ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
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- 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等
- 日時: 2010/11/08 17:32
- 名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)
Hello. 夜深(よるみ)と申します。
これは短編集です。
わりとゆっくりしか更新できないと思いますので、気長にごゆるりして行ってください♯
第一幕「スベテ。」>>1
第二幕「レンアイカンジョウ。」>>2
第三幕「詩々涙涙。」>>4
第四幕「憎いほど。」>>5
第五幕「壊れて。」>>6
第六幕「BADEND...AND?」>>7
第七幕「線香花火の想い出。」>>8
第八幕「落ちた空。」>>9
第九幕「一緒、遺書。」>>12
第十幕「暗いcry、空。」>>13
《THANKS!》
月鈴さん
時雨さん
- Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.4 )
- 日時: 2010/09/19 10:26
- 名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)
第三幕「詩々涙涙。」
あたし、詩を書いたんだ。
君への長い長い詩。
「春風を吸い込んで 舞い上がる桜に見惚れた春に
私は君と出会いました
夏空を見上げて 立ち込めた海風が心を締め付けられる
そんなとき 私は君のことが好きだと確信しました
秋の夕暮れ時には寂しくなって泣きました
私は君を見たいのです 私は君の声が聴きたいのです
雪に埋もれて 愛を描いた隙間に
私のこころを優しく撫でたのは君の手でした
ずっと好きなことを言えず 時には嘘を吐いていました
今まで言えずにごめんなさい
ぐずぐずしている間に もう春風が窓をくすぐっています
気付くのが遅すぎたのでしょうか ごめんね」
永久に続く思いを綴った詩だから
どうせ届かないし 届けられないんだ
そう思えば 自然に溢れてくる涙が
私の君への気持ちを一層ふくらませた。
- Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.5 )
- 日時: 2010/09/21 20:13
- 名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)
第四幕「憎いほど。」
憎いほど君が好きだ。
死にたいくらい、殺したいくらい君が好きだ。
相手のことを殺したいくらい愛してるだなんて、狂ってるかな
でもほんとに好きなんだ
私は
月の下で夢を見る
君の家の窓を開けて 君を見守る私。
私が君の寝息が聞こえるくらいに君に近づくと、君は少しだけ頭を動かす。
それに驚いた私はつい、部屋の電気のボタンを押してしまう。
そこで夢はおわり。
君の家に侵入するなんてそんな怖いことはしないけど、君にもっともっと、近づきたい
・・・そんな気持ちは心のどこかにあった。
星が光る、空。
「綺麗だなぁ」ってひとりごと言って
君の携帯に連絡をする。
「ねえ、空見てる?」なんてね。
ほんとは君の携帯番号も、家も、君の名前も、私は知らない。
・・・どうしようかな、さっきの夢が正夢になっちゃったら。
- Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.6 )
- 日時: 2010/09/21 20:22
- 名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)
第五幕「壊れて。」
届かない空 手紙 君
届くはずの無いこの気持ち
宙ぶらりんに持て余したまんまで。
夕焼けが身体に染みて、目に染みて痛い。
僕は自分らしく、僕のできることだけやった。
だから、僕は自分のクラスで輝けた。
なのに。まだ君には、僕の気持ちが届いてないみたいで。
心のポストのミスかな?
・・・いや。んなことはないか。
どうしてだろう。僕は君のことが気になってるのに。
こういう感情をどういうのだろう。
切ない?泣きそう?死にそう?
明日は世界が壊れる日。
君が押した大きな赤いスイッチが一気にONになって、僕のつくったちっぽけな世界が
一瞬にして、消える。壊れる。そんな日。
書きたいことだけ書き殴って、
天井に張り付いた文字たちをぶん殴りながら
自分の気持ちや心の中を一生懸命書いた。
君の押すスイッチが赤なら
僕の世界は壊れる。
君の押すスイッチが青なら
僕の世界は壊れない。
僕も君も、壊れてしまえばいいのに。
ってそんなのは無理なんだ。
僕も君も壊れれば僕が、こんなにかなしい気持ちにならなくても君の頬を塩水が伝わなくてもいいはずなのにな。
一番眩しい太陽の光を思い切り吸い込んだ朝は
君の下駄箱へと向かうんだ。 真っ先に。
- Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.7 )
- 日時: 2010/09/22 22:18
- 名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)
第六幕「BADEND...AND?」
あたしは夢のなか
突き落とされた。誰かに。
あたしは泣いていた
幼いあたしは泣いていた
強さなんか知らずに。
誰よりも一番になりたかった運動会の徒競走。
あたしはこけた
どうしよう、どうしようこけちゃった。
膝から流れ出た赤い液は砂粒と一緒にこころへ流れていった。
痛いよ、痛いよ。
だからあたしは泣いた。
これが最悪の寸劇。
あたしは夢のなか
頭を撫でてもらえた。君に。
あたしは泣いていた
今のあたしは泣いていた
弱さなんか振り捨てて。
誰よりも君のことを想っていた秋の夜長。
あたしは空を見た
どうしよう、どうしよう泣いちゃった。
瞳から流れ出た透明の粒は星屑と一緒に夜空へ流れていった。
かなしいよ、せつないよ。
だからあたしは泣いた。
これが最悪の寸劇。
でもね。
明日からは変わる。
残酷な朝日を浴びて、あたしは変わる。絶対に。
- Re: 青い、ちっぽけ、ボンクラ。 不安定な僕等 ( No.8 )
- 日時: 2010/09/22 22:28
- 名前: 夜深 ◆2C0BmKQq3I (ID: a6i4.RaK)
第七幕「線香花火の想い出。」
映画のように寂れた景色。
誰かと誰かの喧騒のなかで
いつだってそこにあった夏の風。
いつか消えてしまうことを怖れて、
僕は線香花火を握り締めていた。
八月二十七日の夜
甘い赤い綿あめ。 爽やかなブルーのかき氷。
黄色く釣り目の狐面。 よく当たるダーツ。
楽しいもの並べ立てた夏の日。
あの日の残像を繰り返し、繰り返し、思い出す。
揺れる向日葵。滲む汗。白く光る入道雲。
ミライに向けて埋めてみた小さなタイム・カプセルのなかには
癒えないままの気持ちと言えないままの言葉が沢山詰まっている。
今度、それを開けるのはいつかな?
分からない。 今、僕は何をしているのかを。
分からない。 今、僕は何をすべきなのか。
本当は全部知っている。
僕は素直になることが目標で、
君を見つめていることが大切だってこと。
二人で手を繋いで帰った夕焼け。
いつまでも色あせない、あの夏
空に舞え、線香花火
汗に燃えろ、消えないままの小さなひかり。
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