ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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人物語 -1905日間の放課後- 第五晩up オリキャラ募集
日時: 2010/06/25 20:41
名前: 音暮 ◆KGyV2CsFBI (ID: tVOKPYTM)

ども、はじめまして……な方が多いですね。

随分前にカキコ住民だった者です(軽く一年前カナ
当時の名前はもう覚えてません(アハ
僕、ハムスターと同じ脳ですから☆
てことで、改めて自己紹介。
音暮『オトクレ』といいます。どぞ、よろしく。

えー……。んでっ!! 小説の紹介。
この小説のイメージは【生死・鎖・自分】と、
時々【戦闘】みたいな感じッス。

ん〜分かりづらいので、詳しくは今後小説を読むべしっ!!(殴

では、
人物語 -1905日間の放課後-
お楽しみくださぃ。

◆人物語 Contents...◆

Opening... >>01

第一晩 「終戦」  >>02
第二晩 「雨月」  >>03
第三晩 「笑顔」  >>04
第四晩 「出会い」 >>08
第五晩 「始まり」  >>16

◆お客様◆
花札様、遊太様、煌謎様、金平糖様、その他読者様
◆お知らせ◆

ん? もう飽きたから帰りますって?
残念ですね。
また、来てくださいよ?
では、お気をつけてお戻り下さい。

See You Good Bay...

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Re: 人物語 -1905日間の放課後- ( No.4 )
日時: 2010/06/14 15:38
名前: 音暮 ◆KGyV2CsFBI (ID: olAAS3wU)

第三晩 「笑顔」

あの牢獄から少し離れた場所に今俺はいた。
久しぶりに吸う外の空気。
風を感じるのもかなり久しぶりだった。
髪が風に流れて頬に触れる。
「……」
大きく息を吸い込みそして目を閉じた。
外だ。
三年ぶりの、外。
「なぁ、雨月。お前は戦争機械か?」
いきなりそんな事を尋ねられた。
戦争機械、言葉自体は知っているが……。
「そんな訳ねぇだろ。俺は普通の人間だよ」
そう答えれば、男、確か獅堂だったか、彼は少し驚いたように目を見開いた。
「え、じゃあ、お前、あの場所が何の場所だか知ってる?」
「知らねぇけど」
そう返せば、獅堂は困ったように頭を掻いた。
「あそこな、戦争機械の牢獄なんだよ。てっきり俺はお前もそうなんだと思ってた」
戦争機械の牢獄。
そんな所に何故俺が投獄されてたんだ?
俺はただの人間で、
連れ去られたときも、何処にでもいる普通の中学生だった。
そんな俺が何故?
「少し謎も残るけど、まぁいいか。雨月、お前は何処か帰る場所はあるか?」
真剣な顔で尋ねる獅堂に俺は息を呑んだ。
帰る場所。
そんなもの、俺にはない。
俺には家族なんて残っていない。
全員、殺されてしまったから。
敵であった米兵じゃなく、味方のはずの日本兵に。
あの惨劇を思い出し、俺は強く手を握り締めた。

「……じゃぁ、俺と一緒に来るか?」

俺の様子を見ていた獅堂がそう呟くように言った。
「猫でも拾ったと思えばいいか。お前さえ良ければ、俺はお前を歓迎する」
そう言って俺の目の前に手を差し出した。
あの、笑顔で。
「アンタは、迷惑じゃ……ないのか?」
俺は少し俯きながら訊く。
「俺ん家にはお前みたいな拾いモンがいっぱいいるからな。全然迷惑じゃねぇよ」
そう言って手を前に出す。

俺は、その手を掴むのが、怖かった。
また、失ってしまうんじゃないか。
そんな事を考えていた。
血塗れで倒れる家族の姿が脳裏に蘇る。
失うくらいなら、最初から何もないほうがいい。
「俺は……」
俺が口を開くと同時に獅堂は無理やり俺の手を自分の手を重ねた。
「お前、またマイナスな事考えてんだろ? 今はいいよ、考えなくても。だから、来いよ」
そう言ってあの、無邪気な笑顔を見せた。
「っ……」
コイツの笑顔は俺の涙腺を緩める。
泣くつもりなんてないのに、自然と涙が溢れた。
スゥーと一筋涙が頬を伝う。
「くそー……泣くつもりなんてねぇのに……。なんだよお前、人の涙腺緩めるなよ」
そう言えば、獅堂はまた笑って俺の頭を撫でた。
「よし、お前は今日から俺の仲間だ。ついて来い、他の拾い猫も紹介しなきゃな」
俺は前を歩く獅堂の背中を追いかけた。
まだ、完璧に信用したわけじゃない。
けど、コイツについて行けば、
いろいろと分からない事が分かるんじゃないか、そんな期待もあった。

何故、俺があの場所へ投獄されたのか。
日本兵に何故家族が殺されたのか。

知りたい。
知るためなら、俺は藁でも何でも縋ってやる。

「ありがとう……獅堂」

その俺の呟きに、
獅堂は嬉しそうに微笑んだ。

Re: 人物語 -1905日間の放課後- ( No.5 )
日時: 2010/06/15 20:15
名前: 音暮 ◆KGyV2CsFBI (ID: olAAS3wU)

感想や、アドバイス、求む!! です。

なかなか成長しないこの駄作者に
厳しいアドバイスや
感想を!!

受験のせいでマイナスな僕に元気を下さい(殴

Re: 人物語 -1905日間の放課後- ( No.6 )
日時: 2010/06/15 20:50
名前: 花札 (ID: Nke4dy0y)

話がとても深くてとっても文章の言葉にジーンってきます!
音暮さんは駄作者なんかじゃありません!

Re: 人物語 -1905日間の放課後- ( No.7 )
日時: 2010/06/16 18:45
名前: 音暮 ◆KGyV2CsFBI (ID: olAAS3wU)

花札さん、ありがとです!!
いやー駄作者ッスよ^^ でもそう言ってもらえて嬉しかったです。
てか、受験生のはずの僕は
パソコンしてていいのでしょうか(笑

ということで、更新します!!

Re: 人物語 -1905日間の放課後- ( No.8 )
日時: 2010/06/19 19:29
名前: 音暮 ◆KGyV2CsFBI (ID: olAAS3wU)

第四晩 「出会い」

獅堂によって連れて来られたのは、高級そうなビル。
よく都会にある高層ビルを思い浮かべてくれればいいだろう。
そのビルの最上階の一室、扉に掛けられたプレートには“万屋本部”と丁寧な字で書かれていた。
「万屋、本部?」
俺はそのプレートを見つめ、呟いた。
「万屋って他にはいろんな所に支部があるんだよ。結構大きな会社なんだぜ」
そう言って扉を開ける。
俺が入っていいのか戸惑っていると、来い来いと手招きをされた。

「あーおかえり、社長……って。その子誰ッスか?」
俺が部屋に入った瞬間、青い瞳に見つめられた。
年齢は、十代後半と言ったところだろうか。
「え、あ、俺は……「コイツ俺の家族」
答えに戸惑う俺の代わりに獅堂がそう答えた。
「はぁ!? まさか、隠し子ぉ!?」
その青年はケダモノー、と獅堂を指差し叫んでいた。
元気な声が室内に響く。
「バッカ!! 違ぇよ!! 拾ったの、今日の任務先で」
それに反抗するかのように獅堂が声を上げた。
「……それはそうと、その子……訳有?」
青年はいきなり落ち着いた様子で俺の腕を指した。
あらためて考えれば、服は獅堂がパーカーを貸してくれたため異常は無いが、手と足首には鎖が残っていた。
「あ、忘れてた」
『忘れんなよっ!!』
俺と青年の声が重なった。
後でなんとか取ってやるよ、獅堂は手をひらひらさせながらそう言った。
「……まぁ、俺も訳有青年だし? 今は詳しい事、聞かないよ」
青年は歯を見せて笑った。
また獅堂と同じ、屈託の無い笑顔。
「……ありがとう」
俺のその返答にまた嬉しそうに微笑んだ。
ホント、こんな笑顔に囲まれてたら俺、涙腺緩みっぱなしだよ。
そんな事を考えながら、少し笑みを零した。
「で、お前。名前教えてよ」
「雨月、獅堂……雨月だ」
そう言うと青年は、やっぱり隠し子じゃねぇかっ、と叫びを上げていた。
それに違う違うと否定し説明する獅堂。
そういえば俺、獅堂の下の名前知らない気がする。
「なぁ、獅堂の下の名前って何?」
喧嘩している二人の間に身を入れて、そう問う。
「あ、言ってなかったっけ? 名残(ナゴリ)だよ。あの、名残雪の名残」
人差し指を立てながら言った。
「あっ!! 俺も自己紹介。俺は望月 甘露(モチヅキ カンロ)っつーんだ。よろしく、雨月」
「よろしく、甘露」
そう言って手を差し出そうとした甘露はその手をヒュッと引っ込めた。
俺が不思議そうに顔を見れば、困ったように笑った。
「んー……。俺とは握手しない方がいいよ。伝わっちゃうからさ、いろいろ」
疑問が少し残ったが、あえて深追いはしなかった。
あまりに困った顔で笑うから。
そんな微笑ましい一時を過ごしている時だった。

窓ガラスが飛び散り、カーテンが風に揺れる。

「何事だっ!!」
甘露は自分の腰元のホルダーから小型ナイフを取り出し構えた。
名残も緊張したような表情で窓の外を見つめる。

「こんにちはー。機械回収係でぇす」

人を小馬鹿にしたような声が室内に木霊する。
そして緊張した空間に現れたのは、黒いスーツを着た、数人の男達だった。



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