ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 【時々激グロ】僕らの日常非日常
- 日時: 2010/06/04 22:46
- 名前: 笹飴 (ID: LYNWvWol)
クリックありがとうございます(^ω^)ゞ
初めまして、笹絹といいます(・∀・)
こっちの投稿だと初めてになるかなー?名前変えてはびこってます。
こいつ笹飴じゃね?みたいだったら優しく見守っててあげてください(^ω^;)
一応初投稿なので緊張してます(^ω^)ドキドキ
コメント大歓迎!
だけど中傷・荒らし様はスルー(´・ω・)させて頂きます。
誤字脱字あり、のろのろ気まぐれ。
■ ■ ■ ■ ■
世の中には色んな人がいます。
対称的な異なる人格を持ってたり、変な趣味があったり、変なものに反応する性癖の持ち主とか、依存して抜け出したくても抜け出せない、とか。
これはそんな彼らの楽しい日常のお話です。
※この小説は流血、猟奇表現が多数含まれます。
抵抗を持つ方は気分を害されないために即バックをお願いします!!
キャラクター>>1
夢>>2
1話>>3
2話>>4 >>5 >>6
3話>>7 >>8 >>9 >>10 >>11
4話>>12 >>13 >>14 >>15 >>16
- Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.7 )
- 日時: 2010/05/30 00:37
- 名前: 笹飴 (ID: LYNWvWol)
2話《三歩目のブランク》
お早う、今日も相変わらずの馬鹿みたいな夢を見た。
そして机にはまた増える“正”の一画。
そして弟からの紙切れ。
有り難う、今日はなんだろう?
そうか、元気そうでよかった。いつか顔を合わせたいな。
喋り辛い・・・。
・・・ん?あ、今日は吐いてないっぽい。よかったよかった。
でも喉がヒリヒリする。
風邪でも引いたのだろうか、でもそんな感じは・・・・。
喉に触れてみると、かすかな皮膚のささくれがある。さわった手のひらを見てみると見事に血液べっとりだった。
・・・は?あぁ、喉掻き毟ったのね、うーん・・・夢のせいかな、まぁどうでもいいや。このままだと制服も血液べっとりになる。それはさすがにごめんだ。しょうがない、包帯でも適当に巻いていこう。
布団には危うくあまりついていないようだった。
血液って時間がたつと独特な死臭を漂わせるから学校はともかく、部屋中そんな状態になったらちょっとまずい。
昨夜に着ていたと思われるワイシャツも襟元がそれでぐしょぐしょだった。あと血液だけじゃなくて涙と思われる痕もあるし・・・。
まだ学校には余裕で間に合う。シャワーでも浴びていこう。
喉に強い水圧の水をあてると微かにヒリヒリした。鏡を覗くとまだ生々しく爪のあとが残っている。
しっかりと目を凝らして見ると皮を通り越して肉まで抉る状態まで陥っていたらしい。少し触れるたびにそこが薄赤く染まる。
こういうときに痛さに鈍感でよかった、と安心する。
延々と水を放出し続けるシャワーを生ぬるいお湯に替え、僕は目を閉じた。
目にかかる前髪が鬱陶しかったが素直に、何も考えずにそれを浴びた。
ごわごわした原因がわかった。
しまった、昨日薬飲み過ぎた。
あと今日の朝の分の1セットしかない、まずい、まずいぞこれは
なんとか朝は持ちこたえることができるのだが、昼以降が本格的に眠くなる。今日は一日中保健室かー・・・まぁそれも悪くないかもしれないけどさー
替えのワイシャツの上に学ランをはおうと薬を持って家を出た。
朝は食べると50倍くらい眠くなるのが早くなる。
悪いけどそんなの自分はごめんだ。
それに薬飲み過ぎて頭が二日酔いみたいにガンガンする。
二日酔いとかなったことないけどこんなんなんだろうな・・・それに妙に切り傷とかの怪我には強いくせにこういう地味な頭痛とか腹痛とかって滅多にならない代わりにめちゃくちゃ痛くなるんだよね。まぁ常人並みってことかな。
今だって動けないくらい痛い。
端から見ればものすごい顔色だと思う。でも今回は僕が勝ち組。
バスだって誰もいない5時台のやつ乗ったし。
運転手さんもぎょっとしてた。
なんかごめんなさい運転手さん。
なんとしてでも起きていよう、と思い耳にイヤフォンを差し込む。
心地よいヴァイオリンの音色が頭を通り過ぎる・・・がそれを追いかけるかのようにすさまじい痛みが・・・。
やっぱり今日は一日中保健室かもしれない。
- Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.8 )
- 日時: 2010/05/30 00:37
- 名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)
下駄箱はまったくもって・・・あ、裕理さん早い。もう来てる。
で、教室には誰もいない、と。
教師に置き手紙だけして保健室の鍵を借りて直行。
あれ、無い?
ってことはもう保健医来てんのかな?
保健室の扉を左側に引くと裕理さんと思われし頭が見えた。
「早いね裕理さん」
「あ・・・お早う、進くん。今日はちょっと体調が良くなくてお父さんに早めに学校送ってもらったの」
天使の笑顔、そう例えようか。
そんな感じでにっこりと微笑んだ裕理さんは無駄に高級そうなムードを出しているソファーに腰掛けながらそう言った。
でもこれで一日中ってちょっと気まずい気がする、あ、でも途中から寝るしいっかなー?
薬を丸テーブルの目のつきやすいところに置いておく。すると、彼女はそれを珍しそうに覗きにいった。まぁあの量だったら驚くわな、凡にカプセルが4つに錠剤が6つ、粉薬が2つ。
粉薬はめちゃくちゃ苦いし半端ない量だし、錠剤はばかでかいし。
「何の薬?」
「相変わらずの眠気起こさせないやつ。効果なしに等しいけどさ」
くすくすと笑う裕理さん。ちょうどそのころから生徒が学校に入り始める。無駄に早く来て朝練をしている生徒もときどきいるが、ほとんどはこのぐらいに登校してくる。
「私、先生に出れないってこと伝えてくるけど、進くんの分も伝えてこようか?」
親切だね
「有り難う、よろしくねー」
ぱっと手を挙げ、顔の横でひらひらさせるとまたくすりと笑い部屋から出ていった。
それと同時に竣が駆け込んできた。
朝の静寂をぶち壊した彼を冗談半分で睨んでいると焦ったようにこちらへ走り寄ってくる。
「お前テスト!良かったな、おみごと1位獲得おめでと!」
え、まじ!?
以外と朗報だった。うれしい、地味にうれしい、と同時に先ほどまでのすさまじい頭痛が襲ってくる。
だが彼の視線は開きかけた学ランのホックの向こう側に集中していた。包帯だもんな、しょうがないか。
頭を押さえながらその結果を竣に問いかける。
「で、何が1位?どうせ国語は裕理さ・・・」
「いやいや、実は国語は裕理は4位ぐらいだったんだけど!で、進が1位なのは国語と英語ね」
「・・・それ以外は」
「ずば抜けて裕理が1位でしたー。いつも通りのオチですよ」
「総合」
「お前さんは相変わらずの2位」
少し残念そうな顔をしながら友人の快挙を祝っている、そんな表情。
で、視線は僕の首もと。もう包帯なんてお前だってしょっちゅうだろ、こっちばっか見んな。
国語と英語が1位だったとしても結局裕理さん。
上の人を馬鹿にする気はないし下の人間を踏みにじるのも府に落ちない。でも気になる竣の成績。
「俺?あ、総合は34位だった」
「おめでとう、でもなんだか面白くないけど」
「うるさいなー!!前よりは上がったじゃんか!もうちょいでシルバーゾーンだしさ」
ブロンズゾーンとは30位から20位までのこと。なんだか昔の味がするが、先生たちの呼び方だったらしい。現在はどうなのか知らん。
で、19位から10位までがシルバーゾーン、9位から5位までがゴールデンサークル、で僕のいる4位から1位がプラチナサークル。
なんでゾーンからサークルになるのか疑問だがそこは突っ込まない方向でいこう。
裕理さん・・・相変わらずすごいな・・・。
でも僕は今回社会と英語しか勉強してないし結構いい成績は取れたと思ってる。う・・・・頭が・・・。
- Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.9 )
- 日時: 2010/05/30 00:38
- 名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)
「・・・あのさ、包帯どしたの?」
「喉が痒くて掻いたらちょっと、ね」
首の後ろが落ち着かないと思ったら包帯が外れていた。
あとで裕理さんにでも直してもらおう。
まだ微かに血が滲んでいるらしく、包帯の下部はぐっしょりとしていた。竣の前で取るわけにはいかないし頭も痛いし・・。
立ち上がって頭痛薬を取りに行くと心配したように竣が薬に手を伸ばしてくれた。
「ありがと」
「・・・頭痛?」
「うん。風邪引いてね」
薬の大量摂取なんて言えない。
きっと頭痛も薬の副作用なんだと思う。
喉がひりひりするのと同時に頭痛が襲ってくる、というのも結構キツいんだなーと思った。
ふと放送が流れたかと思うと、チャイムがいつものように鳴り響く。なんだか裕理さん遅いなーとか思いながら竣に目で合図した。
「あ、じゃまた来るから」
「じゃね」
いなくなったのを確認して首に巻かれた包帯を引き剥がす。
しまった、強くやりすぎた。
せっかく血餅たちが瘡蓋を作ってくれたというのに無理矢理それをめくってしまった。
また溢れでる血液。やばい汚れる。
あわわと思いながら首元を用意されていたタオルを当てているといいタイミングで裕理さんが戻ってきてくれる。
彼女は焦ったように包帯をとりだし、慣れた手つきで巻いてくれた。
「ごめんね、ほんとごめん、ごめんごめん僕の不注意で・・・」
「危なかったね・・・痛くない?首絞まってない?」
「ありがとう、丁度いいよ」
あははと微笑むと裕理さんもつられたようにくすり、と笑った。
あと知らないうちに彼女の手も僕の手も血液でぐっしょりだ。
自分は兎も角、さすがに他人に自らの体液をつけたままほおっておくのは居心地悪い。
彼女の手をとり、濡れたタオルで拭き取ってやると心底恥ずかしそうな表情をしながら僕に話しかける。
まだ血は乾いていなかったようで手に付着したそれは思ったよりもきれいにとれた。
「ごめんね・・・迷惑かけちゃって」
「僕だって他人に・・・」
「ううん。私保健委員だからこんなのしょっちゅうだし、それに気使わせちゃって・・」
わずかに紅潮した頬に両手をあてて窓の外に目をやる裕理さん。
これは男子が惚れるのもわかるなー・・・と思う。
「あのね、お昼くらいに陽が来るみたい。進くんのこと心配してたよ?」
「あれ、そうなの?わーなんかうれしいね」
ぽてぽてした笑顔を僕は漏らすとそう答えた。
「あと寝るね」
「うん。お休み」
無駄に無愛想に答えるとベッドへ潜り込んだ。
頭痛がひどい。悪い夢を見そうだ。
やめてくれよ学校で叫び声なんて上げたくない
ない
ないな・・・い
- Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.10 )
- 日時: 2010/05/30 00:38
- 名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)
起きたら口が鉄分臭かった。
やっぱりだ。
血反吐吐いてやがる。すっぱい。なんだか口が酸っぱくて酸っぱくて。あと今日は足の小指の爪が剥げてた。
剥き出しの薄ピンクの肉からわずかに血液が滲み出ている。
これで全部剥がされたらちょっと恥ずかしいかも・・・。
血反吐の原因。
お恥ずかしながら無意識で首を絞めていたらしい。さすがに苦しかったのか、起きた。
部屋を見回すと裕理さんの姿はなかった。頭痛も薄れてきて喉の痛痒さもなくなっている。体を起こして頭の横にある金属製のボール口の中に溜まった血を吐くとそれを持ってベッドから降りる。
靴下の消失。
爪が剥がされた方の靴下が消えた。
床がひんやりしてる。
「よぉ、元気そうだな」
「相変わらずの元気です。お生憎さま、先輩は骨折ですか?」
「打撲。自転車乗ってたら思いっ切り電柱に衝突した」
「先輩らしいですよあはは」
ソファーには裕理さんの代わりに佐藤先輩がお目見えしていた。
電柱に衝突とか・・・笑える。
よかったのがあちらから足とかボールの中身が見えないこと。
随分こいつは表だと強がってるくせに意外と気が弱くてヘタレらしい。鼻で笑ってやるとムッとした顔をして僕に背中を向けた。
その隙を見て僕は血反吐を配水管に直接流した。
こんなのが川をそのうち下ると思うと笑いが出てくる。
知らず知らずに先輩が再びこちらを覗いていた。
「なんですか?嫌味?」
「黙れ、いや何流してんのかなーって思って」
「先輩には関係ないことです」
佐藤先輩に見せる精一杯の侮辱の笑顔を見せると相手も相手で“グー”の親指を下に下ろした。
「佐藤くん?」
「あ、先生!打撲なんですけど・・・」
「あれ、じゃあこれでも当てといて」
保健医の宮が戻ってきた。
先輩が症状を保健医に伝えると宮は手早に冷凍庫から氷が入ったと思われる袋を取り出し彼に差し出す。
もう少し対応をしてほしそうな表情を見せながらそれを患部に当てていた。
「ちょ、今日は爪剥ぎと血反吐ですか」
「いやー・・・小指触ったら爪が消え失せているもんでね」
「で、裕理ちゃんは?」
「教室ですかね、わかんないです」
小声でそんなことを話していると噂をすればなんとやら、裕理さんが扉を開けてやってくる。佐藤先輩に愛想良く会釈をした彼女はこちらへ向かってきた。
足と血のついた口元を交互に見ながら彼女は心配そうに、だけれどなんだか安心したように言葉を発した。
「大丈夫?痛くない?」
「あ、ありがと。すーすーしてひんやりびりびりするくらいだよ」
「それなら、良かった」
僕の口元を彼女は自らのハンカチで拭ってくれた。女の子らしい兎のキャラクターが顔を覗かせたドット柄のハンカチ。
申し訳なくてそれを彼女の手から外すと恥ずかしそうに『ありがとう』とだけ返事をして宮の方へと向かった。
そんな僕らを恨めしそうに睨んでいる佐藤先輩。
「何です?」
「なんでお前ばっかし美人と・・・」
「先輩に積極性がないのが悪いだけですよ?文句はほどほどにしてくれません?」
上から目線で言うとしぶしぶ引き下がる先輩。相変わらずのヘタレっぷり、使える使える。
で、すーすーひんやりびりびりする小指の処理をどうにかしなければいけない。手に握ったハンカチをポケットに突っ込むと足の指を動かした。
適当に消毒液をかけて大きめの絆創膏を巻く。所詮爪。どうせ何年か後にはすぐに復活するはず。
片方裸足という怪しげなファッションで適当にスニーカーに足を突っ込んで宮と裕理さんの元へ走りよる。
「お前さ、何回血反吐流すなって言った?」
「別に人目にさらされるとか汚れるとかそーいうわけじゃないしいいんじゃないですか」
「川の魚に申し訳ないだろ」
「知りませんよ」
そんな会話を宮と繰り返していると隣の少し低い位置から裕理さんがくすりと笑った。
- Re: 【時々激グロ】他自殺志願 ( No.11 )
- 日時: 2010/05/30 00:38
- 名前: 笹絹 (ID: LYNWvWol)
「ほれ、座れ」
そう宮に言われ、丸椅子に腰を掛ける。首の包帯を巻き変えてくれるようだ。気が利く。
包帯をすべて取り終えたと思ったときに後ろから小さな悲鳴が上がる。うなじあたりに傷が刻まれていたようだ。それも悪趣味に十字架の模様が彫られている。それも随分鋭利に深く。
特別に驚きもせず宮は僕の首に再度包帯をぐるぐる巻きにしていく。なんか躊躇ったり労ったりしろよ・・・このアホ医師。
裕理さんは冷蔵庫にパンパンに詰め込まれた果物の中の洋梨を取り出し果物ナイフで器用に皮を剥いている。
「自分で首締めて死ぬのだけはやめろよ。俺が連れて行かれる」
「生徒を労る気持ちを持ってください先生。」
正直僕が何者かに攻撃を受けていること、自虐行為を無意識で行っていることは僕自分自身と宮保健医、裕理さんしか知らない。
こんなのを学校の七不思議なんかに登録されたらたまったもんじゃない。
そんなくだらないことを考えているうちに処理が終わったようだ。
「お前のおかげでここの包帯はもう三分の一しかない。
「おめでとうございます!」
精一杯うざったい表情をつくると宮は不機嫌そうな顔をして「っち」と舌打ちをした後に裕理さんの切った梨を一切れ口にくわえながら場を去った。
「相変わらず先生はお人好しね、あー見えても以外と気遣ってくれるし私は好きだよ?」
「裕理さんは人柄が良すぎる。無理しなくていんだから」
僕のその言葉にくすくすと笑いながらナイフを置いて瑞々しい梨の乗っかった皿を運んでくる。
佐藤先輩は寝てた。早く寝てどっかいけ。
これを食べたら帰ろう、心にそう決めて無表情にそっぽを向く梨にフォークを突き刺す。
もうすぐで──夜だ。
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