ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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Magic
日時: 2010/04/17 14:23
名前: 紅沙祁 (ID: e65Hbqlh)

クリックありがとうございます。
紅沙祁(くさぎ)と申します。
ファンタジー小説を書かせていただきます。
多少グロ表現が入ります。
初心者ですが、温かい目で見守ってください。
コメント、アドバイス、質問など、たくさん待っております。

それでは、(楽しめたら)お楽しみください。

       —目次—
第一部 プロローグ >>2
 第一章 旅立ちの日 >>6
  第一話 幼き頃の記憶 >>8 
  第二話 ハイズの紋章 >>9
  第三話 到着 >>13
  第四話 司令官の言葉 >>15(修正しました)

     —登場人物—
・シャエル=ルード ♂ (16)
 主人公。両親は幼い頃に死んだ。

・メビイ=カダ ♀ (45)
 シャエルの養母。料理が得意。

・ウェザー=ハイトン ♂(51)※シャエルが小さい頃
 ハルサ城の軍の司令官。50を越えていながら、その剣さばきは見事なもの。

   —コメントをくださった方達—
  めだか 様
  暗刻の導き手 様
  こたつとみかん 様

コメントありがとうございました!

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第三話 到着 ( No.13 )
日時: 2010/04/05 00:09
名前: 紅沙祁 (ID: e65Hbqlh)

「何だ、これは……!」

ハルサ城から来た軍の司令官は村の惨劇を見て愕然とした。
まだあちこちから火が出ている。

「ハイズか……生存者がいないか、くまなく探せ!」

兵士達が一斉に散らばる。
ハルサ城とソルズ村は関係良好で、定期的に互いの城(村)へ行くという条約を結んでいたのが不幸中の幸いだった。
司令官はしばらく門の所で待機していたが、瓦礫が落ちた音が聞こえ、横を見やった。
するとそこには、泣き疲れて父の近くに座り込んでいたシャエルの姿があった。

「全く兵士達め……近くの方にばかり注意が怠りよる……」

ぶつぶつ言いながらも、司令官はシャエルの方へと馬を進めた。

Re: Magic ( No.14 )
日時: 2010/04/05 10:42
名前: 暗刻の導き手 ◆MCj.xXQAUE (ID: yL5wamFf)

あ、わたしもタメ口でいいです。
よろしく。
シャエルはどうなっちゃうのかな?
気になるな……。

第四話 司令官の言葉 ( No.15 )
日時: 2010/04/11 16:40
名前: 紅沙祁 (ID: e65Hbqlh)

>暗刻の導き手さん

よろしくお願いします!^^

———————————————————————

「そこの少年……」

司令官はシャエルに声をかけたが、その言葉は途中で止まった。
人の形をした灰の塊に向ける、腫れぼったく虚ろな目。
灰で真っ黒になった手。
この少年の姿から状況はすぐに分かった。
シャエルは司令官の方へ目も向けずに、無表情で佇んでいた。

「そこの少年、救助に来た。こっちに来い」

シャエルは何も言わず、そのままだった。
司令官はしばらくして、また口を開いた。

「聞こえないのか。こっちに来い」

「……イヤだ。ずっとここにいる」

司令官はため息をつくと、馬から降り、シャエルの隣にあぐらをかいて座った。

「お前を乱暴にここから引き離すつもりはない。
 しかし、ここにずっとお前を留まらせるつもりも全くない。
 ここにずっと留まったら、何になる?」

「ここじゃなかったら、僕はどこに行けばいいの?
 何をすればいいの?」

シャエルが小さい声で言う。

「なら、俺がお前の親代わりだ。
 お前は俺の家へ来ればいい。
 いつまでも死を悔やむな。悔やむぐらいなら前へ進め」

シャエルはついに司令官の方を向いた。

「……前へ進む?」

「そうだ。前へ進め。そうすれば楽しい事はたくさんやってくるぞ」

「……僕、前へ進んでみる」

「ああ!」

司令官がシャエルを馬に乗せていると、兵士が黒髪の少女を連れて走ってきた。
兵士は敬礼をしながら言った。

「ハイトン司令官!生存者が一名見つかりました!
 少女です!」

「後ろの子か?」

少女は兵士の後ろに隠れた。
シャエルと司令官をまじまじと見ている。

「はい!そうです」

「そうか、引き続き生存者を探せ!…………

Re: Magic ( No.16 )
日時: 2010/04/18 09:54
名前: 暗刻の導き手 ◆MCj.xXQAUE (ID: yL5wamFf)

お久しぶり!
生存者の少女か……。
どんな子なのかな?
そしてシャエルはどうなるのか……。
気になりすぎる!!

第四話 毎日 ( No.17 )
日時: 2010/04/18 14:26
名前: 紅沙祁 (ID: e65Hbqlh)

>暗刻の導き手さん

お久しぶりです^^
シャエルの過去編は一応ここで終わりです。
詳しい事は後で出ます。
何回も来てくださってありがとうございます!
これからも宜しくお願いします!

————————————————————————

「シャエル!」

名前を呼ばれ、ふっと現実に引き戻される。
メビイが目の前に立っており、じっとこちらを見ている。
シャエルの頬を叩こうとするようにメビイの右手が構えていた。

「ずっと突っ立ってどうかしたのかい?
 ハムエッグ、できたよ?」

テーブルの上の皿には、レタスやハムエッグなどが盛り付けられている。

「いや、何でもない。食べるね」

シャエルが笑いながら言うと、メビイは右手を下ろし、首をかしげながらリビングを出た。
シャエルは椅子に座ると、フォークを動かしながら黙々と食べた。
メビイはいつも通りてきぱきと家事をこなしている。
食事を食べ終わると、皿をキッチンに置き、メビイに
ありがとう、おいしかったよなど感謝の言葉を言う。

次に洗面台へ行き、歯磨き粉をつけた歯ブラシで歯を無造作にこする。
ぼーっとしながら、前の鏡の中の自分を見る。
自分は父親似なのか、母親似なのか、
もしかしたらウェザーに似ているかもしれないし、
メビイ似かもしれない。

両親の最期の姿を思い出し、ウェザーの言葉を思い出す。
確かに、前へ進めたとは思う。
しかし、それは「進めた」だ。
決して「進んでいる」ではない。
今はただ、坦々とした日々を送っているだけ。
いつもと同じ、食事を食べ、身だしなみをある程度整え、
メビイの仕事を手伝い、たまーに剣術の稽古、他にも色々あるが、大体はそんな感じだ。
いつも陽は昇り、月と入れ替わるように落ち、月もやがて
新しい日の始まりを告げる朝日が昇ってくるとともに落ちてゆく。
いつもと同じく小鳥はさえずり、木の葉は風に吹かれ、怒鳴り声も聞こえてくるし、笑い声だって聞こえてくる。

一番、変わってないと思うことは、ハイズの行動だ。
毎日のように虐殺が行われている。
止めようとする奴らもいないし、国だって見過ごしている。
『このままでいいのか』。
ふいに、そう思った。


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