAhhtl4)
- 参照: http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i
時折眩しい光が目に入る。けれどそれは目があった時の残像のようなものだと、先生は言っていた。
あたしは順調に病院で過ごしていた。母や父が交代で看病に来てくれる。
顔の包帯はとれた…顔には傷痕は無かった。病院には学校の先生や野球部員の子や親が来た。父が仕切りに怒鳴り散らしていた。けれどあたしにはそんな事堂でも良かった。もう二度と先輩の顔が見ることが出来なくなった事が辛かった。
記憶を頼りに先輩の顔を何度も思い出す…けれどそれは徐々に暗闇にぼやけていってしまい、もう正確に先輩の顔を思い出せなくなっていた。
何もかもが暗闇に薄れて消えていってしまう…そのことが辛かった。太陽が顔に当たるけれど、もうあの眩しいほどの光を感じる事は出来なかった。
ただ暖かな光だけを肌が感じるだけだった。
「退院したら…学校にいける?」
「亜由美…お母さん先日先生と話したの…もう学校には行けない」
「どうしてよ!あたしが目が見えないから!?」
「そうじゃないの…」
「じゃあどうしてよ!」
「学校にいきたい…行きたい…よ」
「新しい学校でもお友達はできるわよ…」
そこには先輩はいない。あたしは目が見えなくなっただけじゃなくて…もう学校にも行けなくなった。二度と先輩にも会えなくなってしまった。
それが悲しかった。もう…二度と会えない。もう二度と…。
- 失われる蒼〜新しい日々〜 ( No.5 )
- 日時: 2010/03/16 22:58
- 名前: 名乗るほどでも… (ID: bFAhhtl4)
- 参照: http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i
無事にあたしは退院できた。けれどもう何もかもが変わってしまった。何度か友達もお見舞いに来てKれたけど…退院する日には誰も居なかった。
「亜由美ちゃん…退院おめでとう…大変だけど頑張ってね」
病院の先生や看護師さんが口々に言葉をかけてくれた。
「ありがとうございます…先生」
頭を下げるのが精一杯だった。母に連れられて久々に帰ってきた自宅はまるで違っていた。
おぼろげな記憶だけが頼りだった。
「大丈夫…」
母が心配そうに声をかけた。
「大丈夫…うん」
そう言って玄関から自分の部屋と向かうけれど、ちっとも上手くいかなかった。
何度もぶつけてけつまづいた。自分に部屋に入れたけれど、そこが自分の部屋だとわからないほど、何もかもがわからなくなっていた。
急に悲しくなってあたしは泣いた。もう何もかもが変わってしまった。一人でなにも出来ない自分が悔しくてしかたなかった。
先輩に思いを伝えられなかった自分の弱さが許せなかった。
どうにもならなくなってしまった現実だけがあった。
枕に顔を押しつけと声を殺して泣いた。
新しい学校では目が見えなくて生活出来る事を教えている、と父が言っていた。
新しい生活が始まる…何もかもが変わってしまった毎日が…。
- 失われる蒼〜色褪せた思い出・失われる蒼〜 ( No.6 )
- 日時: 2010/03/16 23:14
- 名前: 名乗るほどでも… (ID: bFAhhtl4)
- 参照: http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i
最初は母が送り迎えをしてくれた。学校では道を歩くための杖の使いかたや、点字の勉強をした。何もかも苦戦ばかりだった。
けれど…いつしか学校へは一人で行けるようになった。
そんなある日…聞き覚えのある声を電車の中で聞いた。
先輩の声だった。
「先輩…」
思わず声に出してしまっていた。
「おっ?おまえ…どうしたんだ?」
「あの…先輩…」
「誰?」
「あ、ちょっと前までウチの学校にいたんだけど…最近見なかったけど」
「知り合い?」
「あーまぁな」
先輩の隣からは知らない女の声が聞こえた。聞かなくてもわかった…先輩の彼女の声だった。
「あの…がんばってください」
「おお、お前もな」
「ふーん」
そう言い先輩の気配は離れていった。
泣き出してしまいそうだった。けれど我慢した。誰にも泣いている所を見られたくなんてなかった。
学校まで我慢するつもりだった…だけど…耐えきれなくて涙が頬を伝ってきた。
思い出が色あせていく…先輩の声はわかったけれど、もう顔を思い出せなくなった先輩の声だけが頭の中を響いていた。
家も学校も友達も先輩ですら…色あせていく。
空を見ると太陽のほのかな暖かさが肌を照らしている。
けれど、もうあの鮮明な蒼は思い出せない。なにもかもが失われていく…そうあれほど見ていたあの蒼ですら…あの青空はもう…あたしの目には映らない。
もう二度と…。
暗闇に白い杖をついて歩く、けれど、人は誰でもそうして歩いている。ただ気づかないだけで、あたしだけじゃない、誰もが手探りで歩いている。
失われた蒼…二度と戻らない蒼。いまもあたしの上に広がっている。どこまでも、どこまでも…。
- Re: 失われる蒼 ( No.7 )
- 日時: 2010/03/17 11:21
- 名前: 依咲* ◆eLJUhnUfcE (ID: K.4zPHaY)
題名につられてやってきました。
亜由美ちゃん可哀想ですね><
更新楽しみにしてますねっ!
- Re: 失われる蒼 ( No.8 )
- 日時: 2010/03/17 21:25
- 名前: 名乗るほどでも… (ID: 3JMHQnkb)
- 参照: http://ip.tosp.co.jp/i.asp?i
感想ありがとうございます
…一応終わりなんですが
…続き書いた方が良いですかね?
書けなくはないですが
うむぅ…
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