ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

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━Solitary killer━10話うp
日時: 2010/06/20 21:03
名前: 律零 (ID: EWcIN/Ij)

☆☆☆素敵なお客様方☆☆☆☆
禰音鏡幻様 白月様 金平糖様 りん様 黒翼様

☆☆☆☆☆☆☆☆☆


人間は常に______

復讐心に満ちている______


オリキャラ募集用紙>>3
用語集>>22
〜STORY〜
登場人物>>2 >>19
>>1   【プロローグ】
>>7   【殺人】
>>11  【出会い】
>>12  【初任務 前編】
>>16  【初任務 後編】
>>17  【失地悠】
>>18  【交渉】
>>20  【関西へ】
>>21  【裏切り者】
>>25  【八機将の力】

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Re: ━Solitary killer━オリキャラ募集 ( No.16 )
日時: 2010/06/18 18:17
名前: 律零 (ID: EWcIN/Ij)

【初任務 後編】

青葉、灰些、流沙を乗せた黒いバンは、東京ビル群の中を走行中であった。
辺りはすっかり夜となり、街をネオンが彩っている。空に輝く星がちっぽけに見えた。
灰些は目的地に着く前に疲れ果ててしまっていた。
ただでさえ乗り物酔いが激しいのに、バンに乗って早2時間。まだ着かないのか?

「着いたぞ。」

運転する青葉は、前方を指で指しながら2人に言う。
2人が指さした方向を見ると、4階建てのブラウン色のビルが建っていた。
3階がターゲットのいる会社らしい。電気はまだついている。
「降りたらすぐに向かい、迅速且つ冷静に行動しろ。」
青葉は会社の目の前に車を止める。3人は車から降りると、武器を確かめた。

灰些はいつも使うイニシャル入りの特注ナイフを手に取る。

流沙は黒い手袋を両手に着けると、右手に搭載されていた赤い小さなボタンを押す。
すると、手袋に電流が流れ始めた。
流沙の‘スタンガンハンド’は敵を掴んだだけで気絶させる代物だ。ちなみに1万ボルト。

青葉は2人と違い、武器も何も持たずに白い手袋だけをつけた。
一流の殺し屋である青葉は、珍しく武器を使わない先方である。

3人は目を合わせると、会社に向かって走り始めた。

─────

会社内

金融会社を経営する双子の詐欺師、田中門司と庄司は2人で黙々と仕事をしていた。
「次の目標見つかったか?」
「70前半のババア。こいつなら詐欺できるぜ。しかも、かなり金持ってやがる。」
兄である門司は不気味な笑みを浮かべ、ボサボサの髪を掻きあげた。
弟の庄司は詐欺の目標となった人物の資料を手に取り、会社の玄関を開ける。
その時!!

「うらあ!!」

ドアが開いたと同時に、青葉が回転蹴りをしながらドアごと庄司を吹き飛ばした。
「ぎゃあ!!」
庄司はデスクや資料が積まれた棚に突っ込み、そのまま動くなる。
門司は腰から2本のナイフを取り出し、3人を呆然と見つめた。
「な、何者だ!?」

「ネメシス・ティシフォネだ。お前らを抹殺する。」

青葉の言葉に、門司は顔の色を変えた。
犯罪者の大半はネメシス・ティシフォネが暗殺専門店ということを知っている。
「俺らも目がつけられたのか・・・・」
灰些はこれから激しい戦いになると感じた。
が・・・それはあくまで考えだった。

「ひゃっはぁぁぁぁ!!!!!!」

青葉と灰些を飛び越え、流沙が門司を上から襲いかかった。
「なっ!?」
門司はナイフを構えるが、それは無駄な抵抗と同じだった。
流沙は門司を床にたたきつけ、そのまま首を掴む。
「あばよ。この私、縛波に殺されたことを幸運に思え。」
流沙の闇の部分、縛破はスタンガンハンドのスイッチを入れた。

「あ、ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

門司の体に1万ボルトの電撃が流れ、わずか10秒ほどで黒こげとなった。
「さすがだな。縛破。」
「なめるな。さて、帰ろう。」
縛破はそう言うと、足早に金融会社を出て行った。
灰些は出る幕もなく、青葉の顔を見る。
「ま、いいんじゃないか。」
青葉はそれだけを言う。
灰些は何もできなかった自分に悔み、止むを得なく車に戻ったのだった。

Re: ━Solitary killer━ ( No.17 )
日時: 2010/06/19 11:58
名前: 律零 (ID: EWcIN/Ij)

【失地悠】

初任務を終えた翌日

灰些は任務の報酬を受け取るため、日曜日の朝一に施設から出た。
ネメシス・ティシフォネは隣接して建っているため、歩いて数秒で着いた。
「おはよう。昨日の初任務どうだった?」
会社の玄関には、マイペースで毒舌家の東雲続が立っている。
灰些は先輩である続に頭を下げながら疑問を抱く。
普段、滅多に会社に来ない先輩がなぜ朝早くここに?

「失地悠が来てんだよ。」

「え!?」

灰些はある人物の名前を聞いて驚愕する。
失地悠とは、関東最強の殺し屋であるのだ。その有名な殺し屋がこの会社に来ている。
見てみたい・・・
まだ高校1年生の灰些は、好奇心に駆られ会社の中へと足早に入る。

エントランスにはすでに数名の殺し屋が集まり、一番前には社長である山中が立っていた。
一番後ろにいた青葉は振り向き、灰些がいることに気付くと歩み寄ってくる。
「灰些。おはよう。もう聞いただろ?」
「は、はい。でも、なんで有名な失地悠先輩がここに?」

「遠征任務を組む為だ。」

「え、遠征任務?」

灰些は首を傾げながら青葉に聞き返す。
「関西にある悪い組織を殺す任務だ。たぶん、行くとなると1週間は戻れない。」
灰些は「1週間」という言葉を聞いて悟った。
「それなら・・・・」
「お前はまだ高校生だし学校もある。それは愚か、遠征メンバーに入っていないはずだ。」
灰些はそう言われ、悲しい顔をする。
しかし、無理もなかった。
たった一回の初任務を成功させただけ。しかも、成功したのは先輩である流沙と青葉のおかげだ。
「今日はとりあえず、一旦施設に戻れ。」
「分かりました。」
灰些は青葉に一礼すると、渋々施設へと戻って行った。

─────

灰些が帰ったと同時に、青葉たちの目の前に失地悠が現れた。
失地は背中に‘鷹’が描かれたコートを着用し、左目には眼帯をしていた。
「みなさん、こんにちは。失地悠です。」
失地は34歳のわりに若い声で淡々としゃべる。
「今日は遠征メンバーを組む為にこの会社に足を運びました。まあ、ある程度はこちらで勝手に決めました。」
失地はそう言うと、ズボンのポケットから一枚の紙を取り出す。
「じゃあ・・メンバーを発表します・・・・」

──────

関西 大阪

活気溢れる大阪の街中に、一棟の10階建ての建物が建っていた。
‘機械企業 関西鳴山コーポレーション’と呼ばれるこの大企業は日本で5本指に入る企業だ。
そんな企業が、今回殺し屋の目標に入ったのだ。
理由は簡単。この企業は犯罪を犯しているから。
その犯罪とは________




殺し屋殺し────

Re: ━Solitary killer━6話うp ( No.18 )
日時: 2010/06/19 15:38
名前: 律零 (ID: EWcIN/Ij)

【交渉】

施設に戻った灰些は、廊下を歩いて自分の部屋に戻る。
「あっ!灰些、どこ行ってたの?」
灰些の部屋にはなぜか玲奈がいる。
「なんで俺の部屋にいるの?」
「え?灰些探してたんだよ。食堂にも広場にいなかったから。」
玲奈の言葉に灰些は納得する。
しかし、いつまで自分が殺し屋だという真実を隠せばいいのだろうか・・・
灰些はため息交じりに時計を見る。

午前10時21分

まだまだ1日は長い。遠征メンバーはもう発表されているだろう。
「どうしたの?てかさ、どこ行ってたの?」
「散歩だよ。・・・まだ行くところあるから」
灰些はそう言うと、あることを思い出して部屋を飛び指した。
後ろから玲奈が呼びとめる声が聞こえるが、ここは無視することを優先する。
そして、施設のある場所へと向かって走って行った。

─────

施設の最奥 室長室

施設を管理する室長、桃山邦江はデスクでコーヒーを飲みながら孤児の資料を片付けていた。
「桃山先生!!」
ドアが派手に開き、息を切らした灰些が入ってきた。
腰まである青色の髪を靡かせながら、まだ29歳の室長邦江は灰些を見て驚く。
「どうしたのですか?そんなに慌てて。」
邦江はおっとりとした口調で話しかけ灰些を見つめる。
「勝手ですがお願いがあります。」

「学校を1週間休ませてください!!!」

灰些は土下座をしながら邦江に無理な交渉をする。
邦江はキョトンとした表情で灰些を見ると、首を横に振る。
「それは、行けません。施設にいる以上、あなたはここのルールを守らないといけない。あなただけ特別扱いするのは無理です。」
邦江は灰些に近づくと、頭を優しく撫でた。
「・・・・でも、そんな頼み方するのは君らしくないです。何かあったのですか?」
灰些はその時、肝心なことを思い出した。

理由をどう説明すればいい?

「殺し屋の遠征任務にいきまーす」なんて言ったら大変なことになる。
灰些は頭を上げ、純粋な目をした邦江の優しい表情を見る。
こんな人に嘘はつけない。
灰些が困っているその時だった。

「失礼します。」

ドアが開き、殺し屋の先輩である大沢鈴愛が入ってきた。
鈴愛は邦江に礼をすると、邦江は笑顔で鈴愛と握手をする。
「久しぶりですね!!どうですか?」
「私はいつでも元気ですよ。会社でもうまくやってますし・・・」
邦江は灰些を見ると、灰些も知っている鈴愛を紹介された。
「この人はこの施設出身の鈴愛さん。隣に建ってる保険会社で働いているのよ。」
なるほど・・・。この時、邦江が鈴愛が殺し屋であることを知らないのが分かった。
「失礼ですが、邦江室長。その子と少しお話しても?」
「え?構いませんよ。」
鈴愛は灰些の腕を掴み、一旦室長室から出た。


鈴愛はある程度室長室から離れた廊下の隅に灰些を連れてきた。
「な、なんですか?」
「遠征メンバーが決まったわ。」
鈴愛の言葉に、灰些は呆れてため息をつく。
「はいはい・・・僕は含まれていないし意味がな・・・」

「あなたも遠征メンバーよ。」



「え?」



灰些の動きが止まる。自分が遠征メンバーに選ばれた?
灰些は嬉しさの前に疑問が浮かんだ。
「なんで俺が・・・」
「さあね。失地さんはあなたに青葉、流沙や私も選んだ。総勢10名で関西に行くことになったわ。」
「え、ちょ、学校あるんですよ!!」
「それを交渉するために来たのよ。あなたは支度しなさい。明日には向かう予定なんだから。」
鈴愛はそう言うと、足早に室長室へと戻っていく。
灰些は未だに呆然とし、現実を受け止めることができなかった。

Re: ━Solitary killer━6・7話うp ( No.19 )
日時: 2010/06/19 20:58
名前: 律零 (ID: EWcIN/Ij)

≪登場人物≫
失地悠 【シッチ ユウ】
コードネーム:ハヤブサ
関東を代表する最強の殺し屋。優しく誰にでも話すフレンドリーな一面を持つ。
殺し屋になった理由は不明。年齢は30後半。
背中に‘鷹’が描かれたコート、左目には眼帯をしている。ウェーブがかかった黒髪。
武器は2本の刀を使い、自身で編み出した‘裂罅回斬’という剣法を使う。


白銅流沙 【ハクドウ リュウサ】
コードネーム:ストーム
暗殺専門店‘ネメシス・ティシフォネ’の従業員。18歳。
多重人格者であり、裏の性格名は縛波(バクハ)。
武器は1万ボルトのスタンガン式手袋。


東雲続  【シノノメ ツヅキ】
コードネーム:クラウド
暗殺専門店‘ネメシス・ティシフォネ’の従業員。23歳。
マイペースな毒舌家であり、まったく会社に顔を出さない殺し屋でもある。
殺し屋界では‘情報屋’と呼ばれ、色々なことを知っている。


桃山邦江 【モモヤマ クニエ】
職業:施設室長
国立桃山孤児院の最高責任者。29歳。
清楚で清潔。腰まである青色の髪に瞳の色は茶色。
おっとりとした口調で話し、施設の子からは信頼されている。


本木麗奈 【モトギ レイナ】
職業:アナウンサー
日テレに勤める女性アナウンサー。
殺し屋の存在に気付き始め、独断で行動している。

Re: ━Solitary killer━キャストうp ( No.20 )
日時: 2010/06/20 09:45
名前: 律零 (ID: EWcIN/Ij)

【関西へ】

「はぁ・・・・」
灰些はため息をつきながら座席に座る。
邦江には学校1週間休んでも良いという答えが出たのでよかった。
しかし、問題は次だ。
灰些は隣に座る青葉に視線を向ける。
しかし、青葉は曇った顔をして視線を合わせようとしない。
それに、灰些の周りに座る殺し屋たちの間では異様な空気が漂う。
そう・・・・


全員が灰些が遠征メンバーに選ばれたことを疑問に思っているのだ_____


灰些自信も疑問を抱いている。
そんな不穏な空気を破るように、失地悠が全員の目の前に姿を現した。
「みなさん。作戦や説明は関西に着いてから話しますので、それまで満喫してください。」
失地の言葉に、全員はどうリアクションしていいか分からなかった。
しかし、そんな失地の優しい性格が灰些の救いだった。
メンバーは総勢10名。
灰些に青葉、鈴愛、流沙、失地悠はもちろん。
後の5人は灰些の知らない殺し屋だ。たぶん、失地悠の知り合いだろう。
灰些はそんなことを考えながら、関西に着くのを待つのだった。
しかし、この時気付くべきであった。


これから起こる_______




最悪の危機を______


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