ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
■漢字にルビが振れるようになりました!使用方法は漢字のよみがなを半角かっこで括るだけ。
入力例)鳴(な)かぬなら 鳴(な)くまでまとう 不如帰(ホトトギス)
- フルハンティング
- 日時: 2010/07/11 00:59
- 名前: うぃ (ID: dyesuMjg)
俺は路地裏に立っていた。
照りつける太陽が俺にだけ降り注いでいる。
そこには拳銃が落ちていた。
いや、俺が落としたんだ。
俺は何をした?右手が震えている。
生臭さ、血の匂い。
目の前には、血まみれの人だったモノがあった。
「うわぁぁぁあぁぁああぁぁぁ!!」
殺される!俺も殺される!!
逃げて逃げて、やっと人気のある場所に出れた。
だが、俺は取り囲まれていた。
・・・もういい。俺はよくやった。
照りつける日差しの中、銃声だけが響いた。
- Re: フルハンティング ( No.4 )
- 日時: 2010/07/11 22:40
- 名前: うぃ ◆047FkQvAf2 (ID: dyesuMjg)
朝の澄み切った空気に俺は驚かされた。
実に澄んでいる。うん、それ以上の感想は無い。
空も綺麗な青だ。
町中だが、空気を汚す車もほとんど走っていない。
誰もが歩いているか、自転車だ。
時代を感じさせる駄菓子もあった。
うん、少し覗いていこうかな。いやいや、なんか買わされたら、たまらん。
学校まで一直線に歩こう。
俺が今日から通う学校は、なんと!私服で良いと言うのだ!!
中学校なら制服がほとんど、私服なんてほとんど無い!
これは萌え・・・、いやいや可愛い服を着た女の子がわんさか・・・いやいやいや。
妄想はこれぐらいにしよう。そうだ。
登校してきた転校生がニヤケてたら確実に悪い印象を与える!
ここは笑顔だ!にぱ〜♪
・・・。笑っていたら、歩行者に変な顔をされた。
くぅ〜!恥ずかしい!
などとしていたら、いつの間にか学校だ。
意外にも迷わずに来れた。
「おお〜?転校生かな?」
すると、いきなり話しかけられた。
振り向けば、可愛い女の子ではないか!
スカートはフリルではあるが普通に町中を歩いてそうな感じで
服はこの寒さを感じさせない半袖だ。
「転校生かな?ようこそ〜!」
「あ、ああ。よろしく」
女子と話すのは、なんか緊張するな。
今すぐここを立ち去りたい!が、しかしぃ。
「名前なんて言うの〜?」
「あ、うん。えぇ、俺の名前は北原広大。今日からここの2年1組の生徒なんだ」
「えぇ!?じゃあ、あたしと同じクラスだねぇ!やった〜!」
友達を作りたくないのに、いきなり友達フラグが立ってしまいそうだ。
「あたしの名前は、咲!」
名前は咲って言うのか。しかし。
俺は傍観者でいいんだ。可愛い女の子達を見つめる立場にいさせてほしいんだ!
「じゃあねっ!クラスで会おうねっ!」
そう言うと、咲は走り去ってしまった。
少なくとも、退屈はしなさそうだ。
- Re: フルハンティング ( No.5 )
- 日時: 2010/07/11 22:57
- 名前: うぃ ◆047FkQvAf2 (ID: dyesuMjg)
なんとも、ありきたりな初ヒロインの登場だったが
可愛かった。しかし可愛かった。
そんなこんなで職員室。
初めて見合わせる先生方。
息が詰まるね。全く。
「北原君。新しい学校生活だけど、頑張ってね」
「は、はい」
また素っ気ない返事をしてしまった。
くだらないな。
新しい学校生活に慣れた時には、また転校だろ!?
俺はストレスが貯まっているのを感じていた。
・・・。
「北原広大です。今日から、よろしくお願いします」
自己紹介には慣れたものだ。
何も緊張などしない。
「じゃあ、北原君。左奥の席に座ってもらえるかな?」
俺は軽く返事を済ませる。
席につくまで、ほとんどの奴が俺を見ている。
みんなの目が嫌だ。
この、珍しいモノを、天然記念物でも見るような目にはウンザリだ!
そして、席に座る。
座った時には、みんな前を向いていた。
ホッとした直後、横から話しかけられた。
「広大くん!広大くん〜!」
「ふぇ?」
変な返事をしてしまった。
「ほらほら、朝会ったでしょ?」
「ああ、君か」
なんともまあ、アニメ的な話なんだろうか。
朝話しかけてきた美少女が俺の隣の席。
もう友達フラグは避けられない。
「改めて、よろしくね?」
「よろしく」
こうして、新しい学校生活がスタートした。
- Re: フルハンティング ( No.6 )
- 日時: 2010/07/11 23:41
- 名前: うぃ ◆047FkQvAf2 (ID: dyesuMjg)
1時限目が終わると、またいつものように、
エサを見つけた動物のような奴らが俺の周りに集まってくる。
質問されるのはいつも同じ内容・・・。
何色が好き?それをわざわざ聞きに来たのか?
前はどこに住んでたの?なんで教えなきゃならない?
誕生日は?それを教えてやっても、すぐに転校だったせいで祝ってもらった事など無かった。
質問の一言一言が俺をイラつかせる。
くだらない。実にくだらない。
だが、俺は素直に答えた。
何をしてるんだ、俺は。
やっとみんなからの質問責めが終わった。
毎度疲れるな。
「あははっ、いきなりみんなが集まってきて驚いたでしょ?」
全くだよ。
こんな奴らの中で一番、咲がマトモに見える。
「楽しい子達なんだよ〜?お友達お友達〜!ね?こーくん」
「こーくん?」
「うん!広大だからこーくん!」
気恥ずかしさで蒸発しそうだ・・・!
今まであだ名なんて付けた貰った事が無かっただけに嬉しい。
「あれぇ?こーくん顔真っ赤ぁ」
「う、ウルサいな!」
そして、彼女は笑った。
- Re: フルハンティング ( No.7 )
- 日時: 2010/07/13 02:36
- 名前: うぃ ◆047FkQvAf2 (ID: dyesuMjg)
「おお、さっきぃ!さっそくテンコーセイと友達になれたのかい?」
また女子だ。
モテる男は困るぜ・・・。
「あぁう、むうちゃん!紹介するねこーくん、この子は安里夢有。むゆうだからむうちゃん!」
「ま!気軽にむう様って読んでよ!」
「様付けのどこが気軽だよ!?」
「おお、ナイスツッコミだよこーくん!」
むうは思いっきりの笑顔だった。
眩しい奴だな。
「よお、転校生」
やっと男子が話しかけてきてくれた!
しかし、不良っぽい奴で、目を見て話せないな。
いや、顔はイケメンだぞ?
ウホッ、イイ男・・・。ではないからな。
「いきなりクラスメートのほとんどに話しかけられて困ったもんだろ?」
「あははは、全くだぜ」
的を射ている発言だ。
心の内のそのままだ。
「新しい仲間が加わったからね!今日は盛大に騒ごう!」
「「オーッ!!」」
「お、オーッ!」
そして、初日が終わった。
下校の帰宅道、咲が走り寄ってきた。
「はぁはぁ・・・、ふぅ。一緒に帰ろ?私もこっちなんだ!」
「え?いいぜ」
「うわぁいっ♪」
ただ一緒に下校する、というだけでここまで喜んでくれるのか。
「ねぇ?学校には慣れた?」
「1日で慣れたら苦労しないよ」
「怒っちゃったかな?確かにね。1日で慣れたら苦労しないよね」
へへへっ、と笑う顔がもう可愛くて仕方なかったが理性が止めてくれた。
やめろ広大悪!犯罪者になる気か!?
ええい!黙れ!指図するとただじゃおかねぇ!
てめぇの方が黙れ!!(バキグシャドカーン)
とまあ、こんな感じだ。
さすが俺の理性。俺の妄想を一瞬ノックアウトだぜ。
「可愛いなぁ、咲は」
ふいに口から出た。
俺なんつった?可愛いな?
みるみるうちに赤くなっていく咲の顔。
「あ、あわわわわわわわわわわわわわわわ!!はぅぅはぅ〜!!」
壊れた!咲が壊れた!?
「お、おい落ち着けって!」
「ひゃうっ!はうはう・・・。ふぅ」
車のキューブレーキがごとく停止した。
驚いていたら、咲がなにやら怒っているようだ。
「もうもうもう!いきなりなに言うの〜!?は、恥ずかしかったよぉ・・・」
「すまないすまない」
軽く返事をしてあげる。
咲は、俺の謝罪に心がこもってないと分かったら
すぐに頬をぷ〜っと膨らませた。
「あ、そういえば!」
「なんだよ?」
「こーくんの家ってうちのすぐ近くだよね。近隣の人達が騒いでたの知ってるもん」
「へぇ、確かに、なかなかの大きさの家だしな。俺の家って」
「だからね。その、あ、あたしと一緒に登校しよ?ね?」
「ふぇ!?ああ、あばばば!う、うん!いいぜ!!」
さんざんキョドった上に最後が裏声で変になってしまった。
「じゃあね!こーくん!」
「じゃあな!」
分かれ道で咲と別れる。
女子と待ち合わせルンルンルンッ♪
あ〜、楽しみだなぁ!
と、最初の頃の発言を覚えていない俺だった。
スキップしそうなぐらいルンルンの俺に近づいてくる一代の車。
それは、ちょうど俺の横で止まった。
「あの、すみませんが」
「え?はあ、なんでしょうか?」
「この付近で、リンチ殺人があったって通報があったんですが、何か知りませんか?」
リンチ殺人!?
「いえ、知りません」
なんて物騒なんだ。
ここは平和だと思っていたが、殺人事件がこんな近くで!
「知らないならいいんです。呼び止めてすみませんでした」
そう言うと、車に乗った男。多分、警察だろう。
彼は行ってしまった。
どうやら、色んな人に聞くというより、子供に聞いて回ってるようだ。
「物騒だな」
口に出して言った言葉が真実だ。
- Re: フルハンティング ( No.8 )
- 日時: 2010/07/16 00:16
- 名前: うぃ ◆047FkQvAf2 (ID: dyesuMjg)
帰る途中、何かの悲鳴が聞こえた。
どうやら、喧嘩してるらしい。
恐る恐る、曲がり角を覗いてみる。
・・・そこは、血が散乱していた
「ひっ・・・!」
声を出さないようにしたが、相手は気づいていた。
ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい!!
必死に家への道を走る。
家を目の前にした所で振り返る。
あいつはいなかった。
そして、あるおかしい事に気づいた。
「なんで、道に響くほどの悲鳴がしているのにここの人達は通報しないんだ?」
まるで、その血が散乱する場所を分かっていて
触れないようにしている人達。
おかしい・・・。
「考えても、仕方ないよな・・・。夢だよ。そうだ、夢だ」
自分に言い聞かせ、自室に入る。
そろそろ、面白いゲームがほしい。
「新作ゲーム、ねだってみようかな」
・・・。
ええ、見事に断られました。
あまりの怒り様に俺半泣きでしたよ、えぇ。
「暇だなぁ」
そう言いながら持っている17禁ゲームをプレイする。
普通、俺が持っていてはいけないのだが、世の中買ったもん勝ちさ。
これは、複数いる敵に感づかれないように進み。
全滅させるという、ルールはいたってシンプルだ。
だが、敵との駆け引きがなかなか面白い。
物陰に隠れて敵の出方を見る。
出てこないなら手榴弾で威嚇などなど。
だが、そんなゲームもやり尽くしてしまった。
最高レベルにしても、楽勝ではないにしろ勝ってしまう。
つまらないな。
明日、あいつらに何か面白いゲームがないか聞くかね
この掲示板は過去ログ化されています。