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天狐の妖刀
日時: 2010/04/17 15:39
名前: 絹世 ◆baKUMl0gkI (ID: YpJH/4Jm)

/御挨拶
どうもこんにちは、そして初めまして。絹世と言います。
妖刀とか九尾の妖狐とか好きなもんなんで、そんな感じの小説を書かせて頂きます。
作者はまだまだ未熟なもので、色々と見苦しい部分もあるかもしれませんが暖かい目で見守ってくださると嬉しいです。

〆目次-Index-
第一篇 天狐少女の迷走
序章/ある物語の開巻劈頭 >>1
第一章/妖怪の少女と人間の少年 >>5 >>6 >>9 >>11


〆お客様
みどりのみかん様 right様 はるか、様

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Re: 天狐の妖刀 ( No.1 )
日時: 2010/04/11 17:53
名前: 絹世 ◆baKUMl0gkI (ID: YpJH/4Jm)

〆序章/ある物語の開巻劈頭

「あ……っ、ぐう……っ!」

 とある街のマンションの裏。
 少年——東條一輝(とうじょう いつき)の身体は悲鳴を上げていた。激痛で殆ど目も開けられない状態だが、ごく僅かに開いている右眼で上を見上げるとぎょろりとした黄色く巨大な目がこちらを見ている。
 その目を持つモノは、猫だった。ただし通常の猫よりも遙かに巨大で、尾がさすまたの様に尾の先が二本に分かれた”化け猫”だが。
 化け猫は前足で刀哉の腹をギリギリと抑え込んでいる。死なない程度の威力で、ギリギリと。まるで毛玉とでもじゃれるかの様に、化け猫は遊んでいるようだった。
 化け猫は“言った”。

『あーあ。久々に人間でも食おうかと思ったら、その前に奴等逃げちゃうんだもんなあ。まあ逃げ遅れた奴が居てくれて丁度良かったけど』
「……る……せえ……」

 化け猫は東條を嘲笑っているようだった。
 七月二十日。
 つまり言うと夏休み初日である。東條の悪友・桑原辰巳(くわはら たつみ)は早速遊びに行こうと東條を誘い、それにのった東條はカラオケやらゲーセンやらに連れていかれる事となり、結局午後九時を回るこの時間まで遊び呆けていたというわけだ。
 桑原と別れ、後は自宅に帰るだけだった東條は何やら騒ぎを聞きつけ駆けつけたところ、騒ぎの原因である化け猫に捕まってしまい今に繋がっている。
 化け猫は東條を抑え付ける力を強くする。柔らかい肉を潰す鈍い音だけが、不気味に静寂の闇へと響き渡っていく。東條は悲鳴どころか、最早言葉を発することさえ許されない。
 化け猫は退屈そうに言う。

『あー、でもそろそろ飽きた。んじゃ食うかお前』

 化け猫はゆっくりと口を開く。そしてだんだんと鋭い牙を光らせながら東條へと近づけていく。
 (……死ぬのか、俺)
 東條は死を確信した。無理も無い、化け猫と東條は現在一対一。警察が来る気配も無いし、優勢なのは誰がどう見ても化け猫の方である。
 東條がすっと目を閉じた、その時。

 化け猫の胴体が何かによって一刀両断された。

 半分に引き裂かれた化け猫は悲鳴を上げる間も無く、そのまま崩れ落ちていく。辺りに飛び散った血しぶきがなかなか生々しい。
 解放されたとはいえ簡単に痛みは消えない。激痛は残るものの、何とか仰向けの状態で視線だけを動かしてみる。
 同じく“それ”も東條を見下ろしていた。
 なんと、獰猛な化け猫を一撃で引き裂いたのは一人の少女だった。年齢は十四〜十五くらいだろうか、東條の一つ二つくらい年下の少女だ。
 しかも只の少女ではない。獣の耳——おそらく狐だろうか。それに加え月光を浴びて、元々黄金だったろう毛が更に黄金に輝く巨大な九本の尾。尾は孔雀の羽の如く少女の腰から伸び広がっている。見るところ化け猫を引き裂いたのはあの尾らしい。尾の先は白かったが、何本か返り血で赤く染まっていた。
 もっと言えば、少女は恐ろしく可愛らしかった。
 尾と同じく月光によって輝く艶やかな金髪に、澄んだルビーのような赤い瞳。肌は純白で、桜色の着物が肌の白さを余計に際立たせているような感じがした。例えるなら『妖精』だろうか、この世のものではない幻想的な雰囲気がある。
 少女は一歩、二歩と東條へと近づいてくる。痛みで朦朧とする意識の中、東條は黙って少女がこちらに来る様子を見ていた。
 そして少女は殆ど真上から見下ろす形で東條の顔を見ると、小さく呟いた。

「やっと見つけたぞ——わっちの契約者」
 
 少女は笑みを浮かべていた、どこか満足気に。
 東條は一体何なのかと問いかけようとしたが、言葉の意味が分かる前に東條の意識は落ちた。

Re: 天狐の妖刀 ( No.2 )
日時: 2010/04/10 19:38
名前: みどりのみかん (ID: O9GTNW/u)

わあ!
とっても好みの小説です。
妖怪とか大好きなんですよ!
少女が廓言葉使うのもいいですね。

頑張って下さい!!

Re: 天狐の妖刀 ( No.3 )
日時: 2010/04/11 08:29
名前: right ◆TVSoYACRC2 (ID: zuIQnuvt)

どうも、ここで刃を書いているrightと申す者です。
未熟な方でも、とても良い小説の腕をなされていると思います。
まだ序章だけですが、はらはらするような、続きが気になる物語です。
動作の表現が特に上手いですね^^
特にこことか→『化け猫は前足で刀哉の腹をギリギリと抑え込んでいる。死なない程度の威力で、ギリギリと。まるで毛玉とでもじゃれるかの様に、化け猫は遊んでいるようだった……〜』
想像しやすかったです。他にもありますが、かなり長くなると思うので、控えさせていただきます。

しかし、「あれ、変だな」と思ったところを二つほど挙げさせていただきます。
一、小説では数字は漢数字を使う。→『年齢は14〜15くらいだろうか……〜』
・ここが、おかしいと感じました。他の数字は漢数字なのに、ここだけ数字なので…。できれば、直してくださいね^^
二、『ギリギリ』という擬音語。
・文中の擬声語(カタカナ)の割合が多いと、文全体の質が低く感じられるので、あまり使うのは控えましょう。
(これは擬声語に限らず、今日本でよく使われるカタカナ言葉にしても同じです)
擬声語で簡単に表さず、情景描写などを交えて書いた方が効果的です。比喩を使うのも良いと思います。
その方がイメージをふくらませやすいし、かえって臨場感が出るので、そのほうが良いかと。

…長々と申し訳ありません。スルーして下さっても構いません。
こんなことを言える立場じゃないのに…ホントにすみません。

これから頑張ってください!
応援しています!
また、来れるときに読みに行きたいと思います。


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