ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- タイムロード 〜女神の夢〜
- 日時: 2010/04/09 16:34
- 名前: ねこまる (ID: EJiOtxGl)
所は人が足を踏み入れない神殿。
いや、踏み入れる事ができない神殿。
世界のすべての時間を操る女神が眠る場所。
神殿は人々に『タイムロード』と呼ばれていた。
思い出・後悔・忘却。
足を踏み入れるごとに思い出し、失ってゆく魔の道。
人々は女神の怒りに触れないよう、神殿には入らない。
だが、それでも平和ではなかった。
神殿に巣くうモンスターたちが人々を脅す。
人々はモンスターたちを女神の使いだと思い、何でも言うことを聞いていた。
そのモンスターを倒し、世界を平和にしようと一人の男が立ち上がった━━━━━━━━
- Re: タイムロード 〜女神の夢〜 2話 ( No.2 )
- 日時: 2010/04/06 15:39
- 名前: ねこまる (ID: EJiOtxGl)
神殿。
そこしかこの人々の笑顔を取り戻すすべはないと翔夜は思う。
だが、あそこにはモンスターたちが巣くっている。
一人で行くのは少し気が引ける。
翔夜が悩んでいると、後ろから声がかかった。
「道の真ん中で考えごとしちゃだめよー?」
少し幼い少女の声。
翔夜が振り返ればそこには一人の不思議な格好をした少女が立っていた。
見た目は・・・・・・12歳ほどであった。
「ほらほら。通行の邪魔になる。」
少女は翔夜を道のふちへ押しやると、勝手に話始めた。
「私はルイ。魔導士さ。こう見えても16歳。」
翔夜はびっくりした。
自分より小さい━━━いや、幼そうな魔導士が16歳だとは。
翔夜は14なので2つ年上だということになる。
「で、君は?多分私より2つほどしたでしょう?」
ルイは翔夜に尋ねる。
「僕は翔夜。察しのとうり2歳年下の14さ。」
ここまで話して、翔夜はふと疑問に思う。
この少女━━━━ルイは、笑顔を失っていないのかと。
その疑問をぶつける前にルイが口を開いた。
「君は笑顔が・・・表情があるね。」
・・・・・・・・・・
「そう・・ですね。そう言う彼方もでしょう。」
少し考えてから翔夜は考えを声にした。
「でも・・・なんでだろうね?ほかの━━━━普通の人たちは失っているのに・・・・」
そう口にし、ルイは神殿を見る。
翔夜もつられて神殿を見る。
「すべての答えはあそこに━━━━━━━。」
- Re: タイムロード 〜女神の夢〜 3話 ( No.3 )
- 日時: 2010/04/07 16:08
- 名前: ねこまる (ID: EJiOtxGl)
カランッ
ドアにつけた鈴が鳴る。
店に翔夜とルイが入って来た。なにやら袋を持って。
「おいちゃーん?物売りたいんだけどー。」
ルイは店の奥に呼びかけた。
しばらくすると、店の奥から笑顔━━━表情を失った中年男性が出てきた。
「はい。なにを売りますか?」
・・・・・・なんか気持ち悪い。機械のように早いがクスリとも笑わない。
「さて、お金も手に入ったしいろいろ買いに行くかー。」
換金が終わったルイが外に出てゆく。
換金している間にだいぶ通りに人が減っているようだ。
次は向かいの店、「マジックランド」と看板に書かれた店へルイは歩いてゆく。
ギイッ
重い扉が軽々と開けられる。
窓が無いこの店は中がだいぶ暗かった。
「これと、これと、・・・・・・・・・・」
ルイはいろんな━━━不気味なアイテムを手に持ってゆく。
「おい・・・なんに使うんだ?」
見かねた翔夜が聞く。
「なにって魔導につかうんじゃん。」
ルイは「ん?」という表情で軽々言うが翔夜には怖い。
「ねぇ、なんか買わない?」
会計を済ませたルイが駆け寄ってきた。
だが、この街に着いたときに翔夜は薬などをもう買っておいた。なので買う必要は無かったので
「んーいいわ。」
断った。
そして、
「じゃあ明日出発しよう。」
翔夜が言った。
- Re: タイムロード 〜女神の夢〜4話 ( No.4 )
- 日時: 2010/04/08 20:16
- 名前: ねこまる (ID: EJiOtxGl)
さわさわ・・・・
そよ風が神殿の柱の間を通り抜ける。
翔夜たちの前には3つ門があり、近くに神殿管理人と名乗る男がいた。
「あの人になにか聞いてみるね?」
ルイは神殿管理人の場所へ駆けよる。
「あの?ここはどのような場所なんですか?」
ルイは尋ねる。
だが、神殿管理人は不思議な答えを返した。
「ここは、時間の女神『ミウェルバ』の眠る神殿。
彼女は生まれたときから今まで眠り続けています。もしかしたら私たちは女神の夢なのかもしれません。」
・・・・・・・・・・・?
翔夜とルイは首を傾げる。
今の言葉はなんだったのかと。
「夢・・・」
「うん。『ミウェルバ』は生まれたときから眠っている・・・んだって。」
声に出してみることで改めて気づく。
「「今起こっていることは、女神の夢?!」」
二人は同時に叫んだ。
だが、叫んだと同時に神殿管理人が声をかけてくる。
「お静かに。入るのですか?入らないのですか?」
・・・・・入るか入らないか。
それは簡単なことであり、究極の選択だった。
だが二人は顔を見合わせると
「行くしかないよね!!」
「行くに決まっている。」
同じ答えを神殿管理人に返した。
「では、あの開いている扉へ━━━。」
翔夜とルイは少し開いている扉をくぐった。
- Re: タイムロード 〜女神の夢〜5話 ( No.5 )
- 日時: 2010/04/08 20:45
- 名前: ねこまる (ID: EJiOtxGl)
パァァァァァァァ
扉をくぐると強い光が二人を迎い入れる。
光が弱まり目を開けるとそこは、外見とはまったく違うとても美しい神殿だった。
「奇麗・・・奇麗だよ。ねぇ?翔夜。」
ルイが話しかける。
翔夜が答えようとした刹那、ある映像が脳を駆け巡る。
「「?!」」
ルイも驚いた表情をしている。
・・・見たことない光景・・・不思議な女の人、小さなモンスター。
今見た光景が何だったのかと、翔夜は脳をフル回転させて考える。
だが、見たことないのだから考えようもない。
「今のは気になるけど進んでみないとわかんないと思うよ?」
ルイは明るい声で翔夜に話しかける。
そして、翔夜はモンスターを見る。
「そうだな。それにこのモンスター・・・」
「うん。神官の服きてる。それに緑は思い出の色・・・・。」
答えるように、続けるようにルイは声に出す。
・・・目の前にいるモンスターは何なのか。
少し考えるがすぐに翔夜は考えることをやめる。
「考えてとまっていても何も進まない。
だが、『思い出・後悔・忘却』この道は本当なのかもしれないな。」
「うん。。。。女神の夢かもしれないという事もね。」
二人は考えから結論を出す。
「「このままじゃなにも分からない!」」
- Re: タイムロード 〜女神の夢〜6話 ( No.6 )
- 日時: 2010/08/12 18:42
- 名前: ねこまる (ID: fT9YdP4.)
すぅ
翔夜は矛を前に構え、ルイは杖と呪文書を片手に持っている。
ガキィーーーーーーン
翔夜の矛が、神官の格好をしたモンスターの仮面に命中する。
直後、ルイが火炎系の呪文を唱える。
「フレイム!」
これもまた命中。
モンスターは仮面を残して消える。
二人は倒せたという安堵感最初に来た。
だが、直後にある異変に気づく。
・・・・子供の頃に習った。技法が思い出せない?!
翔夜は驚き、バッとルイのほうを見た。
「・・・?!」
ルイも驚きの表情を見せている。
何かを━━━思い出を忘れたのだろうか?
「小さい頃の思い出が思い出せないよ?!」
翔夜が考えていると、ルイが叫ぶ。
彼女も思い出せないようだ。
「あぁ。僕もだ。これが『足を踏み入れるごとに思い出し、失ってゆく』ということなのか!」
叩き付ける様に翔夜は叫ぶ。
・・・・悔しい。自分の思い出が消されることが。
半分やけくそで翔夜は叫ぶ。
「何が何でも、異変を止めるぞ!」
今の翔夜の本心とは少し違う言葉だった。