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リクエスト作品  戦場の翼
日時: 2010/03/19 15:45
名前: ねーぷる。 (ID: VNP3BWQA)

...*プロローグ*...

—水蒸気で走る列車があった時代—

—世界は戦争の時代—

—人々は殺し合い 大地は血の海と化していた—

—理由は一つ 無敵の力を得る為—

—始まりは約300年前—

—《それ》は神話であり 真実でもある—

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Re: リクエスト作品  戦場の翼 ( No.2 )
日時: 2010/03/22 00:55
名前: ねーぷる。 (ID: VNP3BWQA)

—コーゼネフ戦争— 第1幕

「ふわあぁぁ〜.......」
あ〜、眠い。

俺はキリト・リベラーズ。
剣の使い手で、ニゴル国派だ。

トントンッ  誰かがドアをノックした。
「誰?」
「私。ミリンダだよ」
「なんだ、お前か。いいよ入って」
「お邪魔しま〜す」
コイツはミリンダ。俺の唯一の女友達。
幼馴染でもあるんだけどな。
「で、今日は何の用?」
「私、キリトと同じ先攻部隊に入る事になったの!」
「え!?マジかよ......」
「何よぉ、文句でもあるの?」
「だってさ、お前戦えるのかよ」
「馬鹿にしないでよ。私、これでも弓の使い手よ?」
「ま、確かに国1番の弓の名手だけどさ」
「ならいいじゃない」
「..........」
「それで、急なんだけど.......」
「お、やっと本題」
「この度、コーゼネフ派との戦が決定致しました」
「げ........っ」
ヤベ。
「何?なんかマズイ事でもあるの?」
「だってさ、俺本当は戦争なんてしたくねーもん」
「............っ!!!!!」
ミリンダはすごく驚いたみたいで、目が点になってい
る。
「何よ、今さら..........」
「最初に戦に出るって言ったのは誰?キリトでしょ?
それに、今さらもう遅いわ。手遅れよ.......」
「じゃあ、ミリンダは戦が好きなのかよ」
「え?」
「そんなに力が欲しいのかよ!」
「違うもん!!!!!」
「!?」
「私だって、本当は戦争なんてやりたくないし、嫌な
の!でも、戦に参加して勝たないと.........」
「居場所がなくなるってか」
「そうだよ。それに、ジョンを探す為には戦をしなき
ゃいけない............」
「ああ、アイツか」
「アイツ!?」
「そうだよ、アイツだよ」
「あきれた..........キリトの方が、私よりジョンと
仲良かったくせに!!!!!」
バタンッ! ドアを乱暴に閉める音がした。
「お前は本当にアイツが好きなんだな」

ジョン・エリーシャは、俺とミリンダの幼馴染。
ある日ジョンの両親が殺されて、アイツは孤児になっ
た。そんな時、一人の男がジョンにこう言った。
『俺について来るなら、お前を引き取ってやる』
その男とは、ニゴル国派の総指揮官。
トラウディ・シーク。
ジョンは、金が無かった。
食べるものも、家も、服も無かった。
だから、あの男について行った。
もちろん、それ以降、ジョンの名前は
ジョン・エリーシャではなく、
ジョン・シークになった。


「元気してっかな。アイツ」
ミリンダはアイツが好きだった。
まだ、諦めきれないのだろう。



俺は、好きとか、そういうの、よく分からない。

Re: リクエスト作品  戦場の翼 ( No.3 )
日時: 2010/03/24 13:07
名前: ねーぷる。 (ID: s4fd898g)

—コーゼネフ戦— 第2幕
ミリンダsaide

「..........っ」
ドサッ  ベッドに勢いよく寝ころがる

涙が次々と頬をつたう。
声は、近所迷惑にならないように押し殺す。

「ボソッ)何で.........キリトは本当にそれでいい
の!?」

こんなのってない。ないよ.........
私、今までジョンを見つけるためだけに
頑張ってきたようなものなのに。
そんな私の、名を汚すように、キリトはあんな事言っ
て!!
『あぁ、アイツか』
キリトが、あんな人だったなんて!!!!
もう、嫌!
みんな大っ嫌い!
キリトも、トラウディ・シークも!!!!
私と、ジョンを蔑むような事を言う人はみんな、
みんな大っ嫌い!!

「何で........?」
なんでキリトはあんな事が言えるの?
どうして?
私には理解できない。

昔、小学校の先生がこんな事を言ってたっけ。
『努力は必ず実になり、花になるのです。
何事も努力すれば報われるのですよ』
馬鹿馬鹿しい。そんなの奇麗事よ。
世の中にそんな奇麗事は通用しないわ。

もう、誰も信じない。
キリトも、みんな。
絶対に。



Re: リクエスト作品  戦場の翼 ( No.4 )
日時: 2010/04/02 01:58
名前: ねーぷる。 (ID: wW0E9trr)

—コーゼネフ戦— 第3幕
キリトsaide

「もっと腕を振らんか——ッ」
いつものように教官の怒鳴り声が
辺りに響き渡る。
「よぉ、キリト。今日はやけに元気ねぇな」
「シード、お前か」
コイツはシード。
俺と同じ先攻部隊だ。
使う武器はオノ。
先攻部隊の第6隻。
頼れる友ってヤツだな。
「それより聞いたか?」
「何を?」
「なんだ。知らないのかよ」
「だから何をだよ」
「今度の戦で先攻部隊の隊長になるのがジョン・シー
クだってよ。あのトラウディ・シークの息子だぜ?」
「その話、本当か!?」
「どうしたんだよ、そんなに慌てて。珍しい」
「いや。ソイツ、俺の昔のダチなんだ」
「マジかよ........!!!」
「ま、縁は切ったけどな」
「なんだよ。つまんねえな」
「ははは つまんなくて結構!」
こんなの作り笑い。
笑っていられる訳ないだろ。
アイツに。ジョンに。
再び会う事ができるんだから。
でも、アイツ、俺の事覚えてるのか?
ミリンダはこの話.........
いや、アイツの話はやめよう。
気分が悪い。

ミリンダsaide

「ねぇ、ミリンダ」
「何?ニコラ」
「今度の戦の隊長、ジョン・シークだってよ。
あの、トラウディ・シークの息子の!」
「え!?ホント!?」
「うん、ホント!」

   また、ジョンに会える。
   念願の夢が叶う。
   やった!!

   
   ........でも
   私の事覚えてるのかな
   性格まるっきり変わって
   厳しい人になってるのかな
   なんか、不安......



会いたいっていうのと怖いっていう2つの気持ち。
2つが交差する。
なんで、今になってこんな事考えるんだろう。
不安?まさか。そんな訳ない——.............

Re: リクエスト作品  戦場の翼 ( No.5 )
日時: 2010/04/02 16:59
名前: ねーぷる。 (ID: wW0E9trr)

—コーゼネフ戦— 第4幕
キリトsaide

「今日から先攻部隊の隊長になった、ジョン・シーク
だ。よろしく」
『よろしくお願いします!』
「では、今日はまず1人1人の戦い方を把握しておき
たいから、トーナメント形式で闘ってもらう」
「え!?いきなり!?」
「マジかよ........」
「嘘でしょ〜!?」
隊員達が不満を言い合う。
「先に相手に攻撃した方の勝ちで、皆には鎧を着ても
らう。いいか?殺すなよ?絶対に」

「隊長」
「なんだ」
「男女混合でやるんですか?」
「決まっているだろう」
「そうですか」

「ではまずЭブロックの1戦目」
「両者、向き合え」
緊張した空気が辺りを漂う。
「始め!」

キンッ キンッ

両者の剣が音を立てて重なる。

そして、
       キーン——.......
音が鳴り止む。
「終了。次」

俺だ。
相手は..............ミリンダ。
ジョンはまだ俺達に気づいていない。

「始め!」

シュッ  ミリンダの放った矢が俺の横を抜ける。
「危ねーなぁ.......」
「私は本気よ!」

キンッ  今度は俺の番だ。
狙いを定めて一気に............

    シュッ  キンッ

「終了。引き分け。やり直し」

チッ やっぱ手強い.........
さすが国1番の弓の名手。
一筋縄ではいかない.......か。

「始め!」


「First danceといこうか。ミリンダ」
「ふふ キリトにしては生意気よっ!」




「今日はこれで終了。明日は5時集合だ。遅れるな」
『はい!!』

Re: リクエスト作品  戦場の翼 ( No.6 )
日時: 2010/04/11 22:33
名前: ねーぷる。 (ID: sp0cIx.0)

—コーゼネフ戦— 第5幕
ミリンダsaide

「まさか、ミリンダ?」
「え?」
それは、突然。待ち続けた日。
あなたとの再会。


「やっと、気づいてくれた?ジョン」
「やっぱり、そうなんだ」
ああ、いつものジョンだ。
「久しぶり」
「うん。久しぶり」

一瞬、無音の時が流れた。

「ミリンダ?」
「え.............?」
言われて、気づく。
気づかぬ内に、涙が頬をつたっていた。
「ご、ごめんねっ」
慌てて拭く。
「やっぱり、迷惑かけてた?」
「そ、そんなことはっ」
そう言って、次の言葉は見つからない。
「やっぱり、そうだったんだ」
「......うん......」
「ごめんな。本当に」
「い、いいよっ」
「でも、どうせ、ミリンダのことだからさ」
「?何」
「俺と会う為に兵士の道を選んだんだろ」
「............」
「だろ?」
「バレた?」
「バレバレ」
「...........そう」
「でもさ、会えてよかったよ」
「え?」
「俺さ、最近、この生活に息詰まってきててさ」
「だいぶきてたわけ」
「そうなんだ..........」
「そういえば、キリトは?一緒じゃないのか?」
「ちょっと、喧嘩しちゃって」
「そっか。ま、頑張れ」
「うん」
「じゃ、俺はこの後、用があるからさ。またな」
「うん。またね」

会えた。会えたよ!

でも、息詰まってるって、どういう意味?
何で?裕福なハズなのに..........


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