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戦場のロミオ
日時: 2010/05/02 09:32
名前: 香織 ◆H9YqiiQtJw (ID: NOphWmYz)
参照: http://happylovelife612.blog27.fc2.com/

   血が飛び交うのは当たり前


  人が死ぬのは当たり前


  それでも俺は、君に会えることを祈ってる


 そんな俺は、戦場のロミオ……——


★、ご挨拶

どもこんにちはーっ!!
中2の苺羅といいます
今回は「戦ジュリ」の
続編というか、第2期を
連載したいと思います!
男の子目線です。
なお、この小説には
微グロ・微エロが含まれており
「戦ジュリ」と少し違う場面も
多々あります。
ご注意下さい!!



★、記念日

*/2010.04.25 スレッド生成



★、お客様

nanasi様 志筑様 みな様 舞尋様

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Re: 戦場のロミオ ( No.5 )
日時: 2010/04/26 22:04
名前: 香織 ◆H9YqiiQtJw (ID: NOphWmYz)
参照: でも負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じぬくこと



近日更新

Re: 戦場のロミオ ( No.6 )
日時: 2010/04/27 15:47
名前: 香織 ◆H9YqiiQtJw (ID: NOphWmYz)
参照: でも負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じぬくこと

第1話( 1941(昭和16)年 夏 )


 

 あれは、夏真っ只中の暑い日だった。
 氷を置いたら、すぐにとけるし、ただ立っているだけで汗が出た。
 今すぐにでも、冷たい水の中に、飛びこみたい気分だ。
 しかし、13歳にもなって、全裸で川に飛び込むなんて、恥ずかしいにも程がある。
 なので、家の井戸水を体にぶっかけて、代用した。
 


 「……はぁー」




 俺、二十純也は家の中に入ると、自分の部屋でうちわを仰ぎながら、ため息をついた。
 ——そのときだ。
 部屋の、ふすまの向こう側から図太く、険しい声がした。
 親父だ。
 俺は、めんどくさいので、適当に返事をする。
 すると、ふすまがスッと開いて、浴衣姿の親父が、仁王立ちしている姿が現れた。
 

 「ちょっと、折り入った話がある。居間までこい」



 それだけ言うと、親父はぶっきらぼうにふすまをしめた。
 「何だよ、めんどくせえな」と、愚痴のように呟くと、仕方なく俺は居間へ向かう。
 


 ——驚いた。
 なにがって、そこにお袋と親父だけじゃなくて
 幼馴染の桜と、凛子、そしてその家族がいるからだ。
 俺は目を見開いて、呆然と立ち尽くしていた。
 すると、お袋が俺のほうを向いて、口を開いた。


 「何つったってんの、早くここにすわんなさい」
 「おう」


 俺は少し緊張しながらも、お袋と親父の間に座る。
 そして、凛子の父が咳払いした。
 凛子の父は、百屋財閥の社長で、この不景気ながらも、成功していた。
 洋服を着て、ひげを生やしている。
 その姿は、誰が見ても貫禄があったし、偉大なお方だと、一目でわかった。



 「……では、唐突にいうが……な。いいか?
 私の娘、凛子は君……純也君と結婚させる。
 何が目的かって、跡継ぎの為だ。
 純也君、君が百屋財閥の跡を継いでくれ」



 冗談じゃない、なんてことをいいだすんだ、この人は。
 明治初期から続く、有名なあの、百屋財閥の社長になれと……?
 でも、この人のいうことも、わからなくはなかった。
 凛子の家は、もともと2人姉妹で、男兄弟はいなかった。
 次女の凛子にいる、姉の蘭子さんは去年、結核で惜しくも逝ってしまった。
 そのため、元々蘭子さんが、お婿をもらうはずだったが急遽、凛子に変更となったというわけだ。

 俺は、なにもいえずにただ黙っていた。
 すると、俺の親父が口を開いた。


 「これはな、桜ちゃん家族、私達、凛子ちゃん家族で話し合って決めたことなんだ。
 だから、お願いだ、純也。跡をついでくれ!」


 親父の瞳は、いつになく真剣だった。
 親父だけじゃなくて、お袋、桜の家族、桜、凛子にまで真剣な瞳で、みつめられる。
 ……なんだよ、俺はたよりがないんだぞ。
 そんなことは、長い付き合いの間で、皆しってるはずだろ。
 

 でも、跡継ぎという大事なことだ。
 断れるわけにはいかなかった。


 「……わかりました、おじ様。俺……いや、僕は百屋財閥の跡を継ぎます」
 「……そうか、そういってくれると思ったよ」


 凛子の父がそういうと、全員の顔がホッとした表情になった。
 ……でも、1つ疑問に想うことがある。
 どうして、桜がきたかということだ。
 ……桜は関係ないだろ?
 だが俺は聞きにくかった。
 しかし、凛子が、俺の心中を察したかのように、自分の親父にかわりにきいてくれた。


 「ねえ、桜たちはどうしていらっしゃいましたの?」
 「ああ、こういうことは、千崎さん一家も大事だと思ってな。
 なんせ、凛子や純也たちと、10年以上付き合ってるものだからな」


 俺は、凛子の父の話をきくと、そっと桜のほうに視線を向けた。
 桜は悲しそうな表情1つ浮かべず、むしろ爽やかな表情を浮かべていた。


 俺の心が、途端にズキンといたんだ。



 

Re: 戦場のロミオ ( No.7 )
日時: 2010/04/28 19:13
名前: 香織 ◆H9YqiiQtJw (ID: NOphWmYz)
参照: でも負けないこと 投げ出さないこと 逃げ出さないこと 信じぬくこと


今から更新!

Re: 戦場のロミオ ( No.8 )
日時: 2010/04/28 19:41
名前: 香織 ◆H9YqiiQtJw (ID: NOphWmYz)
参照: 雑誌の恋愛コーナー「引くタイミングが大事」呑気でいいわ


第2話( 1941(昭和16)年 秋 )



 9月1日。今日から、憂鬱なことに新学期がはじまる。
 暦の上では既に秋だというのに、まだ暑さは残っていやがる。
 ……さっさと、涼しくなんねえかなあ。
 俺はそうおもいながら、俯いて歩いていた。
 そしてふと、前方を見る。


 ——桜がいた。


 俺はドキッとして、そのまま桜のところまで近づく。
 そして、恥ずかしながらも声をかけた。
 桜はすぐに気がついて、俺に挨拶してきた。
 桜は、天使のような微笑を浮かべていた……。

 なんでお前は、そんなに優しい顔ができるんだ?
 好きで好きで、たまらなくなるだろ?
 このまま黙るのもあれなので、俺は話題を振ろうとした。


 「なあ、夏休みの宿題全部終わった——」
 「純也君、おはよう!!」


 俺の会話は、甲高い女の声でさえぎられた。
 この声は、凛子の声だ。
 凛子は俺の右腕を、がっしりとつかむと、桜のほうなんて見向きもせずに、俺を強引に引っ張った。
 俺は、ちらちら桜のほうを見る。
 それでも、仕方無しに歩みを進ませていた。

 そして、桜からかなり離れたところで、凛子は俺をとめて、キッとにらみつけた。



 「なんで、桜と喋るの?」
 「は? ……別にいいだろ?」


 俺はきょとんとしていると、凛子は更に顔を険しくさせた。


 「よくないわよ! 私のことなんか好きじゃないの? 他の女子と喋らないで!」


 は? なにいうんだ、お前。
 お前の許嫁だからって、俺は他の女と喋っちゃいけないのか?
 俺は反論しようと、口を開いた。
 だが、凛子の声でそれはかき消された。

 「私も他の男子と喋らないから! ……次他の女子と話したら……わかってるわね?」


 凛子は、恐ろしい笑みをうかべて、ふっとあざ笑った。
 わかってる、どうなるかなんて。
 あの許嫁を決められたとき、凛子の父はおれにいった。



 「もし凛子を裏切るようなことをしたら、結婚取り消しはもちろん、お前の父親をクビにするぞ」


 凛子の父は、冷静で、それでいて怖いことをさらっといった。
 俺は、反論するのはいけないとおもったが、つい反論した。


 「な、なんでですか!? 親父は関係ないでしょう?」
 「……はっ、この不景気の中、働けることに感謝しろ。
私の会社で働いている、お前の父の上司の私に……な」




 そうだ、そういうことだ。
 俺は別に、結婚取り消しになっても構わない。
 でも父さんに……いや、家族に迷惑をかけるのだけはいやだった。


 「わかったよ、ごめん、凛子」
 「わかったらいいのよ、いきましょ」



 凛子は、あざとく笑うと、俺の手を無理やり握った。

Re: 戦場のロミオ ( No.9 )
日時: 2010/04/28 20:54
名前: nanasi (ID: udZFMs3r)

絵うまっ!!

そういえば、桜ちゃんの絵も上手だったなぁ〜(リク頼版)


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