ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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〜シャットダウン〜Episode2完結間近♪
日時: 2010/04/27 18:48
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

遊太(ゆうた)です♪どうぞよろしくm(__)m
今回はサスペンス&アクションです!

■■注意&呼びかけ■■
1.荒らしや喧嘩は絶対にしないよう(-_-)/~~~ピシー!
2.誤字・脱字があった場合は言ってくれたらすぐに直します♪
3.アドバイス等はじゃんじゃん下さい!!!

〜閲覧してくださったお客様方〜
獅堂暮破様 みちる様 SN様 りん様

・用語集>>18
・オリキャラ募集用用紙>>10
■Look the life■
キャスト>>2
Episode1-1>>1  『プロローグ』
Episode1-2>>5  『寿命が見える呪われた目』
Episode1-3>>6  『オカルト部部長 連堂鏡矢』
Episode1-4>>7  『呪われた目を持つ3人の奇人』
Episode1-5>>8  『集う者たち』
Episode1-6>>9  『対面』
Episode1-7>>14  『本城の計画 陥れられた9人』
Episode1-8>>17  『犯罪者となった善人たち』
Episode Final>>19  『暗い少年時代』

■Escape nine's■
キャスト>>20>>22
Episode2-1>>21 『最初の犠牲者』
Episode2-2>>23 『忍び寄る影 軍の恐怖』
Episode2-3>>25 『消えた母 福岡へ』
Episode2-4>>29 『始動』
Episode2-5>>31 『村田学園襲撃 前編』
Episode2-6>>32 『村田学園襲撃 中編』
Episode2-7>>33 『村田学園襲撃 後編』
Episode2-8>>34 『籠の中の鳥』
Episode2-9>>35 『デルタとアファイン』
Episode final

■justice new world■
キャスト
Episode3-1
Episode3-2
Episode3-3

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Re: 〜シャットダウン〜Escape nine’sお知らせうp ( No.21 )
日時: 2010/04/17 15:15
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

Episode2-1 『最初の犠牲者』

東京と神奈川県の県境 古賀川 諸墓橋

太陽が上がり始めた時間、古賀川の辺りには人気がない。
周りには建物もなく、平地が広がっていた。
そして古賀川に架かる諸墓橋の中央に、一台の車が停車していた。
「う、う〜ん・・・。朝か・・・・」
助手席に座る石田は背伸びをすると、ミラーで自分の顔を見た。
口の周りには髭が伸び、髪もボサボサ。ネクタイもスーツも汚れている。
石田はそんな自分を見てため息をついた。
「・・・石田、起きたのか?」
隣の運転席で座っていた遠藤が石田に気付いて起き上がる。
「先輩、これからどうします?」
「6時か・・・。とりあえず、8時までには神奈川を越えて埼玉辺りに行こう。」
石田は遠藤の言葉を聞くと、再び大きくため息をついた。
遠藤はそんな石田を見て肩に手をそっと置いた。
「石田。分かるだろこの状況?明らかに、敵は本城だけじゃない。我々が警察に自首しても、結果は奴らの思うがままだ。」
「分かってますよ・・・。けど、僕には彼女がいるんです。せめて、神奈川に行く前に彼女に会わせてください。」
石田は遠藤に頼むが、遠藤は首を横に振った。
「・・・無理なのは分かってるだろ。お前や、私たちの知り合いには警察が張り込んでいるはずだ。」
遠藤はそう言うと、車のエンジンをかける。
「・・・あいつ、大丈夫かな?」
石田がつぶやいたその時だった。

バリン!!

「うおっ!!」
突如、フロントガラスが割れて遠藤と石田にガラスの破片が襲いかかる。
遠藤は急いで車から降り、車の後ろに素早く隠れた。
「な、なんだ!?」
遠藤は車の陰から前を見る。
しかし、車と遠藤の前方には人どころか建物もない。
建物は数キロ先にあるマンションが見えるぐらいだ。
「石田?」
遠藤は後ろから車の中を覗きこむ。
後ろから見ると、石田は未だに助手席に座っている。
「おい、石田。こういうときは素早く・・・かくれ・・・」
遠藤は石田に近づくと、口の動きを止めた。
そして、その場にしゃがみこみ口をポカンと開け唖然とした。
石田は、額の中心を撃ち抜かれてすでに死んでいた。
目はカッと開き、口は半開き、傷口からは次々と血が出てきている。
「い、石田!!!!」
遠藤はドアを開け、石田の肩をつかみ揺さぶる。
「起きろ!!嘘だ!!彼女に会うんだろ!?」

「きゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」

遠藤は女性の悲鳴に後ろを振り向く。
車の後ろに、犬を連れた中年の女性が悲鳴をあげて突っ立っている。
「くそっ!!」
遠藤は石田の目と口を閉じると、そのまま神奈川方面へと走って行った。

**********

石田が死亡した地点から10キロ先

平地に目立つように立つ7階マンションの屋上に、黒いジャージにサングラスをかけた男がいた。
男は構えていたスナイパーライフルを降ろすとニヤリと笑う。
「殺した?アルファ?」
アルファと呼ばれる男の後ろから、スーツに髪がオールバックの男性が現れる。
男性の左目には大きな傷があり、両手は包帯で隠れている。
「トゥーダッシュ、標的は殺した。もう一人は神奈川に侵入したようだ。」
トゥーダッシュはその言葉を聞くと、ニッコリと笑い頷いた。
「そうか。それならあの方もお喜びになる。次のターゲットに向かうぞ。」
謎の2人はその場を後にし、次の場所へと向かった。

**********

東京県警 10階 特別捜査室‘逃亡犯確保計画’

眼鏡をかけ、髪を後ろで束ねたスーツを着た男が広い会議室に一人だけでいた。
男は白いボードの前に立ち、ボードに張られてある逃亡犯9人の顔を見ていた。
「学園生徒に校長、現役刑事に指名手配犯、そして、元気象庁で本城と関係のある男・・・」
FBI日本支局リーダーの神永龍一郎は一人でブツブツとつぶやきながら推理をしていた。
「・・・逃げる場所はどこだ?自宅、愛人の家、知り合い、・・・・県外。」
龍一郎は9人の顔写真の隣に大きく貼られてある日本地図を見ると、東京の周りをペンで指す。
「逃亡から2日。範囲は・・・」
龍一郎はペンで東京、埼玉、千葉、神奈川、茨城、栃木、群馬に印をつける。
ペンを置くと、携帯で部下に電話をかけ始めた。
『はい?』
『俺だ。東京を囲む県に検問をしろと言え。』
『了解しました。それと、情報が・・・』
『なんだ?』
『今朝、東京と神奈川の県境に架かる諸墓橋にて、逃亡犯の石田悠が射殺されているのが発見されました。』
龍一郎はその言葉を聞くと、目を大きく開いて静かに驚いた。
『現場からは、恐らく遠藤刑事・・・あっ。遠藤容疑者が逃げるのが確認されております。』
『分かった。そこは神奈川県警に任せておけ。』
龍一郎は携帯を切ると、9人の顔写真を見た。
「石田悠。まだ若いのに・・・残念だ。」
龍一郎はペンで石田の顔写真にバツ印をつける。
「残りは8人・・・お前らが行く先は・・・・






闇だ__________

Re: 〜シャットダウン〜Escape nine’s更新♪ ( No.22 )
日時: 2010/04/25 16:43
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

○●謎の組織‘軍’キャスト紹介○●
この作品に出始めた謎の敵、‘軍’を紹介します。
メンバーは全員で12名の小規模な組織であり、政府に内通している。
※メンバーが増えれば更新するんで♪
※ちなみに、コードネームの由来は数学記号です♪

メンバー紹介☆ミ☆彡☆ミ
・NO.0 日本総理大臣 愛本駿太郎
軍のリーダー・・・?
なぜか軍とつながりを持つ。

・NO.1 アルファ
性別は男。年齢は20後半で顔立ちが良い。
普段は上下黒いジャージでサングラスをかけている。
性格は静かで、無口。武器はスナイパーライフルなどの銃等。

・NO.2 ベータ
性別は女。年齢は30前半。
上はスーツで下は黒のロングスカート。髪型は腰まである黒髪のロングヘアー。
作戦とルールと命令に忠実な組織の司令塔。

・NO.3 トゥーダッシュ
性別は男。年齢は30後半。
両手を大やけどで怪我しており、いつも包帯をしている。
村田学園襲撃後は、パーミュテーションの後を継いで副リーダーに昇格する。

・NO.4 パーミュテーション
性別は男。年齢は40前半。
組織の副リーダー的存在であり、冷酷非情な性格。
副リーダーだったが、数々の失敗により工作員になる。
傘橋千種にかなりの恨みを持っている。

・NO.5 ルート
性別は男。年齢は20前半。
組織内では最年少で、ハッキングという技を身につけている。
世界一のハッカーであり、組織ではかなり高い地位についている。
服装はジーパンに青のパーカーというラフな姿。

・NO.6 ベクトル
性別不明。名前しか出てこないため、正体は分からない。
しかし、トゥーダッシュやパーミュテーションの会話からすると、千種の知り合い。

・NO.7 ログ
性別は男性。組織内ではあまり目立たない存在。
根暗で気味が悪く、その上残虐な性格。
だたの工作員。

・NO.? ガンマ
性別は男性。気が強く、正反対の性格を持つログのことを嫌う。
村田学園襲撃作戦で、自爆して体の9割を大やけど。
その後は組織に勝手に永久脱退させられ、現在の居場所は不明。

・NO.9 インバース(宮崎玲奈)
性別は女性。唯一、コードネームで呼ばれない女の子。
ルートの次に若く、スタイルも良い完璧な女性。
ガンマ同様、パーミュテーションが選んだ特別工作員。

・NO.10 シグマ
性別は男性。アルファと連絡を取る男。
正体は現在の防衛省大臣。本名は小暮純。
組織内では‘大佐’と呼ばれており、地位はパーミュテーションより上。

・NO.8 プラス&マイナス
性別はどちらとも男性。どちらも訓練された若い殺し屋。
ガンマの後任として組織に入った。
見分け方は、プラスの髪の色が赤、マイナスの髪の色は青。

Re: 〜シャットダウン〜Escape nine’s更新♪ ( No.23 )
日時: 2010/04/18 12:11
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

Episode2-2 『忍び寄る影 軍の恐怖』

千種、秀一ペアの現在地

逃亡生活に入り2日、この2人は未だに世田谷区の空き家にいた。
服、食料はどうにか調達し、これからのことを話し合っていた。
「秀一、これからどうする?」
青いジーパンに黒い長袖シャツに着替えた千種は聞く。
「とりあえず、移動した方がいいだろ。もっと安全なところに身を隠さないと・・・。」
千種と同じ服装に、上から黒い革ジャンを着ている秀一は言った。
千種は立ち上がり、ドアの隙間から外を見る。
住宅街のど真ん中だが、そこまで人気はない。
平日ということもあり、ほとんどの家が外出中だろう。
「行くなら今だ。とりあえず、俺の家に行こう。」
「は?どうせ警察が張り込んでるぜ。行けば思うがままだ。」
秀一の言葉に、千種は言い返せない。
しかし、千種はドアを開けて秀一の方を向いた。
「俺は行く。逃げるのは嫌だ。それに、本城も逃亡の身なんだから、あいつを探し出して父さんの仇を討つ。」
千種はそう言うと、空き家から出て行った。
一人残された秀一はその場に座り込み、食料の中のお菓子に手を伸ばす。
「勝手にしろ。」
秀一はドアの方を向いて、千種が戻ってくるのではと思いこんでしまった。
だが、それから何時間経ってもドアが開くことはなかった。

**********

校長、鏡矢、七海ペアの現在地

3人は校長の車で北海道へと移動中だった。
すでに東京を越え、神奈川の某高速道路を走行していた。
「校長、そろそろ休みませんか?お昼時ですし。」
「そうだな。次のエリアで昼飯にしよう。」
「やったーぁ!!」
七海はずっと運転をし続けている校長よりも喜んだ。
鏡矢はそんな七海を見て首を傾げる。
「お前、一応俺らは逃亡犯なんだから、あまり派手な行動はするな。それに、前田はアイドルなんだし顔を9人の中で一番知られている。」
「大丈夫だって、心配性だな〜ぁ。連堂君は♪」
七海の言葉に2人はため息をついた。
完全に七海は旅行気分だ。自分の置かれている状況を理解していない。
3人はサービスエリアに入ると、なるべく出口に近い場所に車を止めた。
「金を渡すから、2人で好きな物を買ってきなさい。ご飯は車の中で食べよう。」
「はーい!!」
七海は校長からお金を渡されると、すぐにお店の方へ走って行った。
「校長は行かないのですか?」
「私は休むよ。適当に買ってきてくれ。」
「分かりました。」
鏡矢は車を降り、七海を追いかけるようにして店に入った。

車内に一人残された校長は、窓から外の景色を覗う。
空は青く、雲ひとつない快晴だ。
「・・・慶介。」
校長が本城の名前を呟いた瞬間だった。

「やあ。本城正信学校長。」

何の前触れもなく、後部座席から聞こえる男の声。
校長は驚き後ろを振り向こうとした。
「おっと、後ろは振り向かないで。振り向けば撃ちますよ。」
男は校長の後頭部に拳銃を突きつけた。
校長はミラーで男の顔を確認しようとするが、口から上は見えない。
「何者だ?息子の仲間か?」
「いえ、彼の仲間ではない。警察でもないから安心してください。」
校長はその言葉に、口を開けポカンとした。
「そ、それじゃあ・・・誰だお前は?」
「ふふふっ。簡単にいえば、第3者かな。あなたの暗殺を命じられてる。」
男は引き金に指を置く。
校長は何もできず、ガクガクと震えていた。
しかし、最後に勇気を振り絞って男に質問する。
「名前は・・・・何だ?」
男は校長の質問にニヤリと不気味に笑った。
男は校長の耳元に口を近づけ、ぼそりと言った。
「私は、パーミュテーション。・・・・・・に雇われた12人の一人だ。」
「なに!?」

パシュ!!パシュ!!

パーミュテーションは校長に何か聞かれる前に、銃の引き金を引いた。
銃は消音銃のため、周りには音が漏れておらず、誰にも気づいていない。
パーミュテーションは携帯を取り出すと、警察に電話をかけた。
『もしもし、匿名でお願いします。逃亡中の犯罪者が某サービスエリアにいます!!早く!!』
『わ、分かりました!!いますぐ応援を呼びます!!』
パーミュテーションは電源を切ると、校長の顔を見る。
「あの2人も捕まるよ。さようなら、校長♪」
パーミュテーションは車を降り、その場を後にした。

**********

東京 国会議事堂内 総理大臣専用ミーティングルーム

現日本総理大臣の愛本駿太郎50歳は椅子に座り、台本を呼んでいた。
「失礼します。」
愛本の後ろから、ドアが開き一人の女性が現れた。
スーツに黒いロングスカートでスタイルの良い女性は愛本の隣まで来る。
「調子はどうだ?」
「石田悠、本城正信は殺害完了。残りは7人です。」
「そうか。後は傘橋千種と本城慶介、邪魔であれば残りの逃亡犯も殺せ。期待してるぞ、ベータ。」
愛本の言葉にベータはお辞儀をすると、その場を後にした。

Re: 〜シャットダウン〜Escape nine’s更新♪ ( No.25 )
日時: 2010/04/20 16:34
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

すいません!!!!
ちょっと、友達と些細なけんかで気持ちをダウンしてました( 一一)

今日から更新するんでよろしくゥヽ(^o^)丿

Re: 〜シャットダウン〜Escape nine’s更新♪ ( No.26 )
日時: 2010/04/20 18:44
名前: 遊太 (ID: EWcIN/Ij)

Episode2-3 『消えた母 福岡へ』

逃亡生活から2日

未だに東京にいる千種は秀一と別れ、自宅の前に来ていた。
「・・・母さん。」
千種は、今の自分のことを智子がどう思っているか不安だった。
いつもうるさい母が、今ではこんなに恋しいとは思ってもいなかった。
千種はポケットから家のカギを取り出すと、ゆっくり鍵穴に差し込んだ。

ガチャ

音がすると同時に、ドアがゆっくりと開く。
「母さん?」
千種は恐る恐る家の中に足を入れた。
普段なら、「おかえり」と言いながら母がエプロン姿で出てくる。
しかし、それどころか物音一つしない。
「母さん・・・?え?」
千種はリビングを見て呆然とした。
家具がすべてなくなり、リビングは物の抜け殻だった。
「なんで!?そんな!?」
千種は2階に上がり、自分の部屋に駆け込む。
部屋はリビング同様、すべての物が消えていた。
「引っ越したんだ・・・俺のせいで・・・・」
千種はその場にしゃがみ込み、唖然とする。
とうとう、頼みの綱が切れた。
一番信頼できる人物が、一番愛していてくれた人物が消えたのだ。
「どこに行ったんだ・・・?実家・・・福岡か!?」
千種はそう言いながら立ち上がる。
だが、行く方法が見つからない。
金は勿論ない。持っている物は水の入ったペットボトル一本。
それと、少量のお菓子に生徒手帳・・・・
「生徒・・手帳・・・」
千種はふと、とある人物の顔が思い浮かんだ。
それは担任の平川小太郎だ。
新人教師でかなりの小心者だが、生徒のためなら色々としてくれる良い先生だ。
「もしかしたら先生なら助けてくれるかも。」
千種は頷くと、自宅を後にして学園へと向かった。

**********

同時刻 村田学園中等学校

校長室には、FBI日本支局リーダーの神永がソファーに座っていた。
「お待たせしました。」
校長室のドアが開き、一人の若い男性が入ってくる。
「失礼。あなたが新しい学校長ですか?」
「はい。前任の校長は逃亡、教頭は亡くなられた。私は仮ということで校長をさせてもらっております。藤本大樹です。」
藤本はソファーに座ると、2人の生徒会関係者が入ってきた。
神永は二人を見ると軽くお辞儀をする。
「彼は生徒会執行部の生徒会会長、風見修也。彼女は生徒会副会長の松尾湖菜。」
修也と湖菜は神永にお辞儀をすると、笑顔で神永の顔を見る。
「・・・・校長。3人にさせてくれ。」
「は?・・・わ、分かりました。」
藤本は神永の質問の意味がよくわからず、とりあえず校長室を出て行った。
「2人とも、座って。」
神永の言うとおりに2人はソファーに座った。
「会長の風見君、君は今逃げている生徒を捕まえたいか?」
神永の質問に修也は大きく頷いた。
「当たり前です!!あの事件が起きてから、学校の雰囲気も暗くなり、保護者からの苦情が毎日きます!!」
「私も同感です。あいつらのせいで、この学校はめちゃくちゃです!!」
湖菜も負けじと神永に訴える。
そんな2人を見て、神永はニヤリと笑った。
「それなら、君らは極秘で我々に協力しろ。」
「え?」
修也と湖菜は神永の言葉に一瞬動きが止まる。
「彼らは必ずどこかで失敗をする。その内、私が予想するに、彼ら4人の生徒の一人はここに戻ってくるはずだ。」
神永の説明に、修也と湖菜は首を傾げる。
「とくに傘橋千種は、母は福岡の実家に戻り助けてくれる人がいない。それなら、次に頼るは・・・担任の先生だ。」
神永の言葉に2人は口を開けてポカンとした表情に聞く。
「恐らく、連堂鏡矢と山本秀一という子は戻ってこないだろう。彼らは前田七海や傘橋千種と違い、頭も良いし切れ者だ。君らには、校舎のパトロールと私の捜査に協力してくれ。」
「そ、そんな・・・・」
修也は慌てて首を横に振り拒否した。
湖菜も同じく拒否する。
「俺らは受験を控えてるし、確かに許せないけど・・・」
「協力してくれれば、希望校に必ず入学させてあげよう。」
神永の言葉に、2人の眼の色が変わった。
「では、頼むよ。近いうちに電話で知らせる。」
神永は強引にそう言うと、校長室を後にした。

**********

同時刻 神奈川某商店街

遠藤はスーツからジーパン、長袖のプリントが貼られたTシャツ。
それに帽子をかぶって変装していた。
「腹減ったな〜ぁ。」
遠藤は商店街にあるラーメン屋に入る。
「いらっしゃい!!」
店主の声が店内に響き渡る。
店内には数人の客がいるだけで、設置されているテレビの音だけが虚しく聞こえる。
遠藤はなるべくテレビに近い席に座った。
「何にしますか?」
「ラーメンセットで。」
遠藤はテレビを見ると、ちょうどニュースに変わった。

『現在逃亡中の9人、通称‘Escape nine's’と呼ばれる9人は残り7人となっております。今日未明に、某高速道路のサービスエリアで、村田学園校長の本城正信容疑者が遺体で発見されました。車に同車してたと思われる連堂鏡矢、前田七海容疑者は現場から消えており、現在も捜索が続いております。FBI日本支局の責任者である神永龍一郎捜査官は、今回の事件で市民の皆様にもご協力を求めております。」

ニュースが切り替わると、遠藤は唖然としていた。
「校長も・・・」
遠藤はこの時、あることを考えていた。
この事件の裏で、何か得体のしれない者たちが動いているのではと・・・。
遠藤の読みは当たっていたが、気付くのはまだ先のことであった。


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