ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- Hated .オリキャラ募集中
- 日時: 2010/11/03 18:16
- 名前: 葵 (ID: NRAsdfzb)
Hated
【憎しみ、酷く嫌う、嫌悪、憎悪、非難】
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クラス名簿 2-1
1 相沢 大樹 13 瀬川 真未
2 井上 梨奈 14 世高 亜矢
3 岩井 利揮 15 滝川 良樹
4 江川 亮子 16 津木 琢磨
5 尾崎 柑那 17 戸梨 実怜
6 音無 流花 18 戸田 嘉人
7 柿谷 直人 19 野河 明
8 金沢 貴史 20 福田 灯里
9 喜沢 凛 21 樋口 祥子
10 窪 明日香 22 三山 和喜
11 桜本 慶太 23 山口 弘樹
12 三箇 皐月 23 山田 百華
24 山園 梓
以上、男子11名、女子13名、総員24名
主人公
音無 流花 / おとなし るか / ♀
身長156センチで髪色は栗色。ストレートのロングヘア。
ノリが良くて明るい。嘘を吐けない性格。
正義感が強くて友達が多い。勉強は全くしない。
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♯01 ゛遠い過去へ、過ちの謝罪と始まりを゛
>>1 >>2 >>3
♯02 ゛夢物語と現実゛
>>4 >>5 >>7 >>8
間詩 >>6
♯03 ゛死人に梔子゛
>>10 >>13 梓視点>>16 (視点戻ります)>>19 >>20
間詩 >>14
♯04 ゛古びた記憶の物語゛
更新前
♯05 ゛約束、そして消え行く痕跡゛
更新前
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オリキャラ募集中
実際の登場人数は1〜4人ですが、
何人応募されてもOKです。
そうゆう事なんで、私のオリキャラ登場しませんでしたー!って人も出てくるだろうけど、その辺は悪しからず。
外人さんとかでも凄く歓迎。まぁ何でもアリです。
登場方法としては転校生とか先生とか関係者とか、キャラに合わせて登場頂く予定です。
名前/ /振り仮名/ /
性別/ /
容姿/ /
性格/ /
希望の登場方法/ /
サンプルボイス/ /
/ /
/ /
(希望に添えるとは限りません)
- Re: Hated ( No.1 )
- 日時: 2010/09/12 19:39
- 名前: 葵 (ID: NRAsdfzb)
第1話
゛遠い過去へ、過ちの謝罪と始まりを゛
「暇暇暇ヒマ、超ヒマーっ!暇過ぎて死にそう!梓どうすればいい?!」
「目線に入ってから10秒以上居ない流花の事だし暇よりも忙しいんじゃないの?」
「え、あたし10秒くらいは居るよ。」
「いや、嘘だね。てか暇ならグラウンドで遊んで来い。」
「・・・だからぁ、つまりあたしは超絶暇!なんか面白い事してよーって意味!」
暇=人類の敵なのだよ全く。そう流花が続けた。
登校後の担任が居ない間、いつも教室内は騒がしく生徒達の声が響いている。日常的にその時間はあり、学校の無い日を覗いてもほぼ毎日この時間は騒がしい。
その中で席の近い梓と流花は、流花が梓の席の前に持っていた椅子に座りながら他愛も無い話をしていた。
しかしそれは彼女達にとっては楽しいもので、下らない事で笑ったり、大ニュースと騒いでみたり。
教室の戸を担任が開くたび、さっと綺麗に全員が座っているのは笑えるが。
「じゃあ・・・うーんと、あ。」
こほん、頬杖を付いていた右手で宙を指差すと、梓がそう言った。
思いついた様に離れていた目線がしっかりと流花へと向けられる。
「怪談話、とか聞く?」
「ちょ、あたしその手の物無理!怖いじゃんっ」
にっこりと悪い笑顔を向ける梓はドえ・・・じゃなくて悪魔。
椅子に座ったまま自分の席へ移動しようとすると梓に肩を掴まれる。
「暇でしょ?」
「え・・・あのやっぱ暇じゃな」
言い終わらない内に、ずりずりと椅子を引っ張られて元の位置に戻された。
冷や汗をかいてもどうにもならない事はならなかった。
梓さん。やめて下さいほんと私恐怖で死にそうです。
- Re: Hated ( No.2 )
- 日時: 2010/08/20 16:24
- 名前: 葵 (ID: NRAsdfzb)
「折角だから皆も呼ぼうかな。亜矢、実怜ー、良樹ー!ちょっとこっち来て。」
後ろを見て亜矢達を梓が呼ぶと、ががががと椅子が派手な音を立てて引き摺られる音がした。
そして集合とは言わんばかりに机の周りに椅子と皆が寄って来る。
実怜は席が遠かったため、直接梓の机の横に立って見下ろす状態だった。
半分座る?と梓が聞いた所、いいよと実怜は断る。
「梓の恐怖!ホラー話、始まり始まり〜っと。」
「うわぁ何そのネーミングセンスの欠片も無い。」
亜矢がそう言い返すが、梓は無視。
「てゆうか流花こうゆうの苦手じゃなかったっけ。」
実怜がそう視線を変えてそう言うと、梓の机の上に頭を項垂れて乗せていた流花が反応する。
「え?あ、うん。梓やめ、死ぬから止めてぇぇ!」
「嫌に決まってるじゃない。」
断固拒否とはこの時に使うべき。
きっぱり言い返されるとはぁ、とため息を着いた。
「しゃーないしゃーない頑張り。あたしも聞いたるから。」
「何その優しそうで優しくない言葉。」
周囲から笑いが零れると、遂に梓のホラー話になる。
「んじゃあ今から・・・って言うか、皆にも協力して貰って試したい事とかあるんだけど。」
「うう、何それ私はやらなくてもいいよね。」
「はいはい皆やるの!ほんとはもっと大勢でやってみたかったけどさぁー。今から出来るし、大丈夫だって。」
「・・・まぁそれなら、いいけど。怪談は?」
「ええっと、後で後でっ。」
梓が取り出したのは1冊の表紙が薄汚れた灰色の本。相当分厚いっぽかった。
それをペラペラと何ページかめくると、白い背景の中に丸を象った変な模様と、読めない文字がページいっぱいにあった。
「皆でやるのはコレなんだけどー。」
梓が一つ前のページをめくった。其処には日本語の見慣れた文字で書かれた何か。
「此処に方法書いてあるの。」
「オカルトっぽー。」
「はいそこ黙る!んでねー、やり方が・・・・、」
- Re: Hated ( No.3 )
- 日時: 2010/08/23 02:55
- 名前: 葵 (ID: NRAsdfzb)
「よーするにぃ、交換日記して下さいって意味?」
「何それちゃっちい。」
梓が意味の分からない説明を始めて数分、実玲と良樹が口を挟んだ。ちなみに私が理解できたのが悪魔がうんたらかんたらでその呪いがどーとか、とか。
まぁそのくらいしか解読不可能だったワケで。
むしろ私が気になっていたのは話の中身じゃなく、本の出所。
何処からそんな物持って来たのか。
本屋とかに普通に売っては無さそうだし、あんなボロボロだから図書館にも置いておけなさそう。
暗い灰色をした、仄かに文字が浮き出た表紙。
いつもの私ならこんなの怖すぎるとか言って教室を飛び出しそうなのに。
何故かは分からない。けど、とても。懐かしいような、そんな奇妙な感覚が私の中にあった。
「まぁ、実際やるのはそんな所。んでまぁ、この陣に皆で手をかざして、こう言うのよ。゛Hatred゛ってね。」
「気味悪い響きだねぇ。」
「やろうよ、皆早く。」
言葉にするより先に、体が動いた。
まるで大好きな玩具を目にして飛びつく子供のように、目を輝かせて。
「・・・おい、流花?」
良樹が疑問を口にする。だけど、止まらない願望。
1番先に手を伸ばしたのは梓、次に、私。
そして、続いて良樹、実玲、最後には亜矢が手を伸ばす。
そして梓が微笑むと、行くよ、と言った。
「゛Hatred゛」
これはまだ、私達が笑っていられた時のこと。
ごめんなさい、そう言うのはまだ早いけれど。
もう引く事は出来なかった。
選択肢は、絶望するか、前に進むか。
迷っている間に劇は進んでしまう、大切な物は、次々と失われてゆく。
台本に書いたシナリオを変える事は出来ない。アドリブを何かしたって、大抵は無視されてそのまま進んでしまうから。
ごめんなさい。そう言いたい。
そして、これから訪れる貴方の不幸な運命に謝りたいと思う。
行く先はBud end。
幸せな物語の最後など、ありはしない。
- Re: Hated ( No.4 )
- 日時: 2010/08/22 22:32
- 名前: 葵 (ID: NRAsdfzb)
第2話
゛夢物語と現実゛
足が痛い。呼吸が、速くなる。
全身を打つ冷たい雨が、体温を奪っていく。
肩にぱっくりと開いた痛々しい傷痕は、今もズキズキと痛んで血を流している。所々破けた血まみれの制服は、雨で色が薄くなっていた。
何でこんな事になってるの。私、何で此処に居るの。
何で、何で、何で。
必死に思考を巡らせる。その間にも、足を一瞬たりとも止めてはいけない。
止めてはいけない。そう、止めたらお仕舞いだ。
「ったくいい加減に・・・。」
それにしてもしつこい。絶対、追い着こうと思えば追い着けるのに。
私のペースはもう随分落ちている。それなのに、一定の距離を保って、たまに危なっかしい鋭利なナイフやら刃物を投げてくる。
当たったら一発で私の人生即終了だろうな。そんなもん刺さったら痛さでもう動けないのは確定だ。
奇跡的にも当たったのは肩だけ。ナイフが擦っただけとはいえすんっごく痛い。まぁ刺さるよりは幾分かマシな方か。
映画のシーンで刺さったのを思いっきり抜いたら血が滅茶苦茶出てきて出血多量で死亡なんてのがあったような気がする。ああゆうイメージで刺さるより擦れるの方がダメージ少ないみたいな。
とにかくどこぞの物騒な野郎に滅多打ちにされて死ぬなんてのはごめんだ。
冷静に考えて、そう、思い出せ。
消え去る風景に目を移す。さっきはまだ太陽も出て明るかった筈・・・なのに、今は夜だ。それに雨も降ってる。
私が制服を着ているのは、今日は学校があったからで—
それで、それで、それで。
皆が居て他愛も無い事喋って、休憩時間に。あれ、何やってたんだろう。思い出せない。
気づいた時には、もうそいつは居た。
急ぐように足を速める。街灯に照らされた後ろの影はずっと同じ大きさだ。
家まで距離は少ない。そう急がずともすぐ着く。だけどこの時ばかりは長く感じた。我慢出来なくて走り出した。それが間違いだったのかもしれない。
気付くと街灯なんてこれっぽっちも見つからない暗闇に出た。私があまり目を向けないだけで、本当は建物や町が転がっていたのかもしれないけど。
逃げていた。必死で逃げた。
雨なんていつ降っていたのか。冷たいとこの体が感じるようになったのはいつだったか。
それをも思い出せないほどに長く走っていたのか。止まる事のない足音が、嫌と言うほど自分の耳に響く。
息はとうに荒くなっている。この体力がいつまで持つだろうか。
目の前の視界がぐらついて歪んだ。
もう、終わりしかない。
揺れる暗闇の中で、止まったような空間の中で。
鋭利なナイフはもう私を貫いている。
—・・・い・・・が・・・ごめ・・・。
何を言ってるの。聞こえない。聞き取れない。
あー、って言うか私大丈夫なんかな。血おもくそ出てるんだけど。なんか、でももう痛くないし大丈夫かな。
—憎いだろう?
・・・・みは、それを・・・・・か。
何を。
私何にも憎くはないし恨まれるような事してないんだけど。取りあえず助けてください。
—だから、受け入れなくてはならない
はぁ?
訳が分からない。此処から出してよ。
—だから、もう・・・・で・・・・だ。
真実を知る、のは、まだ早い
言葉が上手く聞き取れなかったのは、薄れてゆく私の意識のせいか、それとも得体の知れない相手が途切れ途切れに話していたのか。
重要な事は聞こえないようにしてたのかもしれない。
相手じゃなくて、私が。
知らなくても良い事なんだって、その時ばかりは、思ってたんだ。
ぷつん、丁度そんな感じの音が私の中で鳴って、薄い意識は、暗い闇の中へ消えていった。
- Re: Hated ( No.5 )
- 日時: 2010/08/22 23:23
- 名前: 葵 (ID: NRAsdfzb)
「痛ったぁぁぁぁぁぁぁい!!!」
うわびっくりした。って言うか私の声かよ。
「あ、やっと起きた。」
「酷い実玲!やっとって何やっとって!!何も蹴る事無いじゃん!しかもご丁寧に足で!!
なんか今すんっげぇ悪夢見たのにどうしてくれんの!」
「うるさいなぁ。なーんか大変だったんだよぅ。あれから流花と梓も倒れちゃって。」
「え、嘘。」
「んーでねぇ、気分悪いみたいなんで保健室に連れて行くわって友達に言っといて、流花背負って此処まで来てさー。健康そうになっていびきかいてたから蹴ってみた。」
良かった。ほんと良かった。夢だったんだ。漆黒と絶望と虚無が入り混じったような世界の中、あのまま居たらどうなってたんだろう。そう考えると、不安で仕方が無い。
でも私が目覚めたのは実玲のお陰・・・なのかな、どっちかって言うと現実に引き戻されたって感じだけど。
僅かな疑問。だけど、夢である事に変わりは無かった。一旦、ほっと胸を撫で下ろす。此処まで心配なのは何故か、だってあの夢、本当の現実みたいだった。地面を蹴る感触も痛さも怖さも全て、現実だとしか思えなかった。
ぎこちない動きで自分の両手を見つめると、夢だったんだって、安心出来た。
「あー・・・なんか、ごめん。色々と迷惑掛けたみたい。」
「そうそう、ほんっと大変だったんだから!」
隣にあるのは、いつもの実玲の笑顔。
白い布団を乱暴に除ける。ほんとコレ暑いったらしょうがない。冷房が入っているとはいえ顔は汗だく。
「梓は?」
「まだ寝てる、起こそうとしても起きない。って言うか、なんか流花と違って具合悪くなってるみたいだったから、病院送り。」
「・・・、そっか。」
はぁ、と息を吐く実玲。多分、梓の事気にしてるんだろうか。私も、そうだ。
大体私、休憩時間に梓と皆と怪談話とかしてて、梓に呪いの本的なものでなんかしようって、誘われて・・・。
其処から意識が途絶えた筈。どうも、関係があるとしか思えなかった。曖昧な記憶だけれど、さっきまでよりははっきりと覚えている。
間接的な繋がりは無いとしても、やっぱり何かあるんだと思う。
ベッドに座りながら俯く。ただ、沈黙が流れた。
「良樹が流花の事随分心配してたみたいよぉ〜?」
「な、え、ちょっ、馬鹿じゃないのっ!!しかも何故このタイミング!」
「あぁうん。なんかさ、そーゆうトコ丸分かりだよね。」
「何をッ、もうやめて意味深な事つぶやかないでぇぇぇ!」
「ごめんごめん、軽い冗談。なぁんかしんみりしてたからさ。でも梓も絶対大丈夫だって。」
こういう時、実玲みたいな友達が居てくれて、良かったって思えるな。ちょっと馬路で驚いたけど。
私に気使ってくれてるみたいなら、悪い事したかなーって、思っちゃうけど。
「そうかなぁ。あの、さ。私ら倒れる前にやった事、覚えてる?」
「うん。覚えてる。」
「ちょっと夢かもーって思ってたんだけどさ。その・・・やっぱり、関係あるっぽいのかな。私、こんな事聞くの変かなぁ。」
「否定はしないよ、けど、私は無関係だと思う。」
「何で。」
「それ聞く?」
「聞く。」
「だって、常識的にありえないじゃない。もしそれが原因だとしても、今そんな事考えてる場合じゃなくて、偶然だって思う方が、気持ちは軽くなるんじゃない?
どうせ、どっちか分からないんだしさ。」
確かに、そう。だけど私は、それが原因だとしか思えない。きっと梓も、ううん絶対、私と同じ夢を見た。でも分からない、何処から夢で何処が現実?考えれば考えるほど、頭の中はごちゃごちゃに混沌していく。
「まぁ、色々と余計な事考えるのは良くないよ。もう授業終わっちゃったし、帰ろ。」
「・・・うん。」
最終的に出た言葉はそれだった。梓の様子を見に行こうかと考えた。でも、ごちゃごちゃしてる内に行っても、何にもないと思う。落ち着いてから行った方が良い。
授業も半分程度しか出ていないけれど、酷く疲れた。
梓の事は心配だけれど、それと、あの事も気になるけれど、今日はゆっくり休もう。
あとはそれから、考えれば良い—。
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