ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 僕は偽善で俺は悪
- 日時: 2010/07/28 14:23
- 名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
小説を少しかじっているくらいのシンジです。
こういう系とかしか書けないので今回はダークな感じで何か書きたいと思いました。
趣味くらいで書いているから文章はあまり上手じゃないかもしれませんがそれでも頑張って書きたいです。
返信日はだいたい水曜と土曜。
僕は偽善で俺は悪
プロローグ 週末の楽しみ
1話 真実はすべて悪に近いもの
2話 仮定と言う名の感情に浸る
3話 本当は俺と言う存在が。
4話 神はこういうときにこそ
5話 光と絶望のセカイ
6話
7話
8話
9話
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- Re: 僕は偽善で俺は悪 ( No.2 )
- 日時: 2010/07/16 18:19
- 名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
1話 真実はすべて悪に近いもの
「・・・幸?居るのか。」
優人さんの声がドアの向こうから聞こえる。
「幸?」
「幸は居ない。」
俺は言った。
幸・・・あいつは俺の中に居る。今は出てくる気は無いらしい。
「・・・そう。」
優人さんは言った。
優人さんは幸の兄だ。
典型的な優等生。結構、幸想いなのに幸は何も解っていない。
俺は幸にどうこう言える存在ではない。
幸から出来たもう一つの人格だから。
だから名前は無い。
そんなものは要らないけれど。
「・・・幸・・・」
俺は幸に話しかけてみた。
反応は無い。
相当重症。
またやっちゃったみたい。
何をかって言うと・・・
幸の弟は昔に死んでいる。
幸と遊んでいる時に持病の発作が起こって死んだ。
幸はそれを自分のせいだと責めて、事実から逃げようとして弟の幻覚・・・あたかも弟がいるかのように。
そのせいで幻覚が見えるのだが幸はたまに死んだ時の事を思い出してしまって、こうなる。
けれど少し立てば幸はすっかり弟が生きているのだと思い込んでしまう。
俺には幸の思考回路を止めることなんてできないししたくないけれど、これ以上幸にこんな幻覚を見せたくなんてないと思う。
もう一つの作り出された人格のクセになんかすごく生意気って自分で自覚する。
けれどこんな俺でも幸のために出来る事がわずかながらある。
そう。俺はそのわずかの事をするために居る。
真実はすべて悪に近いものだから、その真実をなくしてしまうことが出来ないのならば、そんな真実を踏みにじってしまおう。
彼の
『代わり』
に
- Re: 僕は偽善で俺は悪 ( No.3 )
- 日時: 2010/07/20 16:52
- 名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
2話 仮定と言う名の感情に浸る
こんな俺がもし、本当の『幸』だったとしたら。
きっと俺はこの世の中の悪と言う悪を知らずに生きていたのかもしれない。
きっとこんな清々とした罪悪感なんかに囚われずにすんだのかもしれない。そう考えているうちはいつまでもこんな罪悪感から逃れる事は出来ない。
そのことはきっと誰よりも一番俺が知っている事なのかもしれない。といつもそう考えて、自分が実在する人物のように存在を示してみてしまう。
俺が存在できるのは幸の闇の中だけだから、存在価値について考えるだなんて愚かな事だった。そう悟ると俺はつかの間の『存在感』から追い出される。
俺はその感情に浸ってはいけないのに浸ってしまう。
そもそも感情なんかに浸ってはいけない。
ただの『代わり』だから。
あぁ。本当に存在できる事が——
また考えてる。
はっきり言って俺らしくない。
最近俺が俺らしくない。
らしいなんておかしいのだけれど・・・らしくない。
すごく最近らしくない。
もう『らしくない』しか言ってないのだけれどもらしくない。
感情なんてないはずの『俺』がすごく感情的。
ただの道具にしか過ぎない俺に俺の評価するだなんてほんっっっとらしくない。
なんだかんだ『らしくない』と言いながら仕事を終える。
最後の仕上げに菊の花をそこに放る。
「・・・」
俺はまた何かの感情に囚えられる。
涙腺が刺激される・・・なんて俺からすごく遠い世界。
でもその感覚がわかる。
・・・らしくない。
- Re: 僕は偽善で俺は悪 ( No.4 )
- 日時: 2010/07/21 12:14
- 名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
3話 本当は俺と言う存在が。
「・・・あのさ。」
幸に話しかけられた。
話しかけられる。と言う表現は合っていないのかもしれない。
言うならば語りかけられた。のほうなのかもしれない。
あくまでも俺は作り出されたほうだから。
「・・・?」
「また殺ったの?」
幸はそう言った。
そう聞かれてどう、答えろと言うのだろう。
何も知りたくないから俺が代わりに居るというのに幸は何も解っていない。
まぁ、それを理解のうえでこの状況と言うのも矛盾しているのかもしれないけれど。
でも、毎度それを聞かれるとさすがに俺の居る理由がなくなってしまう。
こんな理由だというのは悲しい事だけれど。
・・・悲しい?
居る理由なんてそれしかないのにどうして悲しいと思うのだろう。
「・・・」
思わずうつむいてしまいそうになる。
俺はいったい何をやっているのだろう?
そんな疑問が頭を過ぎる。
・・・あれ?俺って・・・
- Re: 僕は偽善で俺は悪 ( No.5 )
- 日時: 2010/07/25 16:20
- 名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
4話 神はこういうときにこそ
明日から夏休みだ!!
そう考えるだけでテンションがあがった。
学校が休みのイコールで弟と一緒に居られる。
僕はそう考えた。
学校なんて僕にとっては楽しいものなんかじゃないから。
弟と遊んでいたほうが楽しい。超断然。
そんなふうに一人、テンションを上げながら僕は学校へ向っていた。
——けれど今日は今日であり今日が始まりで終わりになるとは思っていなかった。——
そう。それは学校が見えてきたときだった。
学校の前には広い道路が一本、堂々とある。
その道路を渡らないと学校にはたどり着けない。
丁度、学校の前に横断歩道があるからその横断歩道を渡って学校へたどり着く。
登校時間だからたくさんの生徒達がここを渡ろうとしていた。
他愛も無い会話が聞こえる。
「・・・」
僕は一緒に学校へ行く人なんていないから、ぼーっとそこに突っ立って信号が青になるのを待つ。
——丁度青になった時、それは起こった。
僕らがいっせいに渡りだした時ものすごいブレーキの音が聞こえた。
「キキィィィィイィィィィィィイ——」
頭が真っ白になる。
目の前が一瞬で真っ暗になる。
僕がその音がしたほうを振り向いた時は、もう既に僕はこの世にいなかった。
神はこういうときにこそ、こんないたずらをする
- Re: 僕は偽善で俺は悪 ( No.6 )
- 日時: 2010/07/28 14:22
- 名前: シンジ (ID: 5oJbC9FU)
5話 光と絶望のセカイ
「僕は・・・」
一瞬の事で何も解らない。
今、起きた事をリピートさせる。
「キキィィィィイィィィィィィイ——」
鮮明によみがえるあの音。
音のしたほうを見たときにはもう既に僕は——
痛みや苦しみの中にはいなかった。
体が妙に軽い。
ふと、周りを見渡す。
ここは・・・
やけに明るい場所。
僕意外に誰もいない。
きっと何処まで行っても端にたどり着く事がないような地平線の見えない空間。
「・・・僕は・・・死ん・・・だの?」
それすら解らない。
ただ解ったのは——
絶望
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