ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 〜The stop world〜25話うp♪
- 日時: 2010/06/12 18:34
- 名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)
☆☆作品を見たお客様方☆☆
くれは様
煌謎様>>20>>29
詩己様>>42
羽百合 蕾様>>82
■注意事項■
1.喧嘩・荒らしはお断り×
2.パクリは一切ないので、適当なことは言わないでください。
3.アドバイス等はよけれくださいm(__)m
オリキャラ募集用紙>>11
用語集>>6
キャスト紹介>>7 >>14 >>98
◆番外編◆
>>38 【少女の儚い希望】
>>59 【脱獄に失敗した受刑者達】
●The stop world●
≪第1部≫
>>1 【想像していることは必ず起こりうる運命】
>>2 【時間管理府とPSIBAR「サイバー」】
>>8 【青年の不運な1年】
>>9 【序章の幕上げ】
>>10 【時間停止の理由と政府の陰謀】
>>12 【関東治安部隊の攻撃】
>>13 【第2の選ばれし者 水川桃子】
>>23 【マニプラット・エンタープライズ社】
>>24 【潜入】
>>33 【悲劇の始まり 本城琢哉の過去】
>>34 【第3の選ばれし者 小沢理子】
>>46 【別れた4人】 ※第1部最終話
≪第2部≫
>>53 【最低最悪難攻不落の鉄壁刑務所】
>>56 【脱獄計画】
>>57 【決行】
>>58 【黒の人間と白の人間】
>>63 【第6の選ばれし者 宮下源五郎】
>>69 【VSブラック&ホワイト 前編】
>>70 【VSブラック&ホワイト 中編】
>>73 【VSブラック&ホワイト 後編】
>>77 【桐谷駿冶の過去】
>>84 【第4・5の選ばれし者 紫苑と美保】
>>86 【波乱の始まり】
>>90 【東京襲撃】 ※第2部最終話
≪第3部≫
>>99 【ついに始動‘エターナルイレブン計画’】
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- Re: 〜停止世界〜時間が止まった日 ( No.6 )
- 日時: 2010/06/12 18:57
- 名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)
★☆★☆〜停止世界〜の用語集★☆★☆
[選ばれし9人]
田中がチェ・クォンからもらった謎のリスト。
9つの住所が書かれており、その場所で最初に見た人物が選ばれし者。
第1の選ばれし者≪三上心一≫
第2の選ばれし者≪水川桃子≫
第3の選ばれし者≪小沢理子≫
第4の選ばれし者≪中村紫苑≫
第5の選ばれし者≪石川美保≫
第6の選ばれし者≪宮下源五郎≫
第7の選ばれし者≪≫
第8の選ばれし者≪≫
第9の選ばれし者≪≫
[停止日]
2012年8月15日午前11時に時間が止まった。
どの時計も11時きっちりに止まり、それ以来針はピクリとも動かない。
時間停止の原因は1年経った今でも不明。
世界は永遠の2012年となっている。
[停止影響]
生き物は動いているが、自然が停止している状態のことを停止影響という。
温度、湿度、風向、天気は一切変わらない。
そのほかにも雲や波音、風も動かない状態になっている。
[時間管理府]
政府が創設した、時間が停止した世界を守る組織。
市民の平和と安全を最優先に行動している。
しかし、その裏には何かがあり、時間停止と関係している。
[PSIBAR「サイバー」]
治安部隊の特別隊長7人の名称。
それなりの戦闘術は勿論、権力も持っている。
(本城、山本が死亡。ブラック&ホワイトは解雇)
[地方治安部隊]
各地方別を守っている時間管理府直轄の治安部隊。
九州地方、中国・四国地方、近畿地方、関東地方、中部地方、東北地方、北海道地方の7地方に設置。
それぞれの地方には特別隊長と呼ばれる統率者がいる。
地方移動は治安部隊の許しがないと不可能。
[東京核実験施設 ‘トゥラジック’]
タイムトラベルに関しての実験を行っており、時空移動装置などが設置されてある大型の実験施設。
施設は東京湾沿いの港に紛れて建造されている。
実験は失敗しており、23名の人間が無差別にタイムトラベルとなった。23名の生存不明。
それが原因で世界の時間が停止することになる。
実験失敗以降は施設がどうなったかは不明。
[国立蛭ヶ丘刑務所]
北海道地方に建つ、時間停止後に捕まった犯罪者を収監する刑務所。
署長は北海道治安部隊の隊長山本氷介で、とにかく守りが堅い難攻不落の鉄壁刑務所と噂されている。
過去に脱獄者もおらず、これといった問題も全く起きていない。12話で田中と心一も収監されることになった。
[Dream]
人気断トツナンバーワンの有名アイドルグループ。
時間停止後の今も、その活動は続けられている。
[マニプラット・エンタープライズ]
東京都練馬区に建つ世界を代表する大企業。社長は小沢理子の父である小沢賢治(11話で死亡)。
色々な商品を扱っており、経済の柱とも言われている。
実は政府と繋がって時間停止の原因を知っていた。
[殺し屋‘スワン’]
名前はその名通り「白鳥」という意味。熊本日本総理大臣が雇ったプロの殺し屋。
4人構成の小規模な殺し屋だが、力や腕は本物。
メンバー全員は本名を伏せ、コードネームで呼び合っている。
[オレンジビーチ]
東京にある夕日がきれいな浜辺。
理子の父、賢治が埋葬されてある場所。
[畑山学園高等学校]
心一や桃子が通う都内の名門高校。
エターナルイレブン計画の標的とされ、第3部にて襲撃を喰らう。
[警察]
時間停止後は時間管理府と合併し、現在は警察という職はない。
[気象庁]
時間停止後は天気が一定のため、現在は存在しない。
- Re: 〜停止世界〜時間が止まった日 ( No.7 )
- 日時: 2010/06/09 20:24
- 名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)
☆☆停止世界のキャスト紹介☆☆
三上心一 [ミカミ シンイチ]
東京都内の高校生であり、第1の選ばれし者。
刑事の姉と母で3人暮らしだったが、人生を変えるために田中について行く。
父親は時間停止日の前日に謎の事故死を遂げた。
田中栄次郎 [タナカ エイジロウ]
時間管理府の元管理官。金髪で戦闘慣れの男。
時間が止まった真相を暴くために政府を抜け出し、現在は逃亡犯となった。
親友のチェ・クォンから受け継いだリストを頼りに選ばれし9人を探している。
水川桃子 [ミズカワ モモコ]
東京都内の高校生で心一の親友。
第2の選ばれし者で、成り行きで心一達について行くことになった。
家族内は複雑であり、両親は別居中。夢は歌手になること。
小沢理子 [オザワ リコ]
日本で大人気のアイドルグループ‘Dream’のリーダーであり、第3の選ばれし者。
両親を失い、父の復讐のために心一達と行動を共にすることになる。
チェ・クォン
関東治安部隊の元世田谷地区管理官である韓国人。
田中と一緒に政府を抜け出したが、逃亡中に桐谷に殺害された。
中村紫苑 [ナカムラ シオン]
ハイジャック犯である蛭ヶ丘刑務所の受刑者。
23歳と若いながらに刑務所に収監されたため、周りから目をつけられている。美保と仲が良い。
脱獄に成功して心一達の仲間となった。
石川美保 [イシカワ ミホ]
紫苑と同じくハイジャック犯で蛭ヶ丘刑務所の受刑者。
紫苑同様、脱獄に成功して心一達の仲間となった。
阿野次智 [アノツギ サトシ]
時間停止が政府の仕業だとテレビで発言したために捕まった蛭ヶ丘刑務所の受刑者。
元日本テレビ記者であり、めんどうくさがりな女性。
脱獄計画には加わったが失敗し再び再収監。その後、無理な逃亡を図ったが失敗し山本に銃殺された。
陸萄湟謎 [リクドウ オウメイ]
無口で冷静かつ冷徹な男だが、雅焔には優しい。
「黒法」という拳法を使い主に闘う。
紫苑を助けるためにヘリに一人で残り、国会議事堂に突っ込み命を落とした。
嘉神雅焔 [カガミ ガエン]
好奇心旺盛で考えるのが苦手な女の子。湟謎とは仲が良い。
桃子と理子と出会い仲間に加わる。
宮下源五郎 [ミヤシタ ゲンゴロウ]
第6の選ばれし者で青森の地下に住む元自衛隊員。
自衛隊時代の頃は、現在の総理である熊本と同じ隊に入っていた。
実は桐谷の父親であり、桐谷を冷酷な人間に変えた本人。
三上正弘 [ミカミ マサヒロ]
今は亡き心一の警察である父親。時間停止日に謎の突然死。
実は時間停止日2年前に桐谷と会ったことがある。
- Re: 〜The stop world〜 ( No.8 )
- 日時: 2010/05/31 22:14
- 名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)
【青年の不運な1年】
2012年 8月15日
何年経とうが、年月は永遠に変わらない。理由は時間が停止しているから。
時間が止まってから1年の月日が経つが、人々は平凡な毎日を送っていた。
しかし、東京都内に住む青年だけは違った_____
「心一、ご飯だってさ。」
部屋のドアを開ける、髪が腰まであるスタイルの良い女性は寝起きの顔で言った。
「あぁ。分かった。」
都内の高校1年生、三上心一は姉の仁美の言葉を聞くと、ベットから体を静かに起こす。
心一はカーテンを開け、空を見上げる。毎日同じ空だ。
雲の位置も同じ。毎日天気は晴れ。温度も一緒。
この1年で変わったのは、天気予報が廃止されたことぐらいだ。
「早く下りてきなさい!!」
1階から母の優子が叫んできた。心一は慌てて1階に下りる。
リビングには味噌汁の良い香りと卵焼きの匂いがふんわり漂っていた。
「心一遅い。」
「悪い悪い・・・」
心一は仁美に心ない謝りをすると、椅子に座った。
「それじゃあいただきまーす。」
心一達は箸を手に、朝ごはんを口へ運んだ。
そして、いつもの平凡な日々が始まるはずだった。
**********
一方、同じく東京 世田谷区
住宅街の中に一台の宅配トラックが入ってきた。
「うっ・・・朝か・・・」
トラックの荷台で寝てしまっていた田中は目を擦りながら立ち上がる。
昨日は桐谷と時間管理府の連中に追われて大変だったのだ。
「どこだここは?」
田中は荷台から顔を出し、周りを見渡す。
辺りはいつもと同じ11時の時間帯。いつもの様に晴れている。
「ここは・・・世田谷区か・・・・」
田中はトラックが減速しているのに気付き、迷わずトラックから飛び降りた。
身軽な動きで地面に着地すると、再び辺りを見渡す。
2階建ての同じような家が道を挟んで並んでいる。違うのは屋根の色だけ。
「これからどうすれば・・・・」
田中はポケットにある一枚の紙切れを取り出した。紙には汚い字で住所が書かれてある。
「ここに・・・最初の重要人物が・・・・・」
田中は紙切れを丸めて地面に捨てると、覚えた住所の場所まで走って向かった。
**********
朝ごはんを終え、高校に行く用意をする心一はため息をつきながら用意をしていた。
父の正弘が死んで一年、父親に甘えていた心一には正弘の死があまりにも残酷すぎた。
当時中学3年生の心一は、心から正弘の死を悲しんだ。
それから性格も生活も一変し、今では友人と言える存在はかなり少ない。
「さぼろうかな・・・でもそしたら・・・」
心一は以前、学校をさぼったことがあったが、その時は母や姉の説教で丸2日つぶれることになった。
それも嫌なので、渋々学校に行っている。
「さぼんなよ〜ぉ」
姉が部屋の外からわざとらしく言ってくる。そのまま階段を降りる音がした。
「はいはい。行きますよ、行けばいいんだろ。」
心一は鞄を持つと、玄関へ向かう。
玄関には仁美がスーツ姿で靴を履いていた。
「今日から仕事?」
「そ!!初出勤、警察も結構楽しそうだよ。」
仁美は生前、父の正弘が警察だったので遺志を受け継いだつもりで警察となった。
「二人とも、行ってらっしゃい。」
「行ってきまーす!!」
2人は玄関を出ると、仁美はバス停のある左へ。心一は高校のある右へ曲がった。
登校下校は常に一人。その方が心一にとっては落ち着く。
昔は5〜6人で帰っていたが、正直質問攻めであまり楽しくなかった。
心一はいつもの道を歩いていた。その時だった。
「すまない!!」
「え?」
突如、道の曲がり角から現れた男が心一の腹を殴る。
「あっ・・・・うっ・・・・・・・」
心一はパンチを諸に喰らったせいで、そのまま気絶してしまった。
男の正体は、紛れもない田中栄次郎だ。
田中は心一を担ぎあげる。その拍子で鞄が道に落ちた。
しかし、田中はそのことに気付くことなく、心一を連れてどこかへと走り去った。
- Re: 〜The stop world〜 ( No.9 )
- 日時: 2010/05/24 20:06
- 名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)
【序章の幕上げ】
国会議事堂 大堂特別会議室
総理大臣の熊本は逸早く会議室の中で資料を読んでいた。資料内容は時間停止について。
無論、日本政府や他の国の政府は時間を止めておくままにはしない。
どうにかして時間を動かそうと、再び時間を取り戻そうとしていた。
「・・・・滑稽な。所詮は無駄なこ・・・」
「総理。桐谷隊長と草山党首がお着きになりました。」
熊本の後ろから、秘書である男性が伝える。
と、同時に桐谷と時間管理府の党首である草山伸彦が現れた。
「総理、田中栄次郎は逃走しました。恐らくはまだ都内にいると思われますが・・・・」
桐谷が申し訳なさそうに頭を下げる。
「それは君に任せるよ。別に責めやしない。それより今は、『時間』をどうするかだ。」
熊本は桐谷と草山に資料を渡す。
「しかし、未だに時間の停止した原因が分からないとは・・・・」
草山が資料を見ながらつぶやく。
「NASAが1年前から調べているが、理由は不明。どの国もお手上げ状態だ。」
「いつ何が起きてもおかしくない。とにかく、急がねばなりませんね。」
桐谷がそう言うと、後ろから一人の金髪女性が桐谷の肩を叩いて現れた。
3人が振り向くと、そこには九州地方治安部隊の特別隊長である黒崎亜里抄がいた。
黒崎は全身黒のスーツで金髪という映画に出てきそうな容姿だ。
「黒崎、やっと着いたのか。」
「あなた方、何も知らないの?」
黒崎は3人を見て驚愕した。顔をしかめてため息をつく。
熊本はすぐに黒崎に質問する。
「なにかあったのかね?」
「ハイジャックですよ。本当に知らないんですか?」
「ハ、ハイジャック!?」
桐谷と草山はその言葉に呆然とした。熊本も口を開けてポカンとしている。
その時だった。
ピリリリ♪ ピリリリ♪
熊本の携帯が会議室に鳴り響く。
相手が誰かは予想はつく。今知ったのだから。
『熊本だ。』
『そ、総理!!大変です!!JAL東京行きの便が男女計8名の者にハイジャックされました!!』
『8名・・・。彼らは何か要求してるかね?』
『それが、時間を戻せと・・・』
熊本はその言葉を聞いてため息をついた。
ここ1年でそのような事件は多数起こっている。
市民は政府が核実験で失敗をして時間に影響を与えたとでも思っているのだ。
勿論、それは違うが・・・・。
『分かった。今から・・・・ん?その便の番号は?』
熊本はあることを思い出し、ふと質問した。
『Aー1100便ですが・・・』
「本城が乗ってるわ。」
熊本の会話が理解できたのか、黒崎が冷静に言った。
「本城君が乗ってる?・・・そうか。」
熊本は再び電話に耳を近付ける。
『そのハイジャックはすぐに鎮まる。君らは待機しておけ。』
『は?い、いや、しかし・・・・』
向こうがしゃべっているにも関わらず、熊本は携帯の電源を切った。
「本城は欠席確定だな。それでは、全員が集まり次第に会議を始めよう。」
**********
四国・中国地方→→→関東地方の上空
黒崎の言った通り、JAL東京行きの飛行機はハイジャックに遭遇していた。
しかし、それは数分前のことだった。
「まったく。これだからいやなんだよなぁ〜ぁ。」
だらけた口調で独り言をつぶやく一人の男性。
男性の足元には6人の男女が気絶していた。どの人物も無傷で床に横たわっている。
「こりゃあ会議遅刻だな。」
男の名前は本城琢哉。四国・中国地方の特別隊長であり最年少の隊長である。
本城は残りの二人を探すために、再び機内を歩き始める。
乗客は本城の正体を知っているので、かなり安心している様子だ。
時間管理府の人間は今や日本の正義のヒーロー的存在なのだ。
本城がスタスタと機内を歩いていると、残っていた2人の男女がハッチを開こうとしていた。
「おいよせ!!」
本城が叫んだその時だった。
2人はハッチを開き、高度1万メートルの空へと飛び降りたのだ。
本城は急いでハッチを閉めると、その場にしゃがみ込んでため息をついた。
「まったく・・・・ん?」
本城はハッチの近くに落ちていた謎のチップを拾う。
「これは・・・メモリーチップか?」
本城は不審に思い、それをポケットにしまうと席へ戻った。
- Re: 〜The stop world〜4話までうp ( No.10 )
- 日時: 2010/05/25 18:47
- 名前: ハバネロ (ID: EWcIN/Ij)
【時間停止の理由と政府の陰謀】
「うっ・・・・」
田中に殴られ気絶していた心一は目を覚ました。
心一は殴られた腹を手で摩りながら、体を起して辺りを見渡す。
どうやら廃ビルの中にいるようだ。どこの廃ビルなのかは分からない。
「目が覚めたか。」
心一が声に驚き後ろを振り向く。
後ろには田中が壊れた椅子に座って心一を見ていた。
「な、なんだよあんた・・・・・」
「俺は田中栄次郎。理由があってお前を拉致した。」
「は!?」
心一は田中の言葉に呆然とする。拉致される意味が分からない。
「名前は三上心一で間違いないな?」
「あ、あぁ・・・。それより!!なんで俺を拉致したんだ!?」
心一が再び質問した。
すると、田中の口から予想もしない言葉が出てきた。
「時間を・・・戻すためだ・・・・」
その言葉を聞いた心一は、言葉を失い動きが止まる。
拉致された意味の意味が分からない。この男は何を言っている?
心一は立ち上がると、急いで廃ビルを出ようとする。
「どこに行く?」
「学校だよ。俺は学生だ。さぼると面倒なんだよ。」
「行かせない。君は選ばれた人間なんだ。」
田中のその一言で、心一の心の糸が切れた。
「うるさい!!意味分かんないんだよ!!!お前は何者だ!?」
「時間管理府管理官の田中栄次郎だ・・・」
心一は田中の答えに顔色を変えた。
今世界を支えているとも言える政府の組織が拉致?
心一は田中の方を向くと、首を傾げて質問した。
「なんで時間管理府の、政府の人間が俺みたいな一般市民を拉致するんだ?」
「俺はもう政府の人間じゃない。今は追われてる。」
田中の話に好奇心で興味を持ち始めた心一は、その話を興味深々と聞く。
「追われている理由は、時間が止まった原因を知ってるからだ。」
「え!?」
心一は田中の顔を見て驚く。なぜなら、1年以上経った今でも理由が分からないからだ。
NASAが分からないことを知っている田中に、心一は不審に思った。
田中が知っているなら、時間管理府は知っているはず。
それに通じて政府全体がそれを知っているはずだ。
「あんた・・・田中さんが知ってるなら、政府は知ってるんじゃ・・・」
「知ってるさ。でも隠してる。その理由は分からない。でも、時間が止まった原因なら知っている。」
田中は一息つくと、原因を話し始めた_______
━━━━━時は1年前 2012年8月15日
政府は市民の目を隠れ、とある実験を行っていた。
その実験は、『タイムトラベル』。
時空移動装置を設計し、それは1年前の8月15日完成した。
実験に実験を重ね、本格的に人間を送り込む実験をする予定だった。
11時00分_______
実験はスタートし、何もかも順調に進んでいた。
が、それは一瞬で砕け散った。
装置が突如暴走。その場にいた研究員18名、下見に来ていた政府関係者5名が謎の光に飲み込まれ消失。
すべては実験施設の監視カメラに映されていた。
そう、装置の暴走で実験室にいた計23名の人間がタイムトラベル。
どこにタイムトラベルしたかは不明。過去か未来か。
装置はそのまま暴走し、大爆発を起こした。
その瞬間、大気が震え世界の時間が一瞬で停止。
政府はすべてを知っているが、その真相は言わない。
理由は分からない。しかし、政府は何かを仕出かすつもりだ。
このままにしておけば必ず近い未来、大変なことが起こる。
だから、この俺田中栄次郎は政府を逃げ出した。
俺のほかにもあと一人、仲間がいたが桐谷という男に殺された。
━━━━━
話を終えた田中は心一の顔を見た。
心一は話を聞いて同情するが、疑問点が一つある。
「なんで、俺が関係ある?」
「あるリストに君の名前が載っていた。」
「リスト?」
「あぁ。よく分からないんだ。急いで逃げてたからな・・・」
田中はそう言うと、床に座り込んでため息をつく。
心一は田中の話を聞いて心が揺れていた。
そして、心一の人生は田中との出会いで大きく変わるのだった
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