ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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不規則サヴァン
日時: 2010/04/16 23:21
名前: 亜潮 (ID: 2rVxal1v)

*まず。*

初めまして、亜潮といいます。
小説がかけるようにになりたいなあとは思いながらも難しそうなので頑張っていきたいです...


読んでくださる方、ありがとうございます!
少し長いので気をつけてくださいね。


あと「こうしたらいいんじゃないか」などのコメントもしてくださるなら嬉しいです!



若干グロ表現あり。

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Re: 不規則サヴァン ( No.3 )
日時: 2010/05/01 21:17
名前: 亜潮 (ID: 2rVxal1v)











伝わってくる、ぶつり、引き抜く。
月の光に赤が舞う。
崩れ落ちる、手が伸びる、唇が動く。

「どう、し…て……」


…どうして?嗚呼、どうして?


「どうして?どうしてですって?」

なんて可笑しい。
血に染まって赤い髪をつかむ、顔がゆがむ、口角がつりあがる。


「貴女がとても好きだからよ、お母様」


私のお父様と離婚してからは、貴女が酔った男が出入りするようになった。
ソイツらは私を外へ放り出したり、殴ったり。
でも結局は別れ、私が貴女の一番だと思っていたのに。


「結婚する…!?」

「ええ、そうよ、これからはこの人がお父様よ」

「よろしく」

求められた握手。
必死に笑顔を浮かべながらその汚らわしい手を握った。
結婚なんて二度としないって、言ったくせに。

結婚すれば新しい子供が出来る。
この汚らわしい男との子が。
私一人が特別だったのに!

相手は家族ごと、消した。一人でも残すと後で煩いから。

でも、ね。
お母様が生きているとこんなことが繰り返されるの。

貴女が愛しいから。
だから、貴女が穢れるまえに、私のものにする。


「…死んで?」


「あああああぁぁっっ!!!」

ドシャ。

「とっても大好きな、お母様…」


うくくっ、はは、あーっはっはっはっは・・・・—————




第一の音色。狂愛夜想曲。








不規則サヴァン   
           Trompe-l'oeil 03.












「シオンは何?」

「シオンという名の主にタンパク質で出来た」

「そういう意味じゃない」

「———じゃあ、さくらんぼに、する・・・」

「はいよ。このケーキください」

「ありがとうございます」


マジでありがとう。もう来るな。一時間もスマイル0円させやがって。


まだ未練ありげにガラスケースをにらみながら出ていく少女と笑ってそれを見ている男を見送りながら洋菓子店の店長は思った。
「はあ、やっと休憩できる・・・」
休憩時間に入ろうと店のガラス戸に背をむけた瞬間、赤黒い古風のドレスを纏った黒髪の女が一瞬にして戸に現れた。





「出かけてくるね」

「どこに?」

「遊歩道へ」

「ケーキは?」

「帰ってから」



数分前の会話。
のびのびお散歩して帰ってきてみたよ。
洋菓子店で引きつられたりしてみたよ。
端折ってみるよ。


帰ってみるとそこは赤い部屋でした。
イヴェールは赤い華を咲かせて寝ています。
勧誘はおととい来いですわ、本当に。


死んでる。
実に簡潔でよろしい表現ですね、これなら1はかくじつあれ、やばい脳みそ麻痺してる?


「…う、んんん?」

かちり。
何か入った。
何だ起爆スイッチ入ったのかひぎゃぁああぁ。
大人しくさせてたのが、一斉に光りだした。



————楽しいだろう?、誰、何が、どうして、求めてない楽しくない目の前が真っ赤で、
しぬ、二人とも。今日は尖って銀色。

しぬ…?

しぬ、シヌ、しぬ、×ぬ、?

死ぬ。

誰が。
 
皆が、僕が私が彼が彼女が俺が君が。


「あああぁぁあぁぁぁああぁっぁあぁっぁああああ!!」



鋭い刃が脳みそを食い散らかして、頭を抱えて叫ぶ。掻き毟る、握り締める、爪を立てる。
し、ひゃぐるるなたてじまよこじまないないないずーがいっぱいがっかりきいろがくろちゃいろあかくてぇええええああああああ!
ぎ、ぐぅ、ひ、ぎぃい。

のどが、が、がぎ、痛い。
くっそう、引っ込んでろでしゃばり野郎、余計に赤くなったではありませぬか頭いたい。
っし、五月蝿い黙れ!


「ひっひふっ、ひっひっひっふぅ、っひ」


有名な呼吸法で和らげようとしたら肺が準備まだだった。
何を生み出そうというんだバカめ……大丈夫大丈夫。目線を向けなければな。



「あ、そうだケーキ…早く食べなきゃダメになるなぁ」



「現実逃避って便利だね」

「うっ、わ、!?」


振り向くと動きました。しゃべりました。生き…てまし、た?

ゴホッと吐血してるよね。精巧ですね。
あれま、生きてますわよ奥様。
そういえば、イヴェールは死ななかったのに。


「忘れてたんだね…」

「は?う、んー…ん、ぁ、ああ!」


数日前に言ってた。


「ほら、こんな風に、ね?それと大丈夫?」

「・・・うっ、だ、大丈夫だよ」





———近々いっぺん壁紙張り替えないといけなくなるなぁ———


…何かが幕開けしたみたいですね。
ところで懐かし過ぎて腐り落ちそうな頭の中の動物園、2匹しかいないのになかなか閉園しない。困った。


Re: 不規則サヴァン ( No.4 )
日時: 2010/05/01 21:17
名前: 亜潮 (ID: 2rVxal1v)









昔々、ある所に男の子がいました。
けれどその男の子は望まれて産まれた子供ではありませんでした。
旅人たちを相手にした宿屋を経営していた両親は、その子をうっとおしそうに育て、自分たちの奴隷のようにしました。

けれど、男の子は時々やってきて泊まっていく旅人たちに同情され、せめて逃げ出したときに役立つように、と勉強を教えてもらっていました。

それが両親にばれて、激しく怒った親たちは「そんなにお望みならそうしてやるさ!」と冬の吹雪の中に放り出し、命のともし火が消えるのを暖かい家の中で待っていました。
男の子の指や顔や足の先はとても冷たくなり、あかぎれだらけになりました。
でも男の子は両親を愛していましたから、いつかは助けてくれるだろう、勝手に出て行ってはお父さんとお母さんは困ってしまう、とずっと、そこで待っていました。
ずっと、ずうっと、待っていました。







不規則サヴァン   
          Hiver.












「お、おい……待ってくれよ!」

「なんだよ、ったく、怖がってんのか!?もう少しなんだ…しっかりしろよ」



ザッ、ザッ、ザッ。
二人分の足音。一面に積もった雪を踏みしめて進む音。


雪原を二人の男が歩いていた。
辺りは雪で真白ろだが、曇天で目が痛くなるほどの反射はない。
男たちがかぶっている毛皮の帽子や耳あてにも今降ってきた雪が積もっている。



「だ、だってよう・・・・ここ、“出る”んだろ?昨日の宿の奴らがいってたぜ?」

「…はぁっ。お前なぁ、そんな怪談話くらいでびびってんじゃねぇよ、バカ。俺たちは何をしに来たんだ?お宝探しだろ?」

「そっ、そうだな!コレくらいでびびってたら英雄になんかなれないよな!…なにも怖くなんかないぞ!!」




この先の古い遺跡に古代の秘宝が眠っているという噂。
その秘宝を求めて、男たちは長い旅をしてきた。

そんな時に舞い込んできた話。

この手の話はたいてい嘘っぱちだとは知りながらも、藁にも縋る思いで村は若者を2人、送り出したのだった。






先代の馬鹿さ加減にため息をついた男の耳を、風が通り過ぎていく。










—————だれ?















同時に、ささやくような声が聞こえた。









「!」


いきなり身を堅くした男にその相棒は面食らう。


「お、おい、どうし「黙れ!」











—————ねぇ 遊ぼうよ、おじさんたち  だれでも、一緒に、遊んでよ   くっ、はははっははははっはっはははははは













「嘘だろ…っ!?」



ゴッ、と風の勢いが強くなった。
今まで静かに降っていた雪が、あおられて視界を削り取っていく。





「おいっ…ちょ、見えね…………ぅゎっ……」





相棒の間抜けな声。
いまだに状況が理解できていないような、声。
小さくなって、後には吹雪の轟音だけが残された。





「っ! 返事しろ! どこにいるんだ!? おい! 大丈夫、 か……?」



叫ぶ彼の目の前の白い視界の中で、何かが動いた。
語尾を弱め、ソレを見ようと目を細めた瞬間、





————— ねぇ?





後ろからささやかれた。
恐怖が心を埋めていく。
体がこわばって、鳥肌がたつ。

だがゆっくりと、彼の意に反して首がぎこちなく振り向いた。



其処にいたのは、吹雪にあおられる純白の髪を持つ一人の青年だった。
全ての色素が薄い、今にも吹雪と混じって消えてしまいそうな。
だから、その白いぶかぶかのカーディガンについた赤い点がとても目立っていた。
青年は少し首をかしげると、無言でこちらを見つめている。



「お、おい、俺の相棒はどこだよ!なぁっ、お前が『あの人は、もういないよ』

「は、…?な、」

『真っ白くなって、赤くなって、埋まっちゃった』




ぞくっ、とする。
青年は首をかしげたままゆっくり、口角を吊り上げた。






—————おそろいの方が、いいかな……?  








その瞬間、一気に体のこわばりが吹き飛んだ。



「っ、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」




叫んで逃げ出す男を見て、残された青年は声をたてて笑いながら吹雪の中に消えていった。







≪あぁ、面白かった≫












—————冬に起こった事。それだけ。——————










「あ」がゲシュタルト崩壊(^q^)
あと相棒は何か雪原を抜けたところでのんきにぐーぐー寝てたらしい(そこまで書けなかったorz


Re: 不規則サヴァン ( No.5 )
日時: 2010/05/01 21:18
名前: 亜潮 (ID: 2rVxal1v)







さぁ、また季節は巡る。
なんだか騒がしいようだけど、もう交代の時間よ、イヴェール?
後はわたしに任せて、貴方は暖炉にでも当たっていなさいな。









不規則サヴァン   
           Trompe-l'oeil 04.









ガツッ、ゴツッ。

川に横たわっていると石が頭に当たってきた。
せせらぎが軽やかなのに、冷たくて気持ちいいのに、とても綺麗な水なのに。
うっとおしい。とっても、とても、




「……うっとおしい」



ベッドからいきなりむくりと起き上がった人影が少女の声音でつぶやいた。
それから、薄明るい部屋の中で影はしばらく身動きせずに目の前を見つめ続けていた。
すると、ベッドの横に備え付けられているナイトスタンドがぱちっと音を立てて明かりを送る。
まぶしさに顔を顰めた少女は、


「それはわたしの事かしら?」


上品な口調にわずかに顔を輝かせる。


「プ、プラ…っふ、ぁあ…プラン、タン…」



欠伸をはさんで呼ばれたその相手はいつの間にか少女のベッドの横に立っていた。
流れるつややかな黒髪に、細く白い体を包む赤い衣装。
プランタンは笑いながら、伸ばされたうでを引っ張りあげ、ぐったりしている少女の体を起こした。

「シオン、貴女低血圧はいまだに直らないのね」

「…んー…ぐー……眠い…」

「はいはい、さ、朝ごはんよー」






さもあたりまえのようにてきぱきと部屋をととのえていく。
いきなり現れたというのに。

プランタンは少女に完全に起きたらリビングに来るように言うと、うなずいている少女を置いて、なれた足取りでキッチンへ向かった。
数分後になべをリビングに持っていった彼女はシオンがいない事に気づいた。
もしかしたら、と覗きにいくとやはり少女はベッドの上で船を漕いでいた。
呆れたように笑うと彼女はシオンを抱え、半ば引きずるようにつれていき、朝食を少女の口につめこんだ。


「…あら?これは」

「…んー?」

「あぁ、騒がしかったのはコレね」


血にまみれた壁紙。ソファー。
…これはもう、そのときが来たということかしら。


「あー…かべがみが…よごれてる、からとり、か、え————」





まったく。
なんてタイミングが、ある意味では良いときに、イヴェール。
今回はわたしが担当というわけね…まったく。
面倒くさいことを……またあの糸付きどもを相手にしなければならないなんて。
———まぁ、今はそれよりこの子を起こすのが先決ね…














————だぁれが殺した クック・ロビン・・・・・・そぉれは私、私なの・・・—————





Re: 不規則サヴァン ( No.6 )
日時: 2010/05/01 21:28
名前: いち ◆mBjthR0pMA (ID: PmZsycN0)

こんばんわwww

初めまして、いちです。

ちょっと読んでみましたが、アイデア自体はとてもおもしろく、とてもいいと思いますwww

ただ、少し言わせてもらうと、若干話が分かりにくいかなと思います。

タイトルの通り不規則に物語の視点が入れ替わるのは斬新なアイデアですが、その分物語の軸というか、目的みたいなものがはっきりしないような気がします。

たとえば、赤い夢と言うのがどういうものなのか、もう少し詳しく説明するとかですねwww

俺の読解能力が低いだけかもしれませんがww

もしそうならごめんなさい(ToT)

あと、登場人物紹介は早めにやっておいたほうがいいですよwww

長々と失礼しましたwww

Re: 不規則サヴァン ( No.7 )
日時: 2010/12/13 17:49
名前: 亜潮 (ID: jADmD8Xa)


いちさんはじめまして!
アドバイスありがとうございますw

ですよねー…ちょっとそこは私も気になってたところ
なんですww
登場人物紹介も、がんばってみます。
ていうか、こんなに返信遅れてすいませんm(--)m
パソが壊れまして…

うーん、また書き直して立て直そうかな。

今も見てくださっているかはわかりませんが、アドバイスありがとうございました!


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