ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- repetition†world -fall
- 日時: 2010/06/17 21:46
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
-prologue-
誰もが平穏を望んでいた。
空想に憧れるのは無力な自分の美化の為。
誰もが平穏を望んでいた。
一人の人間が嘆いてもそれが壊れる事は無いと、
誰もが知っていた。
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-story-
第一話 終わりの始まりの始まり>>1 >>2 >>3 >>5 >>7 >>10 >>14 >>15 >>18 >>19 >>22 >>26
第二話 戦いの始まりは、とにかく穏便で>>30 >>36
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-picture-
皇ひかげ>>9
桜花灯>>12
レイン・ロバーツ>>16
九七星>>24
一条リエル>>35
一条ノエル>>37
初めましてこんにちは、くれはと申します。閲覧ありがとうございます。
小説は初なので所々拙い部分もあるとは思いますが、楽しんでくだされば幸いです。
よろしくお願いします。
別館で執筆中の物『repetition†world -collapse』→h●tp://www.kakiko.cc/novel/novel4/index.cgi?mode=view&no=14265
●をtに変換して閲覧して下さい。
- Re: repetition†world -fall ( No.1 )
- 日時: 2010/06/17 21:03
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
第一話 終わりの始まりの始まり
今日も空は青い。
こんなに青い空を見たのは久しぶりの事かもしれない。
最近は曇りだの雨だの、太陽の出てくる天気が続いていなかったから。
俺の名前は皇(すめらぎ) ひかげ。普通過ぎるただの中学二年生だ。ちなみに眼鏡。
今は昼休みの時間なので、弁当を食うべく屋上に来ている。
ただただ青空を見上げているだけでは時間が勿体無いので、床に腰を降ろすと弁当の包みを開ける。
教室だと食い物に飢えた奴らが俺を襲撃しかねない。何故ならうちの学校、泉水(いずみ)学園には購買が無い。だから弁当を忘れてきてしまった奴は他の生徒の食い物を奪おうと必死になる。
そんな事をするくらいなら弁当忘れるなよ、と心の中で呟いておく。まぁ面と向かって言ってもどうせ意味が無いだろうから。
錆びたフェンスは今にも崩れ落ちそうで、修復しないのかと気になった。自分がフェンスにもたれかかっている訳では無いので今は安心だが、もしもの事があると危険なので後で生徒会にでも不備を提出しておくか。
「いただきまーす」
俺は箸を手に、弁当を口にする。やっぱり安全な空間に居るのが一番良い。
あんなサバイバルで食事をするのは無理がある。
そんな感じで弁当を堪能していると、ふと背後から扉の開く音がした。
背筋に悪寒が走り、嫌な予感が頭をよぎる。
クラスメイトの奴らか?
屋上までもが戦場と化すのか!?
上履きが鳴らす足音はどんどん俺の背後へと近づいてくる。何故こんなに足取りが静かなんだ。
その足音の正体が誰なのかを知るべく、俺は後ろを振り向く。
正直、怖いのは一瞬でー…その後は、
- Re: repetition†world -fall ( No.2 )
- 日時: 2010/06/17 21:05
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
「よっす。こんなとこで弁当食ってたのか」
現れたのははねた黒髪が特徴的な、九 七星(いちじく ななひ)だった。
中学一年生の時に知り合って、今年もクラスが同じだったいつもへらへらしてる奴。そいつはいつもと同じ様に笑顔で俺の隣に座ってくる。
クラスメイトだと言う事に変わりは無いが、まぁ敵に属する奴で無くて良かったー…と思ったのもつかの間。
「この玉子焼きもーらいっ!」
七星は突然俺の弁当に入っている玉子焼きを手で掴むと、ひょいと自分の口の中に放り込んだ。
「ちょ、いきなり何すんだ」
いきなりの事態を飲み込めず、思わず呟いた。
「えー、一つくらい良いじゃん!」
一つと言ったにも関わらず、七星は俺の弁当を次々とたいらげていく。気がつけば、箱の中は殆ど空になっていた。
「一つ所じゃないだろ…全く、お前も弁当を忘れたのか」
呆れ、ため息をつく。
何で持って来ないんだろう。物凄く気になる。
ただ単に忘れた、なんて理由だったらしばく。
「忘れた」
しばくぞ。
食事もままならなかったので、腹が音を立てる。
七星の方はすっかり満足している様で、屋上の床に仰向けになっては晴れ渡る青空を見上げている。全く呑気な。
俺も弁当をくるむと、座ったまま空を見た。雲一つ無くて、見事な快晴状態。それを確認すると、何だか弁当を取られてしまった事さえすぐに忘れてしまえた。まぁいつかは貸しを返してもらうとして。
こいつが此処に来たのは、俺の弁当を奪い取る為か教室での争いから逃れる為だろう。少なくともこのどっちかだとは思う。
だけどもし前者なら、どうして俺が此処に居ると言う事を知っているんだ?
「なぁ、七星──」
そう呼びかけた途端、再び屋上の扉が開いた。立ち入り禁止と言う訳では無いので、先生が入ってきても大丈夫だろう…多分。
「あ、此処に居たの?」
「ほら!レインの言った事は間違ってなかったですヨ!」
女生徒と思われる声が二人分、確認出来た。
片方は低くも高くも無い聞き慣れた声で、もう片方は片言の日本語を喋る声。
「…灯とレインまで来たのか」
- Re: repetition†world -fall ( No.3 )
- 日時: 2010/06/17 21:06
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
七星に続いて屋上に現れたのは、桜花 灯(おうか あかり)とレイン・ロバーツ。
灯は小さい頃からの幼なじみで、レインはついこの間イギリスからやってきた転校生。
二人共食事は済ませたようで、手ぶらで屋上にやってきた。
「ごめんごめん。まさかひかげがこんな所に居るなんて思わなくて…」
灯が苦笑いを浮かべてレインに謝る。
俺が此処に居ると言う事を、レインが灯に知らせていたようだ。
「ヒカゲがそそくさと屋上へ上がるのをついさっき見たデス」
なるほど、そう言う事か。
恐らく七星も同じような理由だろう。
二人も俺達の近くで腰を降ろすと、空を見上げた。
「今日は久しぶりに晴れたわねー」
三人は仰向けに寝転がっており、久しぶりに快晴な青空を堪能していた。
「そうだな……あーお腹いっぱいだし、眠くなってきた」
ふわぁ、と七星は欠伸をすると目を閉じた。心地よいそよ風が吹き、頬を撫でる。
だが、腕時計を確認してみると、針は既に昼休みの時間は終わりを告げる直前の時刻にまで迫っていた。そろそろ教室に戻らないとマズい。
「そろそろ戻るぞ?チャイムが鳴りそうだ」
そう三人に告げると、俺はその場から立ち上がる。包みを手に持って三人が立ち上がるのを待った。
すると、さっと起き上がった灯が、俺の方を見上げる。
「そうそう。ひかげー」
「ん?何だ」
すっくと立ち上がると、灯は服についた汚れを手で払いのけながら言った。
「今日、昼休みの後に全校集会があるらしいから、講堂に集まれって先生が言ってたよ」
「………」
何故だろう。
いつもなら自然な流れのはずなのに、その言葉を聞いた瞬間──ふいに、背筋に寒気がした。
気のせいだと頭の隅に押しやって、灯の言葉に頷く。
ゾクリと寒気がしたのなんて気のせい気のせい…そう思いながら、俺達は講堂に向かった。
- Re: repetition†world -fall ( No.4 )
- 日時: 2010/05/23 20:11
- 名前: ユエ (ID: WwOXoFC5)
こんにちはー^^
凄いですね、文章力がハンパないですっ!
読みやすいし、分かりやすいです!
これから何が起こるのか楽しみです(><)
頑張ってください!!
- Re: repetition†world -fall ( No.5 )
- 日時: 2010/06/17 21:07
- 名前: くれは ◆2nq4FqQmFc (ID: Rk/dP/2H)
>>4 ユエさん
初コメありがとです><
応援してもらえると嬉しいです。頑張ります!
講堂に居たのは全校生徒。何で皆が集まっているのか理由は分からず、俺は自分のクラスの二年A組の列に並んだ。ざわざわとざわめいている様子が、何かあったのかと不安をかきたてる。
「そんな思いつめた顔しなくっても、どうせ校内でお菓子の包み紙が見つかりましたーとか、そんなんだろ」
へらへらと笑いながら、七星は言った。
そんな軽い理由なら良いのだが、さっきの寒気がふと脳裏をかすめる。あれは気のせいだと、頭の片隅に押しやったはずなのだが。
「そうよ、きっと大した理由じゃないわ。すぐ終わると思うし」
灯もあまり気にとめてはおらず、にこやかに笑ってみせた。俺が気にしすぎているだけなのかもしれない。
だけど、レインは真剣な表情で、何か考え事をしているのか顎に手を当てている。どうかしたのだろうか?
「レイン…?」
「は、ハーイ?どうかしたのですか、ヒカゲ」
俺が呼びかけたのに気づいたレインはふと微笑みを浮かべた。
「どうかしたか?」
するとレインは首を横に振りながら、何でも無いと伝える。そして片足を後ろに向けて──
「ソーリー。レインは少し用事を思い出したので、教室に戻ります。ティーチャーにはそう言っておいて下サイ」
それだけを告げると、レインは軽い足取りで講堂を出て行った。用事が何なのかは聞く必要も無いと思ったのであえて聞かない。
それからは俺と七星と灯で喋っていた。集会はいつ始まるのだろうか?
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予想外の展開デス。
まさか…こんなに早く来てしまうとは。準備でさえまだだと言うのに。
廊下をとにかく走る。ティーチャーは集会で講堂に居るハズ。いつものように注意などされたりはしないのデス。
自分の教室の2-Aに駆け込むと、レインは真っ先に自分の席の前に立つ。
今から迎えの為に準備をするデス。
「…──Come this way.(こちらへおいで。)」
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